藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。   作:ジャーマンポテトin納豆

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新章、来ましたね……。
やらなきゃ(使命感)







折り紙

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は何しようかなー。

兄ちゃん達はお仕事で何処か行っちゃったし、お姉ちゃん達も皆用事があるからって今日は居ない。

 

何かやる事ないかなー……。

あ、姫お姉ちゃんならお部屋に居るかも。お部屋で何時もゲームしたりお絵描きしたりしてるから居ると思う。

 

今日は何してるのかな?

折り紙教えてくれるかな?

 

姫お姉ちゃんのお部屋に来たけど、ノックしても返事無いなぁ。

でも中で話し声は聞こえるし、だけど姫お姉ちゃんの声しか聞こえないし、誰とお話ししてるんだろう?何時もなら僕の声が聞こえる前に扉を開けてくれるんだけど、もしかして声が聞こえてないのかな?

 

……何時もは駄目だって言われてるけど、もしお腹痛かったりしたら大変だから入っちゃおう。

 

「おねえちゃん?だいじょぶ?」

 

「……うん?後ろ?……春ぅっ!?ちょっ、今配信中なんだけど!」

 

「はいっちゃだめだった?」

 

「いや、入っても良いけど、いや駄目なんだけど!あ“あ“ぁ“ぁ“!!」

 

「なにしてるのー?」

 

「あー!?ストップ春!めっちゃ映ってるから!映っちゃってるから!」

 

「?」

 

……なんか駄目だったのかも。

凄い慌ててる。

 

「ちょっ、皆ごめん少し待ってて!」

 

パソコンのキーボードを凄い勢いで叩いてなんか操作したら、僕の方に来た。

 

「はぁぁぁぁ……、取り敢えずこれで、おっけー。で、どったの?お姉ちゃんになんか用でもあった?」

 

「きょうね、みんないなくてだれともあそべないからひめおねえちゃんなら、おへやにいるかなって」

 

「そっかぁ、お姉ちゃんと遊びたかったんだ?」

 

「うん。おりがみおしえてほしいなって」

 

そうしたら、姫お姉ちゃんがどーしようかなってすっごく悩んでる。

 

「だめなら、ろぼたちのとこにあそびにいくよ?」

 

「んー、別に駄目って訳じゃないんだけどね、ちょーっとお姉ちゃんやってる事があってね?」

 

「そっかー」

 

「そうなの。だから少しだけあっちで待ってて?」

 

「うん」

 

そう言うと姫お姉ちゃんはまたパソコンに向かって、操作して、何か喋った後にちょいちょい、って手招きしてこっちおいでって。

マスク渡されて、これ外しちゃダメだよって言われた。

 

「マスク着けといてね。とっちゃ駄目だよー」

 

「わかったー」

 

「はいはーい、皆お待たせ、ごめんね、弟の面倒も見なきゃいけないから一緒に映っちゃってるけど許してねー」

 

「だれとおはなししてるの?」

 

「画面の向こうの色んな人達だよ。ほら、こんにちわーって」

 

「こんにちわー」

 

画面の向こうに、色んな人達が居るんだって。

その人達とおしゃべりしながらゲームしてるらしい。

 

「折り紙で何折りたい?」

 

「ごじら」

 

「ごっ……、ゴジラね、お姉ちゃんに任せなさい!」

 

この前、黒髭おじちゃんとゴジラ観てから折り紙で折れないかなってずーっと思ってたんだ。姫お姉ちゃんなら基本折り紙でなんでも折れるし、出来るんじゃないかなって思ってたんだ。

 

暫くお姉ちゃんはゲームのコントローラーと折り紙を行ったり来たりしてると。

 

「はいっ、完成!」

 

「おー!ごじらだ!ありがとー、お姉ちゃん!」

 

やっぱり姫お姉ちゃん凄い!

黒髭おじちゃんは無理でござるって言ってたのに、出来ちゃった。

 

「どーいたしまして。どうする?このまま一緒に折る?」

 

「だいじょぶ、みてておぼえたから。あとひろげるかいすうとか、じゅんばんおぼえておけばひとりでもおれるよ」

 

「ん、それじゃ隣にもう一個椅子持って来てあげるから、そこに座ってやろっか」

 

「うん。でも、ぼくじゃまじゃない?だいじょうぶ?」

 

「だいじょぶだいじょぶ。邪魔なんかじゃ無いよー」

 

僕の頭を撫でると、お姉ちゃんは椅子を取りに行ってくれた。

そのまま椅子に座って、待ってる。

 

なんかパソコンの画面にはいろんな文字が下から上に流れてくけど、なんだろ?

 

「椅子持って来たよー」

 

「ありがとー」

 

「ん、それじゃお姉ちゃんまたこっちやってるから、分かんなくなったりしたらいつでも声掛けてね。あ、飲み物はあっちの冷蔵庫の中ね。机の上に置いても良いけどこぼしちゃ駄目だよ?」

 

「だいじょぶ、おねえちゃんよりはのみものこぼしたことないから」

 

「おぉっと、知られたく無い事をナチュラルに暴露されたぜ」

 

「?」

 

よく分かんないけど、兎に角折り紙だ。

えっと、これが一番最後に折り込んだとこ。

谷折りで、えーっとこっちは山折りだ。

 

 

 

 

 

一回お姉ちゃんの折ってくれたやつを全部開いて、その手順を思い出しながら折る。

 

そうすると、お姉ちゃんみたいに綺麗には出来ないけど、完成。

 

「おねえちゃん、できた!」

 

「おっ、出来た?ちょーっと待っててねー。すぐお片付けするから」

 

「お片付けするの?」

 

「こっちのゲームの話だから気にしなくて良いよ。ほら、飲み物取っといで」

 

「おねえちゃんこーら持ってくる?」

 

「持って来てくれたら嬉しいけど、持って来れる?」

 

「だいじょうぶ」

 

「それじゃぁ、お願いね」

 

「うん」

 

自分の分のお茶と、お姉ちゃん用のジュースを持ってくる。

抱えることになっちゃうけど、冷たくて気持ち良い。

 

「もってきたー」

 

「ありがとう。それじゃ見せてくれる?」

 

「うん」

 

「……うん、うん。ちゃんと折れてるね。凄いね」

 

「ありがとー」

 

全部折り方とか合ってた。

良かったー。

 

それからお姉ちゃんの隣で折り紙折って、ゲーム終わったお姉ちゃんと一緒にご飯食べて、遊んで夜になってお風呂に入って、一緒に寝た。

今度はなんの折り方を教えてもらおうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー side 刑部姫 ーーーー

 

 

 

 

 

 

今日は前々から予告してた、配信日。

自慢だけど、これでも界隈だと超有名人だったりするぐらいには大手動画投稿サイトで視聴数とか、登録者が多い。

 

某SNSで一週間前から予告してあっただけあって、しかも休日だから沢山の人達が待ってくれている。

 

「はいはーい、配信始めるよー」

 

:待ってました!

:お前ら飲み物と食い物の準備は済ませたか!?

:諸々の準備は整えたぞ。

:食料良し!飲み物良し!PC良し!全部良し!

 

やっぱり皆、凄い楽しみにしてくれてる。

これが嬉しくて嬉しくてしょうがないんだなぁ!

 

人理修復の旅の時は、こんな事出来ないからただ絵を描いたり、まーちゃんが持ち込んでたゲームを借りて延々とやったりするぐらい。

 

だけど、こうして人理が修復された後に正直自信無かったけど絵をサイトに投稿したり、ゲームの動画を投稿したり。

 

そしたらどんどん観てくれる人、応援してくれる人が増えていった。

 

それが嬉しくてしょうがない。

 

 

 

そんな時に、可愛い可愛い春が産まれて。

そりやぁ、動画とかよりも遥かに嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくてしょうがなくて、勢い余って弟産まれました、って言うだけの配信したからね。

 

あの時はゲームも何もせずただひたすら春の事を語り続けるだけって言う、ある意味事故配信だったし。

 

よく折り紙教えてって頼まれるから色んな物を即興で折って、春に渡す。最初の頃は一から教えてたんだけど最近は自分で私が折ったやつを開いて一人で折り始めたり。

 

凄いよね、開いた時の手順を全部覚えてるんだよ?それで自分一人でまた新しく折っちゃうんだもん。

 

凄く成長したんだなぁ、って嬉しいけど、寂しいって思う。

 

「この前は弟自慢ばっかでごめんね」

 

:寧ろあんなに嬉しそうに語るおっきーが見れたので感謝。

:弟くん羨ましいなぁ!

:俺もおっきーの弟に産まれたい人生だった。

 

「駄目駄目、私の弟は一人だけだかんね」

 

可愛いんだよぉぉ"ぉ"!ってなったりしながら土日に配信してるんだ。

毎日毎日、春がどんどん成長して行って、それを見ていられるのが嬉しい。しかもその成長をするのに一役買えてるって言うのが余計に。

 

何時も通り、バトロワFPSをやりながら皆と色んな事を話す。

黒髭とか巴っち辺りが居ればパーティ組めるんだけど今日は用事があるから居ない。

 

そう言えば今日殆どの面々が用事があるとかでカルデアに居ないんじゃなかったっけ?

春、どうしてるのかな?

 

普段なら誰かしら側にいるけど、今日はロボ達が農園で散歩してるぐらいかな。

しめじ達も猫だから、幾ら春に懐いてるって言っても気紛れだし。

 

どうしてるのかなー、なんで考えながらゲーム配信。

 

まぁ、ゲーム関連なら巴っちに負けるけど結構強いからね。

あの人はあれだね、カルデアに来て俗世に染まり切っちゃった人だし。

 

:今日くろひー達とやらないの?

:何故か外人なのにござる口調のくろひー。

:日本を勘違いしまくった感あるけどそんな事無いんだよなぁ。

:寧ろ俺らより日本人してる。

:最初くろひーの顔見た時マジおっかねぇ、って思ったけどんな事無かったわ。

:初見くろひーの顔でビビるはあるある。

 

「くろひー達?今日は居ないよ。なんか用事があるらしくて」

 

三人だったり、他に何人か加えたりしてよくゲームやるからね。

私一人って言うのが珍しいからかな、そんなコメントが流れてくる。

 

黒髭ね、もうなんなんだろうね。

意外と子供に甘いって言うか、カルデアのちびっ子達にやたらと懐かれてるんだよね。

 

正直教育上宜しく無いものとか色々持ってたりするけど春も懐かれて嬉しそうにしてるし。

あれで大海賊って言われても顔ぐらいしか信じられないかなぁ。実際極悪人面だし。

 

そんな感じでゲームをやっていると。

 

:ん?なんか今扉開く音せんかった?

:したな。

:あ

:後ろ見て!

:やばいですよ!

:おっきー後ろ後ろ!

:誰だあの美少年。

:美少年ってか、美ショタ?

:おっきー弟居る言ってたけど、まさか……。

:いや、明らかに血が繋がってないが!?

:誘拐しましたか?

:おまわりさん、こっちです。

 

「ふぃー……、ドン勝ドン勝ぅー」

 

ドン勝取って、一息付いてると何やらコメント欄が凄い勢いで更新されてく。

なんだろ?

 

マウスを操作して、遡ってみると何やら後ろ見てとか色々書いてある。

 

「……うん?後ろ?……春ぅっ!?ちょっ、今配信中なんだけど!」

 

取り敢えず後ろを見てみると、まさかのラブリーマイエンジェル春が立ってた。

あれぇっ!?なんで!?

 

思わず春の名前出しちゃった!

やばい、後で怒られる!

 

春って、諸事情あって幼稚園とかに通わせられてない。

なのにこんな、滅茶苦茶目立つ事しちゃったら不味いんだ。

 

「はいっちゃだめだった?」

 

「いや、入っても良いけど、いや駄目なんだけど!あ“あ“ぁ“ぁ“!!」

 

首を傾げながら聞いてくるけど、んなもん駄目だなんてはっきり言えるわけもなく、かと言って配信中にこれは完全に事故案件な訳で。

 

「なにしてるのー?」

 

「あー!?ストップ春!めっちゃ映ってるから!映っちゃってるから!」

 

「?」

 

:おっきー弟マジで居るんか。

:申し訳ないが妄想説信者でした。

:いやしかし、弟……?

:妹の間違いでは?

:弟だとしたら滅茶苦茶変態が湧くが?

:マジで弟くん美ショタやな……。

:明らか俺らと作りが違うで……。

:まぁ、おっきーもなんだかんだで美人だし。

:だがしかし明らか日本人じゃなくてヨーロッパ系、それこそ北欧系にしか見えんのだが。

:碧い瞳初めて見たわ。めっちゃ綺麗。

:髪の毛も染めた感じじゃないしな。

 

しかも何をしてるのか気になった春が思いっ切り画面を覗き込んで顔とかがっつり映っちゃった!

不味い不味い不味い不味い!

 

と、兎に角なんとかしないと!

 

「ちょっ、皆ごめん少し待ってて!」

 

一言謝って、一旦カメラとマイクを切って見えないようにしておく。

この状態ならゲーム画面しか映ってないし、こっちの声も聞こえない。

 

あー、後でBBに頼んで春が映り込んじゃった映像、全部ネットワーク上から消して貰わないと……。

何要求されるのか分からなさ過ぎて怖い。

まぁ、春絡みだからなんだかんだ引き受けてくれるとは思うけど。

 

「はぁぁぁぁ……、取り敢えずこれで、おっけー。で、どったの?お姉ちゃんになんか用でもあった?」

 

「きょうね、みんないなくてだれともあそべないからひめおねえちゃんなら、おへやにいるかなって」

 

やっぱり皆忙しいらしくて、今日は誰も春に構ってあげられてないのか。

だから居るって知ってる私のとこに来てお姉ちゃん遊んで、ってことらしい。

 

「そっかぁ、お姉ちゃんと遊びたかったんだ?」

 

「うん。おりがみおしえてくれないほしいなぁ、って」

 

そう言って、折り紙を差し出してくる。

そっかそっか。お姉ちゃん嬉しいなぁ、一緒に遊んでって言ってくれて。

 

でも今配信中なんだよね。

どうしたものか……。

 

「だめなら、ろぼたちのとこにあそびにいくよ?」

 

「んー、別に駄目って訳じゃないんだけどね、ちょーっとお姉ちゃんやってる事があってね?」

 

「そっかー」

 

「そうなの。だから少しだけあっちで待ってて?」

 

「うん」

 

少しだけ寂しそうに言う春を、ほっぽり出せる訳が無い。

本当はアウトもアウト、滅茶苦茶駄目なんだけど、この際だからしょうがない。

 

春にマスクを渡して、カメラとマイクを付ける。

 

「お待たせ。ごめんね、皆。ちょっと今家にだーれもいなくて弟の面倒見てあげられる人が居ないから今日だけ弟のこと同席させてね」

 

 

:おk

:なるほど、理解した。

:まぁぶっちゃけ事故配信も事故配信だけど、ここまで来たらアレよな。

:任せとけ、泥舟に乗った気持ちでドンと来い。

:それ沈むが大丈夫か?

:大丈夫だろ、おっきーの事なんて精鋭班が色々調べても全く情報出てこんのやし弟くんも同じなんちゃう?

:そうなの?

:おっきーの情報、マジで誰も知らんのよな。なんか調べようとするとパソコンとかがエラー起きて暫く使えなくなるんだとか。

:ガッチガチやん。

 

 

「マスク着けといてね。とっちゃ駄目だよー」

 

「わかったー」

 

「はいはーい、皆お待たせ、ごめんね、弟の面倒も見なきゃいけないから一緒に映っちゃってるけど許してねー」

 

もう一度、皆に謝っておいて。

よかったぁー、企業所属じゃ無くて。まぁどっちみち企業所属にはなれないけど。

 

マスクを着けさせた春を膝の上に乗せて。

 

「だれとおはなししてるの?」

 

「画面の向こうの色んな人達だよ。ほら、こんにちわーって」

 

「こんにちわー」

 

手をふりふりして、挨拶する春めっちゃ可愛い!

頭撫でておこう。

 

 

:天使や……。

:事故配信だがおっきーの新しい一面と弟くんの可愛いが見れたのでヨシ!

:何歳ぐらいや?

:分からん。ただ話してる感じ3〜4歳ってとこか?

:おっきーの膝上に座ってるとかうらやまけしからん。

:いや、これは弟君を膝上に乗っけてるおっきーがうらやまけしからん。

:……あれ、これってガチおねショタ案件?

:ガタッ!

:ガタタッ!

 

 

「はいそこまでー。それ以上私の弟で変なこと書いたらBANするよー」

 

 

:サーセンした!

:すいませんでした。

:なんでもするので許してください(何でもするとは言ってない)

:薄々気付いてたけどおっきー弟くん溺愛しまくってるな。

:そりゃ普段の配信とか見ててあの語り方を見てりゃ誰だって分かるわ。

:まぁ、こんだけ可愛かったら誰だって溺愛するわな。

 

 

正直、視聴者の皆は私が春の事を滅茶苦茶に溺愛してる事を普段の配信とかで知ってるからあまり驚いてはいない。

ただ、やっぱり事故配信ってなだけあってアンチとかが騒いでるけど。

 

本当は自分自身を映しちゃいけないんだけどね、しょうがない。

BBの働きに期待しよう。

 

 

「折り紙で何折りたい?」

 

「ごじら」

 

「ごっ……、ゴジラね、お姉ちゃんに任せなさい!」

 

折り紙で何を折りたいのか聞いてみるとまさかのゴジラ。

あれ折り紙で折るの……?

 

 

:鬼畜で草

:可愛い顔してとんでもねぇ要求してくるやん。

:弟君天使かと思ったら悪魔だったわ。

:折り紙でゴジラって無茶苦茶も良いとこでしょ。

:おっきー無理じゃね?

:これはゲーム配信じゃなくて折り紙配信with弟君になりますね?(名推理)

 

 

皆、無理だ無理だって言ってる。

まぁそりゃ普通に考えたらそうだよね。

いやしかし春に任せなさいって言っちゃった手前引けないしなぁ……。

しかも配信中だからゲームしない訳にも行かないし。

 

仕方無い、ゲームと折り紙を同時並行で進めるか。

 

折り紙折ってゲームして、折り紙折ってゲームして。

 

それを何度も何度も繰り返す。

春は大人しく座ってゲームをやってる時は画面を、折り紙してる時は私の手元を見つめてる。

 

 

 

少し時間掛かっちゃったけど。

 

「はいっ、完成!」

 

「おー!ごじらだ!ありがとー、お姉ちゃん!」

 

完成したやつを春に渡すと嬉しそうに笑ってお礼を言ってくれる。

もうね、この笑顔の為に生きてるって言っても過言じゃないですよ。こんな笑みを向けてくれるんなら他の皆に怒られない程度に何でもしてあげちゃう。

 

:すげぇ……。

:ゴジラって折り紙で折れるんやなって。

:これはこれで普通にバズる。

:ありがとー、って笑った弟君、マスク越しにでも分かる可愛さよ。

:それな。

 

 

そうでしょそうでしょ。

私ってば凄いんだよ?

 

春が可愛いのは当然だけど。

 

「どーいたしまして。どうする?このまま一緒に折る?」

 

「だいじょぶ、みてておぼえたから。あとひろげるかいすうとか、じゅんばんおぼえておけばひとりでもおれるよ」

 

「ん、それじゃ隣にもう一個椅子持って来てあげるから、そこに座ってやろっか」

 

「うん。でも、ぼくじゃまじゃない?だいじょうぶ?」

 

「だいじょぶだいじょぶ。邪魔なんかじゃ無いよー」

 

こんなに小さいのに、私の心配してくれるのが嬉しい。

大丈夫だよって頭を撫でると、嬉しそうに笑う。

 

椅子を持ってきて、隣に座らせる。

カメラが高い位置にあるから春も映っちゃうけどまぁしょうがない。

ここぐらいしか折れる場所無いしね。

 

:出来た子やな。

:私もこんな弟が欲しい人生だった……。

:普通はこんな仲良く無いでぇ……。

:分かる。基本毎日喧嘩。年上の俺らが我慢するしかない。

:けど弟君、自分が我慢して遠慮するって事を知ってるんだよな。

:なんでか分からんけど、この年齢で相手を気遣えるって凄いよな。

:つか、弟君、さらっと凄い事言ってたんだけど。

 

 

「椅子持って来たよー」

 

「ありがとー」

 

「ん、それじゃお姉ちゃんまたこっちやってるから、分かんなくなったりしたらいつでも声掛けてね。あ、飲み物はあっちの冷蔵庫の中ね。机の上に置いても良いけどこぼしちゃ駄目だよ?」

 

冷蔵庫にあるジュースとかは好きに飲んで良いよ、と言っておく。

 

「だいじょぶ、おねえちゃんよりはのみものこぼしたことないから」

 

「おぉっと、知られたく無い事をナチュラルに暴露されたぜ」

 

「?」

 

まぁ、なんにせよ春は早速折り紙に夢中になって手を動かし始めた。

ちっちゃい手で、良くやるなぁ。

 

その間、春から完全に目を離す、では無くチラチラ見ながらゲーム配信をする。

 

「私の家?普通だよ?」

 

 

:絶対普通じゃないな。

:確かにおっきー腐女子だしド級のオタクだけど育ち良さそうだもんな。

:おっきー腐女子でド級オタクだけど、やたらと頭良いもんな。

:おっきー腐女子でド級オタクだけど、折り紙見てた感じ即興であんなん作れるとか普通じゃない。

 

 

「待って、なんでそんなに腐女子とオタクを強調するの?否定はしないけど」

 

別に家柄なんて無いけどなぁ。

住んでたとこは、と言うか住み着いてた所は姫路城だったけど。

 

しかも皆やたらと腐女子とオタクってとこを強調してくるし。

いや、事実だし否定はしないしする気も無いけど。

 

「あのねぇ、私は別に普通の生まれだよ?」

 

:じゃぁ弟くんとの詳しいお話を聞かせてくれ。

:裁判だ。

:おっきーガチショタコン属性まで持ってたら救いようがないぞ。

:もう警察予め呼んどくか。

:そうだな。話は裁判所で聞けば良い。

:取調べとか全部すっ飛ばしてて草

 

「皆ひどい!私は単純に可愛い可愛い可愛い弟の事が大好きで大好きで仕方がないだけだよ!」

 

:ショタコン?いいえ、ブラコンです。

:堂々と全世界に向けて私はブラコンですって宣言したな。

:まぁ、あんだけ可愛かったら溺愛しちゃうのも分かるっちゃ分かる。

 

 

「でしょ?だから私は普通なんだよ。まぁ、弟って言っても本当に血が繋がってる訳じゃないんだよね。産まれた時から知ってるし、よくお世話したりもしたし」

 

:やっぱりな。

:寧ろ髪の色すら似てないのに血の繋がった兄弟です、は無理がある。

:色々事情あって引き取ったとか?

 

「いやいや、弟の両親は滅茶苦茶元気だよ?ただ仕事が忙しくて結構あっちこっち飛び回ってるから、代わりに私達が面倒見てるんだ」

 

あんまり色々喋っちゃうのも不味いしね。

嘘と本当のことを適当なところで話しておく。

 

 

 

 

 

「頭良いよ、弟は。集中しだしたら今みたいにずーっとやってるし。と言うか勉強を勉強だって思ってないんじゃないかな?産まれた時から周りに私達が勉強だって思う事を沢山教えられる皆ばっかだし、その皆もこれは勉強だ、って言って教えてないからね。多分、一応勉強、とは認識してるけど殆どの場合遊びだって思って思ってやってるんじゃないかな」

 

:なんか、小さい頃から勉強が隣にあると頭良くなるとかそんな感じかな?

:それもあるけど、単純に才能もあるだろ。

:天は二物を与えずって言うけど、そんな事は無いって言う確固たる証拠が弟くん。

 

 

三時間ぐらいかな、そうやって話してると。

 

「おねえちゃん、できた!」

 

「おっ、出来た?ちょーっと待っててねー。すぐお片付けするから」

 

「おかたずけするの?てつだう?」

 

「こっちのゲームの話だから気にしなくて良いよ。ほら、飲み物取っといで」

 

「おねえちゃんこーらもってくる?」

 

「持って来てくれたら嬉しいけど、持って来れる?」

 

「だいじょうぶ」

 

「それじゃぁ、お願いね」

 

「うん」

 

お片付けって言っても、マッチ中だから速攻で方を付けるだけなんだけど。

いや、その気になればイケる。

 

 

:お片付け……。

:いっそ敵が可哀想になってくるな。

:ある意味虐殺よな、ここまで来ると。

 

 

なんかまた色々言われてるけど気にしない。

 

「もってきたー」

 

「ありがとう。それじゃ見せてくれる?」

 

「うん」

 

「……うん、うん。ちゃんと折れてるね。凄いね」

 

「ありがとー」

 

もうほんと、春ってば凄すぎ!

お姉ちゃん自慢したくなっちゃう!

 

「どーだ、弟が一人で折ったんだぞ!凄いだろー!」

 

:マジ!?

:いや、ちょっと信じらんないわ……。

:これ、隣に座ってたからカメラに映っててちょいちょい見てたけど、マジでおっきー欠片も手伝って無い。

:って事は、本当に一人で最初から最後まで折ったって事?

:そうとしか言えないだろ。

 

 

「ふっふっふ、だから言ったでしょ?私の弟は天才だって」

 

まぁね、当然よね。

最近は折り紙も、自分で出来るようになって来て、私が折ったやつを見て、開いて覚えちゃうんだもん。

凄いよね。まぁ、やっぱりちょっと寂しいかなぁ、って。

 

成長してくれるのは当たり前だけど嬉しい事だし、喜ぶ事だよ?

だけど、なんかそのまま離れて行っちゃうのは嫌だし。

 

「どーする?まだ折り紙やる?」

 

「やる!」

 

「次は何折ろっか」

 

「えっとね」

 

それから暫く、お昼過ぎまで予告通り配信をして。

 

「お昼ご飯食べに行こっか」

 

「うん」

 

「今日は何食べる?」

 

「んー、うどん!」

 

お昼ご飯を食べて、また部屋で春と一緒に折り紙やったり、本を読んだり。

夜になったらまた、ご飯食べてお風呂入って。

 

うつらうつらと、眠そうにし始めた春を抱き上げて寝かしつけた後。

 

 

 

 

 

 

「ほんっとうにすいませんでした……!」

 

「全く、迂闊もいいとこですよー?」

 

「仰る通りで!」

 

「しょうがないですねー。ま、貸し一つと言う事で、今回は手を打ちましょう」

 

「ありがとうございます!」

 

BBの所に走って行って、春の顔が映っちゃったり私がうっかり名前を言っちゃったりした映像をネットワーク上から消してもらう為に土下座をしていた。

 

もうね、マジでやばい。

取り敢えずBBには話を付けたからあとは、まーちゃん達に報告して謝らないと。

 

でもまーちゃん達、今出張中で居ないんだよなぁ……。

どうしよ……。

 

 

 

 

 

 

二日後に帰ってきたまーちゃんとマシュに、予め電話しといたから死ぬ気で謝って。

幸いにもBBがあっさりとなんとかしてくれちゃったから、意外とあっさり許してくれた。

 

ただ、今後はこんな事無いように、扉に配信中、とか分かるようにしておく事、って釘を刺されました。

 

 

 

 

 









姫お姉ちゃん。

例に漏れず、春君大好き。
よく折り紙教えたり一緒にお絵描きしたりしてる、インドア系お姉ちゃん。
ただしサバゲーをやったりする模様。


某有名動画投稿サイトで有名な配信者。 
趣味とかは別にして、なんだかんだと見てくれは良いから人気がある。

ファンや視聴者の間では性別ぐらいしか判明していない事からガチの調査班があったり無かったり。
分かっている事と言えば、女性で実在するか分からないけど弟の事を溺愛していて、ライブ配信中とかになるとほぼ毎回弟の話をする。
あと育ちが良さそうな感じがする。
腐女子でド級のオタク。
調べようとすると謎のスーパーセキュリティーによって弾かれて、諦めないとPCが暫く使えなくなる謎人間。

それだけ。
因みに今回の配信で、本当に弟がいると判明するまで、視聴者の間では、

・ガチで居る派
・妄想の中の理想な弟説派

に二分されてた。

因みによく一緒にゲームしたりするのはくろひーとともちゃんとか、あとは先生。
誰だろうね(すっとぼけ)






配信に乱入したりそのまま続行したりした件に関しては可愛い可愛い春君に免じて許してあげて下さい。



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