〈2019年 8月 15日 〉
時刻はまだ明朝を迎えておらず、しかし海上に真夜中の静けさは存在しなかった。
激しい暴風雨が吹き荒れ、荒波を立て続けていた。
その海の中に、幾十もの人影が、音も立てず、静かにゆっくりと突き進んでいた。
《レイダー01から各隊へ、作戦開始時刻だ。 行動を開始せよ。 人類共に我々を絶滅させなかった事を後悔させてやれ》
《ヴィクター01了解。 土産は提督の首にしましょう》
《こちらダスラー01、首だけでなく提督その物を磔にして艦砲射撃の的にするのをライブ配信なんてどうです?》
《ヴィクター01、ダスラー01、口は慎め。 そんな事をしても余計に人類の反感を買うだけだ》
冗談を言ってくる部下を叱り、潜水艤装の動力を入れると推進力が働き、体が前へと進み始めた。
人間とは違い、彼女等は海水の冷たさをものともせずに前方にある攻撃目標、『横須賀鎮守府』を目指し、速力を上げた。
《もうすぐ横須賀だ。 速力と深度を落とせ、敵に気付かれるぞ》
《日本海軍の主力艦隊や艦娘だけじゃなくて米海軍の艦艇までいるってのにやけにザル警備だな》
《大方、俺達は無力な絶滅危惧種とでも思っているのだろう》
《海底数千、数万メートル下に何百万と潜んでいるとも知らずに……馬鹿な連中だよ》
《レイダー01から各隊へ、目標地点に到達。 総員潜水艤装を投棄、浮上し戦闘態勢を整えろ》
纏っていた潜水艤装を海の底へ沈め、徐々に海面へと上がっていく。
海の中からも天候が激しく荒れている事がハッキリと分かる。
ブリーフィングでもあった通り、大型の台風が現在進行形で横須賀を含む範囲に直撃しているようだ。
これでは空母の艦娘はまず使い物にならない。
それに他の艦娘も荒波に呑まれて真面に戦えたものでは無いだろう。
これは我々にとって不利な状況となり得るが、同時に艦娘共にとっても不利である。
勿論、ある程度のリスクは付き纏う。
だが台風が敵を妨害している今こそがあの憎き日本の主力艦隊の一つを排除する好機なのだ。
その為にこの精鋭達を連れて来たんだ。
負けも、引き分けも許されない。
絶対的な勝利をもって敵を撃滅しなければならない。
《各隊、周囲を警戒しろ》
《こちらヴィクター01、敵影を見ず!》
《ダスラー01、魚雷艇一隻いません!今がチャンスです!》
ここが!、今が!!
《良し!ならば……》
我々の自由の獲得への第一歩である!!!
「総員!!全兵装の安全装置を解除!!初弾装填せよ!!」
「戦闘態勢に移行せよ!!我々はこれより横須賀鎮守府を奇襲し主力連合艦隊を撃滅する!!」
The die is cast.
ついつい筆が乗ってノリノリで書いちゃいました。
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