グラブルキャラガチ恋勢、アルビオンに喧嘩凸   作:餅3こ

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5話

寮に着くまでに学校の施設を色々見て回ったが、そこはおいおい語ることになるので、今は割愛しよう。

 

さて、寮母さんへの挨拶も済ませ、自室の扉前まで来た彼だが、ある違和感を感じ取る。

 

(えぇっ…生活音がするぅ…)

 

そうなのだ。

部屋からは、ガタゴトと、時折何かが落ちる様な騒々しい音。

中に誰か居ることは想像に難くない。

 

しかし何時までも部屋の前で突っ立っているわけにも行くまい。

意を決して、扉をノックする。

いや、まぁ、自分の部屋なのにノックをするのもおかしな話ではあるが。

 

ーーーコンコンッーーー

 

木製のドアを打付ける、小気味良い音が鳴る。

 

 

「くッ…間に合わなかったかッ!

だが、少しでも時間を…!

はいッ!!

入ってますッ!!!」

 

(いや、うん。知ってる。

だからノックしてる。

なんなら全部聞こえてるから。)

 

「しばらく待ちますから、用が済んだら開けてくださいね。」

 

「恩に着るッ!」

 

 

 

 

 

数分後、ドアは開かれた。

 

「いやぁ、すまない!

これまでは1人でこの部屋を使っていたものでな。

そのルームメイトが来るって、昨日急に知らされたんだ。

それで急いで掃除をしていた所でね。

ハハハ…」

 

「なるほどです。

というか、共同で使う私室なんですね。

こちらこそ、急に来て申し訳ない…」

 

「いやいや、こちらこそ…いや、やめようか。

きっと押し問答になる。」

 

部屋の主は、爽やかな笑みを浮かべながら身を開き、部屋の中へと誘う。

 

「さぁ、入ってくれ、今日からは君の部屋でもある。

座って話をしようじゃないか。

合格おめでとう、スイ君。」

 

「ふふっ、ありがとうございます。タイラーさん。

3年間、よろしくお願いしますね?」

 

             ※

 

「では、適当な椅子にかけていてくれ。

紅茶でいいかい?」

 

「あぁ!すみません、自分でやります!」

 

「いや、やらせてくれ。

新たなルームメイトだ。

味気ないのは否定できんが、歓迎くらいさせてくれないか?

それに君も、初めくらいは持て成されてもバチは当たらないさ。」

 

「…そういう事なら。

ありがとうございます。」

 

そう言いながら椅子に腰かけ、部屋を見回す。

 

(こいつは広いな。

二人で過ごすにしたって広すぎる。

アルビオンって実は金持ち…?

家具にしたって豪華な装飾だし…)

 

 

――――カタンッ―――――

 

控えめな、陶器のぶつかる音が部屋に広がる。

 

「待たせたね。

この部屋、広いだろう?

自分も初めて来た時は同じ反応をしたさ。」

 

「ええ、少し驚きました。」

 

「なに、直ぐに慣れる。

では、改めて自己紹介を。

自分の名前は、タイラー・フレールだ。

先月上旬に入学した、ひよっこ騎士見習いってところさ。」

 

「では私も。

スイです。

星の力の目利きが少しだけ優れた、しがない小市民です。

改めてよろしくお願いしますね。」

 

そう言い、ハニカミながら、右手を出す。

 

「あぁ、よろしく!」

 

対する青年も、その手を力強く握りしめた。

 

「ただ、敬語は止してくれよ?

同じルームメイトなんだからな。」

 

「そうです…いや、そうか。

じゃあ、そうさせてもらうよ。」

 

「ああ、それでいい。」

 

(おおおお、なんかコレいいな!!

俺ってば、今、かっこいいんじゃない?!

主人公っぽいんじゃない?!)

 

気持ちは分からんでもないが、落ち着け。

お前のセリフで台無しだ。

あとお前は主人公である。

 

「さて、自己紹介も済んだところだし、なにか聞きたいことなどはないか?

ひと月とはいえ、一応自分は先輩だ。

一通りの施設は見て回ったし、授業についても答えられよう。」

 

「それは助かるよ。

それじゃあ、授業についてなんだが……」

 

 

その言葉を皮切りに、青年らの会話は雑談を交えながら、つつがなく交友を深め合った。

 

もとより真っ直ぐな性格で、溌剌としたタイラーと、誰にでも波長を合わせることが出来、コミュニケーション能力が高いスイ。

彼らが気の置けない関係になるのは不自然なことではなかった。

 

ただ、ルームメイトと初日にして仲良くなると、多少の弊害はある。

それは―――――

 

 

 

「いいや!俺は料理も掃除も洗濯も、全部下手くそだね!!!

出来るわけねえよ!!!」

 

「ふざけるな!!

自分だって下手だが、出来ないなりにやって来たんだぞ!!

だいいち当番制にするって言っているんだ!!

何も全部押し付けるわけじゃない!!」

 

「その比率がアホだっつってんだよ!!

なんだお前、6:1って!!バカかお前!!

お前の怠惰さには女王アリもビックリだよ!」

 

いや、その例えはよく分からないが、確かに無茶である。

 

「それはスイが剣術勝負で負けたからじゃないか!!

1本取られたのは不覚だったが、それでも公平だったはずだ!!」

 

なるほど確かに、それなら文句は言えまい。

 

「お前全部投げるつもりだったのかよ!!

畜生だなマジで!!

つか自分で言ってたろ!ひと月先輩だって!

不公平だわこんなん!

むしろよく1本取れたわ俺!」

 

前言撤回、これは大人気ない。

 

「くっ…だが、スイは納得したじゃないかッ!」

 

「してねぇわ!!

急に斬りかかってきやがって!!

未だに何を持って1本だったか分からんぞ!!」

 

「あんた達、うるさい!!

今何時だと思ってんだい!!」

 

 

―――ビクッ――――

 

「「……」」

 

「寮母さんって、おっかねぇのな。」

 

「…あぁ、自分も何度か拳骨を食らったが、恐らく彼女がアルビオン最強だろう。」

 

「当番、交代にすっか…」

 

「…異論はない。」

 

 

「明日は早い。

スイも、今日は寝よう。」

 

「そうだな…」

 

「じゃあ、俺こっちのベッドで寝るから。」

 

「いや待て、そこは今まで自分が使ってきた場所だ。

スイはあっちで寝てくれ。」

 

「ああ?」

 

「なんだ?まだやるか?」

 

「あぁ!やったろうじゃねぇか!

剣術でもなんでも、かかって来いよ!!」

 

「いいだろう!

タイラー、いざ参るッ!!」

 

「ゴラァっ!!いい加減にせんか!!

追い出すよあんた達!!」

 

「「…」」

 

「俺、寝るわ。

あっちのベッド使う…」

 

「あぁ、おやすみ…

寝坊するなよ…」

 

というわけで寝る。

明日から授業だ。

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