ネコ   作:ミーちゃん

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今更ながら、しずかちゃんの楽器がマリンバになってたのを修正しました。アナタの相棒、変化しすぎでは?

評価ありがとうございます。

ポケモンzaで主人公を男の娘にし、デジモンtaで3大チチモンをステマ育成してたら時間が……。

誤字報告感謝!
誤字修正しました。


76話 ヴィルトゥオーゾと墓

 新たに出現した森へと着いたミッカ達。

 モーツェル達の所から小川が流れ、リコーダーのようにいくつも穴が空いた竹やト音記号の形をした葉っぱなど……見たこともない植物と木々で構成されており、奇妙な触角を有したカタツムリや体に音符が刻まれた鳥など不可思議な動物たちが息づいている。加えて、ファーレエネルギーの残滓がキラキラと輝いて神秘さを感じさせてくるのだ。しかし、その神秘的な雰囲気を悲しみで染めるかのように、ざあざあと雨が降っていた。

 

「ここだけ雨が降ってる……」

 

「なんだここ……」

 

「不思議な場所ね……」

 

 トトロが使ってそうな巨大な葉を傘代わりにして歩きながら、そう呟くのび太達。殿堂の一部とはいえ、天幕やバリアもなく宇宙空間に露出しているのに雨が降るという、物理に喧嘩をうる事象が起きている。*1

 

 ん〜♪〜ン〜♫〜

 

「ミッカの歌……どこかで聴いたような……」

 

「どうしたスネ夫?」

 

「いや……ミッカの鼻歌に聴き覚えがあってさ、ジャイアンは知らない?」

 

「知らねぇ」

 

 先頭を鼻歌うたいながら歩くミッカ。

 雨音と鼻歌をBGM代わりに進むのび太達だが、スネ夫はどこかで聴いたことがあるメロディに頭を捻っていた。のび太やジャイアン、しずかちゃんは知らなさそうなことから、流行りに敏感なスネ夫だからこそ聞き覚えがあるのかもしれない。

 街中で近いメロディの曲でも流れてたのかなぁ……と考えるスネ夫だった。

 

 そこからしばらく歩いた頃、草木の影からフヨフヨと飛んでくる光る何かにジュドが気づいた。

 

「ん? 何か飛んできたピヨ」

 

「あら……これは、ホタル?」

 

「いえ、それは……」

 

「わぁ、音虫だ!?」

 

「ホントだ、絵本と同じ!」

 

「音虫?」

 

「はい、音虫は綺麗なファーレに反応して光る習性を持つんです!」

 

「なるほど……素敵ですね」

 

 光る羽の生えたタツノオトシゴみたいな生物……音虫がフヨフヨとミッカの周囲を飛び回る。

 よくよく見れば、強弱記号のフォルテや∮に羽根が生えている生物のようだ。チャペック曰く、綺麗なファーレで光るらしい。地球だとイカとか蛍も光るが、あれは身を守るためや仲間とコミュニケーションを取るためだったりするから……むしろ集まってくる音虫は少し違うかもしれない。歌や音楽に反応する生物……オウムやイルカとか、それらと性質が近いのだろう。

 異なる惑星環境でも似たような習性を持つ生物がいるのは、なんとも不思議で面白いですね……と冥は思う。

 

「ミッカは絵本が好きなの?」

 

「うん! 特に、ヴィルトゥオーゾが出てくる絵本ッ!」

 

「ヴィルトゥオーゾって……」

 

「そういえばチャペックが何度も言ってたね……どんな内容なんだい?」

 

「えっとね……ヴィルトゥオーゾとロボット達は輪になって、とても美しいファーレを奏でました。音虫達が飛び回り、世界は光で満ち溢れたのです……」

 

「最後の部分だけ読み上げたピヨ?」

 

 のび太の質問により、絵本好きだと判明したミッカがヴィルトゥオーゾの登場する絵本を読み上げる。ミッカが開いているそのページには、水彩風に5人の音楽家と無数のロボット、音虫が描かれていた。絵柄だけなら岩崎ち◯ろの絵本とか好みかもしれない。

 

「このチャペックは、河原の演奏会を聴いて確信したのです!絵本と同じだ、ヴィルトゥオーゾ様に違いないって!」

 

「ピピっと響いたの」

 

「それじゃ、頑張らないとね」

 

「…………」

 

 話を横で聞いていたチャペックが、のび太達をヴィルトゥオーゾと呼ぶ理由を告げる。それを聞いたのび太は改めて決意し、冥は絵本と構図が一緒だったからヴィルトゥオーゾ認定したことに、基準が甘くないかと心配していた。まぁ、そもそも現在の地球でその構図になるのは、のび太達以外にはありえないが。

 

 ミッカ達の話が終わる頃、ガサガサと森の奥から何かが草をかき分けて、ミッカへと勢いよく飛びついた。

 

「パロパロッ!」

 

うわっ!? キャハハハ!」

 

「ミッカちゃん!?」

 

「大丈夫、舐めてるだけのようです。でも、パロパロがいるということは……いました!」

 

 ミッカの驚く声に心配するしずかちゃんだったが、チャペックの言う通りペロペロと舐めているだけだったことがわかると、ホッと息を吐いた。リルルは向けていた指を戻し、冥もこっそり起動していた無敵砲台を仕舞う。

 危険な野生動物であった可能性を考えての行動だとは思うものの、さっきまでしんみりホンワカしてた雰囲気から一瞬で武器を構えていたことに、ドラえもんはちょっと引いた。

 

 チャペックがキョロキョロと周りを確認し、遠くの柱のような場所を指差す。そこには、手で顔を覆いながら咽び泣く和服のロボットがいた。涙を流す機能がある珍しいロボットだ。

 

「うぅ……」

 

「やっぱり、タキレンさんだったのですね!」

 

「新しいロボット?」

 

「あぁ……無念……ぅぅ」

 

「なんで泣いてるんだろう?」

 

「どうにかできないかしら」

 

 チャペックにタキレンと呼ばれたロボットは皆が近づいてきても、ひたすら泣き続けていた。その足元にパロパロが近寄るも、気づいてすらいない。

 

「何か雨が強くなってない?」

 

「この森では、気持ちが天気と連動するんです。楽しければ晴れるし、悲しければこのように雨が降ることも……」

 

「なるほど、ではここは穏便に『忘れろ草』で……」

 

「冥さん、それは最後の手段にしようよ」

 

「きっと皆さんのファーレなら、タキレンさんも感動して泣き止んでくれると思います!」

 

「つまり、なんか吹けってこと?」

 

「でも何を吹いたらいいかしら……」

 

 気持ちと天気が連動する意味のわからない機能に困惑するのび太達。悲しみを吹き飛ばす方法を考えるも、中々良い案が浮かんでこない。ドラえもんに提案を後回しにされた冥は、拗ねた表情で右手に掴んでいた『忘れろ草』をポケットに戻した。

 

 その後、密かにチャペックが作曲していたことが判明し、チャペックの曲を使うことになった。

 

「明るい曲ね」

 

「楽譜がスラスラ読める!」

 

「それもライセンスの力だよ」

 

「打楽器は曲に合わせて変化するんだ」

 

「ライセンスの力ってスゲー!!」

 

 渡された楽譜を何の問題もなく読めることに驚く3人。普段からピアノのレッスンで楽譜を読んでいるしずかちゃんは淡々と理解したものの、ボンゴがマリンバへと姿を変えたことに驚いていた。

 

 そして、各々定位置についてからドラえもんの指揮の下、チャペックの曲を鳴らし始める。

 

 ♪〜♪〜♫ww♬ww〜♫〜♫〜♪ww〜

 

 マリンバ、チューバ、バイオリンの音色が見事に調和して明るい雰囲気を出しているが、のび太の少しズレたリコーダー音が調和を乱していた。そのせいかは分からないが、タキレンの涙も止まることはなかった。

 のび太がズレてることに当然3人も気づく。調和を乱すのび太を外そうとジャイアンが襟元を掴むも、のび太はジャイアンの手を振り払って演奏を続けた。思っても見なかったのび太の行動にジャイアン達の動きは止まる。

 

「ぼくだって、やり遂げたいんだ!」

 

 そう叫んでから再びリコーダーを吹き始めるのび太。

 そんなのび太の言葉と行動に胸をうたれたジャイアン達は、チャペックの楽譜をのび太に合わせて演奏し始めたのだった。

 

 のび太のリコーダーが出す、悲しさに寄り添うような音調をジャイアン達が支え、溢れんばかりに流れていたタキレンの涙も止まる曲となった。

 

「ああ……なんと切ないファーレだ。亡くなった主に会うことは二度とないと悔やんでいたのですが……お陰で気持ちが晴れました!」

 

 泣き止み、顔を上げたタキレンがのび太達を見てそう言った。

 その言葉に反応したのは、首を傾げたミッカ。

 

「亡くなったて何?」

 

「あわ、あわわ!」

 

「ふむ……伝えていないのですね。ちょうど、先程のファーレでエネルギーが満たされたようですし、案内しましょう」

 

「そうなの? 行こ、チャペック!」

 

「ああ、ミッカ様!?」

 

「「「「「…………」」」」」

 

 タキレンの言葉と雰囲気に、この先に何があるのかを大体悟ったのび太達は、楽しそうなミッカとは対照的に黙々とタキレンの後をついて行った。

 タキレンのいた柱の奥へ進んで行くと、待っていたのは巨大な石像とそれを囲むように並べられた大量の石板。よく見れば、石板の一つ一つに違った文字が刻まれていた。まるで、誰かの名前のように。

 

 その石板を見たミッカは、この場所へ連れてきたタキレンへと問いかける。

 

「ここは?」

 

「ここは、私達を作った主達……ムシーカ人のお墓です」

 

「お墓……」

 

「……やっぱりそうか」

 

「もしかして、あっちに見えるのも全部……?」

 

 のび太達のいる場所から少し見上げた所にも、ここと同じように大量の石板が並んだ土地が浮遊していた。それを見つけたリルルが疑問を呈すると、聞いていたタキレンは静かに頷く。

 そして、語り始めた。

 

「我々の故郷ムシーカは遥か昔、大厄災によって滅びました」

 

「滅んだ!?」

 

「この殿堂はわずかな生き残りとロボットを乗せた救命ボートだったのです」

 

「そのムシーカの人達は、まだここにいるんでしょ?」

 

「残念ながら……その最後の子どもが……」

 

「それが……わたし?」

 

*1
小さな小川はあるものの、さっき復活したばかりで雨が降るわけない。ひみつ道具? ……知らない子ですね




【忘れろ草】
 紫色の花と茎があり、花の香りを嗅いだときに考えたり思っていたりしたことを一時的に忘れてしまう道具。映画で活躍する機会が多い道具。ただし、自爆してしまうことも。

【音虫】
 羽の生えたタツノオトシゴにも見える、不思議な虫。ただ光るだけなのに、なぜ光蟲という名前にならなかったのかは謎。

【パロパロ】
 白く長い毛に覆われた犬のような生物。森で生活するには不向きな見た目なので、室内用だったと思われる。

【タキレン】
 瀧廉太郎をモチーフにしていると思われるロボット。涙を流す珍しいロボットでもある。森に雨を降らしていた犯人。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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