ヒロイン 恋愛集 ヤンデレ多め   作:黒猫黒

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動物の死ぬ描写が出て来ます、注意です
ヤンデレのあいちゃんに、魂を囚われたい
呆然とした主人公を後ろから抱き締めるあいちゃんが見たい、ので書いた。


地獄少女
堕とし者 閻魔あい


深夜のベッドの中、ふと目が覚める

部屋は暗闇に包まれ、カーテンの隙間から僅かな月明かりだけが差し込む。

 

暗闇に目を凝らし部屋の中をよく見ると、ぼんやりと人影が見えてくる、夜の闇に紛れる様に更に深い黒がそこに立って居た。

しかし僕がその存在に怯える事は無い。

もうどの位前だったか気が付いた時からそこに居て、ただ僕を見ているのだ。

 

その表情までは伺えないが、黒い着物を着た長い髪の少女であるのは分かる

毎晩僕の部屋の隅に立ちじっと僕を見つめる、たまに僕に手を伸ばしては戸惑う様に引っ込める、何年もそれの繰り返しだった。

 

もしかしたら彼女は幽霊と言う物なのかも知れない、けれど噂で聞く様なおぞましさや、恐怖は一度として感じない、初めの頃は驚きはしたがもう慣れて受け入れてしまっている。

 

彼女がまた僕に手を伸ばす、今日は気まぐれにこちらからも手を伸ばしてみた、これで何かが変わるかも知れない、そんな少しの好奇心からの行動だった。

 

僕の伸ばした手を見て彼女の動きが止まる、こんな事をした所で何の意味も無いのかも知れない、手を引っ込め様として彼女に変化がある事に気が付いた。

 

ゆっくりとベッドに向かって歩いて来る、何年も変化が無かった彼女が初めての行動を見せた、驚いて固まると彼女はもうすぐそばに来ていた。

 

顔がはっきりと見える、美しい人形の様な顔だ。

血のように赤い目と美しく長い黒髪、黒い着物を着た少女が僕の手を握っていた。

 

「あ…君は誰?」

 

戸惑いで一言話すだけで精一杯だ

 

「私の名前は…閻魔あい」

 

両手で僕の手を握り、静かな声で話す

 

「閻魔あい、君は僕に何か用事があるの?」

 

「私は…貴方を見ていただけ、触れたかっただけ」

 

「何故?」

 

「貴方の存在が気になったから…見たから」

 

「何を見たの?」

 

「貴方が道路で倒れていた、死にかけの子猫を看取った所を」

 

「それはもう、十年以上前の事だけど…」

 

忘れた事は無い深い後悔の記憶。

そんなに昔から僕を見ていたのか、部屋に現れる前から見られていた事になる。

 

「私は見ていたの、あの小さな命が終わるのを。

あの子は産まれてからずっと1人で、死ぬ間際にやっと貴方の暖かさに触れたの、初めて他人の暖かさを知ったのよ」

 

「でも…僕は助けてあげられなかった、あの子は死んでしまったんだ」

 

「違うわ…あの子は救われたのよ、あのまま死んでいたら世を恨んで憎しみに囚われ、地獄にしか行けない所だったの」

 

「地獄なんて…そんな」

 

1人で生きて死んで地獄行きなんて、あんまりじゃないか。

 

「あの子は最後に貴方の腕に抱かれ、撫でられ、産まれて初めて心から安らげたの。お墓を作って貰って、悲しんで泣いて貰って満足出来たのよ」

 

「あの子を救いたかった、生きて欲しかった」

 

思い返すと後悔が溢れ出してくる、もう少し早く気付いていたら、あの子は生きられたかも知れない

涙がこぼれて止まらない

 

「あの子はもう助からなかったの、けれど魂は救われたわ。

他の人間が、汚らわしいゴミを見る様な目で見て避けて通って行くなかで、貴方だけが手を伸ばしたの」

 

優しく目元を拭われる、彼女の言葉は僕を慰めてくれている

 

「私は貴方の魂に惹かれたの、だからずっと見ていた。

触れる事に戸惑っていたけれど、貴方から私に手を差し伸べてくれた。あの子にした様に…ね」

 

彼女はうっすらと微笑み、優しく僕を撫でる

 

「あの子、次は幸せに産まれると良いな」

 

「ええ綺麗な魂になれたもの、きっと幸せになれるわ」

 

遠い何処かを見て話す彼女には、あの子の行く末が見えているのだろう。

 

 

「貴方はきっと地獄には来ない、だから生きている間だけしか会えないの」

 

「君は…一体?」

 

「私は地獄少女、閻魔あい。人間の怨みを地獄に流す者よ」

 

「地獄少女」

 

聞いた事はあった、なんでも午前0時丁度にネットに繋ぐと、ごく稀に地獄少女が怨みを聞き届けてくれるらしい。

だが都市伝説の筈だ、それが今目の前に居る

 

「本当に存在したのか」

 

「私は人間が存在する限り必要なの、人間が存在する限り怨みは尽きないのだから…」

 

「君は…君は…」

 

「あい、私はあいよ」

 

「あい、君が救われる時は来るの?」

 

「それは分からないわ、何時かは終るといいわね」

 

「僕には救えないのかな…」

 

「人間には無理ね、けれど貴方はやっぱり手を差し伸べてくれる。それだけで私の心が満たされるの」

 

彼女の手がスルッと離れる、そのまま薄く笑い暗闇に消えていく

 

「また会いに来るわ。

貴方の命が尽きるその時まで…ずっと…ずっと」

 

「またね」

 

僕が手を振ると笑みを濃くして消えた、幻の様な彼女はそこに居た事さえもすぐに曖昧になる、しかし手に残る彼女の体温が存在を証明していた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「私を呼んだのは貴女?」

 

「ええ私よっ、あんたが地獄少女なのね!

それならさっさと、あいつを地獄に送ってよ!」

 

藁人形を差し出すと、女は気味悪そうに見て来る

 

「なによそれ、気持ち悪いわね」

 

「相手を地獄に送りたければ、その赤い糸を解けば良い」

 

女は早速糸に指をかけ、解こうとする

 

「人を呪わば穴二つ、相手を地獄に送った後は貴女も地獄に行って貰うわ…死んだ後の話だけどね」

 

「何よ!なんであんな奴の為にこの私が地獄に行かないといけないのよ!

あんたがなんとかしなさいよ!」

 

「無理ね地獄に送るか、諦めるか二つに一つよ」

 

「なんなのよ!本当に使えない奴ばっかり!」

 

「選ぶのは貴女よ、よく考えて選択するといいわ」

 

彼女の前から去ろうとすると、呼び止められる

 

「待ちなさいよ、私は他のグズ共とは違うわ!

あいつがこの世から居なくなってくれるなら、喜んで地獄に行ってやるわよ!」

 

藁人形から赤い糸を勢い良く引き抜く、手の中から藁人形と糸が消える

 

「は?なに…?」

 

「怨み聞き届けたり…」

 

何処からともなく声が聞こえ、振り向くも誰も居ない。前に向き直ると地獄少女も消えていた

 

「ふふっ、あっはは、やっぱり世の中私の思い通りなのよ!目障りな偽善者は居なくなれば良いわ!」

 

狂った様に笑い続ける女の胸には、いつの間にか何かの模様が浮かび上がるが、女はまだ気が付かなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

無意識にぎゅっと握り締めていた手を開かれる

 

「お嬢、そんなに力を入れてちゃ血が出ちゃうわよ?」

 

「そうね」

 

「そうねって…それならそっちの手も開きなさいよ」

 

言われて気が付く、手のひらに爪が食い込んでいた

 

「お嬢、連れて来ましたぜ」

 

振り向くと何時も見ていた彼が居た。

 

「あい…ちゃん?」

 

「昨日の夜ぶりかしら」

 

「ここは何処なの?この人達は誰?」

 

「少し落ち着いて?」

 

彼を縁側に座らせると、骨女がお茶を渡していた

 

「ありがとうございます」

 

「おやぁ良い子だね、ちゃんとお礼の言える子は大好きだよ」

 

頭を撫でて話している、気に入ったのかな

 

「少し二人にしてくれる?」

 

「はいよ、何かあったら呼んどくれ」

 

頷くと骨女は去っていった

 

「落ち着いた?」

 

「あっうん、大分」

 

「それなら説明を始めるわ。

ここは地獄の手前、人ならざる者の住む場所よ

そして、彼らも私も人では無いわ」

 

「え?」

 

彼は混乱している様で固まってしまった、落ち着くのを待つ、もう時間は幾らでもあるのだから。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

彼が落ち着きお茶を飲む

 

「理解できた?」

 

「うん…僕は死んだのかな」

 

悲しそうにしている

 

「違うわ、貴方は地獄に流されたの」

 

「それじゃあ誰かに、地獄に行って欲しいほど恨まれてたんだね…」

 

「そうね」

 

あえて逆恨みとは教えない、彼には現世に未練を残して欲しくない

 

「じゃあ僕は、これから地獄に行くんだね」

 

「いいえ、行かせないわ」

 

「え?じゃあどうなるの?」

 

「私が貴方の魂を奪ったの、これからは私と暮らして貰うわ。

貴方が私の所に堕ちて来てくれたのだから、もう諦める理由は無くなったもの。」

 

彼は地獄に流す前に私が拾い上げた、手に入れたのなら、手放す理由は無い。

もう見つめているだけでは無い、天国にも地獄にも、何処にも行かせはしない。

 

彼をぎゅっと抱き締める、ようやく私の物に

 

「これからは永遠に一緒よ」

 

青ざめる彼を見ながら、抱き締める力を強める

永遠に離しはしない、例え魂が滅んでも追いかけてまた捕まえる、もう二度と離しはしない。




主人公は逆恨みで地獄へ

善人なので天国行きの予定、あいちゃん諦める
恨まれて地獄へ、あいちゃん捕まえる

諦めていた物が手に入ると執着が強まる
生まれ変わっても追いかけて捕まえる予定

地獄へ送られた理由は完全な逆恨み、主人公を見るたびに善行をしていたので、後ろ暗い事をしていた女は勝手に責められている気になり、憎しみに変わる。

好きな作品

  • アイドルマスター
  • ToLoveる
  • ローゼンメイデン
  • ひだまり×スケッチ
  • その他
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