モンハン小説【オトモたちの日常】 作:taki20191019
ツキミ … まっくろ毛並みのニヒルなオトモメラルー。オトナニャ。
だんなさん … 女ハンター。最近ダイエット中ニャ。
ある日の事ニャ。
「ダイフク、これを受け取りなさい」
旦那さんがさも大事そうに紙切れを二枚渡してきたのニャ。見ると「ラーメン券」と下手な字で書いてあるニャ。
「これは……?」
「よく考えて、大事に使うのよ。ツキミにも渡しておいて」
「あ、お金は自分で払うのよ」
そう付け加えて旦那さんは買い物に出かけて行ったニャ。
ラーメン券とは一体何ニャ?
ラーメン券には、有効期限と、譲渡禁止、再発行不可など約款事がつらつらと書いてあるんだニャ。
何かとても大切なものらしいニャ。
「ただいまニャよ。ぽけーっとした顔してどうしたダイフク」
ツキミがどこからかふらっと帰ってきたニャ。ボクはもう一枚のラーメン券をツキミにも渡したニャ。
「お、おまえこれはラーメン券!」
ツキミの目がギラギラと輝きだしたニャ。
「これ何ニャ? ラーメンってあのラーメンニャか?」
ツキミはラーメン券を凝視しながら話しだしたニャ。
「……オレたちはラーメンを食べるのを禁止されている。オレたちの健康を気遣った旦那さんが禁止令を出したんだ。オレはそんなの無視して何度かラーメン屋さんに行ってみた……だがことごとく入店お断りされて……、出前を頼んだ時もオレの目の前で持って帰りやがったんだあの野郎………とにかくラーメン券が無いとラーメンを食べる事ができないんだっ! オレは何度旦那さんを呪ったか知れない……」
ボクもラーメン禁止だったとは知らなかったニャ……。ラーメンは、ボクがまだノラだった頃に旅先で何度か食べただけだったニャ。
ツキミの顔を覗き込むと、うっすら目に涙まで浮かべているんだニャ。
「ダイフク! 早速行くニャよ」
ツキミは財布を掴んだニャ。
「でも旦那さんがよく考えて使いなさいって言ってたニャよ」
「オレは今ラーメンが食べたい。安心しろ、1番うまい店に連れて行ってやるニャよ」
ボク達はポーチを下げて街に繰り出したニャ。
おいしそうなビストロや屋台が並んでいるけど、ボクらが目指すのは街1番のラーメン屋さんニャ。
「でもツキミ〜。旦那さんが禁止にしたって事は健康に悪いのは食べちゃダメって事ニャ? ボクが健康で強いオトモアイルーになれたのは、あんまりラーメン食べた事ないからって事ニャよね?」
ツキミは、コイツ分かってないという顔をして首を振るんだニャ。
「オヤジ、ラーメン特盛!」
ツキミはボクの知る限り最大の格好良さで、ラーメン券を渡して注文したニャ。
「ボ、ボクもニャ! オヤジラーメン特盛!」
ボクも真似してみたけど、なんかちょっと違ったニャ。
「ラーメン特盛ふたつ、お待ちどうさま!」
出てきたのは分厚いチャーシューや煮卵などが乗った特別なラーメンニャ!
ボクはちゅるんと食べてみたニャ。
う、ウマイニャ!
こんなにおいしいラーメンは今まで食べた事ないニャ!
「ツキミー! おいしいニャねぇ」
ツキミを見ると、今まで見た事ないような顔でラーメンを心ゆくまで味わってるみたいニャ。
カエダマ? ってのをお願いすると、次々とラーメンが増えてまるでイリュージョン!
ボクもツキミも思う様に平らげて、もうお腹ポンポンニャ。
ボク達は帰りながら、余韻に浸っていたニャ。
「ラーメンおいしかったニャ!」
「だろ? 次はいつ食べられる事やら」
「早く次のラーメン券ちょうだいってボク旦那さんに頼んでくるニャ!」
「おいダイフク……」
買い物から帰ってきてた旦那さんは、調合したり入念にアイテムチェックをしていたニャ。
「薬ヨシ、罠ヨシ…これからギルドクエでかなりの死闘になると思われるから、ツキミとダイフクも気を引き締めて……、って……おまえら何だその腹はー!!」
ニャワワ……これはどうしたことニャか。引き締まって颯爽としてたボクのスタイルが……。
ツキミも突き出たお腹で耳もすっかりションボリしてるのニャ。
「根性入れニャおし! 今すぐ腹筋バキバキに割ってこーい!!」
おわり
by チコ
たのしかったらアクションよろニャ