藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。 作:ジャーマンポテトin納豆
お部屋でロボとカヴァスと一緒にテレビを見てると、ドアを叩く音がした。
「どーぞー!」
「春ー!おっはよー!」
ドアを開けて入って来たのは鈴姉ちゃんだった。
鈴姉ちゃんは、本当はすずかごぜんって言う名前なんだけど長いから鈴姉ちゃんで良いよーって。
狐の耳が頭から生えてて、ふさふさの尻尾もあるんだ。
モフモフするとすっごく気持ちいいんだ。
ロボと同じぐらい?
「すずねえちゃん?どーしたの?」
「んー……デートのお誘い?」
「でーと?」
「そ。これからメイヴお姉ちゃんと一緒にお買い物に行くんだけど、良かったら春も一緒に行かないかなーって」
「なにしにいくの?」
「お洋服見に行きたいんだ。だから春に付いて来て貰ってどんな服が似合ってるとか見て欲しいんだけど。他にやる事とかあるんだったら別に良いよー」
「んーとね、きょうはなにもやることないからいっしょにいく!」
「ほんと?」
「うん。ろぼとかばすもつれてっていい?」
「んー……カヴァスならまだ連れていけるかもしれないけどロボは流石に無理かなぁ……?」
「なんでー?」
「だってロボって普通の犬と違ってすっごく大きいじゃん?一緒に連れてったら大変な事になっちゃうよ?」
「そーなの!?ろぼってふつうさいずじゃなかったんだ……」
ロボとカヴァスも一緒に連れて行けないか聞いてみたらしょーげきのじじつってやつが分かったよ。
「ろぼもいっしょにいきたい?」
聞いてみたら別に行ってきていいよって。
カヴァスもなんか眠そうにしてる。というかもう寝ちゃった。
「それじゃふたりはおるすばんしててね。おみやげかってくるから」
そう言ってお着換えしてから鈴姉ちゃんと一緒に手を繋いでメイヴちゃんを迎えに行く。
「ロボとカヴァスは一緒に連れて行かないんだ?」
「なんかろぼはいってきていいよって。かばすもねちゃったから」
「そーなんだ。それじゃお姉ちゃん達と一緒にデート楽しまなくちゃね?」
「うん!」
メイヴちゃんのお部屋に行くと着替えて待ってた。
「めいぶちゃん!」
「あら、ハルじゃない。貴方も一緒に行くの?」
駆け寄ると抱っこしてくれた。
「うん」
「分かったわ。楽しまなくっちゃね?」
「それじゃ早速行こっか」
「そうね」
鈴姉ちゃんと、メイヴちゃんと一緒にお買い物に出発だ。
お買い物に行くと、お姉ちゃん達はすっごくテンション高くてあっちのお店、こっちのお店で洋服を着たり見たり。メイヴちゃんと鈴姉ちゃんの洋服も選んであげたんだ。
僕も物凄く色んな服着たよ。
だってお姉ちゃん達が凄い沢山持ってくるんだもん。
でも今考えたら、僕の服ってヴラドおじちゃんとかメディアお姉ちゃん達が作ってくれてるから態々買う必要ある?って聞かれると無いんだよね。
お昼ご飯も美味しかったな。
でも途中で変な人に声掛けられて無視してたら、鈴姉ちゃんが怒ったりしたけどそれ以外はすっごく楽しかった。
あの時、メイヴちゃんも怖い顔してたけど、どうしたのかな。
怒った鈴姉ちゃん初めて見たからちょっと心配したけど直ぐに何時もの優しい鈴姉ちゃんに戻ったから多分大丈夫。
帰ってからは、何時も通りお風呂に入って、ご飯食べて、鈴姉ちゃん達とちょっと遊んで。
気が付いたら寝ちゃってて、起きたら朝になってて母さんが一緒に居た。
楽しかったな。
またお出かけしたいな。
ーーーー side 鈴鹿御前 ----
今日は春を連れて、本日は若者の街、原宿を巡る。
何時もはメイヴとか同じ面子なんだけど今日は春の洋服を選んであげたいし、あわよくば選んでもらえたら嬉しいなぁって思ってたんだけどね。
何時もシェフズのお手製絶品アイスを食べているのにコンビニアイスで嬉しそうにニコニコと顔を綻ばせている春と手を繋いであちこちの店を回る。
「すずねえちゃん」
「んー?どったの?」
「きょうはなんでおみみとしっぽないの?」
ふと手をくいくい引かれながら名前を呼ばれる。
どうかしたのか聞いてみると、狐耳と尻尾が無いのが気になるらしい。
あー、普段カルデアにいる時は出しっぱなしだし春は私とかたまもっちのモフモフするのが好きだもんね。
「お姉ちゃんの耳と尻尾はね?隠せるの」
「でもなんでださないの?」
不思議そうな顔でそう問いかけてくる春に、しゃがんで耳打ちをする。
所謂コソコソ話ってやつ。
「お姉ちゃんの尻尾とかお耳って他の人に見せちゃ駄目なの」
「でもぼくたちはみてるよ?」
「そりゃぁ、大切な人達、えっと家族とかならオッケーだからね。春は私にとってちょーちょーちょー大事な可愛い弟だもん」
「そーなんだ!」
どうにか納得してくれた。
まぁ、本当は全然違う理由なんだけどね。
コスプレイベントとかなら全然大丈夫なんだけど、こんな街中を尻尾と耳を生やしたまま歩いたらそりゃ注目されちゃうわけで。
しかも動かせちゃうし自分の意思に反して動くこともあったりするからそうなったら大騒ぎになり兼ねない。
自惚れてる訳じゃないけど、私含めてカルデアに居るサーヴァントって皆世間一般からすると美形揃い。
勿論私やメイヴも例外じゃない。
だからただ見た目だけでも注目を集めやすいのに、そこに更に耳と尻尾が合わさった時の事を考えると結構危険だ。
しかも今回は春って言う、大事な大事な可愛い弟を連れてる訳だから面倒事になるのは御免だし。
春は日本のこう言う所に来るのは今日が初めてだから、物珍しそうにきょろきょろと辺りを見回して何か面白そうな物とかあるとキラキラした目であれなに?これなに?って聞いてくる。
その姿がもう可愛くてさぁ!
「すずねえちゃん!あれなに!?すごー!」
こんな感じでテンション高め。
普段は、小さい子らしくないんだけど今日は年相応って感じが堪らない。
ちょくちょくスマホでパシャパシャ撮りまくって保存しておく。
でも、ちょーっとはしゃぎすぎかも?
手を離すとそのままどっかに行っちゃいそうな感じはするけど、多分大丈夫。
それに迷子になったとしても、春ってすっごい目立つんだよねぇ。
髪色もそうだし瞳の色も肌の色も日本人って感じじゃないから。
おかーさんのマシュの遺伝子を強く引いてる春はどっちかって言うと欧州系。
瞳の色もおとーさんであるマスター譲りのスカイブルーだから日本人にありふれた黒だったり茶色、焦げ茶色とかと全然違う。
はっきし言って天使か?と思うぐらいには可愛い。
想像してみ?こんなかわいい子がにこーって笑ったところを。
もう色々と溢れちゃうでしょ。
話がズレたけど、こんな目立つ見た目の子供なんて普通居ない。
欧州でも早々居ないんじゃないかな?
私達も割と目立つ見た目と容姿だから言えないんだけどさ。
多分探すってなったらちょっと聞き込みするだけで分かると思う。
なんなら写真見せれば一発じゃないかな。
まぁ、そんな状況には絶対させないんだけどね。
春の事を狙ってる奴らが居るからね、一人にした瞬間に誘拐されちゃうし。
まぁ、そうなったとしても万が一の為に超絶過保護な魔術に長けた皆が色々と仕込んでるらしいからすーぐに見つかるよ。
魔術でも戦闘でも私らに勝てる訳無いじゃん?
いやー、多分春に危害加えられたら他の皆もだけど、私もどうなるか分かんないなー。
多分大暴走して、下手したら人類そのものが滅びるかも。
ウチには本物の女神様いるし、その女神様も春を溺愛してるから。
ま、そうならない様に私達がこうして傍にいたりするんだけど。
幾つかの店を回った後。
丁度お昼ごろになったからお昼ご飯食べよっか、って話になって。
春は好き嫌い無いから、その点有難いからここは無難にファミレスにってことで。
「何食べたい?好きなもん頼んで良いよー」
「えっとねー……」
メニューを見てどれにしようかなー、って選んでる姿だけでもう可愛い。
メイヴはチーズが嫌いだから見た目からは想像出来ないけどチキン南蛮定食を頼んでる。
私は、ピザとたらこスパゲッティ。
これなら春が食べたいって言っても簡単に分けてあげられるし、私も好きだしね。
「これたべたい!」
そう言って春が指差したのはハンバーグ。
しかもデミグラスハンバーグとかじゃなくて和風おろしハンバーグ。
「おっけー」
呼び鈴を鳴らして店員さんを呼ぶ。
注文してから暫くすると運ばれてくる料理。
「いただきます!」
「頂きます」
「頂きます」
ハンバーグを切り分けて、美味しそうに頬張る春はそりゃぁもう可愛い。
こっそり写真を撮っておくのも忘れない。
それから、やっぱりピザたべたいと強請って来た春に一枚、マルゲリータをあげて。
お腹も膨れたから午後はまたショッピング。
「これなんかどーよ」
「んー、こっちの方が似合うんじゃない?」
「お、良いね!」
春の服を選んで。
まぁ、ちょっとテンション上がって時間掛け過ぎちゃって春が疲れ気味だったけど。
「ねーねー、これとこれどっちがお姉ちゃんに似合うと思う?」
「んっとね、こっち」
「おっ、やっぱりセンスいいじゃん!」
「春、私はどっちが似合うかしら?」
「こっちがいいとおもう」
「あら、センス良いじゃない」
春に選んでもらって。
粗方買い物も終わって、駅前のベンチに自販機で買った飲み物を持って腰掛ける。
オレンジジュースをゴクゴク飲む春をメイヴと私の間に挟んで座る。
すると、私達に声を掛けて来る誰かが。
「ねーねー、おねーさん達」
あぁ、ナンパか。
人数は四人。
出掛けるとしょっちゅう声を掛けられるから慣れたものだし。
というか、普段ならもっと声掛けられて面倒なんだけど今日は春を連れてるからか誰も声を掛けてこなかったからすっごい楽だったんだけど。何時もならしつこい奴が一人か二人は確実に居るから面倒で仕方が無いし。
ただ今回のこいつらはその、面倒な奴らに分類されるらしく。
「いいじゃん、ちょっと一緒に遊ぶぐらいさ」
「そーそー、楽しいと思うよ?」
こいつら、さっきから断ってんのにしつこく居座って、なんなら隣に座ってくるし肩回してくるしではっきり言えばウザいし迷惑。
誰がお前らと居て楽しいかと思うのか。
『ハル、あの人達は無視してお姉ちゃんとお話しましょ』
『?うん』
メイヴに至ってはどーせ分からないからとケルトの大昔の言語でガン無視決め込んで春と話す事に全リソースを割いてる。
私もそうすればよかった。
あ、でも日本語は流石に分かるか。
つーかさ、普通小さい子供連れてるのにナンパなんてしてくる?
その辺の常識も無いって時点でマイナスだし、しつこい所もベタベタ触ってくるところもマイナス。
あと無駄にワックス付けたその髪型も清潔感無くてキモイし匂いのキツイ香水ってのも気持ち悪い。お前はオバさんかって。
「そろそろ帰ろっか。春、行くよー」
もうそろそろ一々断るのも面倒になってきた辺りで春と手を繋いでその場から去ろうとする。
だけど、こういう輩ってのは基本的にこれで撒ける様なら苦労しない。
四人なら片手でボコれるんだけど、人前だし何より春が居るからなぁ……あんまり手荒な真似はしたくないんだよね。怖いお姉ちゃんって思われるのは嫌だし。
「ちょちょちょ、それは無いっしょ」
「はぁ……。あのさぁ、いい加減しつこいし鬱陶しいんだよね。さっきから断ってるじゃん?」
「は?」
「それとさ、常識的に考えて小さい子供を連れてるんだから声なんて掛けなくない?」
さっきから思ってることを全部ぶちまけてやると、そりゃぁもう顔を真っ赤にしてカンカンに怒り始める。
本当の事言われてキレる辺り、程度が知れるよね。
「こんなガキのほーーー!?」
「おい」
「ひっ……!?」
「それ以上口にしてみ?二度と表側の人間として歩けなくしてやるから」
春の事を、言おうとした瞬間に殺気と圧を掛けて睨む。
正直、私が出せる殺気以上の殺気を出す人なんてカルデアにはゴロゴロいるけど、私だって戦に参加したことだってあるし鬼を相手にして殺し合いをしたことだってある。
殺気の出し方だって心得ているし。
それを、戦争も無く、命の危険も無い日常を送ってきたこの程度の奴らが受けたら指先一つだって動かせなくなる。
一応、かなり抑えてるんだけどそれでもこのザマ。
ハッキリ言っちゃうけど、こいつら春よりも断然弱い。
そりゃ力とかで言っちゃえば負けるけどさ、そもそも肉体の強さ以前に心の強さが最低限すらない。
強くなるうえで心の強さが一番重要なんだ。
過酷な鍛錬にも食らいつけるかは肉体よりも心の強さが物を言う。
幾らゴリゴリマッチョマンだったとしてもクソ雑魚メンタルな奴が厳しい訓練に耐えられるわけがない。
春はその点、小さい頃から自然と鍛えられているし。
いやー、清姫達に追い駆けられて必死に逃げたり、農園で魔猪やらワイバーン、ドラゴンを目にしてその強さを見て来てんだからそりゃ強くなるでしょ。
今だって春ですらケロっとしてるのにね。
今ちょっと不安そうな顔してるけど、多分私が怒ったところを見たことが無くて心配してるんだと思う。
そりゃ、良い子の春に怒る必要なんて無いもん、見せた事無いよね。
「さっさと消えてくんない?それと、二度と私達に近づかないでね。もし近づいたら次は無いから」
そうやって脅してから、殺気を消して追い払う。
もしかしたら二度とナンパしなくなるだろうけどその方が害が無くなって良いっしょ。
「ごめんねー、変なとこ見せちゃったね」
「すずねえちゃん、だいじょぶ?」
「えー?大丈夫だよー?お姉ちゃんすっごく強いんだから」
「ほんと?」
「ほんとほんと。だから心配そうな顔しないの」
春は、怒った私を見て心配そうにしてくれる。
顔に手を伸ばして頬を挟んでうりうりーっとしてあげて笑ってあげると春もニヘーって笑ってくれた。
やっぱしちょーかわいい!
あれから、暫くぶらぶらして春がウトウトし始めた頃にカルデアに帰った。
眠そうな春を抱っこしながら荷物を部屋に置いて、早めのお風呂。
「ほーら、目を開けてると染みちゃうよー」
「んー!」
「口も閉じててねー」
春用の小さい椅子に座らせて、後ろに私も座って頭を洗ってあげる。
シャンプーハットは嫌がるから無し。
「流すからちゃんと目を閉じててね」
シャワーで泡を流してあげて、次は身体。
「ばんざーい」
「ばんざーい」
腋の下を洗って、背中も洗って。全身洗い終わってからまた流してあげる。
「ありがとー」
「どーいたしまして」
「つぎはぼくがすずねえちゃんのせなかあらってあげる」
「ほんと?それじゃぁお願いしちゃおうかな?」
「うん!」
そう言って、ちっちゃい手で私の背中を洗ってくれる。
チョー可愛いんですけど!?
それから背中を洗ってもらって、しっかり湯船に浸かってから上がった。
風邪を引かない様にちゃんと拭いてあげて、着替えてから晩御飯。
晩御飯の時も春が可愛過ぎて吹っ飛ぶかと思ったけど何とか堪えた。
それから、本を一緒に読んでたら段々眠くなってきた春を抱き上げて揺すりながら背中を軽く、優しく叩いてあげると直ぐに気持ちよさそうに寝息を立て始めたからマシュの所に連れて行った。
「お休み、春」
最後に軽く抱き締めておでこにキスをして今日はバイバイ。
マシュと一言二言話してから自分の部屋に戻って、抱っこしてた時の春の体温を思い出しながら私もベッドに潜り込んだ。
今日は一段と夢見が良さそうなのは気のせいじゃないかな。
ーーーー side out ----
来てしまった……!
遂に夏イベが……!
ぐっちゃんの水着なんて誰が想像していようか……!
追記
水着キアラさんを再臨させたら色々と悪化した……
最初のちょっと清楚風はどこに行ったのか分からなくなるぐらいの変わりっぷりに作者は困惑しつつも喜びました。