ネコ   作:ミーちゃん

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アンキパンが欲しい。もしくは、ほんやくコンニャク。

誤字報告感謝。2021年6月9日に誤字修正しました。
再度誤字報告感謝。2022年3月22日に誤字修正しました。
誤字報告感謝です。


6話 ネコと悪魔

△月□日

 

 あの猫もどきを見失った後、吾輩たちは美夜子さんに出会った。

 

 美夜子さんは妖精が着ていそうなピンクと白のグラデーションが綺麗な服を着た美人で、消えた黒い流星と爆発音を耳にしてやってきたそうだ。

 吾輩たちが見た猫もどきについて話を聞きたいというので、吾輩たちは美夜子さんについてくことになった。んで、美夜子さんの家に着くと満月牧師と言う人が出迎えてくれた。吾輩とドラえもん、のび太は知らなかったのだが、かなり有名な人だったらしい。そして、満月牧師曰く吾輩たちが見た黒い流星と猫もどきは悪魔族の可能性があるそうだった。

 悪魔族とはなんぞや? 悪魔と何が違うのか疑問に思ったが概ね前の世界の悪魔と概念は変わらないように思えた。ただ、この世界の悪魔はきちんと実在し、魔界星という惑星に住んでいるらしい。まさかの宇宙人説だ。ノアの大洪水や恐竜の大量絶滅も魔界星の接近と悪魔族が関係しているらしい。この世界の悪魔族はめちゃくちゃ強そうだな。

 

 その後、満月牧師が解読中だった古文書をドラえもんが渡した『ほんやくコンニャク』でスラスラと読めるようになったり、逃げてる最中に怪我したジャイアンとスネ夫が美夜子さんに治療してもらって顔が緩んだりしていた。

 

 ドラえもんの出した『ほんやくコンニャク』は、食べるとあらゆる言語を自国語として理解できるようになるらしく文字も読めるようになるらしい。吾輩も食べてみたいと言ったら、あっさりわけてくれた。あまりにも簡単に渡すから「いいのか?」と聞いたら、「別に高くないから未来でまた買うよ」と言われた。そんな簡単に手に入るものなのか……。

 

 ジャイアンとスネ夫の治療が終わった後は、とりあえず皆帰ることになった。まぁ、ここにいても手伝えることなんてほとんどないだろうからな。

 

 

△月¥日

 

 今日は非常に雨風が強かった。

 

 昨日の夜も、日記を書き終えた後にかなり大きい地震があったし、魔界星の接近が原因なのだろうか。だとしたら、物凄い質量の星なのだろうな。というか、ドラえもんとのび太はいつになったら元の世界に戻すんだ? 元の世界に戻せば魔界星はなくなるからこの異常気象も無くなるだろうに。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 くっ……雨風が強すぎる。一時的に寝床を土管の中に移したが、雨が入ってくるし、風が強くて土管の中に移した寝床が吹き飛びそうだ。日記も満足に書けん。ドラえもん達に元の世界に戻すよう頼もう。

 そう思って千里眼どのび太の家を覗いてみると、庭の方でのび太とドラえもんにそっくりな石像が置かれ、その上に時計の絵が描かれた風呂敷をかけようとする赤いリボンをつけた黄色いタヌキがいた。

 ドラえもんと同じ猫型ロボットか? とりあえず移動しよう。

 

 空間転移でのび太の家の塀の上に移動する。そして、謎の風呂敷をかけた黄色い猫型ロボットに声をかける。

 

『おい、その石像に何をしているのだ? それはドラえもんとのび太のものだが』

 

「きゃっ! びっくりした。あなたは誰?」

 

『吾輩の名はクロ。超能力が使えるネコである』

 

「クロね、わかったわ。あたしはドラミ、よろしくね」

 

『ドラミか、了解した。それで、石像にかけたその風呂敷はなんだ?』

 

「これは『タイム風呂敷』と言って、この風呂敷をかぶせたものの時間を逆行させたり、進行させたりできるの」

 

『時間の逆行と進行だと!? いよいよ常識外れな道具が出てきたな』

 

 ドラミからタイム風呂敷についての説明を聞いてると、風呂敷の方からチンっという音が鳴った。なんだろうと思ってると、ドラミが風呂敷を取り上げる。すると、そこには石像ではないのび太とドラえもんがいた。

 

『ドラえもんにのび太!? まさか石になっていたとは……』

 

「気がついた?」

 

「「ドラミ / ドラミちゃん!!」」

 

「それにクロも!」

 

「どうしてここに?」

 

「セワシさんが言っていたの。お兄ちゃんの腹痛の原因は四次元ポケットにあるかもしれないからスペアポケットで中を覗いてみたらって、それで覗いてみたら、なんと石になった二人を見つけたってわけ」

 

『吾輩は元の世界に戻して欲しくてな』

 

「それで、二人は何がどうなって石になったの?」

 

 ドラミのその質問に、これまで経緯を説明するドラえもんとのび太。もしもボックスを使って魔法の世界にする話は吾輩も既知の内容だが、その後に悪魔族と戦ったり、魔界星に行って魔王デマオンに敗北したり、一緒に魔界星に行ったジャイアンやスネ夫、しずかちゃん、美夜子さんが捕まってしまい、最終的にメデューサという悪魔に石にされたらしい話は初耳だ。

 いつの間に魔界星とやらに行っていたのか。それに魔王デマオンの強さや魔界星とやらの特性にも驚いたが、一番はメデューサという奴だ。奴が我輩の寝床を結果的に壊した犯人だったか。悪魔族で人間の敵というのなら容赦無く攻撃できるというものよ。

 

「だったらもしもボックスがあれば解決ね」

 

「やったー! これで元の世界に戻せるね!」

 

「持つべきものは妹よ!」

 

 ドラえもんたちの話を聞いたドラミは、もしもボックスを取り出した。まぁ、元の世界に戻せばこの異常気象も解決するし悪魔族も消えるだろう。だが、そうしたら吾輩の寝床を壊したメデューサとやらに仕返しができなくなる!

 

『む…、できれば吾輩がそのメデューサというやつを懲らしめてからにしてほしいのだが』

 

 そう伝えると、三人ともに「なんで?」という顔をされた。理由を話したら、なぜかため息をつかれ呆れたような顔をする三人。

 

「えぇ……ん? 聞きたいんだけど、もしもボックスを使えば僕らは元の世界に戻れるけど、魔法の世界は…………そこにいるみんなはどうなるの?」

 

「それは…………」

 

 のび太の質問に対して返事を窮するドラえもん。それを見たドラミは、ドラえもんの代わりに答える。

 

「パラレルワールドになるのよ」

 

「パラっなに?」

 

「つまり、あっちはあっちでこの世界とは関係ない世界としてそのまま続いていくの」

 

 もしもボックスは世界を改変させるだけではなく、新たな並行世界を作り出すことができるのか。ふむ…吾輩、魔法事典で第二魔法を使えるようにしたけど、ドラえもんやドラミの道具があれば第二魔法を全て再現できそうだな。つまり、ドラえもんとドラミは魔法使いというわけか。

 

「そんなのダメだよ! それじゃ美夜子さんたちは僕らの助けが来ないまま、悪魔たちに……」

 

『奴隷にされるか食われるだろうな。満月牧師の話では悪魔に食べられたものもいたそうだし』

 

「戻ろう、ドラえもん」

 

「えっ?」

 

「忘れるところだった。僕、約束したんだ。必ず美夜子さんのパパを助けるからって、誓ったんだ、必ず美夜子さんを助けに戻るって!!」

 

「うん、戻ろう! 決着をつけるために!」

 

「なら、あたしも行くわ。二人だけだと心配だし」

 

『吾輩も協力しよう。メデューサへの仕返しも兼ねてな』

 

「「ありがとう、ドラミ、クロ!」」

 

 

 

 

 

 

 ……ということで、吾輩たちはドラえもんのタイムマシンを用いて魔界星に向かった。星が違うから重力や空気が心配だったが、特に問題はなかったな。美夜子さんたちが捕まっている悪魔の住む城に行く前に、魔界星の入り口で燃え尽きたという魔法の絨毯を回収しておいた。

 

『美夜子さん達を救出するにあたって、陽動する者と救出に向かう者に分かれる必要がある』

 

「なら、あたしとクロで陽動を担当するわ。クロもそれでいい?」

 

『ああ、構わん。派手に暴れれば、それだけ偉いのが来るだろう。そうすればメデューサにも会えるかもしれないしな。』

 

「わかった。ならボクとのび太くんは美夜子さん達の救出だ」

 

「うん。でも、どうやって向かうの? 『モーテン星』は通じなかったよ?」

 

「多分、匂いを辿られたんだよ。だから、今度はこれを使う。『石ころぼうし』!」

 

「石ころぼうし?」

 

『どのような道具なのだ?』

 

「これを被るとまるで道端の石のように周りから一切認識されなくなって、自分の存在を完全に消すことができるんだ。しかも、自分の声や足跡、匂い、触られていても認識できなくなるんだ。それに、時間制限もない」

 

「えー!!」

 

『モーテン星とやらの完全上位互換だな』

 

「どうしてあの時これを出さなかったのさ!」

 

「数が少ないんだ! ちょうど僕とのび太くんの分しかないんだ」

 

「なんでだよ〜」

 

『数の問題なら仕方あるまい。とりあえず、救出班は石ころぼうしをかぶって潜入。それから美夜子さん達を救出し、タイム風呂敷で直した魔法の絨毯で脱出という作戦だな』

 

「うん」

 

「あたし達は城の外で陽動ね」

 

『ああ。派手に暴れてやる』

 

 作戦会議を終了した吾輩たちは、作戦通り二手に分かれ、陽動に向かった。城の近くまで空間転移で移動したら、ドラミが巨大ドラえもん気球を出し、吾輩がそのドラえもん気球に乗って攻撃する。攻撃といっても、せいぜい城の外壁を崩す程度だ。城を崩壊させる攻撃は潜入しているドラえもん達や捕まっている美夜子さん達も危ないからな。

 

『初めましての挨拶だ。快く受け取ってくれ』

 

 蔵を開いて、放り込んでおいた岩や樹木、銃弾を音速を超えたスピードで射出する。それと同時に、電子を操作して粒機波形高速砲を複数発射する。

 射出されたものは悪魔やドラゴンを貫き吹き飛ばし、発射された粒機波形高速砲は城の外壁を容易く穿つ。射出できる蔵の中身が少なくなってきてからは、近寄ってきたドラゴンや悪魔を放電で感電させたり、十を超える数の粒機波形高速砲を放ったりした。ちなみに、死んだドラゴンや悪魔は念のため蔵で回収している。一応は幻想の生物だし、何かに使えるかもしれないからな。

 

「ドラミー! クロー!」

 

 かれこれ十分ほど過ぎた頃だろうか。遠くから魔法の絨毯に乗ったのび太達がやってきた。作戦は成功したようで、捕まっていた美夜子さん達も乗っている。

 

「お兄ちゃ〜ん!」

 

『やっと来たか。いや、割と早い方なのか?』

 

 魔法の絨毯に乗ったドラえもんがドラミを拾うのと同時に、吾輩も絨毯の上に転移する。吾輩が座るスペースはあるが、結構狭い。

 

「このまま月へ向かうわ。メデューサが月の光を消し去ろうとしているの」

 

「なんだって!? よし、みんな中に入って!」

 

 ドラえもんの指示に従って、絨毯の中央に開いた入り口から中に入る。中はかなり広めの空間が広がっていたから少し驚いた。多分、魔法で空間を拡張したのだろう。ドラえもんやドラミの出す道具ほどではないが、この魔法の絨毯も十分常識外れの品だな。

 

 吾輩たちの乗った絨毯は魔界星の重力圏を抜け、地球の衛星である月へと向かう。

 この世界の月は、大昔にナルニアデスという人間によって悪魔族を退ける魔法をかけられているらしく、メデューサはその魔法を解きに行ったとか。月は悪魔にとって弱点も同然であるならば、直接魔法を解きに行ったメデューサはだいぶ弱っているだろうな。

 

「見えた!」

 

 魔界星がかなり地球に接近していたらしく、たいした時間をかけずに月の近くまでやってくることができた。そして、吾輩の千里眼はメデューサを捉えていた。というか、月眩しすぎ。太陽の光を反射しているのではなく、物理的に光っている。

 

『射程距離範囲内だ。空間転移で吾輩が止めてくる』

 

「ちょっ、クロ!?」

 

 この世界の宇宙では呼吸が可能らしいからな。問題ない。剣を持ったメデューサの前に転移して、念動力で動きを止める。

 

「グッ…!」

 

 ついにこの時が来た。さて、吾輩の寝床を壊した罪を償ってもらうぞ。そう思って念動力でメデューサをボコボコにしようとしたら、横合から猫もどきが飛びかかってきて電撃を放ってきた。

 

『くっ、貴様……!』

 

 咄嗟に転移して避けたが、電撃は掠ってしまった。おかげで体が痺れて動けん。吾輩の念動力バリアを容易く貫通してくるとは…………。

 猫もどきはそのまま動けないメデューサから剣を奪い取り、陣の中心に剣を突き立てた。剣が刺さった箇所からヒビが広がり、凄まじい光がもれる。完全にしてやられた。

 

『しまった!』

 

「ぐあああああああああああああ」

 

 漏れ出た光に当てられた猫もどきは消滅し、メデューサは苦しみの声を上げた。凄まじい光に吾輩は目を閉じ、光が収まるのを待つ。十秒くらい経っただろうか、光は収まり、月は色を失っていた。ドラえもん達は先程の光のせいで月に墜落しているようだが、全員怪我はないようだ。

 

「アアアアああああああ」

 

『ん? 貴様、身体が……』

 

 吾輩が動きを抑えていたメデューサは光を間近で浴びたせいか、身体が溶けているかのような状態になって苦しんでいる。よく見たら、メデューサの体が溶けてその中から別の人が出てきているように見える。

 

「まさか……」

 

「ママ?」

 

 その姿に見覚えがあったのか、満月牧師と美夜子さんがメデューサの中から出てきた人に駆け寄る。ちなみに、念動力による拘束は解いている。しかし、意気揚々と向かったのにまんまと失敗するとは…………恥ずかしい。

 

「美…夜……子…………?」

 

「ママ? ママなの……?」

 

「こんなことが……」

 

 美夜子さんと満月牧師、元メデューサの会話を聞いていると一つの真実がわかった。どうやらメデューサの正体は、美夜子さんの母親だったらしい。そういえば、娘の命と引き換えに魂を売り渡したと満月牧師が言っていたような気がするな。なるほど、だから悪魔として転生? 洗脳? されていたが悪魔を退ける月の光を直接浴びたせいで元に戻ったと。

 

 じゃあ、吾輩は危うく美夜子さんの母親をボコボコにするところだったというわけだ。あの猫もどきのせいでできなかったが。

 

「魔界星に浮かぶ……赤い月…………」

 

「月? 月が何?」

 

「あれが……デマオンの……心…臓……」

 

「何っ!?」

 

「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 どんどん身体が薄くなって消えていく美夜子さんの母親から告げられた情報は、かなり重要なことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【ドラミちゃん】
 ドラえもん専用の妹機。ネジが一本足りないドラえもんと違い、かなり優秀な子守りロボット。ゴキブリが苦手だが、見ても地球破壊爆弾を取り出したりはしない。

【タイム風呂敷】
 時計柄の風呂敷。被せた物の時を戻したり進めたりできる。人など生物にも有効だが、記憶は現在のまま。ひみつ道具にも使えるのかは不明。

【ほんやくコンニャク】
 あらゆる言語を翻訳してくれるコンニャク。ドラえもんが聞いたこともない星の言語であっても、食えば翻訳してくれる。アンキパンに近いシステムだと作者は考えてるが、トイレしても効果が消えないのは強い。

【石ころぼうし】
 被れば、周囲の生物の脳に特殊な催眠を掛け、使用者を石ころとしか認識できなくなる。そのため、匂いでの判別も不可能。ただし、機械は誤魔化せないらしい。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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