ヒロイン 恋愛集 ヤンデレ多め   作:黒猫黒

35 / 47
大変お待たせいたしました。
更新を待っていて下さる方が居れば良いのですが…



美しい花 モモメイン ナナ

「こんにちは」

 

それが最初の一言だった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

声をかけられ後ろを振り向くと、太陽を背にした女の子が笑顔で立っていた。

 

「こんにちは」

 

こちらも笑顔で返事を返すと女の子の笑顔が深くなる。

はて?こんな知り合いが居たかと頭を悩ませて居ると、女の子から自己紹介があった。

 

「あっ始めましてですね。

私の名前はモモと申します、あまりにも美しい花々につい声をかけてしまいました」

 

「ありがとうございます、そう言って貰えると嬉しいです。

僕は植物委員の雨宮 晴と言います」

 

そう言ってこちらも自己紹介を返した所で、予鈴のチャイムが鳴る。

 

「すみません予鈴が鳴ったので、これで」

 

「えっあっはい、分かりました」

 

僕が立ち去ろうとすると、女の子、モモさんは酷く動揺をしてみせた。

 

「何か?」

 

「いえ、何でもありません。

それでは私もこれで失礼します」

 

そう言って去っていくモモさんの顔は最初よりも、深い笑顔が浮かんでいた。

 

「私を見ても目の色を変え無い男性…ふふっ素敵」

 

モモは自分の頬に手を当てうっとりしながら、教室に向かうのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

放課後

 

休み時間に水を撒いたので、後は草むしりをする。

これがすぐには終わらなくて、委員会の他の生徒は面倒臭がって何時も先に帰ってしまうため、僕が一人で全ての仕事をしなくてはいけない。

 

「ふぅっ、雑草が生茂ってるなぁこれは時間がかかるぞ」

 

腕捲くりをして気合いを入れ直していると、ちょんちょんと誰かが僕の制服の後ろを引っ張った。

 

「はい?」

 

「あのー、お一人ですか?」

 

不思議に思って振り返ると、そこには休み時間に声をかけてくれた女の子がいた。

 

「確かモモさんでしたよね」

 

「あら、覚えていて下さったんですか?」

 

「ええ、此処の花壇の花は目に付きにくいみたいで、褒めてくれたのはモモさんくらいですから」

 

そう言うとモモさんがキョトンとした。

その後ボソッと

 

「私の容姿で無く、花を褒められたから覚えていて下さった…」

 

「はい?良く聞こえませんでしたけど、なんですか?」

 

「いえ、それより他の委員会の方々はどうされたんですか?」

 

モモさんが取り繕う様にした質問に、少し寂しくなる。

 

「あはは、それが皆用事があるとかで帰ってしまって、一人きりですよ」

 

「それは…まぁ」

 

モモさんが暗い顔になる。

 

「ああっ、そんな顔しないでください。何時ものことですから」

 

「何時もお一人で雑用を押し付けられていたんですね」

 

モモの笑顔が怒りで曇る。

 

「分かりました、晴さん。

私も手伝います。因みに私の事はモモと読んで下さいね、敬語もなしで」

 

「ええっ、モモさんは…」

 

「モモです」

 

語気を強くしたモモに名前の呼び方を訂正された。

 

「はい、モモ草むしりなんて手が汚れるよ。

それに草むしりなんて結構しんどい仕事、女の子にさせられないよ」

 

「でも晴さんは何時も一人で全てしてるじゃないですか?」

 

「なんで…なんで何時も一人で全てしてる事を知ってるの?」

 

その時、背中に嫌な汗が流れるのを感じながらモモの返答を待つ。

 

「それは…」

 

モモの顔が俯いているのと、夕日のせいで殆ど見えず少し怖く感じる。

 

「それは私が何時も晴さんを見ていたからです」

 

「へ?」

 

以外な返答にポカンとしてしまう。

モモ本人は恥ずかしかったのか、イヤイヤをするように自分の両頬を押さえながら恥ずかしそうにしている。

 

「えっとですね、実は私晴さんの事をずっと見ていたんです」

 

「えっ、一体何故です?」

 

「それはですね…」

 

そう言うとモモは背伸びをしながら、晴の口にキスをするとそのまま抱きついた。

 

「分かりましたか?」

 

そう言いつつ蠱惑的な笑みを浮かべる。

 

「えっ」

 

僕は今一体何をされたんだろう、抱きつかれている事と唇に柔らかな感触が残っている事は分かるが…

 

「おや?まだ分かりませんか」

 

笑みを深めたモモが更に抱きつく力を強める。

モモの胸が形を変える程に強く…

 

「うわわっ、離して下さい!」

 

「ふふっ、何故ですか?やっとこうして捕まえられたのに?」

 

「え?」

 

笑うモモの言葉に疑問が浮かぶ。やっと捕まえられた?やっとってなんだ?

 

「ずっと見ていたんですと言いましたよね?

それこそ、そこに綺麗に咲いているお花がまだ種の時からずっと見ていたんですよ。

いえ、その前から…」

 

「なんで、ですか?」

 

此処の花壇の花は種から育てているが、随分日数がかかっている筈だ。

 

「好きだからに決まってます。

他のどうでも良い人達を目に映す時間が有るのなら、あなたを、あなただけを見つめていたかったんです」

 

そう言うモモの目には言葉道理、僕しか映って居なかった。

 

「そんな、話したのは今日が初めての筈だよね?」

 

確か僕とモモが話したのは今日が初めての筈。

 

「ふふふっやっぱり、覚えていませんよね?」

 

モモが可笑しそうに笑う、勿論その間も抱き着いたままだ。

 

「え?僕達は今日が始めましての筈だよね?」

 

「いいえ?あれはそう、私が初めてこの学校に来た時の事です。

私がナナと逸れてしまっていた時、学校中探してやっとナナを見つけた時に、ナナが真剣に見ていたのがあなただったんです」

 

「ナナって言うのは?」

 

「悔しい事に姉です。

その時にも一人で花壇の花を真剣に手入れしていた、あなたの姿を見たんです。

それからあなたに職員室の場所を聞いて、無事目的地に辿り着く事が出来たんです」

 

「うーんごめんね、覚えて無いな」

 

全く記憶に無い、こんなに可愛い子相手なら覚えている筈。

 

「…そうですか、覚えていませんか」

 

モモは肩を落として落ち込んで居るようだった。

それを見て何と声をかけようか悩んで居ると。

 

モモが笑いだした。

 

「ふふっ、でもいいんです。今こうしてあなたと、晴さんと二人きりで居られるんですから」

 

顔を上げたモモは何か企んでいる、様な顔をしていた。

 

「ねぇ、晴さん」

 

背伸びをしているのか、モモの顔がグッと近付いてくる。

 

「キスよりも先に進みたくありませんか?」

 

「キスよりも先にって、僕はまだモモの事を何も知らないのに?」

 

そうだ随分前に会った事があるらしいけれど、僕は今の所会ったばかりと何も変わらない。そんな状態でキスまでして、それより先なんて…

 

「それは…追々と言うことで、ではいざいただきます」

 

「えっちょっ、ちょっと待って!」

 

僕が性的に食べられそうになっている時に、ヒーローよろしく駆けつけてくれたのは…

 

「ちょーっとまて!モモ!」

 

「ナナ!なんでここに」

 

モモに似ている女の子が駆けつけてくれた。

僕とモモの間に入り込むと、ベリっとモモを引き剥がしてくれた。

彼女が姉のナナさんか。

 

「ふぅ、ありがとうナナさん」

 

「ナナさんって気持ち悪いな、ナナでいいし、敬語もいらない」

 

気持ち悪いって…でもナナがいいなら敬語も必要無いな。

 

「ありがとうナナ」

 

「おう!へへ…」

 

ナナはハニカム様に笑って照れていた。

 

「むー、せっかく良い雰囲気でしたのに」

 

「モモは展開が速すぎるよ」

 

「全くその通りだぞ!」

 

今日会った様な物なのに、いきなりキスまでしてしまった。

 

「でも、私が本気な事は伝わりましたよね?キスは出来ましたし」

 

「なっ、晴とキスしたのか…」

 

「それはモモがいきなり…」

 

「先手必勝ですよ、それよりも明日からは本気で行かせて貰いますから、晴さん覚悟して下さいね」

 

そう言うとモモはまたキスをしてきた、それを見たナナは赤面しながら。

 

「こうなったら、晴!」

 

「なに?むぅっ!」

 

振り返るとナナに勢い良くキスされた、キスと言うより頭突きに近かった様な…

 

「ナナ!」

 

「何だよ!モモだってしたんだから良いだろ!」

 

「いくらナナだって晴さんは、渡さないんだから!」

 

「なっ!私だって渡さないからな!」

 

「…はははっ」

 

僕は今までの平穏が壊されるのだろうと予感しながら、今はから笑いしか出なかった。

 




モモを見ても反応を変えない、草食系男子の雨宮 晴君
そんな晴君を何時もこっそり見ていた実は肉食系女子モモ
実はナナも晴君が好き

好きな作品

  • アイドルマスター
  • ToLoveる
  • ローゼンメイデン
  • ひだまり×スケッチ
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。