普通の世界に、人間以外の亜人がいる世界観
人>亜人の世界
主人公の住所 やや田舎 夜になると人が居なくなる位
亜人差別がやや過激
主人公 社会人
黒猫の亜人 幼い
拾い猫 オリジナル
ざぁざぁと雨が降りしきる路地、傘も無く道の端に三角座りしている少女が一人きり。
空には分厚い雲が漂い雨は激しさを増し、暫くは止みそうに無い。
「…お腹すいたなぁ」
少女は大変お腹を空かせていました、それもそのはず。もう3日も食べるものも食べず、飲み水すらも雨水に頼っていました。
「このまま死んじゃうのかなぁ…嫌だなぁ…せめて最後に、誰かに見付けて欲しかったなぁ」
そう呟いた少女は、薄れ行く意識のなかで最後に何かを見た気がした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今日も疲れたし雨が凄いな、早く家に帰らないと」
仕事帰り疲れはてた体を引きずりながらも、ぶつぶつと独り言を呟き。すれ違った人達からは、不審者を見るような視線を集めていた。
「駄目だ疲れすぎて歩くのも辛い、近道でもしてかえるか」
何時もは街灯の少ない道なので、避けていた道を今日は仕方なく通る。
そこは道と言うより、路地なのだが通る人も居なく何時も薄暗い。
「ここの道は何時も怖いな、薄暗いし早く通り抜けよう」
やや早足で通り抜けようとしたその時、先の方に黒い塊が見えてきた。
「ええと、あれはごみ?いやちょっと動いてないか?近づいて確かめてみるか、怖いけど」
大人の男でも怖じけづく様な暗闇の中、何かが僅かに動いていた。
恐る恐る近づいて見ると、なんと女の子が蹲っていた。
様子をみると寒さでカタカタと震えていた。
「ねぇ大丈夫?こんな所で寝ると風邪引くよ」
女の子の肩を揺すってみると、ずるりと地面に倒れこむ
「あれっ大丈夫?!意識は…無いみたいだけど、とりあえず何処かに、雨の当たらない場所…家に連れて帰るしかないのか?」
抱き上げた時のからだの軽さに驚く、軽いあまりにも軽い、驚いていると女の子の目が僅かに開く、「…たすけて」そう呟くと又意識を無くしてしまう。
「…言われなくても!助けるからもう少し待ってて!」
仕事の疲れなどどこえやら、男性は少女を抱えて急ぎ足で暗い夜道を進んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ、取り敢えず家に着いたな」
取り敢えず抱えていた女の子をソファーに寝かせる、未だに意識は無いようで目を開かない。
「まだ震えてるし、タオルで拭いてあげないと」
ソファーの横に膝まずき頭から拭いていく、わしゃわしゃと丁寧に拭いていくと、髪の毛の中から猫耳がふるふると現れた。
「えっ人間じゃなかったの!?」
驚きつつも頭を拭く手は止めない、体を拭くにつれてそのガリガリの体に驚きと哀れみを感じる。
「うわぁ亜人は扱いが悪いって聞いてたけど、ここまでガリガリになるものなのか?尻尾もガサガサだし」
あばら骨の浮き出た体に、骨と皮だけの腕と脚、毛並みの悪い猫耳に尻尾と髪の毛。
明らかに栄養が足りていない。
「さてとあらかた拭き終わったし、毛布でも掛けとくか、その間にご飯の用意だな」
毛布で女の子の全身を包み、キッチンにご飯を作りに行く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暖かい、初めて感じる暖かさに何時までもここで寝ていたくなる。
そこではっと気が付いた、この暖かい物は何だろうと思い、体力の限界で開きにくい目をあける。
体に力が入り難く起き上がれない、ぼんやりとする目だけで確認すると、身体を毛布で包まれている。
「おっ起きた?」
目だけを動かすと人間の男の人が立っていた、その両手には何かを持っており、この人に拾われたのかと思う。
「あっあの」
「あーあー、まだ一人で起き上がっちゃ駄目だよ。
起こしてあげるから待って」
背中を支えられ、抱き起こされる。
「はい、これで良いかな」
「ありがとうございます…」
優しい誰かに優しくされたのなんて初めてだ。
「さてと、君が路地に蹲っていたのは、覚えているかな?」
「はい、助けて頂いたんですよね?ありがとうございます」
「いやいや、当たり前の事をしただけだから」
優しい、誰かにこんなにも優しくされたのなんて生まれて初めてだ。
私は亜人の中でも黒猫の亜人、縁起が悪く皆に除け者にされるか、最悪の場合は暴力をふるわれそうになったこともある位だ。
それをこの人は助けるのが当たり前だと言ってくれた、なんだか嬉しすぎて涙が出てきそうになる。
「起き上がれたのなら、これでも食べてよ。お粥作ってみたんだ、これなら直ぐに食べても大丈夫だと思うから」
「ありがとうございます、これがお粥。
いただきます」
初めて食べるお粥は暖かくて柔らかくて、なんだかこの男の人みたいだと思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そろそろ食べ終わったみたいだし、お風呂にでも入る?てっ言うか体力的に一人で入れるの?」
「あっ私汚いのに、こんなにソファーも毛布も使ってしまいました。
ごめんなさい、直ぐに離れますからすみません」
「いやいや、それは僕が寝かせたんだから全然大丈夫だよ。それよりもお風呂は?」
「すみません入った事無いです、普段は川で水浴びしていました」
「ええっもう寒い季節だよ、風邪引いちゃうよ。
今からお風呂に入れるから、一緒に風呂場に付いてきて」
「いえ、そこまでしてもらうのは申し訳ないです。
私なんて川の水で充分ですから」
「そんな事無いよ、身体が弱ってる今川に入るなんて自殺行為もいいところだよ!ほら僕が入れてあげるから、お風呂に入るよ!」
「はっはい!お願いします」
一緒に風呂場に行くとタオルを渡し、体に巻き付けてもらう。
もともと着ていたボロ布の様な服は申し訳ないが、とてつもなく汚かったので捨てさせて貰った。
女の子を風呂場の椅子に座らせると、頭からお湯をかける。
「お湯が熱かったら言うんだよ?」
「はい分かりました、今はとても気持ちいいです」
「それなら良かった」
女の子の髪の毛はシャンプーをしてもなかなか泡立たず、流れて行くお湯も真っ黒な色をしている。
五回目のシャンプーでやっと、髪の毛に艶が戻って来た。
次は身体を洗うのに取り掛かる、身体はあちこちが傷だらけで、ガリガリな上に物凄く汚れていて痣だらけだった。
「ごめんなさい、私の身体汚いですよね。
後は自分で洗います」
「身体も洗うから大丈夫だよ。
それに汚いのなら綺麗にすれば良いだけだし、僕に任せてよ」
「でも、こんなに汚いのに触って平気なんですか?
他の人間は汚いから近づくなって」
「平気だよ、僕が綺麗にするから」
「…はい、お願いします」
体も傷に触らない様にゆっくりと丁寧に洗って行く。
「これがお風呂なんですね、とっても気持ちが良いです」
身体を洗う泡がどんどんと黒くなり、その分女の子が綺麗になっていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お風呂ありがとうございました、気持ち良かったです。お風呂があんなに気持ちが良いなんて、初めて知りました」
「それは良かったよ、じゃあ次はドライヤーをするからソファーに座ってよ」
「そっそんなお風呂にいれてもらって、それ以上の事まで。そんな事させられません」
「ドライヤーの使い方わからないでしょ?風邪引いちゃうから、ほら座って座って」
ソファーをポンポンと叩くとおずおずと、女の子は僕の方にやってくる。
「じゃあ少しうるさいかも知れないけど、頭を乾かして行くからね」
「お願いします」
女の子の頭にドライヤーの風を送ると、一瞬ビクッとしたもののそれだけでおとなしくなる。
髪の毛の間にブラシを通し、柔らかくといて行く。
ドライヤーが気持ち良いのか、女の子の頭が少しずつ揺れ始めた。
顔を覗くと、目を瞑って眠っている様だった。
ドライヤーを終わらせベッドまで運ぶと、離れまいと僕の服の裾を握りしめ、離してくれそうに無かった。
「しょうがないな」
僕は女の子と一緒のベッドに潜り込み、明日からの事を考えると、ふと女の子の名前も聞いていない事に気が付いた。
明日は女の子の名前を教えて貰おう、そう考えている内に僕は睡魔に飲まれていった。
猫耳、猫尻尾大好きです
好きな作品
-
アイドルマスター
-
ToLoveる
-
ローゼンメイデン
-
ひだまり×スケッチ
-
その他