黄金残滓と地獄大蛇 作:カナーさん
寝落ちです。
なに、選んだのは現状を見れば説明するまでもない。
私は逃げた。
客観的に映るのはそれだろう。
過去の確執を現在に持ち込むつもりはない。別人だから、というのもあるが過去は私に言わせれば満足足り得なかった轍でしかない。
唯の過程、唯の歴史、唯の軌跡、唯の原点、唯の筋道。
アルバムに載せるまでもない、過ぎ去った過去に未練に俺は価値を見出だせない。
捨て去ることはしない。それは俺が辿り足掻き選び求め突き進んで歩いたそれそのもの。
価値がないとはいったがそれは固執するほどの価値だ。俺は
たとえ同一性があろうとそれは別人でしかないという現実は変えようがない。その別人で満足するのであれば、その確執や思いはその程度でしかなかったというだけの話。
故に俺は理解できない。過去の面影を必死に離すまいと足掻くあの女の思いとやらは俺の範疇の外なのだろう。なぜそこまでそれに拘るのか__
存在を認知したことで私の精神をここに来るときより澄み渡り、そして自身を恥じた。
目的の為なら全てを捨て去る覚悟があったのにも拘らず捜索の片手間に友愛に興じる余裕。
なにを馬鹿な。あの方のためなら友や親、肉に情すらも犠牲にする気概がなくてどうする。
あの方のためならこの世を灼熱地獄にして厭わない覚悟はいっときの戯言だったのか?
否、否、否。
この思いは自身の体すら蝕む憎愛の炎_
この腕は敵の腕を削ぐため、この足は敵を踏み潰すため、この肉はあの方を受け止めるために、自分を
燃え果てた先にはあの方しか残らないのだから。
故に灰燼と化せ。他はなにも必要ない。
その日を境に私は変性した。
変わったのは内面のみで身体的には変化はさほど見られなかった。
それでも振るい沸き立ち、溢れ出る思いが今は愛おしくていじらしい。はっきりわかる。
意識を切り離せば、映るのは灼熱の紅蓮色に染まった地獄。
あの方しかない私だけの世界。
あぁ、なんとなく
バーサーカー、狂戦士ね。確かに私はあの方に狂っている。あの方に縋るためならば今なら
もう一度もう一度だけでいい…そうして私はまた同じ過ちを繰り返すのだろう…それでも私は__
私は言ったはずだ清姫。付いてくるのは構わん。除け者にしないほど器量はあるつもりだ。
だが私が留まることなどありえんよ。
もし私が留まる時が来るならば、それは進むべき世界がなくなった時であろう。
もしくは私を駆り立てる修羅が消えたときであろうな。
どちらにせよ、遠い未来であることに変わらんのだ。私が留まるのは。今の清姫、汝が生きているこの時代では無理な話だ。
だが、或いはなんの因果か、再び交わり、惹かれ合うこと願っておくことはできる。それぐらいならばあぁ、清姫ほどの女のため、刹那に足を留めるのも悪くない。
汝に祝福あれ、とな。
そして、私は殺した。
あるか定かでない未来とやらに全て賭けた。
そんなことさえ、忘れて…いた。私っ!………でもこの世界ならば…先を遮られたこの世界なら…あなたは留まってくれますよね__
きよひーが狂い戻す大事な回、この時点で令呪を切らないときよひーの手づなはほぼ戻りません。たぶん。