藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。   作:ジャーマンポテトin納豆

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今回は藤丸君とマシュの視点だよ。
次回からちゃんと主人公視点に入るよ。


幼少期
記念すべき日


人理修復後、結局それで世界は元通りになった。

それからは大忙し。所長が居ないから誰を所長に据えようかなんて話になった訳だけれども、それどころじゃなくなった。

魔術協会はあろうことか俺の身体をサンプルとして要求して来たからだ。

 

それに青筋を何十本も立ててブチ切れたダヴィンチちゃん筆頭にカルデア職員全員とサーヴァントで魔術協会に反旗を翻した。しかも何故か知らない内に俺が所長になってて代表になってた。

 

その時はもう驚かなかった。だって人理修復の旅でもっと色々な物を見て来た訳だ。その中には勿論度肝を抜かれる様な生き物、存在がゴロゴロしている訳だし。

 

 

正直、魔術協会が俺の身体をサンプルとして要求してきた時に、

 

(あ、これ皆が絶対暴走するやつだ)

 

皆の顔を見て、そんな事を思ったりしたけど案の定だった。

まぁそれも皆が俺の事を思っての行動だし、魔術協会にサンプルとしてホルマリン漬けにされるのも嫌だったから別に良いんだけど。

 

あちこちでアサシンの皆が魔術協会のクレイジーな連中を血祭りにあげてヒャッハー!してるのを見てこれ後始末どうしようなんて別の事の心配をして頭を悩ませたのも笑い話だ。

 

 

それも直ぐに終わりを告げた。

と言うのも国連と魔術協会が頭を下げてきたのだ。

 

それで色々あってカルデアは独立。

一応魔術協会や国連と手は組んでいるけど。

資金や設備関連は気が付いたら何とかなってた。

 

うちのメンバーは皆優秀なんだよね。

 

 

 

 

 

そんな騒動も一段落してから人理修復の旅の間、ずっと傍に居てくれたマシュにプロポーズして晴れて結婚。

 

そして今に至るという訳だ。

 

 

 

 

マシュと結婚してから早くも三年。

当初は清姫とかが暴走したりしていたけど今ではすっかり収まって姑みたいな感じになりつつある。

両親にも紹介して。

実家に帰った時は二人共物凄い驚いてたな。

それもそうか。息子が海外に就職するとか言って出て行ったら奥さん連れて帰って来たんだから。

母さんには、

 

「絶対に離すんじゃないわよ!あんないい子世界中どこを探したって他に見つからないんだから!もし何かあったら土下座でも何でもして許しを請うのよ!?いいわね!?」

 

なんて物凄い顔で迫って来てたっけなぁ。

そんな感じで始まったカルデアでの新婚生活。

 

 

 

暫くをそんな生活送って来た訳だけどそれも八か月程前から終わりを迎えた。

マシュが妊娠している事が分かったのだ。

その日から家族は三人に増えて日に日に大きくなっていくマシュのお腹と子供。

 

優秀な医療系サーヴァントの婦長やジル、アスクレピオス達の診察で分かったことだ。

その時はもう二人して泣きながら大喜び。

マシュの懐妊がカルデアに報じられた時はお祭り好き達もそうでなくても大騒ぎ。

 

仕事をしながら毎日マシュのお腹を撫でて、動いた時には人生で一番感動したのをよく覚えている。

時折出張で外泊しなければならない事もあったけれどその時は気になって気になって仕方が無かった。

 

1人でフラフラする訳にも行かないから護衛として付いて来てくれたハサンさんとか小太郎とかシグルド、書文先生にしょっちゅう落ち着けとか言われたりもしたっけ。

 

 

そんな感じでまだ見ぬ我が子の事ばかり考えて日々が過ぎて行った。

 

 

そして、今日マシュが産気づいて医務室のはずなのに普通の病院どころか大病院以上の設備がある医務室に運び込まれ。

 

医務室の前で皆と一緒に今か今かと、どうか二人共無事でありますようにと願いながら待つ。

 

まぁエウリュアレとかステンノとかカーマ、ケツ姉、アルテミス(オリオン)におまじないを掛けて貰ったりしたんだけどそもそも皆安産とかの神様じゃないからなぁ、とか考えて。

そもそもケツ姉なんてルチャの神様でしょ?(違うヨー!?)

 

 

本当はマシュの隣で手を握っていたかったんだけど、仕事の都合で外に出ている時に陣痛が始まってしまい、不本意だけど医務室の外で待つことに。

 

いや、本当に仕事が丁度終わったところで良かった。

まぁ終わってなくても帰るんだけど。

 

 

 

 

他にもスカサハとかメディアもルーンで色々安産祈願的な事をやってくれたから大丈夫だとは思うけど、やっぱり心配な訳で。

 

「マスター、親父になるんだ。どっしり構えて待ってろよ。そんなんじゃ嬢ちゃんも生まれてくる子供も不安になっちまう」

 

「クー……いや、うん、そうだね。皆がこれだけ色々とやってくれたんだ。大丈夫」

 

「おう。その意気だ」

 

ワシャワシャ、と俺の頭を雑に撫でてくれる。でもすっごく優しい手だ。

流石クー・フーリン。

父親として大先輩だからか、なんだか言葉の重みが違う気がする。

 

それでも、心のどこかでやっぱり不安が残る。

 

「余の生きていた時代の出産と比べれば何てことは無いであろう?」

 

「いや、それで180人の子供がいたファラオに言われたくないよ……」

 

「フハハハ!」

 

「笑って誤魔化さないで貰える?」

 

「しかしな、それでも生まれてきて日を見る事も出来なかった我が子も大勢居るのは事実よ」

 

「……うん」

 

「何、心配は無用だ。あの医者がみすみす赤子の命を捨てるとでも思うてか?」

 

「……有り得ないね」

 

「であろう?」

 

「ター〇ネーターにしてでも生き延びさせようとしそうだもん」

 

「マスターの息子はシュワちゃんであったか!傑作だな!」

 

なんだかんだいって子煩悩なファラオに励まされたりしながら待つこと9時間。

 

 

医務室の中から聞こえて来る泣き声。

 

 

その泣き声はマシュの物では無かった。

鳴き声を聞いた瞬間、皆が思いっきり顔を跳ね上げる。

 

医務室のドアをじっと見つめて待つ。

すると中から婦長が出て来る。

 

あの、よく医者が手術するときに来ている服に血を付けながらも俺の前までやって来る。

その血を見た時、嫌な考えが頭の中を巡るがそれはどうやら無駄な心配だったらしい。

 

「おめでとうございます、マスター。元気な男の子ですよ」

 

ニッコリと笑いながら言った。

言うと直ぐに医務室に戻ってしまった。

 

 

 

「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」

 

 

「やったなマスター!」

 

「祭りだ祭りだー!!!」

 

「こうしちゃいられん!何か祝いの品を……」

 

職員、サーヴァントの区別無しに大喜び。

めでたいと、祭りを開こうとしたり何かプレゼントをと、意気込んだり。それぞれがそれぞれの言葉と態度で新しい一つの命の誕生を喜ぶ。

 

「マスター、やったな」

 

「うん……う”ん”……!」

 

「あーあー、泣くんじゃねぇよったく」

 

「ぐすっ」

 

俺も俺で嬉しさのあまり泣き出してしまったけど、それはしょうがないと思うんだ。

 

 

 

 

 

 

それから暫く。

マシュの方もようやく落ち着いて、会えることになった。

 

「マシュ!」

 

「あ、先輩。お疲れ様です」

 

「マシュの方こそ大変だったでしょ?」

 

「大変と言えば大変でしたが、嬉しい気持ちの方が圧倒的ですから」

 

疲れた顔をしながらも俺の心配をしてくれる。

俺なんかよりもマシュの方がよっぽど大変だっただろうに。

 

そこに婦長が息子を抱きかかえてやって来る。

 

「どうぞ抱いてあげてください」

 

「え?え?ど、どうすればいいの!?」

 

抱き方も分からない俺は混乱してしまう。

 

「マスター、落ち着いて。ここを支えて、ここを持って。そう」

 

婦長に教えて貰いながらその腕の中に納まった息子。

 

「うわぁ……マシュ……!凄いよ……!」

 

「はい」

 

生まれて来たばかりの息子はとても小さくてとても温かかった。

 

「初めまして……君のお父さんだよ……」

 

まだ目も開いていなくて、もしかしたら耳も聞こえていないかもしれない。だけどそう言わずにはいられなかった。

 

見つめていると、また涙が出てきてしまって。

どうしようもなく嬉しくて。だから止めることも出来ない。

 

でも、それでも笑顔が消えることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

優しい奇跡で、私は普通の人間と同じ様に寿命を全うする事が出来るようになった。

 

 

 

 

 

 

 

魔術王による人理焼却。

 

この企みを私達カルデアは数多くのサーヴァントの方々と阻止して、再び世界が回り始めました。

 

本当は魔術協会や国連の下に帰属するはずだったのですが在ろうことか魔術協会が先輩を貴重なサンプルとしてホルマリン漬けにするからとその体そのものを要求して国連もこれに同調。

 

それを良しとしなかった職員、サーヴァント一丸となって防いで。

 

 

 

落ち着いてから暫く経った頃、私は先輩にプロポーズをされました。

 

誰よりも長くその隣に居て色んな困難を乗り越え続けた私にとって既に一人のマスター、先輩という枠に収まっているものではなく、その申し出を泣きながら了承。

 

 

直ぐに生まれ故郷の日本に住んでいるご両親に御挨拶に向かったりして。

 

結婚式には先輩のご両親と、カルデア職員、サーヴァントが勢揃いで参加。

それはもう飲めや歌えや大騒ぎ。

 

 

 

 

そんな事があったのが三年程前。

八か月程前にどこか体調が変だと思いながら医務室で検査をしたところ、私は妊娠していました。

 

そして今日、お腹の中で育っていた我が子が生まれてこようとしています。

 

 

先輩は仕事の関係で外に出ている。

もう暫くで帰って来るでしょう。恐らく出産に立ち会えないですがそこは仕方が無いです。

 

本音を言えば隣に居てほしかったですが、お仕事なら仕方がありません。

 

それから何時間も痛みと戦って、ナイチンゲールさんやジルさん、アスクレピオスさんが見守っている中で、漸く、漸く

 

「おぎゃーおぎゃー!!!」

 

大きく元気な産声を上げて我が子が生まれてきました。

ナイチンゲールさんがその手で取り上げて、私に見せてくれました。

 

「マシュ、元気な男の子です。よく頑張りましたね」

 

優しく微笑みながら一言。

タオルで赤ちゃんを包んで、渡してくる。

 

抱き方なんて知らないはずなのに、自然と腕がそう抱く様に分かっていたように動く。

 

「あぁ……初めまして、私の赤ちゃん……」

 

自然と涙が溢れてきて、どうしようもなく抑えられなくて泣いてしまいました。

 

「私は外で待っているマスター達にこの嬉しい事を知らせに行ってきます。ジルさん、アスクレピオスさん、少しの間お願いしても宜しいですか?」

 

「勿論だ」

 

「マシュ、ごめんね。ちょっとだけ赤ちゃんを借りるよ」

 

「はい……」

 

それから病室に運ばれて、ベッドに横になると一気に疲れが襲ってきます。

そこに先輩が入って来て、駆け寄って来ました。

 

何時も通り、私の隣で優しそうに笑う顔を見るとホッとします。

そこにナイチンゲールさんが赤ちゃんを抱いて歩いてきます。

 

先輩に渡して、抱いてあげるように言うと先輩は恐る恐ると言った感じで抱きました。

抱き方が分からなくてオロオロしているのはご愛嬌、と言う所でしょうか?

 

 

 

 

 

こうして記念すべき私達の愛しい息子が生まれた日が過ぎていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 




補足説明?
〔一応ケツァル・コアトル神は生命と豊穣も司っているらしいから間違いではないのかも?他にも文化、雨、風の神でもあるとか。太陽を司っているという噂も。でもルチャのイメージ強いからカルデアのメンバーからは、ルチャの神様と誤解されている。本人は否定するけど結構満更でもない〕

アルテミスは狩猟と貞潔、エウリュアレとステンノは月の女神、カーマは愛の神様(何故か性転換済み)だから予想外にもケツ姉がお呪いを掛ける神様としては一番まともだったりする。


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