紅魔館の執事   作:スゥ02

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7.エピローグ

暗い。

 

苦しい。

 

痛い。

 

重力がどこにあるのかも分からない、ただ続く深い深い闇の中。

 

心がこんなに苦しいなんて……

 

心がこんなに痛いなんて……

 

 

寂しい。

 

辛い。

 

悲しい。

 

負の感情の連鎖、それは逃げ出す事の出来ない、閉鎖されたもの。

 

別れは辛い。

 

別れは悲しい。

 

分かっていたのだが、やはり寂しいものは寂しい。

 

 

人は出会いと別れを繰り返している。

 

出会いがあれば、必ず別れもある。

 

そして別れがあれば、出会いもある。

 

それの繰り返し。

 

 

今オレは暗闇の中を落ちている。

 

思い出すのは、フランと過ごした日々。

 

楽しかった。

 

嬉しかった。

 

そしてなにより……好きだった。

 

 

「……またな、フラン」

 

そう言ってオレは目を閉じた。

 

 

=============

 

(ガシャンッ!)

 

派手な音と共にオレの腰に激痛が走った。

 

「いってぇぇ!ったく、あのおばさん……嫌がらせにも程があるだろ」

 

そう言って腰を摩りながら前を向く。

すると……

 

「お……お……お兄、様?」

 

目の前には金髪で、小柄で、とても可愛らしい娘が……

 

「って!フラン!?どうして!?」

「え?え?」

 

フランも混乱しているようで、辺りを見渡すだけだった。

 

「くくくっ……あはははは!はぁ、ナイスリアクションよ」

 

するとフランの隣にいた紫が腹を抱えて笑っていた。

 

「え?って……どういう……?」

「はははっ、よかったわねぇ、幻想郷に残れるのよ。いやぁ、ドッキリ大成功ー、てってれーってね」

 

ドッキリ……という事は……

 

「全部嘘だったのかよー!」

 

叫びながら紫……いや、性悪おばさんを睨みつける。

 

「全部じゃないわよ。均衡が崩れるっていうのは本当よ」

「じゃあなんで!」

「もっと喜びなさいよ。残れるのよ」

「……まず説明してもらおうか、おばさん」

「だれがおばさんよ!……まぁいいわ。均衡が崩れるっていうのは、貴方に関する記憶が人間界に残っていたから……じゃあその原因である貴方への記憶を、すべて消してくればいいのよ」

「……どういう事だ?」

「つまり、貴方の親、友達、貴方に関する人達から、記憶を消したのよ。まぁ……道徳的に考えればどうなんだって感じなんだけど……貴方の意思が本物だったから、そうしたのよ。私も鬼じゃないんだし、もともと貴方に関わる人って少なかったから、そこまで大きな崩れにはならなかったのよ。全く……感謝しなさいよね」

「おばさん……」

「紫よ!」

「……ありがとう」

「……どういたしまして」

 

そう言うと紫は手を振ってゆっくりと歩いて行った。

 

「お兄様……」

 

すると今度はフランがよってきた。

 

「フラン……ただいま」

「うん!おかえり!」

 

そう言うとフランは両手を広げ、オレに飛びついてきた。

オレもフランを受け止めてあげる。

 

「……大好きだよ、お兄様」

「……オレもだよ、フラン」

 

孤独だった吸血鬼とその執事。

 

その二人が出会い、そして、孤独に悩むことはないだろう。

 

二人は見つめあい、そして大きな声で笑った。

 

 

 

 

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