藤丸立夏は父親で、藤丸マシュが母親。 作:ジャーマンポテトin納豆
そっと投稿……。
お父さんは悩む。
春が生まれてきてから、早いものでもう7年も経った。
産まれた時は小さくて、本当に小さかったのに、今じゃずっと大きくなっている。
まぁ、身長に関しては平均よりもだいぶ低めだけどこれからどんどん伸びるんじゃないかな?
特にこれと言って身長が伸びないって言う障害があるわけでもないからね。
やっぱり容姿は俺よりもマシュにそっくりで、マシュ特有のあの薄紫色の髪をもう少し薄くしたような髪色と、顔立ちは姉弟って言われてもしっくりくるぐらいには、今はそっくりだ。
唯一俺に似ている所と言えば、瞳の色ぐらいかな?
しかも俺も俺で瞳の色だけは日本人離れしてるんだよね。
覚醒遺伝、ってやつなのかなんなのか分からないけど日本人離れしたスカイブルーの瞳と、少しばかり日本人っぽくない顔立ちをしてて、両親から受け継いだ身体的特徴と言えば耳の形とか髪の色とかぐらい。
そんな俺とマシュの遺伝子を色濃く受け継いだ春は、名前も話す言葉も完全に日本人なのに、どこからどう見ても日本人に見えない。ブーディカとかのお姉ちゃん系サーヴァントの皆とか、スカサハあたりのお師匠軍団、絶対にデレないであろう面々も口を揃えて「天使」と言うのもまぁ、納得が行く。
笑った時とか、本当に可愛らしい。
でもなんだろう、こう、確かに今はすっごく可愛いんだけど成長したら、可愛いじゃなくてかっこいいとか精悍、って言葉がしっくりくる様になりそうなのは気の所為かな?
俺も俺で親バカの自信はあるけど決して甘やかしたりとか間違ったことを教えているつもりはない。
俺が甘やかさなくても他の皆が盛大に甘やかすんだけどね。
まさか、ゴルゴーンとかまであんなんになるなんて思ってなかったからなぁ。あのデロデロの顔見たら、本人の性格知っている俺達としてはもう、人理修復の旅で見た何物よりも驚きだったよ。
あとは、うん、ティアマトを連れてきた事とか普通に驚いたけど別に何か害がある訳でも無く、寧ろ春やカルデアのちびっこサーヴァント達にお姉ちゃんって懐かれてすっごく嬉しそうにしている。
結果的に良い方向に転がってくれているから特に問題は起きてない。
仕事が忙しくて、あまり遊んであげられないけどそれでも父さん、父さん、と嬉しそうに呼んでくれるのが心の底から嬉しい。
あの笑顔の為ならば、お父さんはベッドに縛り付けられるのだけは勘弁してほしいから、婦長に怒られない程度には幾らでも働けちゃうのだ。
春の生活はとても健康的で、大人でも見ていて羨ましくなる様な充実した毎日を送っている。
平日休日問わず、農園やダヴィンチちゃん達が開発したテレポート装置で山だったり海だったりに出掛けては楽しそうに、だけれど万が一の時に一人でも生き抜いて行ける様に様々な技術を覚えて。
勉強だって世界中の、ありとあらゆる人が羨ましがる様なレベル。
紫式部やシェイクスピア達と言った文学の先生から始まり、数学、物理やら化学やら科学やらなんやらかんやら……。
語学は7歳にしてマルチリンガルなんてレベルじゃない数の言葉を話して書いてと、操る事ができる。
俺なんて英語が、アメリカ英語とイギリス英語の二種類もあるなんて、つい最近初めて知ったんだから。
しかも、先生が先生だから、クイーンズ・イングリッシュとか言う、イギリスの上流階級の人達が使う英語が中心らしくて……。
俺は説明された時サッパリだった。
自慢じゃ無いけど何せ中学高校と英語の成績は赤点ギリギリだったからね!
うん、数学も得意じゃなかったなぁ。
それ以外はわりかし平均かそれ以上だったんだけどね。
メディアやキルケー達といった薬学やら薬草学やら俺にはよく分からない分野に至るまで、皆が教えられる事は兎に角何でもかんでも教えられてて、少し可哀想と思うんだけど本人は物凄く楽しいらしいから、杞憂なんだろう。
赤ちゃんの頃から英才教育だもんね、それが普通って認識なのかな?
武術もまぁ、すごいよ?
教えてる理由はまぁ簡単に言っちゃえば春が自分の身を自分で守れる様にって訳なんだけど。
いやぁ、ゲームやった事ある人なら一度は聞いたことがある様なビッグネームばかり。
クー達は、教える立場じゃないけど春との打ち合いはやっているし、その師匠のスカサハ、スパルタの語源である国のレオニダス、書文先生、新撰組メンバー、ジークフリートやアキレウス、ケイローン、シグルド、円卓の騎士メンバーetc。
アサシンズからも色々な技術を教えられてるし。
こんなメンバーから教えられてんだよ?
いやぁ、うん、本当に同情しちゃうよね。俺も人理修復の旅の時には皆に鍛えてもらってたけどキッツイんだなこれが。
皆俺の身体的限界を知っているから、その限界ギリギリ少し上まで追い込まれるまで特訓は続く。身体を壊さないのか、と言う質問に関しては、人体の不思議ってもので、超回復っていう機能があるから一日休めば身体は寧ろ好調になる。
春も、そんな特訓を二日に一度行って、間の一日は座学、って感じ。
ちゃんと休みもあるし、そう何時間もずっとやってる訳じゃないから、午前中に始めれば大体お昼前には終わる。
だから午後は完全フリー。
流石にやりすぎなんじゃないかとも思ったけど春を取り巻く状況ってのがそれを許してくれるわけもなく。
必ず必要な事だから止めるに止められず。
スカサハ達師匠軍団は本当に小さい頃から春をそれとなく、遊びの中で鍛えてたもんだから普通に7歳児か疑う様な身体能力してるし。
この前なんか、ナイフ一本渡されて無人島に放り出されて三日間生き延びてみろ、なんて無茶苦茶なことやらされてた。
春本人は楽しかったようでケロッとした顔で帰ってきてたけど。
流石のクー達も、
「俺達ですら7歳であんな地獄に叩き落とされてねぇ」
ってスカサハを止めに掛かってたけど返り討ち。
うん、もうちょっとマイルドな訓練でも良いんじゃないか、と思うけど春の置かれている立場や状況を考えるとどうしてもそうならざるを得なくなる。
はっきり言って俺とマシュは常に命を狙われている訳だし、そうなると仕事で外に出向いた時とか何時殺されてもおかしくはない。
表向きの俺は、ギルガメッシュやシバ達から譲り受けた油田やら、そこから新しく作った会社の社長。
でも実際は魔術協会と国連に対する外交官、ってのが本当。
事実、会社経営はもっぱらギル達に任せっきり、と言うか任せた方が絶対上手くいくし。
会議とか株主総会みたいなどうしても出席しなければならない時だけ社長って言う立場だから表に出てるけどそれ以外は殆どが魔術協会絡みのゴタゴタの対応。
正直、その殆どがサーヴァントと言えどもこれだけの人数を養うには相当の金銭が必要だ。
一応カルデアは前々所長の所有していた油田があるにはあるけど、あれもいつぞやの一件で稼働させられていない状況にある。
だから独立当初、可及的速やかに何らかの資金源を得る必要があったのだ。
それが、ギル達が買収した油田やら設立した会社、と言うわけ。
はっきり言って、ここの維持が出来る程度の稼ぎがあれば良いと思ってたんだけど、まさか油田とか鉱山を買収してくるなんて思っても見なかったなぁ……。
少なくとも、化石燃料の需要はそれに変わる何らかの新たなエネルギー源、例えば安定した核融合動力とか色々考えられるけど、少なくともそれらの技術が確立されて、安全性が現状の化石燃料を扱う動力源と同等かそれ以上になるまでは、人類在る限り存在し続けるだろう。
確かに電気自動車とか、水素で動く車とか色々出てきてはいるけれど、それでも絶対に需要は無くならない。
何故かと言うと、それらの動力では動かすことの出来ない大型の乗り物、例えば飛行機だったり艦船があるから。
民間に限って言えば、まぁ確かにその全てが置き換えられるかもしれないけど、軍隊はそうも行かない。
現在の電気自動車とかだと、はっきり言って数十トンもある様な軍用車両を動かすにはまだまだ非力だからだ。
それこそ数千トン、数万トンっていう規模の軍艦を動かすにはどうやったって足りるわけがない。
有史以来人類は常に戦争を繰り返してはその分科学技術が発展して来た。
それを考えると、少なくとも数百年単位で化石燃料の需要は無くならない。
まぁ、先に化石燃料が底を尽きるだろうけど。
それを考えると、石油って言うのは枯れさえしなければ比較的安定した収入になる。
他にも各種鉱物資源の鉱山だったりも、需要は間違い無く有り続けるから、取れなくなるまでは、継続的に収入源として期待出来る。
そんでもってそれらの資源系に加えていろんな会社を経営しているわけで、会社全体の総資産額って言うのはあっさりとトップに躍り出るぐらいにはなる。
しかも経営陣がその道のプロみたいな、超天才達だもんねぇ。
社長としての収入で入ってくる給料とかの個人資産でも、俺ってカルデアに来る前だったら関わりが無さすぎて感心すら抱かないレベルの金額にまでなっているし。
で、そう考えると春は魔術協会や魔術師の家、身代金目的の誘拐犯やテロリストなどと、とんでもない数の人間に狙われている。そりゃ端から見たら非力な子供にしか見えないわけで、俺やマシュを狙うよりもずっと狙いやすいと思われている。
まぁ、実際は寧ろ俺やマシュ以上に誘拐するのは困難、と言うか無理なんだけど、絶対はあり得ない。
それを考えると、春には生き残る為の術は幾らあっても足りない。
マスターは俺だけど、依代はカルデアだから俺が死んだ後でも皆は現界し続けられる。
なんなら春をマスターに、って言い出している面々もいるぐらいだからなんとかなるだろうけど、それも絶対じゃない。
皆は春の事を、心の底から愛しているからこそ厳しく育てているって思うと、納得しなきゃならない事なんだ。
まぁ、そんな恵まれている環境で育っている春な訳なんだけれども。
問題が一つ。
春、年齢的には小学校に通う年齢なんだよね……。
諸事情あって幼稚園には通わせられなかったんだけど、流石に小学校からは通わせたい。
いや、ここにいる皆以外とのコミュニケーション能力とか対人関係の事を考えると通わせないとならない。
しかも世間一般的な常識と言うのが春には無い。
このカルデアの中でしか通用しない常識しか持ち得ていない。
これが特に問題で、なんとかして解決しないとならない問題。
この問題を解決する最も簡単で、間違いが無いとは言い切れないけど、間違いが少ない最善策は、やっぱり春自身を小学校や中学校に通わせること。
そうすれば周りの同級生や先生達から自然とそういったものは得られる。
もし通わせるならどこの国の学校に通わせるか、と言う問題については決まってる。
日本だ。
決定打となったのは治安状況。
教育制度とかの事を話し始めたらキリがない。
どちらかというと教育制度的には日本の学校は他の国の学校と比べると、飛び級制度が無かったりとかなり違うところがあったりメリットデメリットも多い。
なんて言えば良いのかな、本当にざっくりした言い方と言うか、俺個人の捉え方なんだけど、個を優先して育てているのがアメリカとかの学校で、群を優先して、型に嵌った育て方をしているのが日本、って言う感じかな?
それを考えると春には型に嵌った人間では無く育って欲しいから日本じゃない方がいい。
正直、この環境で育てられてる時点でどこに通おうと関係無いだろうけどさ。
さっきも言ったように決定打になったのは治安状況。
正直言って、日本の治安状況に比べると他国の治安状況は宜しく無い。
魔術協会に狙われているこっちとしては、それ以外の対象に春を守るための意識を出来るだけ割きたく無い。
そりゃぁまぁ、春の為なら幾らでも労力は割くし、皆も喜んで協力してくれるだろうけどさ。
と言うのも、魔術師の家ってマフィアやヤクザを調べるよりも本当に苦労するのだ。
身代金目当てのテロリストの方が、まだ対処するのが楽。
酷な言い方だけど、皆の手に掛かれば一夜でこの世からそのテロ組織は消えるだろうから。
だけど、色々と複雑な理由で魔術師ってのはそうもいかない。
一応、小学校に通わせられる様に色々と準備は進めてはいたんだけどまだ完全に整っている訳じゃない。
少なくとも、あと3年か4年は掛かる。
お金を積んでしまえば、色々と物事は簡単なんだろうけど、そうじゃない。
一般社会の一般常識を、普通の生活の中で身に付けさせることって言うのはとても大変で、大事な事なんだ。
それを考えると、確かに皆の護衛とか必要ではあるけどそれでも俺が通っていたような普通の学校が一番良い。
それを、皆と協議したんだけど。
「ハルと一緒に居られる時間が少なくなるだろう!?それは嫌だぞ!?」
「欲望ダダ漏れだって」
「何処の馬の骨とも知らん奴に春を任せられません!」
「いや、任せるのは学校の先生だよ?」
「➖■●ー▲✖︎◻︎■○▲➖➖!!!!!」
「ヘラクレスも言いたい事は分かったから剣振り回さない!」
滅茶苦茶反対されました。
そうだよね、皆春と離れたく無いんだよね。
でもさ、考えてみてよ。
「運動会とか、いろんなイベントに参加する春を毎年見られるよ?」
「「「「「「……!!」」」」」」
うん、俺はこの瞬間に決まったな、と感じた。
だって、皆見たくてしょうがないって顔してたんだもん。
姉バカ兄バカ爺バカしかいないのか、この組織は!もう手遅れだ!
結局、春の運動会とか見たい皆があっさりと手のひらを返し学校に通うことが決定。
でも、条件を付けられた。
・考えられる限りの対策と準備を行ってから通わせる事。
・霊体化でも何でもいいから必ず護衛として一人以上付けさせること。
他にも必要ならば随時条件は追加するって約束させられた。
そんな訳で、春が小学校に通うことが決定しました。
まぁ、いつ頃から通えるかは分からないけど。多分、4年生か5年生ぐらいになっちゃうかなぁ……。
その学校に通っている人全員を調べ上げたり、周辺に住んでいる人達の事も調べないとならない。
プライバシーもへったくれも無いけど、俺が指示しなくても皆が勝手にやっちゃうだろうし。
それじゃぁ、春が一日でも早く学校に通えるように今日も明日からもお仕事頑張らないとなぁ!
ほんっと久々です。
すいませんでした。