ヒロイン 恋愛集 ヤンデレ多め   作:黒猫黒

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主人公の星の話
自然も動物も豊な星
この時代の主人公の姿は大人
トランスで好きな姿に変われ、歳をとっても老けない
数百年生きる

デビルークに星を保護してもらっている


昔の話 モモ ナナ

これは昔、僕がまだ自分の故郷の星に居た時の話

 

僕は何時もの様に、町から少し離れた森に散歩に来ていた。

町の中ではあまり見掛けない、植物や動物を見に毎日森に通っている。

森の中の湖まで歩くと、僕が育てた花畑が有り、小動物達が戯れていた。

僕は持ってきたじょうろで湖から水を汲み、花に水を撒く。

足元には動物達が纏わり付き、体や肩にまで登ってくる子達も居た。この子達は顔見知りで、毎日会っているうちにいつの間にか僕になついてしまった。

森の中だけのこの関係に僕は癒されている、綺麗な花畑に可愛い動物達、僕だけの楽園だった。

 

「君たちは今日も元気だね。僕の育てた花に木の実が実ったから、沢山食べると良いよ」

 

水やりの後に収穫しておいた木の実を動物に渡す。

かごの中から一つ渡すと僕の膝の上で食べる、その後には動物が並んで待っているので、また渡すと膝の上で食べる。

その繰り返しで、僕の膝の上や周りは動物で溢れている。この子達の知能は以外と高く、簡単な言葉なら理解出来るので、僕には噛みつきも引っ掻きもしない。

 

僕達だけの平和な空間に、突如知らない声が響いた。

 

「なあモモ、こっちで合ってるのか?」

 

「植物達がこっちに湖が有る、と言ってるんです」

 

幼い少女達の声が森の中から聞こえて来る、この森に町の人は来ない、いったい誰だろう?

 

「あっ、ここに湖があるぜ!」

 

一人の少女が湖に走って来て、僕と目が合い固まる

 

「ナナ急に走らないで!」

 

もう一人少女が走って来る。

 

「あいつ誰だ?」

 

「は?何です?」

 

「あの花畑の真ん中で、動物まみれになってる奴だよ」

 

一人少女が僕を指差し、もう一人に教えている様だ

 

「何ですかあれ…本当に動物まみれで…

え?周りの植物が凄く喜んでる?…なんで?」

 

「動物達も良い奴だって言ってる、話し掛けに行こうぜ!」

 

「あっ待ちなさいナナ!」

 

二人が僕の方に走って来る、動物達も逃げない様だしなんだろう?

 

「おい!お前良い奴なんだろ?何でこんな所に居るんだ?」

 

「ちょっとナナ」

 

ナナと呼ばれた少女が僕に話し掛け、もう一人は少女の影に隠れて居る。

 

「こんにちは、はじめましてだね。

僕の名前はアルって言うんだ。

ここは僕の花畑で、この子達は友達だよ」

 

「おお!アルは動物と友達になれるのか!アタシと一緒だな、アタシはナナで良いぜ」

 

「ナナちゃんも動物が好きなの?」

 

「気持ち悪いからちゃんは要らない、アルなら呼び捨てで良いぞ。

アタシも動物が大好きで、友達も沢山居るんだ。」

 

「友達か…僕は植物も大好きで、植物も友達なんだ。

気持ちが通じてる様な気がして…変かな?」

 

「別に良いと思うけど、植物ならモモが…」

 

「変じゃありません!」

 

今まで隠れて居た少女が、ナナを押し退けて飛び出して来た。

 

「植物達が、貴方を大好きと言っています。植物にも心は有るんです、気持ちもちゃんと通じています」

 

「…ありがとう」

 

勢いに気圧されてしまったけれど、この子も植物が好きみたいだ、良かった。

 

「いえ、いきなりすみません。

私はモモと言います、モモと呼び捨てで読んで下さいね、アルさん」

 

急に距離を詰めてきて両手で手を握られた。

植物好きの仲間が見つかって嬉しいのかな?僕も理解者が二人も出来て嬉しい。

 

「アタシは動物と会話が出来るんだ、モモは植物と会話が出来る。だからアルみたいな奴に会えて、嬉しいよ」

 

「ええ動物はまだしも、反応を返せない植物とも友達なんて、とっても良い方です。私も出会えて光栄です」

 

「僕も二人に会えて嬉しいよ」

 

並んだ二人を見ているととても良く似ている、二人ともピンクの長い髪の毛に、デビルーク星人の尻尾が生えている。

この星の護衛に来た人に付いてきた、子供達かな?

僕の視線に気付いたモモが説明をする

 

「私達は双子なんです、良く似ているでしょ?」

 

「なあなあ、アタシこいつらと遊んでくるよ」

 

ウズウズしていたナナが動物達と走って遊びに行った、今まで我慢していたのかはしゃぎまわっている。

 

「もうナナったら」

 

「ナナちゃんは元気だね」

 

「もう少し、落ち着いて欲しいんですけど」

 

ため息を吐くモモはナナよりも落ち着いて見える

 

「元気なのはナナちゃんの魅力だと思うけど、遊んでいる姿が可愛らしいよ」

 

「ああいうのが、殿方には人気なのでしょうか?

私は、あんなに走り回るのは少し苦手です…」

 

じとっとナナを見つめるモモは、少し落ち込んでいる様だ

 

「モモは、御淑やかで綺麗な女の子だよ。それぞれ魅力が違うんだと思うよ」

 

「そうですか?アルさんは優しいですね」

 

モモが言った言葉が胸に引っ掛かった。

 

「僕はね、優しくなんか無いんだ。人に嫌われるのが怖いから優しく接する、ただの卑怯者だよ」

 

「でも、嘘を吐いた訳では無いんですよね?」

 

「嘘は吐かないよ」

 

「それならやっぱり優しい人です。それに私にも人に見せない顔は有ります、お揃いですね」

 

モモが僕の隣に座る、花と話している様だ

 

「ほら、花達も言っています。貴方は優しいって、丁寧にお世話をしてくれるって、皆感謝しているそうですよ」

 

「そうなんだ…ありがとう」

 

僕のしていた事を花達は感謝してくれていた。

話せないし反応も無い、でもちゃんと分かってくれていた、嬉しいな僕の一方通行じゃ無かった。

 

「ふふっどういたしまして、アルさんはこの星の方ですよね?」

 

「そうだよ、モモはデビルークだよね?」

 

「はい、今日は遊びに連れて来て貰ったんです」

 

顔を見て話していると気付いたが、何処と無くララに似ている、親戚かな?

 

「モモってもしかして、ララの親戚?」

 

「お姉様をご存知なんですか?」

 

「うん、たまにララの子守りと、家庭教師をしているよ」

 

ララが小さい時から子守りをしていた、ギドさんは昔もう少し大きくなったら、下の娘達を紹介すると言っていたな。

 

「貴方が、お姉様の言っていたアルさんでしたか!

こんなに素敵な方なら、もっと早くお会いしたかったです」

 

「そうだよなお姉様、なかなか合わせてくれないし」

 

遊んで居たナナが帰って来た、動物達は満足したのか、また僕に登りお昼寝を始めた。

 

「ギドさんは、もう少し早く会わせる予定だったみたいだよ、子守りも頼むとか言ってたし」

 

「お姉様…独占欲ですか」

 

「なあ、アタシも寝て良いか?」

 

「え?良いけど、外で寝て風邪引かない?」

 

「んー確かに、でももう限界だ…寝る」

 

そのまま僕の足に頭を乗せて、あっという間に寝てしまった。

仕方がないのでトランス能力で服を伸ばし、ナナに掛ける。

 

「もうっ、ナナまでアルさんに甘えて」

 

「君達はまだ小さいんだから、もっと甘えて良いんだよ?」

 

本当に小さい6歳位だろうか?

 

「私も甘えて良いんですか?」

 

「全然良いよ、子供は大人に甘えるのが特権だからね」

 

「お邪魔します」

 

そう言うと横からぎゅっと抱き付いて来る、可愛くてついつい撫でる。

 

「むぅ…まだ子供としか見て貰えませんか…」

 

「僕は君達の数倍は、歳をとっているからね」

 

「私はまだ小さいですけど、すぐに大きくなります。

美しいレディになりますから、見ていて下さい」

 

モモは強い意思のこもった瞳で宣言した。

この子は中身がナナやララより大人びている、姉妹の中で一番大人なのかもしれない。

 

「手始めに、私達の家庭教師をアルさんに変えて貰います。これからはお姉様と一緒にお勉強です、楽しみですね」

 

「ギドさんに話しておくね」

 

その時モモがふわっとあくびをした、この子も眠たいのだろう。

 

「モモも僕の膝でおやすみ」

 

「うう…レディの筈がお昼寝…」

 

「お昼寝をしないと、大きくなれないよ」

 

「…分かりました、失礼します」

 

僕の膝に頭を乗せて、リラックスしている様だ

 

「これは、なんて素晴らしいんでしょう。

名残惜しいですが、アルさんおやすみなさい」

 

「おやすみ、良い夢を」

 

頭を撫でていると、モモは眠りについた。

やっぱり大人びていても子供、沢山遊んで沢山寝るものだ。

 

「結局モモも寝ちまったか」

 

「ナナ?起きたのかい?」

 

「少し前に目が覚めて、モモとの話だけど。

アタシもすぐにレディになるぞ、その時はよろしくな」

 

「え?よろしくって、何を?」

 

「おやすみ」

 

ナナは言うだけ言って寝てしまった、二人の寝顔を見ていると僕も眠たくなってきた。

僕は二人を膝に乗せたまま後ろに倒れこむ、睡魔に抗わずそのまま眠りについた。

 

次に目が覚めた時、二人に腕枕をしていて驚く事を僕はまだ知らない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ナナと動物の遊び

 

「なあお前達、あのアルってどんな奴なんだ?」

 

動物達に聞いて分かった事は

・優しい友達

・怪我を治してくれた

・ご飯をくれる

・仲間をいじめた奴を退治してくれた

なるほどな、確かに良い奴だな。

 

アルは本当に、動物を友達として扱っているのか…

今までアタシに近付こうと、動物が好きだの仲良しだの言った奴らは皆嘘吐きだった。

 

そんな嘘動物に聞けばすぐ分かるのに、だからアルは貴重な正直者の友達だ。

 

お姉様に聞いた通りの奴だ、独占したくなる。

アルはちゃんと話を聞いてくれて、アタシを見てくれるデビルークのナナじゃ無く、ただのナナとしてだ。

それに動物も好きなら言う事は無い、アルはアタシが貰おう。

 

その為にはまず、お昼寝だな。

アタシは早く大きくなって、アルのお嫁さんにして貰うんだ。

膝枕の為にアルに向かって走り出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

モモの気持ち

 

植物達がずっと褒めている人がいる、森を案内して貰っている間もずっと、それがアルさんだった。

 

アルさんはお姉様から聞いていた以上に、素晴らしい方でした。

想像していたよりもずっと素敵な方で、話しているうちに憧れが恋に変わりました。

 

今は子供扱いですけど、すぐにアルさんをドキドキさせる様なレディになってみせます。

 

これからは私達の家庭教師がアルさんになるんです、アピールのチャンスは沢山有ります。

 

計画を考えないと、これからが楽しみです




ララの独占欲によりアルは、モモとナナに合わせて貰えて居なかった模様
本当はモモとナナの子守りもする予定だった
モモとナナはララの話により、アルの事を聞いていてどのような人物か知っていた。

好きな作品

  • アイドルマスター
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  • ローゼンメイデン
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  • その他

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