ゆさゆさと体を揺さぶられている感覚がする
うっすらと目を開くと、太陽の光を浴びて眩しく輝く金色の髪の毛が見えた。
僕が目覚めた事に気が付いたのか、揺さぶるのを止め優しく囁かれる
「お父様?朝ですよ起きて下さい」
「ヤミ?」
目を開くと微笑んでいるヤミが居た、まだパジャマ姿のヤミはベッドの上に座って僕の事を起こして居た。
「おはようございます」
「おはようヤミ、早起きだね」
「私が早起きの理由は、お父様の寝顔を見るためですよ」
天使かな?朝寝起きの頭にヤミの言葉が直撃して思わず、抱き締めながらよしよしと撫で回す
「わぷっお、お父様?」
「可愛いなヤミ」
にやけた顔で幼女を撫で回す僕は相当に気持ちが悪いだろうが、ここには二人だけなので許される。
「お父様朝ご飯にしましょう」
「そうだね、お腹も空いたし」
勢い良くヤミを抱えたまま起き上がる
小さく「きゃっ」と悲鳴が上がるが、離れる様子は無い。
そのまま立ち上がりヤミを抱えたまま階段を降りる
「お、お父様離さないで下さいね」
「大丈夫離さないから」
「信じてますから」
・・・・・・・・・・・・・・・・
二人で朝食をとった後は町に散歩に行く、目的地は大体結城家だ。
「ヤミは今日も美柑と約束してるの?」
「はい、この後お父様と一緒に結城家でお泊まりです。
楽しみですね」
「え?僕も泊まるの?」
「はい、いや…でしたか?」
ヤミは上目遣いに涙目で尋ねてくる
「そんな事無いよ僕も楽しみだよ」
「あっ…良かったです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何時も通り、ヤミに連れられて結城家にお泊まりに来た。
ヤミは美柑ととても仲良くなった様で父としては、ヤミの成長にひと安心だ、友達が出来て良かった。
ヤミと手を繋いで歩いている内に、結城家に着く。
「あっヤミさん、アルさんいらっしゃい」
「美柑来ました」
「美柑お邪魔します」
玄関で美柑が迎えてくれる、美柑は小学生ながらに家事全般を一人でこなし、弱音も吐かない凄い娘だ。
美柑に案内されリビングに行くとソファーに座っている、リトが居た
「やあリトお邪魔してるよ」
「アルさんいらっしゃい、あっヤミもいらっしゃい」
「結城リトお邪魔しています」
結城リトはタンクトップにショートパンツという、目に悪い格好でソファーに座って居た、この家の長女でこの頃は美柑の家事を手伝っているという。
「お父様、私は美柑の料理を手伝って来ます」
「ヤミさんありがとう」
「手を切らないように気をつけてね」
リビングにリトと二人になる
「アルさんもソファーに座ってよ」
「じゃあお邪魔して」
ソファーに座るリトの隣に座ると、その距離の近さに少しどぎまぎする
「リトはその格好で平気なの?」
「その格好?別に普通の部屋着ですよ?」
「いやいや、タンクトップとショートパンツだけしか着てないじゃないか、僕に見られて平気なの?」
「んーアルさんなら平気です」
ニコッと笑うリトにドキッとする、リトはこの頃は髪の毛を伸ばしだしたらしく、今は肩に届くくらいには長くなっていた。
体つきも女の子らしく、リトの無防備な薄着には何時もドキッとさせられる。
「僕は男だよ?そんな薄着でもしも僕が、変な気でもおこしたらどうするの?」
「アルさんなら良いよ?」
リトはそう言って、タンクトップの裾をひらひらと揺らす
「止めなさい」
リトの手を掴んで止めさせると、リトは嬉しそうに笑う
「ふふっ、そう言って心配してくれるのアルさんだけだから嬉しいな」
「そんな事無いでしょ」
「そうだよ、父さんは私の事を何故か男扱いするから、そうやって心配してくれるのは嬉しいよ」
「だからってリト、そんな薄着は目に毒だよ」
「目に毒って事は少しは、私の事を意識してくれてるんだよね」
「まぁ多少は…」
「ふふっやっぱり嬉しいな」
リトはそう言うと僕の押さえていた手を掴んで、自分の手と絡ませる
「リト何してるの」
「ん?せっかく二人っきりなんだから、アルさんにおもいっきり甘えようと思って」
そう言うとリトは僕の肩にもたれ、絡めた指をいじって遊びだした
「楽しい?」
「楽しいですよ、アルさんの手って意外と大きいですね。
やっぱり男の人なんですね」
「そうだよだから、そんなに引っ付かないで、少し離れてくれないかな?」
「そんなに離れて欲しいんですか…」
リトは俯いて、悲しげな声を出す。
そんなつもりじゃ無かったと慌てて弁解をする。
「そうじゃなくて、リトは年頃なんだから心配して言ってるんだよ」
その言葉を聞いてリトはゆっくりと顔を上げる、その顔は笑っていた、やられた。
「そうだったんですね、私を心配して言ってくれてたんですね。
でも大丈夫ですよ、何かあったらアルさんに責任を取って貰ってもらいますから」
リトはそう言って僕の膝に乗ってくる、向かい会わせに座ると満足げに抱き付いてくる。
「ちょっとリトっ!」
「あっ美柑」
「流石にそれはやり過ぎだよ!そんなに暇なら料理手伝ってよ」
「わかったよ、アルさんに私の料理を食べて貰うのも良いしね」
そう言うとリトは、最後にチュッと小さくキスをしてからキッチンに向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これはどういう状況だろうか、昨日ヤミと共に結城家にお呼ばれし、ヤミと共にお泊まりさせて貰っている。
ヤミは美柑と一緒に眠り、僕は空き部屋で一人で眠っていたはず。
それが何故か布団の中に自分以外の温もりを感じる
そっとその温もりに触れてみると
「…柔らかい」
その温もりは暖かく柔らかかった、暗くて良く見えないが最初はヤミが布団に潜り込んでいるのかと思ったが、身長が大きすぎる
暗闇に目が慣れてきた頃恐る恐る布団の中を覗くと桃色の髪の毛が見えた、これで犯人はララ、モモ、ナナの三人に絞られた。
犯人の顔にかかる髪の毛を退けてやると、なんとララの顔が現れた
「…うぅん」
「あっ」
髪の毛を退かしたのがこそばゆかったのかララが目を覚ます。
「ララ?ごめんね起こしちゃった?」
「…アル?」
「うん僕だよ」
そう答えるとララがぎゅっと抱き着いてきて
「アル、私寂しくなっちゃった」
「え?おんなじ家に居るのに?」
「…そうだよ、おんなじ家に居てもアルに触れていないと、なんだか切なくて寂しくなるの」
「切なくて寂しい?」
「この頃ね、何だか私おかしいの」
「ララ?」
そう言うララは、表情が見えない様に俯いたまま話し出す。
「初めはね、ヤミちゃんがアルに触れてるのを見て良いなって思ってたの」
「でもね…この頃は他の人が私以外の人がアルに触れてるのを見ると、胸の中がモヤモヤしてきゅってなるの」
「…それは」
「だからベッドに潜り込んじゃったの、ごめんなさい」
「ララは寂しかったんだね、こっちこそ気づかなくてごめんね」
そう言いながら頭を慰める様に撫でると、ララが更に強く抱き付いてくる。
「あはは…何だか可笑しいね、嬉しいのに泣きそうだよ」
「ララ、今まで我慢してたんだね。今は二人きりだからララの好きなこと、何でもして良いよ」
「本当に?何でも?」
「うん、我慢してきた分好きにして良いよ」
「じゃあ…」
そう言うとララは目を瞑って近づいてくる
「んっ」
「あっ」
ララからキスをされる、驚いている間にララが体の上に乗り上げてきていた。
「アル、アル、私寂しかったよぉ…
私、私アルさえ居てくれれば他に誰も何も要らない」
「どうしたの、ララ」
「ほんとはずっと前から気付いてた、でもアルに嫌われたくなくて黙ってたの。
アルが好き、私他の誰よりもアルが好きなの
もう他の人には触れて欲しくない、話もしないで欲しい位好きなの」
急に早口で喋りだしたララの目には光がなく、黒く濁り淀んで見える
「ララ、急にどうしたの何だか変だよ」
「そうかも、私変になっちゃったのかも。
ねぇアル私だけを見て他の人は見ないで、もっともっとくっついてそばで見て、他の人が見えない位近くで」
「ララストップ!」
ララが話ながらもう一度キスをしようとしてきているのを見て、ストップをかける。
「…あっ」
「ララ本当に大丈夫?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、アル嫌わないで、嫌いにならないで」
「嫌わないよ」
そう言うと安心したのかララは泣きじゃくり始め、泣き止むのを待っている内に部屋の中は朝日で明るくなっていた。
・・・・・・・・・・・・・・・
「プリンセス、お父様から離れて下さい」
「んーやだ」
「ララさんどうしちゃったの?」
朝食の席机を囲む皆がいる前で、ララは僕の腕に抱き付いたまま蕩けた笑顔を見せていた。
「えへへ、あのねアルが好きなことなんでもして良いって言ってくれたの」
「お父様そうなのですか?」
「ああ、今までララには我慢させてしまってたみたいだからね」
ララの頭を撫でると、こちらに向けて良い笑顔を向けてくる
右手にララ、左手にヤミ、まさに両手に花だ。
「ララ、アルさんの邪魔になるだろ、ほら離れろよ」
リトがララの姿を見て離れる様に注意する
「えーアル私邪魔?離れた方が良いの?」
「邪魔じゃないけど、ご飯が食べられないかな」
「あっそっか…」
ララはしゅんとして離れようとするが何かを思い付いたのか、はっとして話始める。
「!それなら私が食べさせてあげる、それならずっとくっついていられるでしょ?」
「そこまでしてもらうのは悪いよ」
「そうですプリンセス、行儀が悪いですよ」
ヤミが僕の反対側から注意する
「大丈夫だよ、こぼさず食べさせられるから!」
「そう言う問題じゃあ無いかと…」
「大体ララさんは、リトが好きなんじゃないの?」
美柑がララに質問する
「うん、好きだよ」
ララは即答で答えると、美柑の頭にはてなが浮かぶ
「じゃあなんで、アルさんに引っ付いてるの?」
「リトは好きだけどそれは同姓の好きだよ、アルは恋愛の好きなの」
「そうだったの?!」
「そうだよ、ねー」
「まあ、そうらしいよ」
ララに聞かれたアルは同意する
「だからね、これからはどんどんアピールしていこうと思ってるの」
「プリンセス…」
「ヤミちゃんも私の事、これからお母さんって呼んで良いんだよ」
「嫌です!私はお父様だけで十分幸せですので」
ララの言葉にヤミがアルの腕に抱きついて答える。
ヤミがアルの腕に引っ付くのを見てララ目から光が消える。
「私は恋愛感情でアルが好きなの、誰にも負けない位好きなんだから」
「ララ大丈夫?抱き付いてる腕が痛いんだけど…」
「大丈夫だよ。
ねぇアルはどう、私の事好き?」
「好きだよ、ヤミと同じ位」
「…今はそれで良いかな、でもこれからは私だけを好きにさせて見せるから」
アルの顔を両手で挟みララの方を向かせると、ララはおもむろにキスをする
「プリンセス!」
「今は私からだけど、そのうちアルからキスさせて見せるよ!」
ララは自信たっぷりに皆にそう宣言した
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