藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。 作:ジャーマンポテトin納豆
たまもお姉ちゃんからビニール袋を貰って再びお花を捕まえる為にマーリン兄ちゃんの所に戻る。
「つかまえるぞー!」
「がんばれー」
マーリン兄ちゃんとえいえいおー!と掛け声を出してビニール袋を構えて花に向かって飛び掛かる。
「えい!」
ビニール袋を上から被せてその上から掴む。
だけど消えちゃう。おかしいなぁ?隙間は無い筈なのに全然捕まえられない。掴む事は出来るのに何でだろう?
「つかまんないよ!?」
「捕まらないねぇ」
「なんで!?」
「なんでだろうねー」
マーリン兄ちゃんに何で?と聞いてもなんか楽しそうにニコニコと笑いながら返事をするだけで具体的な方法とか理由とかを教えてくれる訳じゃない。まぁそれで全然良いんだけど、この花、本当にどうやって消えちゃうんだろう?
それからさらに三十分ぐらいビニール袋で捕まえようとしたけど全然捕まんない。
おかしいなぁ……隙間が無いビニール袋なら絶対に捕まえられると思ったんだけど全然駄目だ。もしかしたら今やれば網でも捕まえられるんじゃ?と思ってもう一度試してみたけど結果は同じ。
そうやっていたら何時の間にかお昼ご飯の時間になっちゃった。
「ハル、続きはご飯を食べてからにしようか」
「はーい」
マーリン兄ちゃんに連れられてご飯を取りに行く。
「なんにしようかなー」
「僕は久々にハンバーガーでも食べようかな」
「あー、すまない。ハンバーガーは売り切れだ」
「え?」
「彼女が全部持って行ってしまったのでね」
「……ならハンバーグをお願いするよ」
「その、本当に申し訳ないな。幾つか取っておこうと思ったんだが、根こそぎ持って行かれてしまった」
「まぁ彼女相手ならしょうがないさ」
マーリン兄ちゃんはエミヤ兄ちゃんとお話し中。
僕は何食べよーかなー。
「讃岐うどんくーださーいな!」
「はいはーい」
「まーたうどんですか?たまには別の物を食べたらどうです?」
「えー?昨日は肉うどんだしその前は天麩羅うどんだし、その前は山菜うどんだったよ?」
「それ全部うどんですから」
隣でむさしちゃんがうどんを頼んでる。
……今日は麺類にしようかな。一昨日うどん食べたから今日はパスタ!
「ぶーでぃかおねえちゃん!かるぼなーなちょうだい!」
「はーい。ちょっと待っててねー。温泉卵乗せる?」
「のせるー!」
ブーディカお姉ちゃんにカルボナーラを頼んで待つ。
「お待たせー!落とさないように気を付けて持って行くんだよー」
「はーい!」
ちょっと待つとカルボナーラが出てくる。作り立てで湯気がもくもくと立っている。
ちゃんと温泉卵も乗っている。うはぁ!すっごいおいしそう!
「ハル、席まで一人で持って行けるかい?持って行ってあげようか?」
「だいじょうぶ!」
さっきまで座っていた真ん中あたりの席にマーリン兄ちゃんと一緒に座って食べ始める。
すると僕とマーリン兄ちゃんの周りの椅子を中心にどんどん皆が集まってくる。一番最初に座ったのはむさしお姉ちゃん。うどんをちゅるちゅる美味しそうに啜ってる。
……むさしお姉ちゃんってご飯時に見かけるとうどんを食べている所しか見たこと無いよ。三食全部うどんを食べているんじゃ?と本気で疑ってる。栄養偏っちゃうよ?フロー姉さんに怒られちゃうよ?
「んー!やっぱりおうどんは美味しいッ!春の隣で食べるとこれまた格別ね!」
「むさしおねえちゃん、もっとちゃんといろんなものたべないとだめだよ?」
むさしお姉ちゃんは本当に美味しそうに食べてる所に悪いけど言わせてもらった。だってお姉ちゃんが病気になっちゃったら嫌だもん。
「えー?好きなものをおなか一杯食べる!これこそ一番の幸せ!だからそれは無理かな」
確かにその通りだけど。そうなんだけど。
でもちゃんとバランスよく食べないと元気も出ないし体の調子も悪くなっちゃうよ。全部フロー姉さんとかエミヤ兄さん達に教えてもらったんだけど。
それにそんなことばっかりしてるとフロー姉さんに絶対に怒られちゃう。
医務室に連れて行かれて何日もの間ずーっとバランス良く栄養を取ることが大事なのか延々と説明されることになっちゃうよ?
「……ふろーねえさんにおこられても?」
「…………」
「むさしおねえちゃん?」
「………………ちょっとはお野菜とかも食べようかなー」
そうやって聞いてみると少し目を逸らしてうどんをちゅるちゅる啜ってからかなりの棒読みでそう言った。
うーん、結構怪しかったけどフロー姉さんに怒られるよりは絶対にマシだと思ったのかカウンターの所に行ってサラダを貰ってきた。
ごめんねむさしお姉ちゃん。でもやっぱり病気とかになってほしくないからうどん以外にもちゃんと食べてね。
むさしお姉ちゃん以外にもマリーお姉ちゃんとデオンお姉ちゃん、ニトクリスお姉ちゃん、あとべんけいさんとかレオニダスおじさん達がいる。
あと母さんが父さんを連れて食堂にやってきた。母さんは今日お仕事のお手伝いじゃないからご飯の時間になっても仕事部屋から出てこない父さんを連れてきたんだと思う。
皆がそれぞれ好きな食べ物を頼んでいる。
例えばマリーお姉ちゃんはあんまりイメージが無いけどピザを食べてるしデオンお姉ちゃんは焼きサバ定食。
ニトクリスお姉ちゃんはステーキだしべんけいさんは味噌ラーメンと餃子、レオニダスおじさんは蟹玉ご飯を食べている。
ゴルゴンお姉ちゃんは結構がっつり食べるタイプだからステーキを600gとか平気で平らげるしステンノお姉ちゃんは唐揚げ定食、エウリュアレお姉ちゃんはフライドポテトとサンドイッチ。
メドゥーサお姉ちゃんは生姜焼き定食、アナお姉ちゃんはたらこスパゲッティ。
こんな感じに皆本当に色々な物を食べて沢山お話しする。僕はこの感じが大好き。
皆で楽しくお話しながらご飯を食べるのが。中にはお行儀が悪いっていう人もいるけどやっぱり楽しく食べられる方が絶対に良いと思うんだ。
食べ終わってみんなはそれぞれ部屋に帰ったり仕事に戻ったり。僕とマーリン兄ちゃんはそのまま食堂に残って再びマーリン兄ちゃんの足元の花を捕まえる為に色々と考えを巡らせる。
うーん、素手じゃ捕まえられない。網でも無理だったしビニール袋でもダメだった。うーん、多分だけど素手だから、とか素手じゃないからとかは関係無さそうなんだよね。そうすると何で捕まえられないんだろう?
棒みたいなものなら捕まえられるのかな?
立ち上がってもう一度カウンターの所に行って何か丁度良い物がないか聞いてみよう。多分あるはず。
「きよひめおねえちゃん!」
「……!あら……?あぁ、春ですか。どうかしましたか?ご飯食べ足りなかったですか?何か軽食でも作りましょうか?」
一番近くにいた清姫お姉ちゃんに声を掛けるとにこっと笑いながら僕の方を向いた。一瞬びくっとしたけど何だったのかな?僕が声を掛けて驚かせちゃったのかな?
「ごはんじゃないよ。えっとね、なにかものをつかめるものがほしいの。なにかある?」
「掴むものですか?お箸じゃ駄目?」
「うん。もっとおっきなのをつかむから」
「大きい物を掴む用……うーん、これとか?」
「あ!それがいい!」
清姫お姉ちゃんが取り出したのはトングっていうやつ。
カチカチ音が鳴ってなんだかカッコイイあれ。
「分かりました。それじゃぁ少しだけ待っててくださいね。お肉を焼いたりしたから洗わないと」
「はーい」
お姉ちゃんはそう言うとトングを洗いに行った。
さっきまでご飯の時間だったからお肉を焼いたりしていたからきっと油でギトギトなんだ。
ちょっとすると清姫お姉ちゃんがトングをもって戻ってきた。
「はいどうぞ」
「ありがとー!」
「振り回したり誰かに向けたりしてはいけませんよ?」
「はーい」
清姫お姉ちゃんからトングを受け取ってカチカチ鳴らしながらマーリン兄ちゃんの所に戻る。
「次はトングかー……」
マーリン兄ちゃんは頭をポリポリ掻いて何か言っているけどそれよりも早くこのトングを使ってお花を捕まえなくちゃ!これなら絶対に捕まえられるはず!
「えい!」
……あれぇ!?捕まんないよ!
掴めるには掴めるんだけど網とかビニール袋と同じで消えちゃう。
「せいや!」
もう一回やってみるけど結果は同じ。
「……なんで!?つかまんないよまーりんにいちゃん!」
「捕まらないねー」
どうしてだろう?
どれもこれも掴めるのに消えちゃう。
うーん、本当にどうすれば捕まえられるのかな?
ーーーー side 清姫 ----
今日は昨日と変わらず台所に立ち腕を振るう。
朝から春が食事をしている姿をチラチラと周りに悟られない様に見る。
美味しそうに母親であるマシュと食べているその様子はとても微笑ましく私は見ているだけでもう色々な感情が溢れ出してもう抑えるのに必死です。
まぁもしそんな事をすれば冗談抜きの接近禁止命令が出てしまうので絶対にしませんが。周りを色々な方々に囲まれ、その方々は全員笑顔でとっても幸せそう。そんな様子を見ていると春は本当に天使なのだと改めて確認できます。
朝餉が終わり、春は部屋に戻る。
私達は皆さんの食器を洗ったり食堂を掃除したり。それらが終われば昼餉の仕込みを始める。
暫くすると春が再び食堂を訪ねてきた。
今現在食堂には二十人程の方々がそれぞれのんびりしていますね。
その中の何人かと春は遊び始めた。
しかし何となくですがめどぅーささん達五姉妹を今日ばかりは避けているような気がしますがそんなことはどうでもいいのです。
ずるいです!私も春と一緒に遊びたいです!抱き着いてほしいです!抱き締めたいです!大好きって言ってほしいです!
ふぅ……少々危ない方向に行ってしまうところでした。
まぁそれでも手を止めることはしませんが、それでも頭の中は春の事で埋め尽くされています。そんな感じで春を見ていると暫くしてから再びどこかに行ってしまった。
そんなぁ……内心かなりへこんでしまいましたがこれで参っていたら春の事を追いかけられません。休みの日は春の動向を一日観察すること。相手にしてもらえないのは寂しいですが春の行動観察記録を書く為には必要な犠牲なのです……
暫くすると春が再び食堂に戻ってきました。
ただしまーりんさんに抱き上げられながら。
そこのなんちゃらの魔術師!今すぐに変わりなさい!なんて羨ま……じゃない!けしからぬ行為!代わらないと鐘の中に閉じ込めて火炙りにして蒸し殺しますよ!?
……ふぅ、少々取り乱してしまいましたね。
まぁそんなこと口が裂けても言えませんが、代わりにここから春のやることを見ましょう。それぐらいなら許されるはずです。
見えませんッ!床に座って何かをやっているらしいのか全く見えません!何でですか!?
くぅ……見に行きたいのは山々なのですが今に限って休みであるはずの紅閻魔先生が食堂にいらっしゃいますし……
なんて葛藤しているとカウンターの所に春がやってきて玉藻さんと何やら話している様子。ここからだとうまく聞き取れませんね。
見ていると玉藻さんは春にゴミ袋を渡している様子。
本当に春は何をやっているのでしょうか?先ほどはどこかに向かったと思ったら大きなたも網を引き摺って帰ってきますし。全く行動の一貫性が感じられないです。
春が何をしているのか気になりながら迎えた昼食。
それも特に問題無く終わり。上げるとすればあるとりあ・おるたさんがハンバーガーを全てかっさらって行ってしまったことぐらい。
春は同じように床で何やらやっている様子。
暫くすると再びカウンターの方へ向かってきます。
「きよひめおねえちゃん!」
お昼も終わり、後片付けをしていると私を呼ぶ声。
そして春が声を掛けたのはなんと!この!私!清姫でございます!
そう!春です!春なんですよ!カウンター越しに私を見上げてくるその顔はもう!か・わ・い・い!
嬉しくて少々やらかしそうになりましたがそこはグッと堪えて抑えて。
出来るだけいつも通り、平常心を保ちつつ接する。
「……!あら……?あぁ、春ですか。どうかしましたか?ご飯食べ足りなかったですか?何か軽食でも作りましょうか?」
少々気持ちが抑えられず、やらかしそうになりますがそこはグッと堪えて抑えて何とか我慢。
しかし態々訪ねてくるとは、何の用でしょうか?用が無くても私の所へどんどん来てくれてもいいのに。
春はお腹が空いてしまったのでしょうか。でもさっき結構量がある物を昼食として平らげていたのに。
一応聞いてみましたが帰って来た返事は私の予想が掠りもしないものだった。
「ごはんじゃないよ。えっとね、なにかものをつかめるものがほしいの。なにかある?」
「掴むものですか?お箸じゃ駄目?」
掴むもの?お箸とかそういう物でしょうか?生憎とすぐに思い至りませんね。基本的に私の作る和食は菜箸があれば事足りてしまうのでそこまで大きなものを必要としません。ですから私は基本的に包丁、鍋、平鍋、俎板、菜箸などがあれば苦労はしません。
というか基本的にこれ以上の物は殆ど、いえ全くと言っていいぐらい扱いません。
「うん。もっとおっきなのをつかむから」
しかしながら春が欲しいのは箸や菜箸、それらを扱う程の大きさのものでは無く、ずっと大きい物を掴むそうでお眼鏡には適いませんでした。
手を大きく広げて大きいのがいいと訴えてくる春の姿はそれだけでご飯が進む愛らしさ。いえ、今はそんなことを考える時ではありません。それもとても重要なのですけど!
考えてしまったら切りが無いと言いますか。本当に春の事だけ考えて一日どころか一週間は過ごせるぐらいなので。
それ以上ともなると新しく考える為の物が必要というか。
それに一週間以上同じことを考えていると本格的に駄目になってしまいそうなので入れ替える必要があります。春に手を出してしまって接近禁止命令だけは受けたくないのです。
あら?自分で言っておいて話がかなりずれてしまいました。
しかし大きい物を掴む用ですか……箸などでもちゃんと扱えれば基本どんなものでも掴めるのですがそうではないと。
うーん、ちょっと思い当たりませんね。
自分で扱わないものの事は流石に覚えていません。
でも何処かで見たことがあるような気がしなくも無いのですが。誰でしたっけ?使っていたのを今日も見たような?
少し考えてみると、そう言えばえみやさん達が厚切り肉などを焼くときに使っているとんぐなるものがあったような。
洗っていないですから恐らく流しにまだ入っているはず。
「大きい物を掴む用……うーん、これとか?」
「あ!それがいい!」
少し流しの中を探してみると大当たり。
まだありました。春に見せてみるときらきらした目でこれを見つめてぴょんぴょん飛び跳ねる。
それならこれを渡しましょう。
ですがその前に。
「分かりました。それじゃぁ少しだけ待っててくださいね。お肉を焼いたりしたから洗わないと」
「はーい」
まだ洗っていないので油で汚れています。それをしっかりと洗い落とさないと。
洗剤を使ってしっかりと洗う。
「はいどうぞ」
「ありがとー!」
「振り回したり誰かに向けたりしてはいけませんよ?」
「はーい」
渡すと嬉しそうにカチカチと音を鳴らしながら喜んでくれる。
あぁ!この笑顔が見られただけで!私はこのとんぐを渡したことに金よりも無限に価値があると思えます!
と思いながらも扱いに注意することを忘れない。
だって可愛い可愛い春が誰かを傷付ける所なんて見たくないのです。
去っていく春の背中を見ながら緩みそうになる頬を必死に取り繕う。
あぁ!もう!最ッ!高ッ!
もうだめです!緩む顔を抑えられない!
「うっわ!?きよひーその顔どしたの!?」
「えへへへ……何でもありませんわ~」
「……あぁ、春か」
少しばかり誰かに見られたような気がしなくもないですがそんなことは一切気になりません。それよりも今は春の事です!
それから少々考えすぎていたのかぶーでぃかさんに小突かれて正気を取り戻しましたがそれぐらいは些細な事。
自室に戻ったら行動観察記録に書き込んで小型カメラで撮った春の写真を現像しなければ!
ーーーー side out ----
満を持してのあのお方が登場。
なんか感じが違うような気がしなくも無いのですがそこらへんは人によって、ということで。
Aチームで登場させるとしたら誰が良い?
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ぺぺさん
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カドック
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オフェリア