寒暖差のせいかもしれないですね。はやく落ち着いてほしいものです。
リルルが地球に来て1日後。
のび太達は再び河川敷に集まり、昨日のようにリコーダーの練習をしていた。ドラえもんを連れて。
ポ〜ペ〜ピュイッ……プイー!
相変わらず不思議な音をリコーダーで奏でるのび太。
ジャイアンとスネ夫は「またかよ……」と呆れた目をするものの、昨日のように噴き出して笑うようなことはなくなった。しずかちゃんはそんな3人と一緒に楽しく練習を続け、ドラえもんは『ムードもり上げ楽団』を使って4人の練習が捗るよう応援していた。
「ほ〜ら、頑張れ頑張れのび太くん」
「なんか、応援が雑じゃない?」
「でも、楽しく吹けてるだろ?」
「ドラえもん、そりゃムードもり上げ楽団を使えば楽しくもなるさ」
「じゃあ、いいじゃない」
「…………うーん?」
首を傾げて考えるのび太。
そんなのび太を見ながら『あたたかい目』をしているドラえもん。
(イヤイヤ練習するよりかは、楽しく練習した方が良い。何度も練習するなら、尚更楽しい方がのび太くんのストレスにもなりにくいしね)
応援は雑だが、思いは真剣なドラえもんだった。
まぁ、のび太にはあまり通じていないが。
ドラえもんも、そこまで伝える気はないので別に良かった。
「おや……先程から聴こえていた笛の音は、ドラえもんさん達でしたか」
「コイツ等も音楽を……地球っておかしいピヨ」
「……」
のび太が再び吹き始めようとした時、堤防道路――河川敷の上の道――から冥、リルル、ジュドの3名が降りてきた。
彼女等の姿を見たのび太達は「冥さんだ!」と喜ぶものの、隣にいるリルルとジュドに「誰だろう……?」と首を傾げた。
「冥さん、こんにちは!」
「はい。こんにちは、しずかさん」
しずかちゃんは降りてきた冥に微笑みながら挨拶し、冥も丁寧に挨拶を返す。
一方で、リルルに抱かれたままのジュドは、ジャイアンを羽で指しながらアワアワと震えている。
「リルル!! 昨日読んだキテレツのブタゴリラがいるピヨ!?」
「なぁ冥さん、この生意気そうなヒヨコは焼き鳥にしていいか?」
「オレはヒヨコじゃない!」
「いや、どう見てもヒヨコでしょ」
「ヒヨコじゃないピヨ!」
ヒヨコと言われ、顔を真っ赤に染め上げながらピョンとリルルの腕から飛び出したジュド。ジャイアンとスネ夫の言葉に、羽をバタつかせながら強く否定する。
その様が、余計に可愛らしいヒヨコに見えてしまうのだが。
「わたし、しずかって言うの。あなたは?」
「……リルルよ」
「リルルね! リルルはリコーダー……音楽に興味はない?」
「……」
もう一方、ジュドが飛び出したせいで所在なげなリルルは、しずかちゃんに話しかけられていた。
外見は美少女であるリルルと、友達になりたい一心で積極的に話しかけるしずかちゃんだが、昨日のせいで人間に複雑な感情を持つリルルの対応は素っ気なかった。
昨日、クロ達によって捕らえられたリルルとジュドは、冥によって連れてこられた図書館で地球の世界史を知り、自分達の価値観が揺らいでいるのだ。
無理もない。なぜなら、メカトピアの歩んできた歴史は、自分達が見下していた人間達の歴史と酷似していたのだから。
ジュドは、地球人捕獲作戦が始まるまで労働ロボットとして働かされ、上流階級……貴族ロボットから激しい差別や暴力を振るわれてきた。好きな音楽を歌うことも許されなかった。階級の差が撤廃されたとしても、今までされてきた仕打ちを忘れることはない。
人間達の歴史がメカトピアと酷似しているのを知っても、ショックを受けはしたがリルル程ではなかった。メカトピア、鉄人兵団からの命令に従っていたのは、リルルが作戦の要として参戦するからだ。
故に、ジュドは自分の行動方針を完全にリルルへ預けることにした。かつて、貴族ロボットから受けた暴力により死に瀕した自分を助けてくれたから。自分達のやってきたことが見下していた人間達と変わらないのなら、どちらが正しいのか……。それなら、恩人であるリルルの言うことしか従わない。リルルのためにしか力を振るわない。そう決めた。
では、リルルはどうなのか。
リルルはジュドと違い、労働ロボットとしてではなく地球人捕獲作戦のために造られたロボットである。そのため、ジュドのように差別を受けた経験はなかった。ただし、その目で差別の現場を見たことはあるが。それでも、階級が撤廃されたことで平和が訪れたメカトピアを愛していたし、忠誠もあった。今回の作戦も、自分の存在意義であるし祖国メカトピアのために精力的だった。
人間達の歴史が酷似していることを様々な本によって知ったリルルは、想定以上にショックを受けた。それも当然だろう……自分達は人間を見下しながら、人間達と同じ事をしようとしているのだから。
最初は冥が騙しているのだと考えた。地球側に都合のいいよう情報を限定しているのだと……改竄しているのだと。だが、図書館にあるどの本を読んでも、どんな資料を見ても答えは変わらなかった。地球人が開発したインターネットをハックして情報を盗んでも…………やはり、変わらなかった。
結果、リルルの存在意義は揺らぎ、祖国への忠誠心に罅が生じた。
「ねぇ、冥さん。あの2人を連れてきて大丈夫なの?」
「……今の彼女達はある意味でカルチャーショックを受けてます。それに、私が責任を持って監視していますので、大丈夫ですよ」
「カルチャーショック?」
「文化の違いに驚いてるってことだよ、のび太くん」
「ふーん……」
リルルとジュドは侵略者である。
そんな2人を拘束もせずに大丈夫なのか?
ドラえもんの疑問は最もだ。しかし、冥は問題ないと判断した。クロの指示でもあるが、冥から見ても今の2人は地球に来た当初と比べて大人しい。ジュドは作戦に関する思考を半ば放棄しているし、リルルはメカトピアのやり方に疑念が生じている。仮に何か企んでいるとしても、冥がそれを実行させなければいいのだ。
「ねぇ……せっかくだからさ、冥さん達も一緒に音楽やろうよ!」
「それ良い案だわのび太さん! ねぇ、リルルも一緒にやりましょ?」
「…………」
「音楽……! リルル……」
「ふむ……」
カルチャーショックと聞いてずっと考え込んでいたのび太が、突然ハッとした表情をして言った。
そして、のび太の提案に便乗してリルルも誘うしずかちゃん。ジュドはのび太の提案を聞いて少しやってみたいと思っていた。メカトピアで音楽は未だ貴族のものだが、地球ではそんなことはない。誰しもが音楽を好み、歌い、作る権利がある。
『ジュド、あなた自分が何をしに来たか忘れたの!?』
『忘れてないよ。でもリルル、人間達はホントに奴隷になるべき存在なのかな……? ボクはこの街の人間達を見て、リルルといろんな本を読んで、わからなくなったんだ』
『祖国の教えを疑うというの……!?』
『確かめたいんだ』
『確かめる必要なんてないわ!人間はロボットの奴隷になるべき存在なのよ!そうでないと……ワタシは…………』
『リルル、心を閉ざさないで。一緒に考えよう?』
『…………』
心を通じて会話を行うリルルとジュド。
祖国の教えを疑うということは、リルル自身の存在意義を疑うということ。もし、教えが間違っているのなら、人間狩りのために造られたリルルの存在も間違っていることになる。
生まれた意味がなくなってしまう。
リルルにそんな事はできなかった。
「……はぁ。いいわ、ワタシもやれば良いんでしょう?」
「リルル!」
「良かったねしずかちゃん」
「よぅーし!そうと決まれば、早速やろうぜ!!」
『リルル……いいの?』
『ワタシはただ……任務を果たすだけよ。人間に紛れ、基地建設に最適な場所を探す……そのためよ』
『うん……わかったよ』
リルルも参加を表明したことで喜ぶしずかちゃん。
心を閉ざさず、今は一緒に音楽をやってくれるリルルに嬉しくなるジュド。
表情の変わったリルルを見て考え込む冥。
のび太、スネ夫、ジャイアンは皆で音楽ができることを純粋に喜び、その後ろでドラえもんはあたたかい目になっていた。
そして、リルルとジュド、冥はコーラスとして参加し、ドラえもんと共にのび太達の練習を盛り上げたのだった。
そんな楽しく盛り上がって練習するのび太達を、河川敷の草葉の陰から観察する者がいた。
「ま、まさかあの方達は……もしやっ!」
なぜか手に絵本を持ち、8人を絵本の中身と何度も見比べている。心なしか、絵本を持つその手は震えているようにも見えた。
何かを確信したのか、観察していた何者かは静かに、かつ素早くその場から去っていった……。
【ムードもり上げ楽団】
小さい3体のロボットがセットのひみつ道具。ドラム、バイオリン、トランペットと役割が分かれている。その場の状況や雰囲気に合わせて音楽で盛り上げてくれる。
【あたたかい目】
新魔界大冒険にて披露された、ドラえもんの独特な目つき。あそこまで多様な目を表現できるなら、目をくいしばることもできそう……と思っていたが、体を乗っ取られたり偽物とかはやってたのを思い出した。
【心の会話】
ジュドはリルルによって助けられた際に、リルルの重要な部品を貰っている。そのため、互いに心で会話することが可能となったのだ。この会話は、クロですら感知することはできない。
【ジュド】
描写外で『おはなしボックス』にてピッポにされてしまった哀れなヒヨコ。ジュドとしては憤慨ものであったが、リルルとしては驚いたものの改造ではないし、見た目も可愛いので疲れた心の癒しとなっている。なぜか、語尾に「ピヨ」とつけることがある。
【おはなしボックス】
入れた無機物を人語を話す動物へと変化させる事が出来るひみつ道具。
この道具の中に物体を入れてシャモジ型のコントローラーを操作すると言うだけの簡単な方法で出来る。なお、ほんやくコンニャクを入れないと話が通じない可能性がある。おはなしとは……?
【リルル】
とりあえず人間観察と基地建設に良さそうな場所を探すことにした。祖国の教えを疑うのはまだ無理だが、このままのび太達と交流を重ねれば……?
映画編の日常と戦闘描写についてなのだ
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戦闘シーンは省略するのだ
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そのままでよいのだ
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戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
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早く新しい挿絵を追加するのだ
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モンハンと人間以外にも変身するのだ
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冥との絡みを増やすべきなのだ
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クロはもっと無双RTAしてよいのだ