つい先日キスをされた鑢八交だ。
あの後は大変だった。
とりあえずスーパーまで猛ダッシュ、近所のおば様達との特売品争奪戦。
そして何よりつらかったのが家について飯食って風呂入ってもう休めると思ったら搾られた。
何をとは言わないがカラッカラになるまで紅緋に絞られた。
終わったのが朝の6時、太陽が黄色く見えたよ。
学校に行く気が起きなかったが運よく日曜日で助かった。
昼を過ぎて紅緋になんでいきなり襲って来たんだと聞くと
”別の女の匂いがした”
だそうだ。
それで朝の6時まで絞られるんだからたまったものではない、と思いながら過ごした高校一年の5月の終わり一日。
絞られた日から数日経ちいざ学校にと思って玄関の扉を開けたら朱乃(そう呼ぶように強く言われた)がいた。
”これからは一緒に登校しませんか?”
と聞かれ断ろうとすると目を潤ませながらこっちを睨んでいたので お好きにどうぞ と言っておいた。
その言葉を聞くと花を咲かせたような笑顔を見せて俺の左腕に腕を絡ませてきた。
ついでに大きなお胸も押し付けられたので 当たってますよ と言ったら
”当てていますの”
と返って来たのでもうどうにでもなれと思って放置した。
この時考えたのは何故こんなに好かれているのか?
単純に俺が昔起こした殺戮現場を見たなら俺みたいな奴には普通近づかないはずなんだけどなぁ?
まったく何が朱乃の中で起きたのやら、なんて考えていると学校の校門をくぐっていた。
……かなり視線が痛かったが、まぁ無視だ。
別れ際に頬にキスをされて、朱乃を見送った後たぶん同じ学年の男子生徒が泣きながら殴りかかって来たので一本背負いで投げ飛ばしておいた。
たぶんあれは兵藤だったはず、そう思いながら嫌な予感が背筋を這いずり回った六月の頭の一日。
それから夏休みに入るまで色々あった。
木場との放課後、剣道場で行うトレーニング(木場は試合とずっと言っている)
朱乃と過ごす昼休み(途中から朱乃が弁当を作ってくれるようになって食費が浮いて助かってる)
時々呼ばれてオカルト研究部にお茶をしばきに行く(ここに来るようになってから常々思っていたのだが、ここは本当にオカルトを研究しているのか?)
兵藤が謎にA○DVDやエロ○を待ってきて俺に見ろと渡される(受け取りはしないが渡してくるときに 姫島先輩に嫌われろ! と涙ながらに言ってくる)
そして兵藤に絡まれているせいか絡んでくる奴が二人増えた(丸坊主と眼鏡どちらも下ネタやエロい話しかしてこない)
木場とトレーニングするようになってから俺の周りが華やかになった、と思いながら過ごした七月の半ば。
夏休みをグータラ過ごしていたら事件が起きた。
黒髪の女が俺の目の前で寝ていたのである
お読みいただきありがとうございます。
今回はかなり短くなってしまいました
次回は大体1500~2000字に戻る予定