藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。 作:ジャーマンポテトin納豆
アニマルの視点だけだよ。
あと独自設定モリモリだよ。
嫌だという人はスキップしてね。
ーーーー ロボ ----
俺には相棒が居る。
人間だが首から上が無い変な奴だ。
でも良い奴だ。
最初は同じような願いだったから互いに利用しているだけだったのだが今は違う。
そしてそいつとは別に飼い主(マスター)が居る。
なんだかいきなり呼ばれていきなり飼い主が居た。
飼い主は俺よりも小さいのに、纏っている匂いは強い奴と同じ匂いだ。それも俺よりも強そうな匂いだ。
最初は警戒していたが何時かの時の人間みたいに罠を仕掛けたりしない優しい飼い主だ。ちょっと無警戒で甘すぎる所もあるが。
最初の内は近づかれるたびに噛みついていたが今じゃそんなことはしない。
飼い主には番がいる。
薄い紫の毛の雌だ。最初から飼い主の傍に居た。でもその時は番じゃなかったと思う。
でもある日から番の匂いに混じって飼い主の匂いがあった。
日ごとに強くなっていくから多分番特有のアレをしているからなのだろう。
俺にもその経験があるから分かる。
多分、カヴァスも分かっていると思う。言わないだけで。
他の馬の連中とかは分からない。
飼い主の番も飼い主と同じ様に強い匂いがする。でも飼い主より良い匂いだ。飼い主は偶に嫌な臭い(タマネギ)がする。
相棒は結構自由にしている。
絵が動く四角い奴の前で何人かで座って何かを弄っていたり、絵ばかりがかいてある本、というやつを見て居たり。
だから俺も自由に過ごすことにした。
ここに居る奴らはどいつもこいつも自由に過ごしている。
狩りに行かなくても飯が出て来るのは嬉しい。
でも畑にでかいイノシシや空を飛ぶトカゲが出た時は狩りをする。
アイツらは意外と手強い。空を飛んでいるだけだと思っていると痛い目を見る。火を口から出したりするし、イノシシは突進が強い。
だから油断しているとやられる。
そんな感じで過ごしていたある日の事。
飼い主と番に子供が出来た。
番の匂いが少し変わってきた時があった。その時には分からなかった。と言うのも人間と俺達では同じ状況でも匂いが違う事が多い。だから何となく匂いが違うな、程度にしか思っていなかったのだ。
それからは段々と腹が大きくなっていった。
その時、腹の中に子供がいるのを理解した。
飼い主は毎日番の腹を撫でたりしていた。それ以外の人間やカヴァスも匂いを嗅いだりした。俺も匂いを嗅いだ。
それからまた暫く経った時、子供が生まれた。
生まれて直ぐの時はちょっと血の匂いがしたが生まれた時の特有のやつなのだろう。
他の人間達は騒いでいた。
暫くして子供に会えるようになった。
飼い主の部屋に向かってみる。相棒も部屋に行って何処か嬉しそうにしていたしな。
なんか変な檻?籠?に入っているな。
上から覗き込むと寝ていた。鼻を近づけて匂いを嗅いでみた。
「フンフン……」
「んー……」
なんだか甘い匂い?がした。
飼い主よりもずっと小さくて、飼い主の前足にすっぽりと収まってしまう大きさだ。
暫く経った。
飼い主の子供は大きくなるのが遅い。
我々狼の子であればもう一人で立ち上がって歩き回っている頃なのだが。
相棒に聞いた話だと人間は大人になるまでに十数年以上も掛かるんだそうだ。
聞いた時は驚いたぞ。その年数ならばもう番を見つけて子供や子供の子供(孫)が居てもおかしくないではないか!?
それに群れの長をやっていて当たり前の年数だぞ?
いやいや、流石にそれは無いだろう。
そう思っていた時期が俺にもあった。
もう歩き始めて、何だったら狩りの仕方を教え始めている頃になってもまだ小さいままだ。意思疎通も出来なく自分の身を自分で守る事も出来ない程に弱い。
それなのにも関わらず周りから大事にされている。
何確かに我々も子供は大事にする。大きくなるまで母親を筆頭に群れの大人達で守るのだ。そうしなければ群れは滅んでしまう。
人間とはおかしな生き物だな。
しかし狩りが出来る様になれば別だ。
また新しく生まれて来た子供を守る立場に付かなければならない。
そして自分自身も番を見つけて子供を作る。
そうやって生きていくのが我々だ。
なのに人間はその子供の期間がとても長い。
一年も経つのに歩くことも出来ず、食事は母親の母乳。
あれほど強い奴ら(サーヴァント達の事)が居るのに子供は我々と同じでとても弱く頼りない。
うぅむ、益々人間とは何ともおかしな生き物なのだと思えるな……
飼い主の子供の名前が分かった。
ハルと言うらしい。文字は読めないが音でなら分かる。
しきりに飼い主や、飼い主の番、他の人間達が子供に向かってそう呼んでいたのだからそうなのだろう。
我々にも名前という概念はある。
というのも狩りの時やその他諸々の時に、お前、奴、アイツだとやりずらいのだ。
だから名前がある。
だが何故か飼い主の名前が分からん。
どいつもこいつもマスターや主、何だか好き勝手に呼んでいるものだから分からないのだ。
しかし今更呼び方を変える気にもなれないのでこれで良いのだが。
あぁ、そう言えば番の名前は聞いた事があるな。
なんだったか、えー……そう……そうだ、マシュなんたらとか言ったな。
何故二つも名前があるのか分からないしどちらで呼べばいいのか分からないからそのまま番と呼んでいる。
しかし別に構わんだろうとは思う。何故なら彼らは我々の言葉を理解出来ないのだから。まぁそれでもある程度の意思疎通が出来ている辺りそこまで気にするような事でも無いのだ。
元々俺の名前は違ったのだが人間達がそう呼んでいるので今の名前になった。
別に元の名前に未練が無いとかではないのだ。
だが今は人間と共に暮らしているが、あの名前は仲間達と、家族にだけ呼んで貰う特別な物なのだ。
いかな相棒とは言え、飼い主とは言え許可は出来ないのだ。
話を戻そう。
ハルの事だが顔を近づけるとじゃれて来る。
手を伸ばして触って来たり、尾を上から垂らしてやれば抱き締めて楽しそうに笑う。
そしてそのまま寝てしまう。
悪い気はしない。
まぁ飼い主の子供だから元々色々と匂いを嗅いだり舐めたりしていたがそれでも嫌がらないのは嬉しい。
しかしあれだな。
この前は嘗め回しすぎて唾液まみれにしてしまった時は流石に怒られるかと思ったが飼い主は笑っていたし、番もあまり怒っているようでは無かった。だが流石に何度もやらかすわけには行かない。
今度からは気を付けなければ。
今日は朝起きてから飯を貰い、相棒と共に食べてからカヴァスと共に飼い主と番、ハルの部屋に向かう。
こいつはハルの所に行く時は何時も一緒だ。それ以外の時はそれぞれ自由にしているが、この距離間は好ましいと思う。まぁでもハルを含めて俺や飼い主達にじゃれついてははしゃいでいる。外に出ていれば駆け回っているし自由奔放な奴だ。
少しアホな所もあるが些細な問題と言えばそうなのだろう。
野生の中じゃ致命的そうだがな……
部屋に行けば飼い主は既に居ない。
狩りではないが似た様な事をしている。人間の文字が書かれた紙の前に座って何やら唸っているが威嚇では無さそうだから悩んでいるのだろう。
まぁ相談に乗ってやることも出来ないし、精々が好きなように撫でられていてやるだけだ。
代わりに番とハルが居る。
相変わらずどちらも小さいな。
俺が丸まれば簡単に収まって余りある大きさだ。
それなのに強そうな匂いがする番は何なのだ。
「春~、ロボさんとカヴァスさんが来てくれましたよー」
「うー?んぁー!」
「はい、今触らせてあげますから待って下さいね」
「んばっ!あぅ」
「ロボさん、カヴァスさん触っても宜しいですか?」
「ワウ(好きなだけ触れ)」
「ワフ!ワウン!(早く撫でてー!早く遊ぼー!)」
今日も存分に撫でられた。
しかし撫でるのが上達してきているな。
あとはもう少し力があれば文句無しなのだが赤ん坊にそれを求めるのは無理があるか。
最近漸くハルが歩けるようになって来た。
やはり随分と時間が掛かるのだな。一年以上だぞ?我々ならもうとっくの昔に歩き始めていて狩りに参加していてもおかしくはない。
だがやはり、歩けるようになったとは言ってもまだまだ覚束無い足取り。よく歩く練習をしているのだろう様子を見かける事がある。
やはり人間と我々では色々と違うという事か。
今日も今日とてハルの元へ行く。
む?どうしたハルよ。
手を伸ばして来て、俺に触りたいのか?
「ろぼふあふあ!」
「ワッ(もっと触っていいぞ)」
「いいにおいー」
「ワフワフッ、ワウ(そうだろうそうだろう。もっと嗅いでもいいぞ)」
「ワッ!?ワォ!ウワゥ!(ズルい!俺も撫でて!撫でてよ!)」
「かばすそんあにおさないでー!」
カヴァスは俺を撫でているハルに自分も撫でろと頭を押し付けてグリグリとやっている。
おい、そんなに押してやるな。倒れたらどうする。
倒れないように、後ろから支えてやる。すると俺にも催促されていると勘違いしたのか子供のわざとらしいようなしょうがない、という顔で纏めて撫でて来る。
「しょーがないからいっちょになでてあげう!」
「ワン!(あ、そこもうちょっと!)」
「フー……(む、そこをもう少し頼む)」
「相変わらずモフモフですね。……ちょっと私も失礼して……」
なんだか飼い主の番も一緒になって俺達を撫で始めた。
ある日の事。
ハルはテレビを見始めた。
相変わらず俺達の仲間が映っていたりシカやイノシシが映っているのを見ている。
そんなものを見なくてもここには俺やカヴァス、馬の連中が居るだろうに何故だ……?
あぁ、そうか。ここに居ない奴らだからか。
だが俺達の仲間を見るのは何故だ?カヴァスは同じ狼じゃないが俺は狼だぞ?
ぬ……?番が尾を抱き締めて来たな。丁度良い、このまま丸くなってやろう。
「ワウッ(カヴァス、テレビに向かって丸まるから移動しろ)」
「ンワウ?ワン(移動?分かった)」
カヴァスに移動しろと言って場所を変えさせる。
その後に番を尾にくっつけたまま丸くなる。
「ろ、ロボさん?どうかされたのですか?」
「ワフッ(気にするな。位置を変えただけだ)」
「あ、ありがとうございます。ロボさん」
「ワッ(気にするな)」
そしてハルの纏っている物の首の部分を咥えて中心に持ってくる。
「わー!ういたー!」
「グゥ(おい動くな。落としたらどうする)」
「うごいたー!」
「グゥフ(だから動くな。落ちるぞ)」
真ん中にハルを置いて終了。
これならばテレビもちゃんと見える。距離は遠すぎず近すぎず。
あのテレビを近くで見ていると目が痛くなる。だからハルも同じはず。
この距離なら大丈夫だと思う。
「もっかいもっかい!」
「グワウ。ワフ(やらん。テレビを見るか俺達を撫でるかのどっちかだ)」
もう一度やって欲しいとせがまれたがやらない。
顎を床に付けてに落ち着く。やってくれないと分かったのかハルはカヴァスを抱き締めながらテレビを見る。
特に見る様なものでもない。
まぁでも偶に旨そうなやつだったりが映っているが今回はそうでもないらしい。
だが意外と面白い。狩りの仕方も俺や仲間達のやり方とは違っていてそう言うやり方もあるのかと思う事もある。
暫く見ていると飯の時間になったのか何処かに出て行くようだ。
何時もの人間達が飯を食っている所か。
あそこに行けば俺達の分も用意されているから一緒に行くとしよう。
生の肉も良いものだが焼いたりしてある肉はもっと良い。
俺とは違うが耳と尾が生えている人間が俺の飯を作っている。
「お?今日も来たのダナ!ウム、ちゃんと用意してあるぞ!今持ってくるから待っていろ」
「ワウ(ありがとう)」
そして用意される飯。
俺では持っていく事が出来ないから毎回運んでもらっている。
そして礼を言ってから齧り付く。
今日も美味い。
部屋に帰ってからは相変わらずテレビを見たり紙の束、本と言っていたやつを見たりする。暫くするとハルが眠くなって来たのかうつらうつらとし始めた。
番とハルを丸まった俺の真ん中に持って来て尾を下に敷く。
ついでにカヴァスも下になる。上に乗られようがこいつは特に気にした様子も無く寧ろ嬉しそうにしている。
そのまま暫くするとハルは寝息を立て始め、少しすると番も寝息を立て始めた。
ついでにカヴァスも。
あ、おい。カヴァス涎を垂らすんじゃない。
まぁいいか。
俺も寝るとしよう。
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ロボさん達のマスターの呼び方をかなり悩みました。
マスター呼びか、それとも名前か飼い主呼びか。
結局今回の呼び方になりましたがまぁ賛否両論あるとは思いますが許してください。
感想、待ってます。
Aチームで登場させるとしたら誰が良い?
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ぺぺさん
-
カドック
-
オフェリア