南賀ノ神社の白巫女   作:T・P・R

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投稿遅れました。
前話のあらすじ。

中忍試験予選第9回戦。
対戦するはロック・リーとマイカゼ、

Q 白眼で動きを全て洞察されてしまいます。どうしたらいいですか?

熱血師弟の答え
「体を鍛えて見切られても対応できないほどのスピードを身に着ける!」

マイカゼの答え
「目を鍛えて白眼以上の洞察力を身に着ける!」

共に日向一族の柔拳使いをライバルに持つ者同士のガチンコ対決、ついに決着。



予選編に入ってから。
感想欄でも評価欄でも「オリキャラ強くしすぎ」的な意見が常に一定数ありました。
実際のところ、強くなったというより「今までいろいろな要因が重なって本気を出せなかったけど、ついに本領を発揮できる機会が巡ってきた」というのが正しいのですが。
好き放題させまくったのもまた事実です。

原作キャラをさしおいて頭が高かったと反省し、今回は基本に立ち返って『弱さ』を強調できればいいなと思います。


49話

それは、まるで2つの真っ赤な流星がぶつかり合っているかのような光景でした。

 

リー先輩が純粋な速さと足運びによる残像で分身を作りだし突撃したかと思えば。

それをマイカゼは手刀で複数の斬撃を同時に繰り出して迎撃し。

 

マイカゼの斬撃をかいくぐったリー先輩が背後から蹴りを放てば、マイカゼはそれを振り返ることなく空中で跳んで回避して………

 

「………ああ! 見失っちゃいました!」

 

「ど、どこだ!?」

 

「マイカゼは上だ!」

 

「けどリーって人は見えないよ!」

 

「あ、マイカゼも消えた!」

 

速すぎて何が何だか………もはや両者の区別すらおぼつきません。

マイカゼかリー先輩のどちらかが踏み込むたびに床や天井が陥没し、どちらかが避けるたびに暴風が巻き起こり、2人が激突、交錯すればその衝撃で壁が砕け瓦礫が散乱します。

 

「………これどっちが勝ってるの?」

 

「双方一歩も引けを取らぬ互角………いや! 純粋なパワーとスピードはやはり5門を開いた我が弟子リーの方が上だ!」

 

「………しかし、それでも早いのはやはりマイカゼの方だね。未だに決定打を食らっていないのがその証だ」

 

「マイカゼは攻撃を受け流しカウンターを決めようとしているが………リー君の動きが速すぎて受け止めることしかできないでいる………千日手だな」

 

「せ、先生たちは見えるんですか!?」

 

上忍凄い!

私なんて写輪眼を全開にしても見えないのに………いえ、そんなことを思っている間に私の目にも2人の動きがだんだんと見えてくるようになってきました。

2人の速さに眼が慣れた………のではないですね。

だんだんとマイカゼとリー先輩のスピードが落ちてきているんです。

 

(ガイの言うように、純粋な体力とスタミナ量ではリー君が上………だが消耗が激しいのもまたリー君、結果的にはほぼ互角。後はどちらが先に限界を迎えるかだ)

 

(実力が拮抗しているのであれば、後は気迫と根性の勝負だ! 気迫でリーが負けるものか!)

 

(ほぼ五分の勝負………なら、勝敗を分けるのは目だ。速度がいくら跳ね上がっても動き自体は今までと同じ木ノ葉流体術、マイカゼなら見切れない道理はない!)

 

もう何度目かもわからないマイカゼとリー先輩の交錯。

リー先輩の手足がブレる。

両手足をフルに使った高速連撃を、マイカゼは身体を捻るように回転させてすり抜けて―――

 

 

「―――っ!? しまった!」

 

「油断しましたね!」

 

 

―――いつの間にかリー先輩の腕のテーピングが解けて、マイカゼの胴体に巻き付いていました。

 

 

「月光マイカゼ捕らえたり! もう逃がしません! この技で最後です!」

 

 

リー先輩がテーピングを引っ張ります。

マイカゼはなす術なく引き寄せられて―――

 

 

「―――諦めるものか!」

 

 

この一撃は避けられない、一瞬でそう判断したマイカゼも負けじとテーピングを引っ張りました。

回避ではなく迎撃のために。

 

 

「はああああああ!! 木ノ葉流・禁体術奥義!」

 

「おおおおおおお!! 木ノ葉我流・物干し竿限定奥義!」

 

 

― 裏蓮華!

 

― 一竿風月!

 

 

引き寄せあった両者の渾身の必殺技が空中で激突―――

 

 

―――ブチッ!

 

 

「あ」

 

「え?」

 

 

―――することなくすれ違い、リー先輩は床に激突し、マイカゼは天井に突き刺さりました。

 

モクモクと舞う土煙、めり込んだまま動かない2人、口を開けたまま固まる観客。

 

「なん………で?」

 

「なんでってそりゃ………………綱引きのロープじゃないんだから。テーピングの包帯をあんな力で両側から引っ張ったら千切れるのは当たり前じゃない」

 

「そりゃそうなんですけど………そうなんですけど!」

 

呆然としたまま、それでも冷静に目の前の状況を分析するカナタ。

正直、やり切れない気持ちでいっぱいなのですが、具体的な言葉が何も出てきません。

え? 本当にこれで決着?

こんなのありですか?

 

 

「………ふむ、決まりですね。ロック・リー選手及び月光マイカゼ選手。両者とも戦闘続行不可能と判断し予選第9回戦は通過者なし!」

 

 

「「「「「ええ~!!?」」」」」

 

納得いかない人たちの絶叫が響きました。

 

 

 

「締まらないわね。まあ、マイカゼらしいといえばそうなんだけど」

 

気を失ったリー先輩共々担架で医務室に運ばれるマイカゼを、何とも言えない表情で見つめるカナタ。

天井には未だ竹刀が突き刺さったままです。

ボロボロで折れる寸前だったはずが、石の天井に根元まで深々と………一竿風月、いったいいかなる技だったのか。

結局、真相は闇の中です。

 

「僕はね。こと個人戦に限ればマイカゼは絶対に負けないって思っていたんです。それこそ相手がカカシ先輩自慢のナンバーワンルーキーサスケ君だろうが、ガイ先輩が最強の下忍だと豪語したネジ君だろうとね………」

 

「気に病むことはない。私とて重りを外し5門まで開いたリー相手によもや接近戦で渡り合うくのいちなど想像もしなかった………ヤマトよ、お前の誇る部下は確かに強かった」

 

「過程はどうであれこれで僕のチームは全員予選敗退………僕は中忍試験というものをどこか甘く見ていたのかもしれません………ガイ先輩の言う通りですね。青春とは時に甘酸っぱく時に厳しい」

 

ガイ先生と話すヤマト先生はどこか達観したような表情でしみじみと………ん?

 

「………ちょっと待ってください」

 

「まあ、半年後頑張りますから。次はもっと行ってみせます」

 

「………ねえ」

 

「そうだな………うん、その通りだ。手ごたえはあったんだ。たとえ今回はダメだったとしても次こそは」

 

「ちょっとおおおおおお!?」

 

「………さっきからうるさいわよコト? 何なのよ」

 

「私! まだ! 戦ってません! 残ってますよ~!!」

 

全力を尽くした、今回の試験に悔いはない、そんな空気を醸し出すカナタとヤマト先生に私は全力で遺憾の意を示しました。

 

「勝手に終わらせないでください~!」

 

「………っふ」

 

「は、鼻で笑いましたねカナタ!? チームメイトにその態度はひどくないですか!?」

 

「冗談よ………」

 

「すまない、少し悪乗りが過ぎたね」

 

苦笑いを浮かべるカナタとヤマト先生の態度に私は悟らざるを得ませんでした。

 

「まあ、頑張りなさいな。結果はお察しだけど」

 

「僕もいきなり棄権しろとは言わない。ただ悔いのないようにね」

 

この人たち、ひと欠片たりとも私の勝利を信じていない!

 

「ふ、ふん! いいもんいいもん! 度肝抜いてやるんですからね!」

 

今に見てなさいよと決意を新たにしていると、電光掲示板に次の対戦者の名前が表示されました。

 

 

『ガアラ VS ウチハ・コト』

 

 

噂をすればです、ついに来ましたね。

 

「さあ、大番狂わせってやつを見せて………」

 

「「棄権しろ(しなさい)」」

 

「前言撤回するの早すぎないですか!?」

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで長かった予選も第10回戦まで来たわけだけど。

 

「ラ、ライオンの前にチワワがいるようにしか見えない………っ!」

 

カナタ(わたし)とヤマト先生の反対を押し切り参戦したコトと、それに対面する背中に背負った大きな瓢箪(ひょうたん)、額に刻まれた『愛』の入れ墨と隈取りが特徴的な赤毛の少年、我愛羅君。

私自身も砂の忍び(カンクロウさん)と手合わせしたから分かる。

彼らは強い。

特に我愛羅君からはこの場にいる誰よりも強い殺気を感じる。

ネジ先輩とは別の意味で下忍の域を超えているわね。

おそらくはあの草忍と同じ………人を殺すのに全く躊躇しない、それこそ逆らう奴は親でも殺すタイプだわ。

 

それに対してコトはといえば、性格も使える術も全部ひっくるめてまるっきり戦闘向きじゃない、というか忍者向きじゃない。

 

「………いやでも道具とか忍術とか何でもありの勝負ならひょっとしてひょっとするかも」

 

戦闘に使えるかどうかはさておいてとにかく引き出しが多いのがコトの長所である。

もしかしたら何か有効なものがあるかもしれない。

 

「ありえねーじゃん。あの白いガキがどんな攻撃するかは知らねーがな。我愛羅にゃ勝てねーよ。絶対にな」

 

「そりゃそうなんですけど」

 

カンクロウさんの言葉を私は否定しない。

何せ私の知る限りでは、それこそアカデミー時代まで振り返ってもコトがまともな戦いをしたことなど1度もないのだから。

 

私がそんなことを考えている間、件のコトはというと我愛羅君の殺気に全く気付いた様子もなく。

完全に無防備で無警戒なまま、ほのぼのとした笑顔を浮かべ

 

 

「よろしくお願いします我愛羅君。お互い頑張―――きゅうっ!?」

 

 

次の瞬間、コトは変な声を上げてひっくり返った。

 

「な、なんだ!? 何が起こった?」

 

「栓よ! ヒョウタンの栓がコトのおでこにスコーンって!」

 

「コラー! ヒキョーだぞ目のクマヤロー! まだ試合開始前だってばよ!」

 

 

仰向けに倒れたまま動かないコト。

え………いや、いやいやいやいくらなんでもそれは………

 

 

「ゴホッ………失礼………ふむ、完全に気絶してますね」

 

 

ウソでしょコト!?

 

 

「………………」

 

「さて、これはどうしたものですかね。まだ試合開始前なのですが」

 

「………………」

 

 

困った顔で首をひねるハヤテ審判と無表情の我愛羅君。

しかし、私にはわかる。

無言でポーカーフェイスを崩さない我愛羅君も内心ではハヤテ審判と同じくらい困惑している!

 

 

「仕方ありません。ゴホッ………目を覚ますまで待ちますか」

 

 

 

5分後。

コトは無事(?)目を覚ました。

寝ぼけ眼でむにゃむにゃ言ってるその様子は完全に寝起きのそれでしかない。

気絶してたんじゃなくて本当は寝てたんじゃないでしょうね。

 

 

「んにゃ? 私はいったい………ハッ!? 思い出しました! ちょっと、酷いじゃないですか我愛羅君! フライングは反則なのですよ!」

 

「………………」

 

「次からは気を付けてくださいよ! 聞いてますか?」

 

「………………」

 

「あ、その目、知っていますよ。カナタやヤマト先生が私を見る目とおんなじです! 貴方もその目で私を見るのですか!?」

 

「………………」

 

 

弱すぎて、どうしよう。

そんな我愛羅君の心の声が聞こえた気がした。

 

「我愛羅のあんな表情は初めて見るじゃん………」

 

「でしょうね………」

 

あんな無防備な忍びは忍界全部見渡しても2人といないでしょうよ。

 

 

「………それでは第10回戦、始めてください!」

 

 

「行きます!」

 

 

意外にも、最初に仕掛けたのはコトだった。

 

 

「えいやぁ~」

 

 

何とも気の抜ける掛け声とともに、取り出した苦無を投げる。

その軌道はあからさまに牽制、間違っても我愛羅君の急所にあたってしまわないように細心の注意を払っていることがうかがえる。

ここまで余計な気遣いを働かせる忍びも珍しい。

 

投げられた苦無は我愛羅君の瓢箪から噴き出た砂によって受け止められた。

 

サクッ、という音を立てて苦無が刺さる。

コトはそれに驚きに眼を見開きながらも続けて苦無を投擲。

 

「えいっ、えいっ」

 

サクッ、サクッ

 

 

「………なんか、ショボイってばよ」

 

「テンテン先輩の閃光みたいな手裏剣術を見た後だから、余計に拙く見えるわね………」

 

対する我愛羅君はというと腕組したまま微動だにしていない。

彼を取り巻く砂が勝手に動いてコトのヒョロヒョロ苦無を受け止めている。

対戦相手がヘボすぎていまいち分かりづらいけど、あれ結構凄い術よね?

 

「………砂を操っているの?」

 

「変わった術だ………」

 

「コトちゃんのクナイが全然当たらねーってばよ………」

 

「アイツにはどんな物理攻撃も通用しねぇ。意思に関係なく砂が我愛羅の盾になって守っちまうからな」

 

「………意思に関係なく? つまり自動(オート)ってこと?」

 

「ああ、だから今まで誰1人として、我愛羅を傷つけた奴なんていねーんだよ………絶対防御だ」

 

「………そりゃ凄いわね」

 

自動(オート)ってことは不意打ちも意味がないってことよね。

自分で操っているわけじゃないなら、おそらく私の無印詠唱でも制御を奪いようがない。

うん、どうしようもないわねこれ。

カンクロウさんが絶対防御と豪語するのもうなずける性能だわ。

 

コトもいくら苦無を投げつけても無意味だと悟ったのか我愛羅君の周りをグルグル回って砂の挙動をじっくり観察している。

対する我愛羅君は、コトの方を見てもいない。

 

「何をする気なのかしら?」

 

「何をしても無駄じゃん。我愛羅の砂の盾は突破できな………はあぁああ!?」

 

突如、カンクロウさんが驚きで絶叫。

無理もない、というかこれは仕方がない。

 

 

「ふむふむ、あくまで攻撃のみに反応するんですね」

 

「………………っ!!??」

 

 

あまりにも無警戒に、どうしようもなく無防備に。

堂々と我愛羅君の真正面に立ったコトがその頬に触れていた。

 

 

「な、んで? どうして砂の防御が反応しない!?」

 

「………そういうこと………無敵の盾にも穴はあったみたいね」

 

考えてみれば当然の話。

砂による全自動防御、そう聞くと確かに鉄壁で便利に思える。

でも、本当に近づくもの全てを常時拒絶していたら、我愛羅君はまともに生活できなくなってしまう。

推測だけど、砂が反応するものには何らかの基準があるはず。

 

これは安全、通す。

これは危険、防御。

 

仮に砂が、我愛羅君に危険が及ぶと『攻撃』判定されたもののみに反応して防御するのだとすれば。

コトに反応しなかった理由はおそらく………

 

「ひょっとして………コトがあまりにも人畜無害な(よわすぎた)所為で砂の危険判定をすり抜けちゃった?」

 

「んなアホな!?」

 

まさしくアホでしょうね。

砂の面々だけではなく、この場にいる全員が口を開けて固まっている。

あらゆる攻撃を弾く鉄壁の盾も、そもそも攻撃しない奴が相手じゃどうしようもないわ。

 

「なんて………なんて頭の悪い絶対防御突破だ!」

 

「いやでもこれ、結局攻撃できねーじゃん!」

 

「いったい何の意味があるの!?」

 

特に意味はないんでしょうね。

おそらく今のコトは我愛羅君を攻撃することなんてこれっぽっちも考えていない。

 

正真正銘の敵意ゼロ、完全無欠に無害であるコトが、固まっている我愛羅君の頬っぺたをツンツン突っつく。

 

 

「ふむ、これはまだ大丈夫なんですね。ではこれは?」

 

 

コトは両手で我愛羅君の頬っぺたをペチペチ、さらにはムニーンと引っ張って固まっている無表情を無理やり笑顔に―――

 

 

「っほぎゃああ!?」

 

 

―――直後、我愛羅君が物凄い勢いでバックステップし、それと同時に砂の津波がコトを押し流した。

 

 

「………調子に乗り過ぎ」

 

ツンツンペチペチはともかく頬っぺた引っ張るのはやり過ぎよ。

 

 

「っ!? っ? っっ!!??? お前はっ! なんだ!??」

 

 

眼を白黒させ、しきりに頬を抑えている我愛羅君。

無茶苦茶戸惑っているわね。

 

 

「うわ~砂に飲み込まれ………どうしたんです?」

 

「お前はいったい………なんなんだ!!?」

 

「ふぇ? い、いったい何を、私が何をしたと………マズッ………」

 

 

コトの姿が砂に完全に包み込まれて………

 

 

―――砂縛葬送!

 

 

コトを包み込んだ砂の塊がつぶれ、赤い飛沫が飛び散った。

 

「コト―――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トマトを使った変わり身は心臓に悪いからやめろって言ったでしょ!」

 

 

「しょうがないです咄嗟だったんですから! たまたま手に取ったのが余ってたこれだったんですよぅ!」

 

 

砂塊の影からひょっこり顔を出したコトは、砂と赤い液体でドロドロになりながらもこちらに叫び返してきた。

一見すると血みどろに見えるが騙されてはいけない。

あれは単なるトマトの汁だ。

 

 

「いやぁ、今のは危なかったです………凄い圧力ですね」

 

「………………お前は」

 

「あ、びっくりしました? 自慢じゃないですがこう見えて私、アカデミー時代は幾度となくイルカ先生の監視の目をかいくぐって教室を抜け出し続けた脱走、脱出の常習犯だったんですよ」

 

 

「ほ、本当に自慢にならない………」

 

こういうのでも昔取った杵柄っていうのかしら。

まあ、学年後期のやたらパラノイアじみたイルカ先生の感知捕縛忍術をすり抜けたのは誇っていいかもしれない。

あれを突破できるなら、まとわりついた砂から抜け出すくらいやってのけるでしょう。

ナルト君もそうだったけど、元悪戯小僧って肩書、忍びとしては普通にプラスなのかも。

 

………我愛羅君、コトを見る目が完全に宇宙人を見るそれになってるわ。

まあ、間違っていないかな。

我愛羅君からすれば、この一戦は未知との遭遇そのものでしょうよ。

 

 

「今のは自動(オート)じゃなくてマニュアル操作でしたね………ふむふむ、貴方のその砂の術、だんだんわかってきましたよ」

 

 

いつの間にか、コトの両目が紅く輝いていた。

写輪眼。

あらゆる術理を見通す血継限界。

いや、そんなものは関係がない。

コトの真価と本領はそんなものとは全く別の場所にある。

 

「な、なんなんだよあいつは? 弱いんじゃなかったのかよ!?」

 

「弱いわよ。間違いなく」

 

私はカンクロウさんの言葉を否定しない。

 

なにせ私の知る限りでは、それこそアカデミー時代まで振り返ってもコトがまともな戦いをしたことなど1度もないのだから。




あらゆる攻撃を無効化する鉄壁の防御も、攻撃力0の前では無意味。

最弱VS最硬
ずっとこれが書きたかった………

これが書きたいがためにわざわざマイカゼをあてがってまでロック・リーに対戦相手を譲ってもらいました。

大番狂わせ、ジャイアントキリング、逆転勝利。
こういうのが本当に大好きなんです。
ただし、コトがそれをするとは限りませんが。
カナタの言うように「まともな戦い」にはしないつもりとだけ。

なお、我愛羅の砂ですが、原作でもカンクロウがつかみかかっても反応しなかったシーンがあり何かしらの基準はあるのは確実です。
この二次創作では危険か安全かが基準であるとしました。

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