ネコ   作:ミーちゃん

79 / 82
 どんな展開にするか、迷いに迷いに迷いましたが……結局こうなりました。やっぱり、一度激突させないと難しいですよ……。あとは、どうファーレの殿堂組と絡めるかですね……。




77話 宇宙戦

 ファーレの殿堂で、ミッカとドラえもん達がタキレンから衝撃の事実を聞いていた頃。

 クロは、メカトピアからやってくる鉄人兵団に備えていた。

 

 テキオー灯照射済み偵察用ぬいぐるみ達を、どこでもドアで太陽圏ギリギリにある小惑星の一つに配置し、どこでもドアよりも幅が広いゲートを設置。そのゲートを通じて機材を運び込み、この時代のあらゆる映像やレーダーに映らないステルス基地を造りあげていたのだが……そこから、太陽圏に向かってくる10000体の機械生命体を捉えたとの情報が入ったのだ。

 十中八九、メカトピアからの兵団だろう。ワープを繰り返して移動しているのか、空間振動を何度か検知しているらしい。

 

 先にコピージュド改10体をゲートの向こうへ送り、クロ自身は人の姿に変身してから魔法で限界まで身体能力を底上げしていた。地球で迎撃する気はないため、必然的に宇宙空間での戦闘となるわけだが……無重力空間で身体能力を上げる意味があるのかと疑問に思うだろう。クロの様子を見たサベールはそうだった。

 

「常に宇宙空間で戦うわけではない。敵は宇宙船と共にやってくるのだ……空気や重力があるであろう船内でも戦うならば、身体能力の強化は必要だろう?」

 

 クロの説明を受けたサベールは疑問が氷解し、納得した。納得はすべてに優先する。

 

 地球人捕獲作戦であれば、必ず収容するための船を持ち出すはず。そして、司令官など階級の高い者は安全を考慮して船内にいる可能性も高い。そうなると船ごと破壊するわけにはいかないので、船内での戦闘を想定して強化していたのだ。

 また、クロが普段の姿ではなく人へと変えた理由は、事前にジュドから得た情報で、メカトピアのロボットは地球人と身長がそんなに変わらないと判明しているからだった。船より大きすぎてはいけないし、小さすぎると身体能力はその姿に依存するので不利になる。鉄人兵団に対抗できる地球人として認識させることもできるので、人間の姿はちょうど良かった。

 

「私は万が一が起きた時のために、待機だったか……?」

 

「ああ。吾輩は負けるつもりなど毛頭ないが、最悪を想定しないのは悪手だからな」

 

「そうだな……」

 

 そう言いながらクロは右腕に着けている黄金の腕輪に触れる。すると、腕輪は一瞬で形状を変え、サベールがリルルとの戦闘の際に纏っていた黄金の鎧となってクロの体を包んだ。また、空中に出現させた蔵に手を突っ込んで、そこから取り出したナルニアデスの剣改を腰に携える。

 そして、待機組のぬいぐるみ達にある指示を出してから、ゲートへ歩いていく。

 

「では行ってくる」

 

「ああ」

 

 そう言って、クロはゲートの向こうへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 ワープを繰り替えして宇宙空間を進むクモ型巨大戦艦と数多くのロボット達。

 彼等の目的は地球へと向かい、地球人を捕らえ、労働力にすることだった。

 

「総司令、モウスグ太陽圏内ニ入リマス」

 

「ウム……ゴホゴホッ!」

 

「大丈夫デスカ総司令!?」

 

 戦艦内部にて、総司令と呼ばれる赤いカブトムシのようなロボットが、カマキリのようなロボットの副指令から報告を受けていた。気だるげな様子で司令席に座る総司令は、副指令からの報告を聞きながらも、ゴホゴホと吐血しそうな勢いでせき込んでいた。

 副指令には、心なしか総司令が若干色あせているようにも見えていた。母星であるメカトピアで大流行してしまっているあの病気にも似たような症状があるので、より心配になっている。感染源および感染経路も分かっていない、致死率100%の病気なのだ。できるだけ同じ空間にいたくはないが、総司令にそう進言するのは難しい。かといって、副指令たる自分がこの場を離れることもできない。

 どうか感染しませんように……と内心で神に祈る副指令。

 

「副指令! 前方100キロ先二複数ノ動体反応ヲ検知シマシタ!」

 

「何? 映像ハ出セルカ?」

 

「ハッ! ……映像出マス!」

 

「ッ!? コ、コレハドウイウコトダ!?」

 

 操縦室のモニターに映ったのは10体のジュドと一人の人間、数多くのぬいぐるみであった。

 

 映像を見た副指令は混乱していた。

 まず、先に送っておいたはずのジュドが立ちはだかっていること。次に、そのジュドが複数存在するうえに、知らない装備が増えていた。腕、足、肩の装甲が厚くなっており、背中には大きな箱のようなものと、白い筒のような装備がついている。何それ、知らない……。

 そして、人間が生身で宇宙空間にいること。事前資料では、有機生命で特殊な装備なしでは宇宙空間で活動できないとされていたはず。見たところ鎧のような装備はしているものの、頭部はむき出しだ。そもそも、人間がなぜこの場にジュドらしきロボットと共にいるのかがわからない。

 さらに副指令を混乱させていたのは、奴らの背後にふよふよ浮かぶぬいぐるみ達。そのゆるふわな見た目は、あきらかに場違い感が凄まじかった。

 副指令たる自分をここまで混乱させるとは……これが敵の意図であるのだとしたら、見事だと言うほかない。混乱した頭でそう考える副指令だった。

 

『吾輩は地球に住まう者……名をクロという。お前達の目的は既に把握している。地球人捕獲作戦は中止し、メカトピア星へ引き返せ。これは警告だ』

 

「ナ、ナンダコレハ!?」

 

「奴メ、直接思考コンピュータ二……!?」

 

「バ、バカナ……アノ場所カラ100キロ先ノココ二干渉シテイルトイウノカ!」

 

「ムゥ……」

 

 モニターに映る人間が少し進んだと思えば、突然コンピュータに声が聞こえて動揺する乗組員達。副指令と同じように視覚カメラを白黒させながら混乱する……その様子を見た総司令は、棒状の操縦桿をギギギと握りしめながら唸る。

 

「ソ、総司令……イカガイタシマショウカ?」

 

「中止ナドデキルワケガナイ。ソモソモ、何故我ラガ下等ナ人間ノ要求ヲ聞ク必要ガアル」

 

「デハ……」

 

「アノ地球人ヲ捕ラエ、地球人二従ウロボット共ヲ破壊シ、地球人捕獲作戦ヲ遂行スルノダ……ゴホッ!」

 

「総司令……カシコマリマシタ。外ノ兵達二伝達、地球人ハ捕ラエテ他ハ破壊スルノダ!」

 

「ハッ!」

 

 総司令の指示によって、クロのいる方へと動き出す10000体のロボット兵。

 その動きを感知したクロは、彼等が引き返す気がないことを悟った。元々、彼等が素直に引き返すとは思っていなかったので、想定内の動きだった。それでも、できれば引き返してほしかったが。

 

『総員戦闘準備、今回はあくまで専守防衛だ。向こうからの攻撃を待ち、正当防衛として反撃を行う。司令官は交渉に必要だから絶対に捕まえるように』

 

「「「「「ぬっ!」」」」」

 

 クロの指示を受けて、コピージュド改とぬいぐるみ達が臨戦態勢になり、一部のぬいぐるみは闘志を滾らせる。クロの百人組手に付き合ったことのある者達だ。面構えが違う

 

「目標、射程距離ニ入ッタ! 攻撃ヲ開始スル!」

 

 800メートル程の距離まで近づいてきたロボット兵団。その先頭にいる兵が放った合図と共に、クロ達への攻撃が始まった。

 

 こちらへ向かって飛行しながら腕を向けて、指先から人を殺し得る熱量の光線を放つロボット兵。リルルと似た攻撃ではあるが……リルルのは威力調節ができる電撃に対して、兵団のは明らかに殺傷目的の光線となっている。おそらく、地球の軍隊を想定した威力なのだろう。

 だが、その光線がクロ達へ届くことはなかった。

 

 クロの念動力により光線の軌道が捻じ曲げられ、全て異なる方向へと誘導されたからだ。

 攻撃速度は、見た目に反してマッハ2程度。また、攻撃自体が光ってるので軌道も読みやすい。物量は凄まじいが、クロにとっては対処しやすい攻撃だった。

 

「さて、次はこちらの番だ…………

斬光(ゼルリッチ)』覚醒起動『第二魔法(キシュア・ゼルリッチ・シュバインオーグ)……」

 

 一斉攻撃が一つも当たらなかったことに動揺を隠せない兵団を観察しながら、スルリと腰に携えたナルニアデスの剣改を抜くクロ。

 そして、解除キーを口にして剣に組み込まれた機能を開放する。それは平行世界の運営を可能とする魔法であり、今のクロでは平行世界の観測が限界の力。その力をナルニアデスの剣改が開放された機能を用いて補助を行うことで、ようやく攻撃に転用することができる。魔法により幾重にも重なる世界の空間を次々と穿ち、そこから限界まで魔力を回収して質量のある特殊な光の粒へと変換。剣身から眩い光の粒子がどんどん溢れ出す。

 

 クロの行動に危険を見出した兵団は攻撃を再開。しかし、コピージュド改達の腕から放たれた粒機波形高速砲と大量のミサイルによって何体も撃墜される。稀に彼等の攻撃を掻い潜って接近してきた兵もいたが、後方にて控えていたぬいぐるみ達が強化された拳でもって応戦。結果、クロまで攻撃が届くことはなかった。

 

「『斬光破』ッ!!」

 

 クロが光溢れる剣先を兵団に向けて振り下ろすと、光はあっという間に膨張し、凄まじい速度の巨大な光線となって放たれた。

 光線は兵団を容易く飲み込み、遥か先にあった無数の小惑星すら消滅させる。やがて光線のサイズが収縮していき、光が消えた後には何一つも残っていなかった。

 

「「「「「………………」」」」」

 

 クロの狙いによって光線に飲み込まれずに済んだ戦艦内部では、体色が灰色のように変化している総司令含め、誰も言葉を発せられずにいた。目の前の光景が嘘……敵がモニターに干渉して見せた幻だと思いたかった。だが、さっきまで大量にあった味方の信号は全て消えていて、センサーが捉えた天文学的エネルギー数値も残っている。戦艦にある様々な情報探査機能が、あの光景を現実だと如実に物語っていた。

 

 そうして総司令達が現実を受け入れている間に、コピージュド改とぬいぐるみ達が戦艦を包囲しており、もはや抵抗は難しい状況に変化。

 

「ナ、ナンダ!?」

 

「操作ガ効キマセン!」

 

「センサー並ビニ船内制御システムモ……」

 

「ナニィ!? ゲホッゴホッゴホッ!」

 

「マサカ……」

 

 さらに、戦艦に転移で近づいたクロが十戒石板でギチギチに縛り上げた雷の精霊を侵入させ、電子制圧を行った。これにより、船のあらゆる操作を封じられたことになる。ワープも自爆もできない。

 

「船の操作は封じた……降伏しろ。そうすれば、命は取らん」

 

 ノイズ混じりの咳をする総司令、現在の状況と総司令の容態に表情を青白くしている副司令、何をすればいいのかわからず狼狽える操縦士達に、クロの降伏勧告が響いた。

 




【黄金の鎧】
元人魚の鎧。ひみつ道具を使った改造により、腕輪に変形が可能となった。

【第二魔法】
ようやく使用シーンを出せた魔法。魔法事典にクロが書いたことで使用できるようになった。条件を知っていれば、クロ以外でも使用できる。

【総司令】
今回、やけに咳き込んでるロボット。……ロボットが咳き込む?と疑問に感じるだろうが、今作では咳き込む。ドラえもんも咳きするもん。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。