ゆのの硬い決意
譲れない願い
ハーレム風
ゆのの部屋
思いきって声をかける
「あのさ、ゆの」
「なんですか~」
気の抜けきった返事が帰ってくる
「ずっとこうしてるの?体痛くならない?」
「ずっとです、もっとくっついて下さい」
そう言われて腕の力を強める
俺は壁に凭れて座り、ゆのは俺の膝の間に座る、後ろからゆののお腹に腕を回し強く抱きしめている。
後ろから覆い被さる様な形で、小さなゆのを潰してしまいそうで怖い。
「ゆの?これは楽しいの?」
「いいえ違います、幸せなんです」
にこりと笑う
これは幸せを感じていたのか、もう始めて一時間は経っている、いくらなんでも長い。
少し気分転換に外出に誘ってみよう。
「ゆのさんや、買い物に行きましょう」
「買い物ですか?」
「晩御飯の材料を買って来て、一緒に作ろう」
「全部一緒に、ですか?」
不思議そうに訪ねる
「ずっと手を繋いで、一緒に買い物して一緒に料理だよ」
「わぁ、素敵ですねぇ」
「じゃあ準備しようか」
「はい~」
ゆっくりと準備を始める、ゆのは今は脳が蕩けているがすぐに元に戻るだろう
俺も準備を始める
二人の準備が出来た、後は買い物だ
ゆのも大分頭がしっかりしてきた
「ゆの、手をどうぞ」
「えへへ、あったかいです」
幸せそうに笑う、そろそろ寒くなって来たのでお互いの体温が暖かくて心地良い。
「何処に行こうか?」
「ダダマートに行きましょう」
二人揃って道を歩く、ゆのは手を繋いでもまだひっつき足りないのか腕に抱きつく。
「こうして理人さんと一緒に歩けるなんて、夢の様です」
「そんな大袈裟な」
「…大袈裟じゃ無いですよ」
「ゆの?」
いきなり立ち止まったので、一緒に立ち止まる
ゆのは俯いたまま話し出す
「本当に大袈裟じゃ無いんですよ。
あの雪の日どんどん体が動かなくなって、寒くて死んじゃいそうで震えて涙も凍りついて、誰も来てくれなくて寂しくて消えちゃいそうで」
大雪の日の話だ、俺とゆのが出会った日
「そんな時に理人さんが来てくれたんです」
急に顔を上げた
「凍える雪の中から見つけて助け出してくれて、自分も寒いのに帽子も手袋もくれて、凍えて震える体を抱きしめて、私の両親を探してくれました。」
真剣に話すゆのは少し声が震えていた、思い出しているのだろうか
「あの時来てくれたのがどれほど嬉しかったか、名前も聞かずに離れてどれだけ後悔したか、運命の再会を果たしてどれだけ幸運だったか。」
「ゆの」
「だから、大袈裟なんかじゃありません!
私にとっては理人さんと居る一分一秒が奇跡なんです。一秒だって無駄にしません、ずっと一緒にいて、私が何でも望みを叶えてあげたいんです!」
グッと両手に力を込めて話すゆのは決意に満ちていた。
そこまで俺の事を真剣に考えていてくれていたのか、曖昧な運命とかじゃなく、しっかりとした考えの元に行動していた。
「ゆの、ありがとう」
「えっ今は私の気持ちを、決意を伝えただけじゃ…?」
「うん、だから真剣に考えてくれて、ありがとう」
「えっと?どういたしまして?」
頭が?でいっぱいのゆのを撫で手を繋ぎ歩き出す
「ゆの、これからもよろしくしてね」
「はい、これからもずっと一緒です」
お店までの道をゆっくり歩いていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゆのの部屋
「さすがに…作り過ぎましたね」
「これは多過ぎたな」
鍋が3つも、普通のカレー、シーフードカレー、ドライカレーの三種類作ってしまった。
「皆を呼ぶか?」
「カレーパーティーですね!」
「俺は沙英とヒロを呼んで来るよ」
「私は宮ちゃんを呼んで来ます」
それぞれの部屋に向かう、沙英はヒロと一緒だろう、ヒロの部屋をノックする
「はーい」
「管理人ですよ」
ガチャリと扉が開いた
「理人さん、どうしたんですか?
とりあえず上がって下さい」
「いや、今日はカレーパーティーのお誘いに来たよ」
「カレーパーティー?」
ヒロとやっぱり奥に居た沙英にも説明すると、すぐに行くとの事、準備があるだろうし先に部屋に戻る
「じゃあ待ってるよ」
「はい、すぐに行きますね」
「あたしも、すぐ行くから」
ゆのはまだ戻って居ない様だった
先に鍋を暖めて待つ
「お邪魔します」
「お邪魔するよ」
沙英とヒロが先に来た
「いらっしゃい、ゆのはまだ帰ってきてないぞ
多分宮子が起きないんだろうな、温めたカレーの匂いがしたらそのうち勝手に…」
「お邪魔しますカレーください!」
「ちょっと宮ちゃん、足早いよぉ」
俺とヒロと沙英は苦笑いだ
それぞれ好きなカレーをよそってパーティーの始まりだ
「それにしても何で、今日はカレーパーティーだったの?」
「そうよね、カレーをお鍋3つなんてそんなにカレーが食べたくなったの?」
「違うよ、ゆのと買い物してたら、買いすぎて作り過ぎたんだよ」
「私は沢山食べられるから嬉しい!」
「私は理人さんと今日1日、ずっと一緒に居られて幸せでしたぁ」
ゆのが恍惚とした表情で告げる、その顔を見てヒロと沙英が固まった。
「アヤあんた、ゆのと何かあった?」
「理人さんまさか、手を出したんじゃ」
とんでもない誤解だ
「違うよ、昔の話をして感謝の気持ちを、再確認したんだよ」
「本当にそれだけ?」
沙英は疑り深い、流石考え方が大人
「…あの、理人さん」
ヒロが手招きしている、何だろう耳を寄せる
「もし女の子に手を出したくなったら、私をどうぞ」
「へ?」
「私が一番大人の体ですから、だから大丈夫な筈です」
真っ赤な顔でヒロは真剣に話ている
しかし、隣の沙英にも聞こえたのか
「ちょっまっ、待ってそんなあたしだって同い年だから、あたしでも良い筈」
「二人ともなんの話だ!そんな事しないから!」
「もしもよ、もしもの時はあたしを呼びなさいよ」
「もぅ沙英、私も呼ばれたいのにぃ!」
「呼ばれたいとかじゃないでしょ!」
「じゃあ沙英は呼ばれたく無いのねぇ!」
「呼ばれたいのに決まってるでしょっ!」
「ご飯中だぞ!」
「「あっ」」
二人で白熱して大声で叫び合っていた、なんて会話をご飯中に宮子とゆのの目の前で。
ちらっと宮子とゆのを見ると、我関せずとご飯をおかわりする宮子と、顔を赤くし頭から煙を出したゆのが居た。
宮子は良いが、ゆのが…
「あの、ゆの?大丈夫か?」
「はっはい!私を呼んでくれるんですね!」
駄目だ、このゆのは駄目になっている
「宮子が全部食べちゃう前に、俺もおかわりしないと」
露骨に話題を変える、ゆのが再起動するには暫くかかるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「満腹ですな~しあわせ~」
「宮子あんた何皿おかわりしたの?」
食後のまったりした時間だ、ゆのにお茶を貰ってのんびりする
ヒロは体重が気になる様子で、お腹を撫でている
「どうしよう、少し食べ過ぎちゃったかしら…」
「後で散歩に付き合おうか?」
「本当に!ありがとうございます」
遅くならないうちに散歩に行かないとな
「私も一緒に行きたいです」
「なら私も~」
「それなら全員で行こうか」
沙英の言葉に皆頷く、結局全員で食後の運動になった
散歩に行く為に外に出た時、こっそり近付いて来た宮子が耳元で囁いた
「…女の子に手を出したいなら、この私がオススメですぞ~」
「えっ」
チュッと頬にキスをしてハニカミならがら、走って行く
宮子はたまにこういう事をする
「こら宮子!散歩だって言ってるでしょ!」
「えへへ~沙英さんごめん~」
のんびり皆で散歩する
帰りはベリマートに寄って帰ろう
ゆのは助けられてから、ずっと主人公を探していた様子
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