ネコ   作:ミーちゃん

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す、進まねぇ……。


73話 運命

 

 チャペックがドラえもん、のび太、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンの5人を伝説のヴィルトゥオーゾ――音楽の達人――であると考えた理由を聞いたのび太達は、ファーレの殿堂内部にあるミッカとチャペックの部屋へ来ていた。

 

 ミッカの部屋は、たくさんの絵本とぬいぐるみがベッドや机の上などに鎮座しており、読みかけの本が乱雑に置かれているところなどは子どもらしさを感じさせた。ぬいぐるみは主に地球産と思われる物が多く、それを見た冥はどうやって購入したのか不思議に思った。

 

「こっちこっち、早く行こっ!」

 

「わっ!ちょっ……!?」

 

「く、首が……しまっ……ピッ…………」

 

 ミッカがのび太の手を掴んで広い部屋の中を移動する。元気なミッカの動きに翻弄されるがままののび太だが、その表情は驚きと楽しさが混ざった笑みを浮かべている。一方で、ミッカに右手で抱きしめられているジュドは青白く、ゾンビのような顔色になっていた。若干、頬がこけているようにも見える。

 

「ミッカ様、あんなに嬉しそうに……」

 

「ここには他の子ども達はいないの?」

 

「わたし達はずっと2人でしたから……誰かとファーレを奏でるのも、ミッカ様にとっては初めてのことだったのです」

 

「たった2人……」

 

 のび太を連れ回して楽しそうにするミッカを見て、チャペックは感動のあまり、心の内を零してしまう。

 それを聞いて、ミッカ以外の子どもを見ていなかったことを思い出すしずかちゃん。廊下へ出てキョロキョロと辺りを見回しながらチャペックへ問いかけるが、返ってきた言葉に衝撃を受ける。

 

「なら、他のロボットは? この宇宙船を管理するのにアナタだけってことはないでしょう?」

 

「はい。リルルさんのおっしゃる通り、このファーレの殿堂には他のロボットもおります」

 

「そう……でも、見当たらないわね」

 

「リルル……」

 

「ワタクシ以外のロボットはみんな、まだファーレの殿堂で眠りについているのです」

 

「眠ってるの?」

 

「そうです。ですから、皆様方にはファーレの殿堂を目覚めさせてほしいのです」

 

「俺達が力になるぜ!」

 

「さっきみたいに、音楽をやればいいんでしょ?」

 

「私も手伝うわ」

 

 話を聞いていたのか、ジャイアンとスネ夫がチャペックの肩に手を置いて、ニカッと笑いながらそう言った。

 2人の後に続いて、しずかちゃんもチャペックを安心させるかのように微笑みながら同意する。

 

「皆さん……ありがとうございます!」

 

 ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの3人にお礼を言うチャペック。

 

「……っ!」

 

 その場にいたリルルは気まずそうに顔を背け、その先で冥とドラえもんに温かい目で見られていたことに気づくと、内心を隠すように早歩きでミッカの後を追っていった。

 

「ほらチャペック、早く〜!」

 

「ジュドが絞られた雑巾みたいになってる…………」

 

 部屋の奥にある扉の前で、ジュドを抱きしめながらジャンプしてチャペックを呼ぶミッカ。

 その横で、のび太はジュドに憐れみの視線を送っていた。フー子も、ミッカに見つかれば同じようになっていたかもしれない。

 

「ここは?」

 

「わぁ! 楽器がこんなに……」

 

 ミッカに呼ばれ、駆け足で扉までやってきたチャペック。懐から鍵を取り出し、鍵穴に差し込んで扉のロックを解除して開いた。

 

 その開かれた扉の先には、さまざまな物が置かれていた。

 

 トランペット、チューバ、ホルン、トロンボーンなどの金管楽器。

 フルート、オーボエ、クラリネット、リコーダー、サックスなどの木管楽器。

 太鼓、マリンバ、ボンゴ、トライアングル、ビブラスラップ、木琴などの打楽器。

 バイオリン、チェロ、コントラバス、ギター、琴などの弦楽器。

 やかん、目覚まし時計、メトロノーム、ピコピコハンマー、獅子威しなど、様々な道具が所狭しと並べられている。

 

「ヴィルトゥオーゾ様といえば、楽器! これは、わたしが地球に降りる度にに集めてきた楽器です!!」

 

「ええっ!?」

 

「これ全部!?」

 

「スゲェ……」

 

 この光景とチャペックの言葉に全員が驚く。ミッカはドヤ顔で胸を張っている。

 

「さあ皆さん。中には入って、皆さんに合う楽器を選んでください!」

 

 のび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんが中へ入っていき、その後からチャペック、窶れたジュドを持ったミッカ、冥、リルルが入った。

 それぞれが並べられている楽器を近くで見て、触ったりしている。

 

「これ楽器か……?」

 

「ええっ!? イェイイェイと激しいファーレを奏でる楽器ではないのですか!?!?」

 

 目覚まし時計を手に取って首を傾げるジャイアン。

 その横でチャペックが驚きで声を上げるものの、あまり響かない。時計は時計であって、楽器ではない。その認識が強いのだ。

 

「素敵!」

 

「ッ……!? ちょッ……待ち……しずか…、!」

 

「あら、リルルどうしたの?」

 

……はぁ、はぁ……はぁ……

 

「以前よりは良くなっているのですが……」

 

「?」

 

 一方で、棚に置かれていたバイオリンを手にしたしずかちゃんは、目を輝かせながら弓を引いて奏でた。

 ギィーギィーガーガーと、到底バイオリンから鳴りそうにない音が鳴り響き、近くにいたリルルと冥に直撃。

 冥は前から訓練*1を受けていたので平気だったが、リルルはダメだったようだ。荒い呼吸をしながら、信じられない目でしずかちゃんを見ていた。意識が飛びそうになるほどの演奏で、リルルの心を通じて流れ込んできた音を聞いたジュドは白目で泡を吹いている。是非もなし。

 

 しずかちゃんがバイオリンを手に取る姿を見て、咄嗟にミッカの耳を塞いでいたのび太。そののび太の耳をドラえもんが塞ぎ、ドラえもんの聴覚センサーをスネ夫が塞いで、スネ夫の耳をジャイアンが塞いでいた。

 咄嗟の行動にしては見事な連携である。

 演奏が終わったことを知ると、各々手を離し、安堵のため息を漏らした。幼いミッカと仲間を守れたことで、ホッとしたようだ。

 

「チャペックが急に寝ちゃった」

 

「きっと疲れてたんだよ」

 

「そのまま寝かしてやろうぜ」

 

「わかった」

 

「それにしても……このまましずかちゃんにバイオリンを持たせたら違う意味で伝説になっちゃわない?」

 

「そうだね。こういう時は……『運命の赤い糸』!」

 

 そう言ってドラえもんがポケットから取り出したのは、バスケットボールサイズの赤い毛糸玉。

 

「なにそれ?」

 

「この赤い糸は、君達にピッタリな物を選んでくれるんだ」

 

「へぇ〜」

 

「なるほど、文字通りってことね」

 

 赤い糸を一つ一つ楽器に結んでいくドラえもん。部屋にある無数の楽器全て結んでいくとなると、物凄く時間がかかる。実際、ドラえもん1人では結ぶことすら手間取っていた。

 だが、その様子を見ていた冥が手伝ったことで、本来長時間かかるであろう作業をあっという間に終わらせた。

 

「さあ皆、この中から一本だけ選んで糸の先を辿っていって!手に持つ糸が結ばれている楽器が、自分の運命の楽器だよ!」

 

 冥にお礼を告げてから、たくさんの赤い糸を手に取って、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの4人に選ばせるドラえもん。

 

 4人はドラえもんの手の中にある赤い糸を見つめ、ゴクリと唾を飲み込んでから、糸を選んでいく。

 糸の先を辿り……そして、4人は運命の楽器へ出会った。

 

「これが……」

 

「私達の……」

 

「運命の……」

 

「楽器……!?」

 

 チューバを持つジャイアン。

 ボンゴを見つめるしずかちゃん。

 バイオリンを抱えるスネ夫。

 驚愕で目を見開いて、自分の名前が書かれたリコーダーを何度も確認するのび太。

 

 4人の……ヴィルトゥオーゾ達の運命の楽器だ。

 

 

 

*1
しずかちゃんのバイオリン演奏に何度か付き合っただけ。




【運命の赤い糸】
 一種の相性占いができる道具。ただし、くじ引きのような使い方なので、使うまでが大変。先端にロボッターを付けて運用すべき道具。

【ジュド】
 ミッカに捕まってしまった哀れなヒヨコ。しずかちゃんのバイオリン演奏がトドメとなった。
 侵略者の姿か、これが……?

【チャペック】
 しずかちゃんの演奏被害者その2。伝説のヴィルトゥオーゾの演奏と期待して無防備になっていたことが仇となった。
 チャペックさんがログアウトしました。

【のび太の名前が書かれたリコーダー】
 これは借りてるだけ。いつか返すのだから、決して盗みではない。いいね?
 ……実際、映画ではなぁなぁに終わってしまった事が気になる。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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