藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。 作:ジャーマンポテトin納豆
一行目を書いてから投稿するまでに一年近く経っている事に驚き。
がさごそ、がさごそ。
「ギルガメッシュ?最近何やら探し物をしているようだけど、どうしたんだい?」
「いやなに、エアが見当たらなくてな」
ここ最近、ギルガメッシュは何故か見当たらない乖離剣エアをずっと探していた。
普段なら宝物庫に入っている筈なのだが何故か一週間ぐらい前から全く見つからない。
「エア?あぁ、それならハルが背中に担いでいたけど、君が渡したんじゃないのかい?」
「何ぃぃぃィィ!?!?」
ギルガメッシュは絶叫した。
春君はご機嫌だ。
一週間ぐらい前、廊下に落ちていた紅色のごちゃごちゃした線が入った黒色の剣を拾ったからである。
なんか刃の部分が三分割ぐらいになっていてくるくる回るし、どことなくギルガメッシュお兄ちゃんの宝物庫で見たことがあるような気もするけど、かっこいいので良し。
それを、柄の部分と剣の先端ぐらいに紐を結んで背中に背負って、カルデアの中を、とんでもなく凄くて強い冒険者になった気分で歩く。
「〜♪」
鼻歌まで歌いながら、お供にロボとカヴァスが続く。
二匹は春君が剣を拾ってきた時、流石にヤバいのでは?と考えたが春君が嬉しそうなので気にしない事にした。
「む?」
「おねえちゃん!」
道中、ゼノビアと会う。
春君が生まれるまでは露出度の高い、というか大事なところ以外なーんにも隠れていない格好をしていたが、今はちゃんと服を着ている。今はセーターにジーパンという服装だ。
「背負っている剣はどうした?」
「ひろった!」
「そうか。……ふむ?」
ゼノビアは春君が背負っている剣に見覚えがあった。
春君に自分の宝物庫を見せびらかし、高笑いしていた英雄王の宝物の中にあったやつじゃないか?
これは、春が持っていていいものなのだろうか?
いや、流石に本物ではあるまい。
そう思ったゼノビアは用事があったので、ひとしきり春君を撫で回し、抱っこして、匂いを嗅いでから名残惜しくも春君と別れたのである。
エアには自我がある。
自我と言っても人間と同じレベルとまではいかないが、何にしても自我がある。
普段、エアはギルガメッシュの宝物庫の最奥に仕舞われており、出される事はまずない。なんせギルガメッシュが本気を出した時ぐらいなのだから。(カルデアにはギルガメッシュが本気を出さなければならない相手が割といる)
エアが初めて春君と出会ったのは、ギルガメッシュが春君に宝物庫を見せた時。
エアはその時に、春君から向けられた純真無垢なキラキラと輝く目に、心奪われてしまった。
という訳で脱走、脱獄、脱柵、なんにせよ宝物庫から気合いと根性で逃げ出して、春君に見つけて貰えて、拾って貰えるように落ちていますよ、と装って廊下に寝転がったのである。小賢しい剣である。
「ハル」
「んぅ?」
てくてく歩いていた春君を、ギルガメッシュは速攻で見つけ、抱き上げる。
「ハル、その剣は我のであると分かっているな?」
「……ごめんなさい」
「よい。しかし一言言うべきであったな」
「うん」
「次からはちゃんと言ってからにせよ」
「は〜い」
因みにエアはギルガメッシュの宝物庫に戻る気は全く無かった。
だってギルガメッシュは奥の方に仕舞って、都合の良い時にだけ、使うだけ使ってそのまま。対して春君は毎日綺麗に磨いてくれるし、凄く大事にしてくれるって感じられる。
エアからしたら、ギルガメッシュのところに戻る理由が無かった。
「エアよ、戻るぞ」
「ーー」
「おい、何故嫌がる。貴様は我のものであろう」
エア、ガン拒否。
春君の背中に背負われる方が心地良い。
因みにそのままだと背負えないので、エアはふわふわ浮いて春君が背負えるぐらいの重さを感じられるようにしている。優しい。
「ぬぉぉぉ!?貴様嫌だからと暴れるでない!」
刀身の部分がクルクル回り、ギルガメッシュを弾き飛ばした。
両者とも、春君に被害が行かないようにしているからタチが悪い。春君自身はすごーい!かっこいー!ぐらいしか思っていないので、誰も止めない。
あーあ、過保護なお姉ちゃん達が反応したようだ。
この戦いは神性特攻持ちランサー勢が十秒後に駆け付けるまで繰り広げられた。
ギルガメッシュ
春君が生まれてから色々と常識を叩き込まれたお陰で、流石にエアを持たせるのはマズイと考えている模様。
ただし油田とか鉱山とかはプレゼントしたがる。
エア
ギルガメッシュより春君の方が良い。
この騒動の後、エアは度々宝物庫を気合いで脱走して春君のところに行っている。だいたい二日に一回ぐらい。