ネコ   作:ミーちゃん

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またギリギリになってしまいました……。
年度処理作業が忙しくて……(言い訳)




69話 招待状

 カラスが鳴き、太陽が沈み始めた夕暮れ。

 明日は学校があるため、河川敷から解散したのび太達はそれぞれ帰路についていた。

 

「ん?何か来てるよ?」

 

「ホントだ、何だろう?」

 

 家に着いたドラえもんとのび太は、郵便受けに何かが入っていることに気づく。のび太がそれを取り出し見てみると、文章が書かれているようだった。

 

「『今夜、学校の音楽室で待っています』だって……」

 

「何だろう……果し状? 誰からか書いてないね……」

 

 それは果し状……ではなく招待状である。

 ひっくり返して裏側を見るも、そこに差出人は書かれていない。ちなみに、宛名の方も書かれていなかった。

 一体誰が出したのだろうか……。

 2人の頭に疑問が満ちる。

 

「ねぇ、ドラえもん。このマーク……」

 

「どこかで見たような……」

 

「ハッ……あの子だよ! 昨日の女の子が着てた服の模様と一緒だもん……きっとそうだ!」

 

「えぇ……?」

 

 だが、のび太は招待状に描かれたあるマークを見て、差出人が誰か分かったようだ。

 

 のび太の脳裏には、白と緑のグラデーションがかかった髪色の少女が浮かんでいた。あの少女が着ていた服の、笛と音色を表したかのような模様が。

 この招待状のマークも一緒だし、きっとあの少女が送ってきたんだと考えたらしい。なぜのび太達の学校を知っているのかは、全く不明なのだが。

 

「行こうよドラえもん!」

 

「う〜ん……よし、わかった行こう!」

 

「うん!」

 

「じゃあ、のび太くんは一旦部屋で待ってて。ボクは念のためクロに伝えておくから」

 

「はーい。はやく夜にならないかなぁ……」

 

 のび太の珍しくアツい要望もあって、ドラえもんはこの招待状の誘いに応じることを決める。あののび太くんが……と、ちょっとだけ心震えていた。

 とはいえ、招待状が怪しいことも変わりない。

 なので、ドラえもんはクロの意見を聞くことにした。

 

 ワクワクした表情で家に入っていくのび太を見送り、どこでもドアを使って移動するドラえもん。

 

「――……というワケなんだけど……どう思う?」

 

『ふむ。怪しさはあるが……少なくとも鉄人兵団の罠ではないと思うぞ』

 

「そうなの?」

 

『ああ。リルルやジュドがメカトピア星に向けて連絡していた様子もなかったぞ』

 

「うーん……」

 

 拠点に着いてすぐクロを見つけられたドラえもんは、ついさっきまでの出来事を話して相談した。

 

 ドラえもんの懸念は「招待状が地球侵略(地球人捕獲)の尖兵として来ていたリルルとジュド、または他のロボットによる罠ではないか」というもの。

 ジッサイ、捕虜となっているリルルとジュドがメカトピア星に報告をできていない現状、新たな尖兵が送られてきていてもおかしくない。それに、リルルとジュドが何か企んでいる可能性も十分ある。加えて、のび太の学校や家の位置がバレているのも気になっている。

 

 だが、つい先程帰ってきた冥からは「怪しい動きは無かった」との報告を受けていし、ワープの際に起こる空間の微かな揺れも感知できなかった。学校や家についてはまだ分からないが……少なくとも、彼女等の仕業ではないだろうとクロは思った。

 

『(地球の大気圏近くで特殊な位相の揺らぎを、第二魔法で感知できているが……もしや、それか?)……ふむ。ドラえもん、冥とリルル達も一緒に連れて行ってはくれないか?』

 

「え? でも、さっき帰ってきたばかりでしょ?」

 

『それはドラえもん達にも言えることだろう』

 

「そりゃそうだけど」

 

『鉄人兵団の対策と探知は吾輩とぬいぐるみ達で何とかなっているのでな。冥にはその招待状の主を探ってほしいのもある』

 

「なるほど」

 

 冥はリルルとジュドの監視をしているとはいえ、クロやサベール達と違って多少余裕がある。クロは怪しい招待状の主を調査し、場合によってはドラえもんの護衛を冥に頼もうと考えた。

 

 ドラえもんとしては、冥が一緒にいるならのび太達の安全性も高まるので嬉しい限りである。これまでいろんな冒険でお世話になってるのもあるし、のび太達も安心できるだろうと思っている。ドラミのような安心感。

 

『ということで冥よ、ドラえもん達と一緒に行ってくれないか?』

 

「かしこまりました。監視の件はいかが致しますか?」

 

『継続……なんなら、二人とも連れて行ってもいいかもしれんな』

 

 クロの書庫でリルル達と漫画を読破していた冥は、クロからテレパシーにそう応えた。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 そして夜。

 昼間とは打って変わって静かになり、リンリンと虫の合唱が町中に鳴り響く。

 

「変な感じね……」

 

「虫が音楽をならしているみたいな……気がするピヨ」

 

「秋には、また違った音を聴けますよ」

 

 リルルとジュドは初体験のようで、ソワソワしながら小学校の校門前で冥と一緒に待っていた。特にジュドは、辺りをキョロキョロと見回してもいる。

 

「あっ冥さんだ! おーい!」

 

「ピッポの奴もいるな」

 

「リルルも来てたのね!」

 

 暫くすると……スネ夫、ジャイアン、しずかちゃんがやって来て、冥達に声をかけた。3人の手には、例の怪しい招待状が握られている。

 どうやら、3人にも届いていたらしい。つまり、4人分の住所が招待状の主に割れていることになる。

 

「これ、冥さんにも届いてたの?」

 

「いえ、届いませんよ」

 

「あれっ、そうなの?」

 

 スネ夫が招待状を見せながら聞き、冥が首を振って否定すると、拍子抜けしたような表情をして首を傾げた。

 この時間帯に校門前で待っていたから、てっきり自分達と同じだと思ったのだろう。それも仕方ない。

 

「おーい!」

 

「ん? あれは……のび太にドラえもん!」

 

「あいつ、招待状持ってるぞ」

 

「ということは、ドラちゃん達には届いてたのね」

 

 冥達が話していると、スネ夫達が来た方とは逆の道からドラえもんとのび太が駆け足でやって来た。少し息が切れ始めているのび太の片手には、スネ夫達が持っているのと同じ招待状が握られている。

 それを見たジャイアンは呟き、しずかちゃんはのび太とドラえもんも一緒だと知ってホッとした。

 

「ジャイアン達にも届いてたんだね!」

 

「おう!」

 

「……私とジュド、そこのメイドは違うわよ」

 

「えっ、そうなの?」

 

「リルルの言うとおりピヨ。むしろ、こっちはいきなり連れてこられた側ピヨ」

 

「説明はいたしましたよ」

 

 校門前で冥達と合流したのび太とドラえもん。

 のび太は嬉しそうに招待状を振りながらジャイアン達へ話しかけ、リルルとジュドはその話に訂正を入れる。

 

 拠点にてクロが冥にお願いをした後、冥は独房(ベッド、シャワー、トイレ、テレビ、本棚、ゲーム機付き)に戻っていたリルル達を連れ出したのだ。その際に「ドラえもん達についていきながら護衛もして、招待状の主を探る。なお、拒否権なし」という説明をきちんと行っている。

 ジュドは冥が来るまでベッドで眠っていたので、半覚醒状態で冥の話を聞いていた。それ故、説明のほとんどを聞き漏らしてしまったのだろう。おはなしボックスで生物にされた弊害でもある。

 

「この招待状を貰ったのはぼく達だけなのかな?」

 

「他に人が来ないし、そういうことなんじゃないかな」

 

「それならよ、さっさと行こうぜ!」

 

「そうね。私達もここでいつまでも待たされるのは遠慮したいわ」

 

「そうだね。それじゃ行こう……『通り抜けフープ』!」

 

 校門前に集まったのび太達以外に招待状を持った人が来る様子はない。そのことを確認したのび太達は学校の音楽室へ向かうことにし、リルルもその考えに賛成した。

 

 ドラえもんが閉じられている校門に通り抜けフープを貼り付け、全員がフープの穴をくぐって校門を越える。そして、正面玄関から通り抜けフープを使って校内へと侵入し、音楽室へと向かっていった。

 

「夜の学校って、こんなに雰囲気が違うのね……」

 

「そういえば、音楽室にまつわる学校の怪談があったような……」

 

「それって、ピアノが勝手に鳴るとか肖像画が笑うとかピヨ?」

 

「ベートーヴェンだね」

 

 音楽室の扉を開き、そろりそろりと中へ入っていくのび太達。

 スネ夫とのび太は、他6人と違って窓際にあるピアノとベートーヴェンの肖像画を注視している。さっきまでの会話と校内の雰囲気のせいで「お化けが出るかも……」と少し怖がってるのかもしれない。

 

「ねぇ、何かピアノの鍵盤の上にあるよ!」

 

「『この曲を弾いてください』と書かれているわね」

 

「俺達ピアノは弾けねぇぞ」

 

「私、この曲ならレッスンで習ったから弾けるわ!」

 

「しずかちゃん凄い!」

 

 ドラえもんが、ピアノの上に置かれていた紙に気づいて声を上げると、リルルがそれを手にとって書かれていた内容を読み上げた。

 ピアノには楽譜も置かれていたようで、しずかちゃんは曲が分かったらしい。椅子に座って楽譜の通りにピアノを鳴らし始めた。

 

 普段からピアノのレッスンを受けていたおかげか、しずかちゃんの動きに迷いはない。滑らかに指を動かし、暗い校内にピアノの旋律を響かせた。バイオリンとは違うのである。

 

「凄かったよ、しずかちゃん!」

 

「あの笛だけじゃなくて、他の楽器も弾けるのか……ピヨ……」

 

「……」

 

 曲を弾き終えたしずかちゃんに、のび太、ジャイアン、スネ夫、ドラえもん、冥の5人から拍手が送られる。しずかちゃんのバイオリンを聴いたことがあるメンバーだった。

 

「っ!?」

 

「なに、あれ……」

 

「準備室が……」

 

『皆様……どうぞこちらへ……』

 

「クロ様と同じテレパシー……!」

 

「お前は何者だ!」

 

『お早く……どうかお願いします!』

 

 しずかちゃんの演奏に感動していると、謎の声が音楽準備室より翠の発光と共に響き渡り、のび太達を誘いだす。

 

 一体何者なのか……。

 

 

 




【招待状】
 ?????からの招待状。
 映画ではほとんどの施設が停止してたので、一人ずつストーカーして郵便受けにポイした可能性がある。分身の術が使えるのかもしれない。

【通り抜けフープ】
 輪っか状のひみつ道具で、閉じられた場所でも通り抜けることが出来る。ドラえもん映画では出番が多めなのだが、今作ではかなり少ない。だって、千里眼+空間転移コンボができるし。

【独房】
 クロの拠点にある一人用の収容所。
 ペット可のみならず、シャワー、ベッド、テレビと人道的設備が整っている。

【ジュド】
 有機生命体になってしまったので、寝起きに慣れていない。腹は減るし、う◯こも出す。新鮮な気持ちを味わっていた。
 ドラえもん? 彼は例外ですかね……。

【しずかちゃんのバイオリン】
 冥によって鍛えられた彼女のバイオリン演奏は、聴いたものを物理的に天国へと昇天させるだろう。これには冥も予想外でビックリ。皆はポックリ。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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