藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。   作:ジャーマンポテトin納豆

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第一回アンケートで募集したやつです。

前話で書いた通りですがこのアンケート話に限り春君の年齢はバラバラで、小学生ぐらいだったり中学生、はたまた高校生と言う事も有り得ます。

そう言う訳ですので色々な年齢の春君と、サーヴァント達のほのぼの日常生活をお楽しみください。



キスの日

 

 

 

今日はキスの日。

なんで知っているのかって言うと……

 

 

 

 

 

「ハルー!チューしよー!」

 

「人間の熱は嫌いだ。ハル、お姉ちゃんとキスしよう」

 

「ハル、私にキスしなさい。あら、恥ずかしがっているの?」

 

「ハル、お姉ちゃんとキスしませんか?」

 

 

 

 

 

と、まぁこんな具合に皆からちゅーを迫られてる。

別に嫌じゃないんだよ?嫌じゃないんだけど、清姫お姉ちゃんとか頼光お姉ちゃん辺りがすっごい食い気味というか、もうびっくりするぐらいグイグイ来る。

 

「春~!春~?何処に居るのですか~?お姉ちゃんときすしましょう~!」

 

「はぁ……はぁ……春と好きなだけ接吻出来る……!春ー!」

 

……凄く追いかけてくるんだけど。

他にも静謐ちゃんとかも。

頼光お姉ちゃんはまだしてないから分かるけど、清姫お姉ちゃんはさっきした筈なんだけど……

一回したら終わりなのにどうしてだか、好きなだけキス出来るって勘違いしてるんだよね。さっきから一回だけって言ってるのに、目の前の事に夢中なのか全く聞いてないんだ。だから頼光お姉ちゃんには悪いけど逃げ回ってるんだ。

 

だって捕まったら誰かに助けて貰うまで清姫お姉ちゃんのお部屋に監禁されちゃう。良い人なんだけど興奮すると周りが見えなくなっちゃうんだよね。だから落ち着くのを待つしかない。

 

 

それに比べてお兄ちゃん達は何時も通り、僕達をニコニコしながら食堂に集まって見ているだけ。流石に本当に危なくなったらストップが入るんだけど今はまだその段階じゃないから見てるだけ。

 

そう言えばさっき賭けをしようとか騒いでたな……

多分、僕が逃げ切れるか、それとも捕まっちゃうのかの二択かな?

 

まぁでもスカサハお姉ちゃんとかブーディカお姉ちゃん、アタランテお姉ちゃんが僕をダシにして賭けをするな、って止めに入るんだろうな。

止めに入るって言っても殆ど無理矢理連れて行ってお仕置きされちゃうんだろうけど。お兄ちゃん達はお姉ちゃん達に何故か敵わない人が多すぎるんだよね。

そこまでが大体の一連の流れかな。

 

 

ロビン兄ちゃん達はそこら辺の事をちゃんと分かってるのか、余りそう言った事に加わらない。

寧ろ陰でコソコソと僕の事を手助けしてくれる。

 

今も清姫お姉ちゃんの事を少しだけ足止めしてくれてる。

なんで全力で足止めしないのかって言うとロビン兄ちゃん曰く、

 

「万が一の時に、逃げることもあるだろうからこれは良い訓練だな。ま、多少は手助けしてあげっから今回ばかりは逃げ回りなさいな。必ずしも助けに入れるって訳じゃないから今度、妨害工作の仕方を教えてやるよ」

 

だって。

そう言う訳で逃げ回っているんだ。

まぁでもこの状況を結構楽しんでる自分も居るんだ。

 

……今の清姫お姉ちゃんはちょっと怖いけど。

 

 

 

 

 

 

逃げ始めてから三時間ぐらいかな?

道中でもお姉ちゃん達とチューしてる。まぁでもほっぺになんだけどね。

お姉ちゃん達の事は大好きなんだけど流石に恥ずかしいからね。

 

 

あっちへこっちへ清姫お姉ちゃんから逃げる。

すると、頼光お姉ちゃんのお部屋の前にやってきた。

なんだかどんよりした雰囲気が漂って来てる。

 

何かあったのかな?

 

ノックをしても返事が無い。

本当は駄目なんだけど入らせてもらおう。身体の調子が悪かったりしたら大変だもんね。

 

「頼光お姉ちゃん?どうしたの?」

 

「……春?」

 

「どうしたの?お腹痛いの?」

 

部屋に入ったら、頼光お姉ちゃんは布団を被って電気も付けずに膝を抱えていた。

なんだか悲しそうな顔をしている。というか泣いてる。目の辺りが赤いしそれに鼻をグスグス言ってるし。

 

「そうでは無いのです……」

 

「じゃぁどうしたの?」

 

「春は私の事が嫌いですか……?」

 

「うぅん、大好きだよ?」

 

僕がそう答えてもお姉ちゃんはまだ泣いている。

 

……これ多分僕のせいだ。

 

清姫お姉ちゃんから逃げ回っていた時に結果的に頼光お姉ちゃんからも逃げちゃうことになってたから、頼光お姉ちゃんは逃げられてるとか、避けられてるって思って落ち込んじゃったんだろうな。

うーん、申し訳ないことしちゃったなぁ……

 

清姫お姉ちゃんなら逃げ回っても清姫お姉ちゃんのメンタル的に何てことはないし、寧ろもっと白熱して追いかけて来るから全く心配ないんだけど、頼光お姉ちゃんは意外と結構メンタル的に弱い所があるらしいからこうなっちゃったんだね。

 

 

 

 

「でも、春は私から逃げていたでしょう……?」

 

「あー、頼光お姉ちゃんから逃げていたんじゃなくて清姫お姉ちゃんから逃げてたんだよ。同じ方向から清姫お姉ちゃんが来てたから結果的に頼光お姉ちゃんからも逃げる事になっちゃったんだよね」

 

「……本当ですか?」

 

「うん。僕はお姉ちゃんの事大好きだよ?」

 

「……本当の本当に?」

 

「本当の本当に、だよ」

 

頼光お姉ちゃんは布団の中からちょっとだけ顔を出して、不安そうな目でジッとこっちを見て来る。これは多分信じてないな?

 

うーん、どうすれば信じて貰えるかな?

 

 

そうだ、お姉ちゃんは僕とチューしたかったんだけど出来なかったから泣いてるんだ。ならチューすれば良いんだよ!

 

「お姉ちゃん、僕とチューしよう」

 

「え?」

 

僕はそう言ってお姉ちゃんの布団の中に潜り込む。

頭を突っ込むと頼光お姉ちゃんの匂いがする。ちょっと甘い感じの優しい匂い。

布団の中に居るからか、普段はほんの少しだけしか漂って来ないんだけどその匂いが籠っててちょっとだけクラクラする、かな?

 

でも嫌じゃないし、頼光お姉ちゃんに包まれているみたいだから寧ろ心地良くてとっても良い感じ。

 

「は、春?どうしたのですか?」

 

頼光お姉ちゃんは少し驚いたようにするけど、嫌がる感じは無い。

頭から肩、胴体、足と入って行ってお姉ちゃんの膝の上に座る。

 

「ぷはっぁ!」

 

「きゃっ……」

 

顔を出したら丁度お姉ちゃんの顔の目の前に出たからか、いきなり飛び出してお姉ちゃんは少し驚いたように声を上げた。

 

「ちゅーすればお姉ちゃん元気出る?」

 

「え?……えぇ、元気が溢れると思いますよ」

 

「それじゃぁ僕とチューしよう。元気じゃないお姉ちゃんは見て居られないよ」

 

「春は私とそう言う事をするのは嫌じゃないのですか?」

 

「全然嫌じゃないよ?さっきも言ったけど僕はお姉ちゃんの事が大好きだもん」

 

「本当に?」

 

「うん。だってお姉ちゃんはとーっても優しくて、温かくて、ふわふわしてて、綺麗で、可愛い」

 

「ふふっ……ありがとう、春。私も春の事がとっても大好きですよ」

 

「えへへ、知ってるー」

 

頼光お姉ちゃんはさっきよりも元気になったのか、僕の事を優しく抱きしめて柔らかく嬉しそうに笑っている。

金時兄ちゃんが前に、頼光お姉ちゃんはなんだか色々とあって苦しかったり悲しかったりするって言ってたんだけど……

えっと、人間じゃない?とかなんとかで悩んでる?悩んでた?らしくて。

 

「僕はお姉ちゃんがどんな事があっても、あったとしても大好きって気持ちは変わらないと思うよ。だってどんな時でもお姉ちゃんに変わりは無いし、もし少しでも変わったとしてもそれはお姉ちゃんだから。たまーに怖い感じになったり暴走しちゃうこともあるけどそれは全部僕絡みで、僕の事を沢山心配してくれて考えてくれてるって事だと思うから。他のお姉ちゃん達もそうだけど、これだけ僕の事を大好きって言ってくれて優しくしてくれて心配してくれる人を嫌いになる筈が無いよ」

 

 

 

「だから頼光お姉ちゃんの事、大好きだよ」

 

 

 

 

 

それからお姉ちゃんはまたちょっとだけ泣いてたけど、さっきみたいに悲しくて泣いているんじゃなくて嬉しくて泣いているって感じ。

だって悲しくて泣いてたらこんなに幸せそうで嬉しそうな顔でなんて泣かないと思うもん。そんな頼光お姉ちゃんを泣き止むまでぎゅっと抱き締めていた。

 

 

 

 

「春、とても見苦しい所を見せてしまいましたね」

 

「うぅん、お姉ちゃん達も泣きたい時はあるから」

 

頼光お姉ちゃんは泣いていた事を謝る。

でもそんなことは無いと思うんだ。大人でも泣きたくなる時もあるし、僕ばかりが甘えている訳には行かない。

 

お姉ちゃんは笑っていた。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、ちゅー」

 

「はい。ん……」

 

泣いてたお姉ちゃんが落ち着いてほっぺにチューしようとしたら、お姉ちゃんは僕のほっぺじゃなくて口にチューをして来た。

 

恥ずかしいけど、お姉ちゃんの事は大好きだから全然嫌じゃない。

 

「ふふ、春、私を心配してくれてありがとうございます」

 

「うぅん、何時もお姉ちゃんは僕の事心配してくれるからそれに比べたらなんて事は無いよ」

 

「あらあら、随分と大人びた事を言うのですね」

 

お姉ちゃんは嬉しそうに笑うと、膝の上に居る僕を後ろから強めにギュって抱き締めた。僕もお姉ちゃんの腕を抱き締めるとお姉ちゃんはもっと嬉しくなったのか耳元で鼻歌を歌い始めた。

 

その鼻歌はとっても優しくて綺麗な音色だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、頼光お姉ちゃんの所を離れて清姫お姉ちゃんから逃げ回りながら皆とちゅーしたり、お菓子を貰ったりしてもう7時になった。

 

玉藻お姉ちゃんとかが羊羹とか金平糖くれたりしてかなり時間が掛かっちゃった。でも美味しかったから全然構わないんだけど。

 

 

 

 

それでご飯を食べてお風呂に入って今は頼光お姉ちゃんのお部屋に居る。

なんでかって言うと今日限定でお姉ちゃんと一緒に寝る事にした。昼間にお姉ちゃんが泣いちゃったのは僕のせいだし、お詫びって訳じゃないけどね。

 

あ、ちゃんと母さんに許可取ったよ?流石に無断でそんな事したら心配掛けちゃうしね。

 

「頼光お姉ちゃん!」

 

「はーい……あら春?こんな時間にどうかしたのですか?」

 

「えっとね、今日はお姉ちゃんと一緒に寝たいなって思ったんだ。駄目かな?」

 

「あらあらまぁまぁ……!勿論喜んで一緒に寝ましょう!」

 

お姉ちゃんは昼間の感じとは打って変わってそれはもう途轍もなくご機嫌になって僕を抱き上げるとスリスリスリスリ……

 

それから一時間ぐらいお話して9時ぐらいに一緒に布団に入って寝た。

お姉ちゃんは僕の事を抱き締めたまま寝ちゃった。僕もお姉ちゃんを抱き締めて寝たんだけど、夜、お姉ちゃんの寝返りで下敷きにされた時は本当におも……いや大変だった。必死に抜け出そうとして一時間ぐらい格闘してたし。

 

 

まぁそれでもお姉ちゃんはとっても幸せそうにしてたから良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー side 源頼光 ----

 

 

 

 

 

 

今日は、何故だか分かりませんが春が皆に接吻をして回っている、と聞きました。本当はそんな事はしてはいけないと叱るべきなのですが。

 

春と接吻出来ると言うのならばそんなことは今はどうでも良いのです!

 

清姫さんが春を探して、追いかけて回っているようですが春はスカサハさんやロビンフッドさん、レオニダスさんを筆頭とした師匠軍団から教えられた術を使ってあの手この手で逃げ回り一向に捕まらない様子。

 

ロビンさんなどがちょこちょこ春を手伝って妨害しているという事もあるのでしょうけどそれでもまだまだ小さい春が戦闘能力的にはこのかるであの中でも下の方とは言え、サーヴァントである清姫さんから今の今まで逃げ回れていることはやはり、とんでもない事なのです。

 

中々に凄いです。

 

 

 

私も春の事を探しているのですが、どうにも春は逃げ回っていて全く会えません。

どうしてでしょうか?ロビンさんが仕掛けた罠などに引っかかってしまいます。

 

…………もしかして私からも逃げている?

 

いえ、春に限ってそんなことは無いです。春は私の事を好いてくれていますし。

あぁでも、もしかしたら私の魔性の事に気が付いていたら……?

 

そう考えてしまってからはそんな事は無いと思いながら探し回る。

ですが春は見つからず、どんどん不安が大きくなって募っていくばかり。

 

それからも探し続けても、春を見かける事すら出来ず只々時間が過ぎていくばかり。

そうなっては不安で不安で仕方が無くなってしまう。

怖くなって自身の部屋に戻って、頭から布団を被って膝を抱えて蹲る。

 

何故だか涙が溢れて来て止まらない。

ハルに嫌われたのか、それとも私の魔性に感づかれて……?

 

 

 

そんな事をずっと考えてしまって止まらなくなってしまった。

暫くそんな風にしていると部屋の扉が叩かれる。

 

しかし今の私にはそれに答える程の気力は無くそのまま布団に包まっていると扉が開かれた。

 

「頼光お姉ちゃん?どうしたの?」

 

「……春?」

 

「どうしたの?お腹痛いの?」

 

部屋に入って来たのは春だった。その顔は部屋の電気が付いていないから良くは分からないですが私の顔を見てとても心配しているような顔だった。

 

春は私の事を心配したのか、それともこの年頃特有の好奇心故にただ聞きたいだけなのか。

どちらにしろ私に痛いところは無い。

 

「そうでは無いのです……」

 

「じゃぁどうしたの?」

 

「春は私の事が嫌いですか……?」

 

「うぅん、大好きだよ?」

 

春に私の事が嫌いか、と聞くと首を振って大好きだ、と答えた。

嘘だ。ならなんで私から逃げていたのですか?

 

そう考えると少しは収まって来ていた涙がまた溢れてきた。

駄目だ。春の前で泣いては駄目だ。でも止まらない。

 

 

 

「でも、春は私から逃げていたでしょう……?」

 

「あー、頼光お姉ちゃんから逃げていたんじゃなくて清姫お姉ちゃんから逃げてたんだよ。同じ方向から清姫お姉ちゃんが来てたから結果的に頼光お姉ちゃんからも逃げる事になっちゃったんだよね」

 

「……本当ですか?」

 

「うん。僕はお姉ちゃんの事大好きだよ?」

 

「……本当の本当に?」

 

「本当の本当に、だよ」

 

春が嘘を言って居ない事は雰囲気で十分な程に伝わって来る。

だけど聞いてしまう。本当なのか聞いてしまう。

 

春は私の前に立って頷く。

でも本当に嫌われていないのか?そう思って不安でしょうがない。

 

ジッと春を見つめるとそんな私を見て春は少しだけ考えてから言った。

 

「お姉ちゃん、僕とチューしよう」

 

「え?」

 

春はそう言って布団の中に潜り込んで来る。

 

「は、春?どうしたのですか?」

 

驚いて何も出来なかったけれど、さっきまで感じていた不安は少しだけ和らいだ。

頭を入れて来てごそごそもぞもぞと、どんどん入って来る。

髪の毛が足に擦れて少しこそばゆい。でも男の子らしからぬ、流れるようにさらさらで柔らかい髪の毛が当たる。

 

春は私の膝の上に座ると頭をずぼっ、と突き出して来た。

 

「ぷはっぁ!」

 

「きゃっ……」

 

少し驚いて声を上げてしまったけれど目の前にある春の顔は何時も通りの優しい顔。

少し微笑むと春は聞いていた。

 

「ちゅーすればお姉ちゃん元気出る?」

 

「え?……えぇ、元気が溢れると思いますよ」

 

それはまぁ可愛い可愛い春との接吻が出来るのだからそれはもう元気になるに決まっている。寧ろ私を含めてこのかるであに居る者ならば誰だって元気を通り越して天高く舞い上がってしまう。私も例外ではない。

 

「それじゃぁ僕とチューしよう。元気じゃないお姉ちゃんは見て居られないよ」

 

「春は私とそう言う事をするのは嫌じゃないのですか?」

 

「全然嫌じゃないよ?さっきも言ったけど僕はお姉ちゃんの事が大好きだもん」

 

もう一度嫌いでは無いのか、と聞いてみると答えながら二へッと笑う。

 

「本当に?」

 

「うん。だってお姉ちゃんはとーっても優しくて、温かくて、ふわふわしてて、綺麗で、可愛い」

 

「ふふっ……ありがとう、春。私も春の事がとっても大好きですよ」

 

「えへへ、知ってるー」

 

私も春が大好きだ、と伝えるとやはり嬉しそうに笑う。

そんな春を見ているとさっきまでの不安が嘘の様に幸せな気持ちが溢れて込み上げてくる。

そんな春を抱き締めて思わず笑みが零れてしまう。

そんな私を見ながら春は言った。

 

「僕はお姉ちゃんがどんな事があっても、あったとしても大好きって気持ちは変わらないと思う。だってどんな時でもお姉ちゃんに変わりは無いし、もし少しでも変わったとしてもそれはお姉ちゃんだからたまーに怖い感じになったり暴走しちゃうこともあるけど全部僕絡みで、僕の事を沢山心配してくれて考えてくれてるって事だと思うんだ。他のお姉ちゃん達もそうだけど、これだけ僕の事を大好きって言ってくれて優しくしてくれて心配してくれる人を嫌いになる筈が無いよ」

 

 

 

「だから頼光お姉ちゃんの事も大好き」

 

 

 

そう言ってくれた。

そんな言葉がとても嬉しくて、恐らく私の魔性の事には気が付いていないでしょうけど、もしそれを知ったとしても今の態度が変わらないと言う事は直ぐに分かった。

 

 

それがとても嬉しくて春を抱き締めながら泣いてしまった。

でも先程泣いていたように悲しくて泣いているのではなくて嬉しくて溢れて来る涙だった。

 

春はそんな私をギュッと抱き締めて私が泣き止むまでそのままで居てくれた。

 

 

 

 

 

「春、とても見苦しい所を見せてしまいましたね」

 

「うぅん、お姉ちゃん達も泣きたい時はあるから」

 

泣いてしまった事を謝ると春は子供なのにそんな事は無いと首を振る。

なんともまぁ、大人びた事を言ってくれる子ですね。

 

でもそれがとても微笑ましくて笑ってしまう。

 

 

 

 

「お姉ちゃん、ちゅー」

 

「はい。ん……」

 

泣いていた私が泣き止んだ時に春と接吻をした。

本当は頬へだと思うのですがまぁこれぐらいは良いですよね。

 

そう思ってそのまま口へした。

離れると、春は恥ずかしそうにしているけれどそれでも嬉しいのか笑っている。

 

「ふふ、春、私を心配してくれてありがとうございます」

 

「うぅん、何時もお姉ちゃんは僕の事心配してくれるからそれに比べたらなんて事は無いよ」

 

「あらあら、随分と大人びた事を言うのですね」

 

やはり春は大人びた事を言う。

まぁでもそんなところも随分と可愛い。

 

後ろから春を抱き締める。すると春は前に回した腕にギュっと抱き着いてきてそれはもう気分がとても高揚してしまう。

するとどうしても気分が良くて鼻歌を自然と歌ってしまう。

 

 

暫くその様に過ごした。春の体温や匂いを感じながら過ごすとてもとても幸せな時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になってから夕餉を取って、お風呂に入る。

そして部屋に戻ると今日の昼間の出来事が頭の中をぐるぐると巡る。

 

すると部屋の扉がまた叩かれる。

 

「頼光お姉ちゃん!」

 

「はーい……あら春?こんな時間にどうかしたのですか?」

 

扉を開けるとニコニコと笑うハルがそこに居た。

本当にどうしたのでしょう?こんな時間に春が訪ねて来る理由が無いと思うのですが。

 

「えっとね、今日はお姉ちゃんと一緒に寝たいなって思ったんだ。駄目かな?」

 

「あらあらまぁまぁ……!勿論喜んで一緒に寝ましょう!」

 

そんな事を言われてしまったら嬉しくて嬉しくてしょうがないでは無いですか……!

勿論一緒に寝るに決まっています。

 

とても嬉しくて布団に入って春の事を抱き締める。

気が付かない内に眠ってしまった。

でもとても幸せで、こんなに至福の一時があって良いものか?と思ってしまうほどでした。まぁ朝起きると春は腕の中から抜けていましたが私の事を抱き締めて気持ち良さそうに眠っていました。

 

 

とってもとっても幸せでした。

 

 

 

 

 

 

ーーーー side out ----

 

 

 





暴走して春君追いかけ回しているきよひー。
暴走するまではとっても綺麗で優しくて良いお姉ちゃんの頼光ママン。
ロビンフットは不器用だけど優しい感じのお兄さん。
他多数。

賭けをしている面々も楽しんではいるけどギリギリよりもちょっと安全なぐらいの時にちゃんと助けに入ってくれる。

※ 逃げ回る、これもある種の鍛錬って事でスカサハ達、お師匠軍団の元、しっかりとした安全管理をした上で行っております。知らないのは春君を追いかけている人だけです。だって春君を追いかける人って固定メンバーだしね。



今回の話はちょっと難産でした。
登場したのは頼光ママンだけなのがその証拠です。
頼光ママン自体も表現する事がかなり難しかった。
でも春君と仲良くしている描写が書けたと思うので大満足です。





安定の誤投下をしてしまいました。
Enterキーを連打してしまうと言う癖がありまして……
そう言う訳で誤投下をしてしまいました。

申し訳ありませんでした。

Aチームで登場させるとしたら誰が良い?

  • ぺぺさん
  • カドック
  • オフェリア

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