鬼滅の金庫番   作:新グロモント

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いつもありがとうございます!!

感想を何時も楽しく読んでおります。

あの手この手の詐欺が感想で記載されるとは、鬼より鬼らしい読者がいっぱいで嬉しい限りです。是非、鬼滅隊の資産運用係に採用したい程の逸材が多いわ。


※類似世界という設定ですので、群馬という県はこの世界では存在しません!!
 いいですか!! 感想で地名が間違っていますとかは無しでお願いします。


35:未開の地

 グンマーの秘境にある温泉地帯。その一角にあるのが刀鍛冶の里だ。前人未踏とも言われるこの場所だからこそ、長年の間、鬼側の発見を逃れていた。まさか、かの地に人里があるとは誰も思わない。

 

 竈門炭治郎より半日遅れて、到着した裏金銀治郎と胡蝶しのぶ。本来ならば、もっと早く到着する予定だったが、彼女の継子である栗花落カナヲの一件で出発が遅れたのだ。最終的に、色々(・・)と指導する事で落としどころが着いた。

 

 可愛い子供が、好きな男の子を射止めたいという切実な願いを無碍にする事は、胡蝶しのぶにはできなかった。それに、度々朝ご飯当番を代わって貰っており、『その理由を詳しく教えて貰っても良いんですよ、師範』など、脅迫まがいな事までするようになった継子は本当に成長した。

 

 全く、誰の継子やらと思えば……二人の継子であった。

 

「念の為、戦力を補充します。恐らく、甘露寺蜜璃さんの刀の研ぎが終わった頃です。最終調整で工房に居るので、引き入れます。ついでに、しのぶさんの刀も研ぎをしてもらいましょう」

 

「なんで着いたばかりなのに、そんな事が――。まぁ、いつもの集英社ですね。はいはい、私が連れてきます。それで、銀治郎さんの刀は、どうしますか?」

 

 胡蝶しのぶや甘露寺蜜璃の刀ほどではないが、彼の刀も特殊な部類に入っていた。先端に釣り針の返しの様な物が着いている刀。その制作者は、彼女と同じく鉄地河原鉄珍である。

 

「では、一緒にお願いしてもイイですか?私の刀も鉄地河原鉄珍さんの作品です」

 

「そうなんですか!? よく刀を打ってくれましたね。あの人、腕は確かですが……女性にしか刀を作らないことで有名です」

 

「お館様の口添えと札束と女……この三点セットで頷いてくれました。私から依頼するより、しのぶさんからの依頼の方が受けが良いでしょう。お任せします」

 

 そのやり取りが目に浮かぶと思った胡蝶しのぶ。

 

 剣士として最高の刀を求めるなら、最高の技術を持つ刀鍛冶に依頼するのは当然だ。だから、納得するだけの材料を用意したまでだった。

 

 彼女は刀を受け取り、部屋を出て行く。

 

………

……

 

 それから、数時間後、胡蝶しのぶは甘露寺蜜璃を連れて戻ってきた。

 

 何一つ事情を知らされていない甘露寺蜜璃。知り合いに連れられて、食事かと思えば、待ち受けていたのが裏金銀治郎では、驚くのも当然だ。鬼滅隊でも胡蝶しのぶ30歳(・・・)と仲を噂される男であり、黒い噂が絶えない人物なのだから。

 

「えーーと、しのぶさん(・・・・・)。一体、これはどういう事?」

 

「以前は、しのぶちゃんと言われていた気がしましたが」

 

「ほ、ほら!! 年上の方には敬意を払うようにって、教えられてて」

 

 胡蝶しのぶが刺すような視線で裏金銀治郎を睨む。

 

 だが、彼は無実である。全ては、『隠』所属の後藤という悪の手先が情報をばらまいた。勿論、戸籍を弄った張本人が無実という事はない。情報漏洩は罪である為、裏金銀治郎が調査をし、犯人には然るべき処置が行われる事になる。後藤の運命の日は、刻一刻と迫っていた。

 

「銀治郎さん、これ絶対貴方のせいですよ。責任を取ってくださいますよね」

 

「えぇ、ですから責任は何時も取っています。両親にも紹介しました。私の家にしのぶさん用の枕や生活用品だって用意したじゃありませんか」

 

 ほぼ毎晩お泊まりしている胡蝶しのぶ。彼女の為に、裏金銀治郎は生活必需品を全て揃えた。親にも紹介しているので、これで責任を取っていないと言う彼女がおかしいのである。

 

「キャーーー!! 素敵な生活だわ。是非是非、しのぶさんには色々指導して欲しいわ」

 

 婚活目的で鬼滅隊に入った彼女が胡蝶しのぶに教えを求めるのは自然の流れだ。そもそも、彼女の見た目で結婚できない方が不思議でならないと考える裏金銀治郎。蛇柱を押し倒せばそれで目的は達成できるだろうに、草食系女子なのだろうか。

 

「継子への指導と一緒に教えて上げれば良いじゃありませんか。そろそろ、真面目な話をしても宜しいですか?」

 

「そうですね、甘露寺さん。貴方も馬鹿じゃなければ、少し真面目に話を聞いてください」

 

 静かになった。

 

 表に出てこない裏金銀治郎と現役柱の胡蝶しのぶ。甘露寺蜜璃は、少なからず良からぬ企みをしているのではないかと疑っていた。胡蝶しのぶも、裏金銀治郎と関係をもつようになり、良くない噂が広まっている。

 

 柱専用の緊急活性薬がその良い例だ。材料が鬼であるのは、明白。それが作れるという事は材料となる鬼が密かに確保されていると同義であった。

 

 全ては鬼滅隊の為に行っている事だが、人は一面からしか物事を見ない。そのおかげで、あらぬ疑いが掛かっていた。大事な事だが、その薬のお陰で炎柱や音柱が五体満足で現役でいられるという実績を忘れてはいけない。それを鑑みて、評価できる人物が鬼滅隊には殆どいない。

 

「約一週間後、刀鍛冶の里を上弦の弐と上弦の参が襲撃してきます。対応の為、甘露寺蜜璃さんの力を貸してください。貴方の担当エリアには、階級が高く使える隊士を多数派遣しました。当面の間は、不在でも問題ありません」

 

「えっ!? えぇーーー!! この里が襲われちゃうの!!あっ、でも分かっているなら、柱のみんなを呼べば楽勝ね!!」

 

 それができれば良いのだが、世の中甘くはない。

 

 柱という重要な戦力は、問題が起こってからしか動かない。問題発生前に、動くという例外的な行動を取っている裏金銀治郎と胡蝶しのぶが異常であった。本来であれば、処罰対象だが……実際、上弦の鬼と遭遇しているので文句がでるはずもない。

 

「私の権限では、柱までは動かせません。実際、上弦の鬼が来るというのは、私の予想に過ぎない。なので、刀を研ぎに来ていた貴方に協力をお願いしたい。今なら、休暇も兼ねて滞在する方便で通ります。勿論、タダとは言いません。しのぶさんが赤裸々な話をしてくれます。どうぞ、恋を成就する参考にしてください」

 

「ちょ、ちょっと!! 聞いてませんよ、銀治郎さん」

 

「分かりました!! やります」

 

 本来ならば後から駆けつける彼女が初めからいれば、里への被害も減る。加えて、事前に鬼に関する情報を提供すれば、戦闘がより楽になる。勿論、ドロップアイテムを手に入れる為、事前に調整すべき事はやっておく必要はあった。

 

「では、鬼が来るまでの一週間は、ご自由にして構いません。里に居る炭治郎君をそれとなく気にして貰えると有り難い。それと、上弦の鬼について、私が知りうる情報を教えますので、対応策も考えておいてください。ここを襲撃する鬼は、半天狗と玉壺という鬼になります。その血鬼術は……」

 

「はいはい!! 裏金さん、なんで上弦の鬼について、知っているんですか?」

 

「知っていては何か問題ですか? 細かい事を気にしていては、素敵な恋人と出会えませんよ」

 

「あ、はい。何でもありません」

 

 鬼に恨みが無く、婚活の為に入った女性は細かい事を気にしない。実にチョロイと思いつつ、裏金銀治郎は上弦の鬼達の風貌と血鬼術の内容を伝えた。そして、完璧な状態で鬼達を迎え撃つ準備を整えていった。

 

 

◆◆◆

 

 裏金銀治郎不在時に鬼滅隊の資産運用と給与管理の全権を持つ事になった産屋敷輝利哉は、有能であるが故に苦悩していた。裏金銀治郎が万世極楽教から横流しする金額の大きさに手が震えていた。

 

 鬼が運営する組織である為、そこから資金を巻き上げても特に問題ないと考えていたが、その金額の大きさに今更ながら尻込みしてしまっていた。当然、鬼滅隊への利益を最大限にする為、宗教団体にて資金調達をする報告が裏金銀治郎からなされており、産屋敷輝利哉もそれを了承した。

 

「お父様が裏金さんの事を天才だと褒めていた理由がよく分かった」

 

 新聞の片隅には、『ネズミ講』被害者の嘆きの声が載っていた。本来であれば、もっと大きな一面を飾る内容だが、新聞社の編集長は買収済み。代わりに大きく一面を飾るのが、『米価の上昇』と言う物だ。

 

 当然、このような突発的な事は裏で鬼が糸を引いている。その糸を手繰れば、宗教団体へと繋がる。全国を巻き込むほどの被害を、鬼側のコンサルを引き受けて短期間で実現した。しかも、鬼滅隊の業務もこなしながらである為、片手間でやった事だ。

 

「お兄様、裏金さんを止められないのですか?」

 

「無理だ。裏金さんは、鬼滅隊の為に仕事を遂行しているに過ぎない。彼に、一切の悪意はない」

 

 だが、そんな男の稼ぎで良い暮らしができているのが産屋敷一族だ。何不自由なく、安全な場所で、美味しいご飯が食べられるのも彼のおかげだ。そして、産屋敷耀哉の治療代も、裏金銀治郎によって賄われている。

 

 仮に、産屋敷あまねやその子供達が働いたところで、鬼滅隊の運営費どころか、生活費すら稼げない。そう……彼等の生活は、鬼被害者の嘆きの上に成り立っている。

 

 よって、裏金銀治郎は、感謝されど恨まれる筋合いはない。少なくとも、産屋敷一族や鬼滅隊の者達にはその権利はない。

 

「ですが、それでは無関係の人達の生活が」

 

「分かっている。裏金さんにもその旨を既に伝えた。そうしたら、代案を用意してから出直してこいと言われた。文句を言うだけなら誰でもできると……」

 

 代案など不可能だ。

 

 それが可能であるなら、鬼滅隊破産の危機など訪れていない。現在の鬼滅隊の運用資金は、胡蝶しのぶと裏金銀治郎が100%に近い水準で稼いでいる。若干、隊服の特殊素材の特許もあるが、占める割合は少ない。

 

 そもそも、子供に大金を稼ぐアイディアがあったとしても、伝手もない。結局の所、大人の手が必要になる。そして、誰が頼りになるかと言えば政財界や裏社会にも繋がりのある裏金銀治郎だ。

 

「味方であればこの上なく頼もしいですが、裏金さんが敵に回れば鬼舞辻無惨以上に危険かもしれない」

 

 裏金銀治郎がいないのを良いことに、言いたい放題の兄妹である。その認識は正しい物であった。だが、考え方に色々と問題がある。

 

 裏切った場合の心配をするより、どうしたら裏切らないかという健全的な思考ができないのだろうか。裏金銀治郎という男を鬼滅隊に縛り付けるには、何が必要か。胡蝶しのぶという楔が打ち込まれているのだから、彼女をつなぎ止める努力をすべきであった。そうすれば、おまけで裏金銀治郎がついてくるのだから。

 




ふぅ~、やっと温泉編にはいれたよ。

ここで霧柱と恋柱には痣を発現してもらって
鬼を倒して貰えば全ての仕事が終わる。

元柱を込みで現地に柱が四名も居れば鬼に遅れは取らないでしょうからね。
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