ネコ   作:ミーちゃん

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ここ最近、ずっとギリギリになっている……。
なんとか、なんとかせねば…………。


72話 ヴィルトゥオーゾ

 

「見事でした……さすがは、ヴィルトゥオーゾ様ぁァァァッ?!!?」

 

 そう言いながら足を滑らせ、階段から転げ落ちる招待状の主。

 その姿は、小さな少年にも見える。

 だが、うつ伏せに倒れている彼の背中にある穴と発光体……関節のない手足……首のない頭が、彼が人間ではない存在であることを示していた。

 

 そう……彼はロボットなのだ。

 

「だ、大丈夫?」

 

「何か落としたぞ……?」

 

「わっ、わああ! 大丈夫です……あ、ありがとうございます」

 

 しずかちゃんが倒れた彼を心配して駆け寄り、ジャイアンは彼が倒れた拍子に落としたノートを手に取る。

 その後、慌てて起き上がった彼は、ジャイアンからノートを奪うように取ると、2人にお礼を告げた。

 

「ねぇドラえもん、あのロボットって……」

 

「うーん……見たことないタイプのロボットだ……」

 

「ここ最近、ドラえもんが見たことないタイプのロボット多くない?」

 

「う"っ……そ、それは……まだまだ世界は未知だらけってことさ!」

 

 のび太、ドラえもん、スネ夫の3人は、ジャイアンとしずかちゃんにお礼を言うロボットを見ながら、ヒソヒソと話していた。なお、途中でスネ夫はドラえもんにジロリと視線を向け、その視線を受けたドラえもんは冷や汗をかいていた。なにか痛い所を突かれたのかもしれない。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「コホンッ! さて……皆様、ようこそおいでくださいました。わたくし、チャペックと申します」

 

 しばらくして、落ち着きを取り戻したロボット……チャペックは場にいる全員をチラリと見ると、笑顔で自己紹介を行った。

 いろいろと質問したいことがあるドラえもん達は口を開くものの、上の方から聞こえてきた声に気づいて閉口した。

 

「マーチッチ、ボンボンペ」

 

「え、何て?」

 

「あの子!?」

 

 チャペックが降りてきた階段……その上の方に、段差に腰掛けている少女がいた。翠のメッシュが入った白い髪の少女……のび太が気になっていた女の子だ。

 何かを話しかけているようだが、前と同様のび太達には言葉がわからなかった。しかし、前回と違うこともある。それは、この場にドラえもんがいることだ。

 

「ちょっと待って……ほんやくコンニャク!」

 

「コンニャク?」

 

 こいう時は……と呟きながらポケットからお馴染みのひみつ道具を取り出すドラえもん。ついでに味噌と醤油も出して味付けしながら、全員に食べさせた。

 リルルとジュドは困惑していたが、自分の分まで渡されてしまったため不思議に思いながらもパクパク食べ、意外と美味しかったことに目を丸くしていた。

 

「やっと来たな、のほほんメガネ!」

 

「のほほんメガネ〜ッ!?」

 

「「ブワーハッハッハ!!」」

 

 ゴクリとほんやくコンニャクを飲み込んだのび太達。

 少女がのび太にトコトコと近づいて放った言葉にのび太は驚き、ジャイアンとスネ夫は爆笑した。のび太の足元にいるジュドも、口を押さえて笑いをこらえているようだ。

 

 2人の笑いが収まるのを待ってから、少女とチャペックはのび太達の向かいに立って、自己紹介を行った。

 

「わたしはミッカ。チャペックは、わたしのお世話をしてくれてるの」

 

「その通りです!」

 

 少女……ミッカとチャペックの紹介を受けて、ドラえもんは全員に目配せをしてから名乗りを上げた。

 

「ボク、ドラえもん」

 

「ぼくはのび太!」

 

「僕スネ夫!」

 

「オレ様はジャイアンだ」

 

「……リルルよ」

 

「ジュドだ……ピヨ」

 

「冥と申します」

 

「私はしずか、よろしくね」

 

 総勢8名にも及ぶ紹介だったが、ミッカとチャペックは一度で問題なく覚えたようだ。2人とものび太よりスペックが高いのかもしれない。

 ミッカは一呼吸置くと両手を広げ、全員の名前を間違いなく告げて歓迎する。

 

「ようこそ、ファーレの殿堂へ!」

 

「「「「「「ファーレの殿堂?」」」」」」

 

 だが、ミッカから知らない単語が出てきたことで、全員が一様に首を傾げた。冥やリルルは、この宇宙船のことを指しているのでは……?と推測はしているものの、確かなことではないので黙っていた。今はまだその時ではない……ということなのだろう。

 

「知らないの? ……ヴィルトゥオーゾなのに?」

 

「ヴィルト……なに?」

 

「チャペック、説明して」

 

 頭にクエスチョンマークを浮かべる皆を見て、ミッカも不思議に思いコテンッと首を傾げた。

 表情ものほほんとしているし、チャペックが見つけた伝説の人達にしては、知らないことが多いなと考えるミッカ。

 一方で、ミッカから説明役を承ったチャペックは、大きく息を吸ってドラえもん達に話し始めた。

 

「はい!貴方がたをお呼びしたのは、ほかでもありません! このファーレの殿堂を復活させてほしいのです!」

 

「さっきから、そのファーレって何なの?」

 

「えぇ? ファーレはファーレなのですが……えーと、地球で言うところの音楽になります! そして、ファーレはエネルギー源でもあるのです!」

 

「お、音楽……」

 

「我々の故郷、惑星ムシーカはファーレに満ちた美しい星で……遠く離れたところに……」

 

 チャペックはのび太にファーレについて指摘され、根本的なところで説明を要求されて困惑しながらも、ファーレについて解説する。しかし、故郷の話になると俯いて、声が萎み始めた。まるで、その故郷が既に無いかのように……。

 

 チャペックの横で聞いていたミッカは、チャペックの様子がおかしなことに気づいて声をかける。

 

「チャペック?」

 

「はっ!? すみませんミッカ様、大丈夫です」

 

「そう?」

 

 ミッカから声をかけられたことで、だんまりしていたことに気づいたチャペック。慌ててミッカに返事をした。

 

「惑星ムシーカ、聞いたこともないですね……」

 

「メカトピアでも聞いたことないわ……」

 

 ミッカと同じように、突然チャペックの様子がおかしくなったことを不思議に思うドラえもん達であったが、リルルと冥は違った。

 ミッカとチャペック、そしてこの地球を凌駕するテクノロジーで造られた船。音楽をエネルギー源とする異文明であり、あるいはメカトピアすら凌駕する技術を保有しているかもしれない……惑星ムシーカ。

 冥は地球防衛の観点から、リルルはメカトピアの利益に繋がるかどうか……という視点で、彼らの故郷について考えていた。

 

 人とロボット。

 

 チャモチャ星は悪い例であったが、音楽をエネルギー源とする惑星ムシーカは違うかもしれないという期待も、冥の中にはあった。人間を侮蔑するメカトピア、リルルとジュドに良い影響をもたらしてくれたら……。

 

 そんな風に冥達が考えていた間に、チャペックは元気を取り戻した。先程の雰囲気を払拭するように、明るく大きな声で説明の続きを行った。

 

「この殿堂は、宇宙を旅する人工衛星のようなものです!」

 

「人工衛星!?」

 

「そして……今殿堂は、エネルギー不足で眠っています。わたくし達は伝説のヴィルトゥオーゾを捜すために、地球へ降りていました。そこで見つけたのです……貴方がたを!」

 

「だから……そのヴィルなんとかは、何なんだよ」

 

 ミッカとチャペックが言っていたファーレの殿堂とは、ドラえもん達のいるこの船のことだった。冥とリルルの推測は間違いではなかったのだ。

 そして、エネルギー不足を解決するために地球へと降りてきたと言うチャペック。さらにドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんを指差し、5人を伝説のヴィルトゥオーゾだと言い出した。

 何度も出てきたヴィルトゥオーゾという言葉を知らないドラえもん達は、当然チンプンカンプンである。故に代表して、ジャイアンがチャペックに質問した。

 

「ヴィルトゥオーゾは、音楽を極めた達人のことです!」

 

「ぼくらが……音楽の達人っ!?」

 

 それは無理があるのではなかろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【ほんやくコンニャク】
 久しぶりに再登場。今回は後から味付けが可能なタイプ。味噌、しょうゆ、みたらし味がある。

【チャペック】
 惑星ムシーカ製のロボット。ミッカのお世話係であり、ミッカと違いムシーカについて何か知ってるらしい。

【ファーレの殿堂】
 宇宙を旅する殿堂。エネルギー不足に陥っていても、最低限の空気生成や惑星間移動くらいは可能な模様。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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