ヒロイン 恋愛集 ヤンデレ多め   作:黒猫黒

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フォトちゃんのif話

ソウが話し掛ける直前に、駆け付けた主人公です



見つけた話 フォト

モトラドで霧のかかる山の上を走る、こんな所危なくて通りたくないが、此処しか道が無いので仕方ない。

 

山の中を暫く進んでいると大きな乗り物が見えた、ここで他の人達に出会うなんて珍しいな

 

近づいて行くと異様な光景に絶句した、食事をしていたであろう机の周りに人が沢山死んでいる、他にも所々死体があった。

 

モトラドを止めて近付く

 

「なんだ…これ」

 

あまりの事に固まるが、死体を見ると皆苦しんだ痕がある。皿の中を覗くと、この辺に生えている植物を食べた形跡があった。

 

「あれを食べたのか…この辺の物には毒があると知らなかったのか?」

 

なんて不幸な事故なんだ、全員が死んでいる

取り敢えず一ヶ所に死体を集めて埋葬しよう、動物に食い荒らされては可哀想だ。

 

ひとまず遠くにある死体を机の周りに集めよう

座ったままの女の子の死体に近付くと、なんと一人だけ生き残りが居た。

 

「大丈夫か!君は毒草を食べなかったのか!」

 

女の子はゆっくりとこちらを振り向く、ぼんやりしている様だか大丈夫だろうか?

 

「…あ」

 

女の子の顔には涙の後や、痣や傷が沢山あった

よく見ると服もぼろぼろで怪我だらけだ、髪の毛もぼさぼさで随分酷い扱いを受けていたみたいだ。

肩を掴んで支えるとグラッと体がこちらに傾いた

 

「うぅ…あぁあ!」

 

女の子はそのまま大声で泣き始め、今までの事をポロポロと話し始めた

 

なんと言うこと、奴隷なんてそんな酷い事が…この辺の国では考えられ無いが、他の国にはあるのだろう。

背中を擦り泣き止むまでじっと待った

 

「あの…ごめんなさい、もう大丈夫です」

 

「本当に大丈夫かい?」

 

「はい」

 

腕の中からこちらを見上げる女の子は、先程よりは幾分ましな表情をしていた。

 

「君は怪我をしているね、手当をしよう」

 

「そんな…私なんかに、貴重なお薬を使わないで下さい。勿体ないです」

 

「薬は使う為にあるんだよ、怪我人に使わないで他に何時使うの?」

 

頭を撫でると驚いた様にこちらを見る

 

「それに君は、なんかじゃ無いよ。勿体なくなんか無い」

 

「あ…」

 

ベルトのポーチから薬を取り出し、手当をしていく。

顔の大きな痣は、治るのに少し時間がかかるかも知れない

他の手当を終え、顔の痣をよく見る。

 

「ごめんね、顔の痣は今は治せ無いみたいだ」

 

「…え?」

 

「女の子なのに辛いかも知れないが、治るのに少し時間がいるみたいでね」

 

「何故貴方が謝るのですか?」

 

「もう少し良い薬が有れば…治りが早かったかも知れないから。持ってなくてごめんね」

 

ケチらずにもっと良い薬を買えば良かった。

値段が少し高くて買うのを止めてしまったが、あの薬が有ればこの子が少しでも早く治ったかも知れない。

 

「…いいえ」

 

女の子は私の手を両手で握り、胸に抱き締めた

 

「謝らないで下さい。私は産まれて初めて、他人にこんなにも親切にして貰えました」

 

「初めて?」

 

「はい、とても感謝しています」

 

嬉しそうに笑っているが、辛い人生を歩んで来たのか

 

「君はこれからどうするの?」

 

「…それは」

 

女の子が言い淀むと、トラックの方から声が聞こえて来た

何やら女の子を呼んでいる様だったので、その間に私は死体を片付ける事にした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

女の子を呼んでいたのはモトラドだった様で、少し話があるらしく、モトラドの指示で私はトラックの中の金目の物をもう一つのトラックに移しておく。

これは後で女の子の為になるらしい、それなら頑張ろう。

 

日が落ち辺りも暗くなった頃、荷物の積み替えは終わった。

モトラドの話も終わった様で、女の子が私を呼びに来た。

 

「私の為にありがとうごさいます、大変でしたよね?」

 

「大丈夫だよ、女の子の為に頑張れない男なんて、格好悪いからね」

 

「兄さん言うじゃねえかよ!」

 

「ありがとう、モトラド君」

 

少々口の悪いモトラド君は女の子を助けてくれる様だった、行き先は分からないらしく、私の行く先を聞いて来た。

 

「私はこの先にある、大きな国に行く途中だね」

 

「そこはどんな国なんだ?」

 

「一言で言うと平和だね、のどかでのんびりした国民性と、治安の良い国だ」

 

「欠点は?」

 

「少し文化が遅れている…かな、都会と言うよりは田舎で、欠点はそれぐらいだよ」

 

「ほーん、良い所じゃねえか。おいっお前!」

 

「はっはい」

 

「こいつの言う国に行けよ、平和な国らしいぜ?」

 

「でも…」

 

「あーもうっ、うじうじしてんな!そこの兄さん、こいつも連れて行ってくれないか?」

 

モトラド君の言う通り連れて行っても良いけれど、本人の了承が無いと、無理矢理は駄目だ。

 

「私は良いけれど、君は行きたいのかい?」

 

「私…私は…一緒に行きたいです!」

 

「よし!良く言った。トラックの運転を教えてやるから、ちゃんと着いて行くんだぞ?勿論俺も連れて行けよ!」

 

「分かった、道案内は任せてね」

 

「はっはい!頑張ります」

 

…………………………………………………

 

その後トラックを運転して国に着いた彼女は止めるモトラド君の反対を押し切り、門番に全てを正直に話した。

 

その結果何と彼女は国に受け入れられ、荷物を売ってある程度の財産を築いた。

しかし彼女は働きたいらしく、売らずに取って置いたカメラを使って商売を始めた。

 

彼女の写真は評判が良く、何時しか彼女はフォトと呼ばれる様になった。

 

モトラドのソウ君とフォトちゃんは良いコンビで、互いに支え合って生きている。

 

私はと言うと…

 

「フォトちゃん、私はもう行こうと思うんだが…」

 

そう言って立ち上がろうとすると、飛んで来たフォトちゃんに止められる。

 

「駄目です!あーえっとそう!今日の仕事も手伝って貰いたくて!」

 

明らかに今思い付いた嘘で、私を引き留めにかかる。

実はフォトちゃんがこの国で暮らし始めてから、もう数ヶ月は経っている。

 

「兄さん諦めな、フォトはしつけーぞ」

 

「…ははっ」

 

私は苦笑いしか出来ない、何故なら確かにしつこいからだ。

私はフォトちゃんがこの国に馴れてきた頃、そろそろ良いかと自分の旅に戻ろうとした時の事。

 

フォトちゃんは泣いて喚いて引き留め、時にパニックを起こし、最初は大変だった。

今では、適当な用事で引き留める手段を覚えたみたいで、ここ数ヶ月しつこく引き留め続けられている。

 

「そろそろ旅に出たくてね」

 

「私を置いて行っちゃうんですか?」

 

「この国に案内するまでの約束だったからね。もうこの国にしっかり馴染んだ様だし、私は大分長居してしまったよ」

 

本当は様子を見て一週間も居ない予定だった、それがズルズルと引き留められ早数ヶ月。

 

「そうですか…」

 

フォトちゃんは何故か、家の鍵とカーテンを閉める。

 

「私、言って無かった事が有るんです」

 

「何だい?」

 

「出会ったあの日から、貴方を離さないと決めていたんです」

 

「え?」

 

この子は何を言っているんだろう?

 

「貴方に会えたから、やっぱり人は良い心を持っていると信じられたんです。

辛い事もありましたが、貴方との出合いで信じ続けて良かったと思えたんです」

 

「…フォトちゃん」

 

「私は貴方を離しません。もうこの世界で心から信じられる人は貴方だけなんです。貴方が欲しいんです、貴方と居ると安心出来るんです、だから…」

 

そこまで私の事を…

 

「嫌がっても離しません、一生一緒に居て貰います。

旅に出れない不自由をさせる代わりに、私が何でもしますから、全てのお世話もします、欲しい物があればなんでも手に入れて来ます。」

 

ん?話の流れが可笑しくないか?

 

「貴方のお世話を全て任せて下さいね、満足させますから。…それで最終的には子供も…」

 

最後にボソッと子供とか聞こえたけれど、お世話の先には子供が出来るのか?

 

「私は貴方が好きです、愛しています、信じています。」

 

「フォトちゃん、私は君の事は妹の様に可愛がっているが、それ以上の感情は無いんだ…すまない」

 

はっきり言ってしまって、傷付けてしまったかな

だがフォトちゃんはけろっとしている、全くどうじていない。

 

「そうですか、これから好きになって貰うので、大丈夫ですよ」

 

「え?」

 

「一緒に生活していれば、愛が芽生える様にしますから大丈夫です」

 

怖い、芽生える様にするって何をどうされるんだ。

逃がさないと言われたが、私は不味い状況なのじゃないかと今さら気付いた。

 

「大丈夫です、大丈夫です、全て私に任せて下さい。幸せな未来が待っていますよ」

 

フォトちゃんの言葉が怖い、これ程までに安心出来ない大丈夫は無い。

私はこれからどうなってしまうのか、フォトちゃんの暗い笑顔に不安が募る。

 

私は一体何処で選択を間違えたのだろう?

もう逃げられない気がする。




BADEND

主人公はこの後きっちりと、フォトちゃんに幸せにされます。

好きな作品

  • アイドルマスター
  • ToLoveる
  • ローゼンメイデン
  • ひだまり×スケッチ
  • その他
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