そして、お休みありがとうございました。
感想で鬼側への愛が聞けて嬉しかったです。
最後の緊急柱合会議になります^-^
作者の力量では、このレベルが限界でした。
もっとエロく書ける実力が欲しいorz
緊急柱合会議の帰り途中で雨に見舞われる裏金銀治郎と胡蝶しのぶ。木陰で雨宿りする二人の距離は、必然的に近くなる。雨音が良い音色をたてる。
気温が下がっているのを体感し、裏金銀治郎は上着を脱ぐ。そして、胡蝶しのぶの肩に掛けた。暖かな上着と男性特有の匂いが胡蝶しのぶを刺激する。自然な流れで、上着の匂いを嗅ぐ。
「あ、ありがとうございます。その優しさの一割でもあまね様とかに向けられないんですかね」
「私が、しのぶさんだけに優しいのは嫌ですか。愛している女性にだけ優しくしたいという我が儘を言ってはダメですか」
裏金銀治郎は、胡蝶しのぶを抱きしめながら囁いた。お互いの心臓の音がハッキリと聞こえるほど強く抱きしめる。
「銀治郎さん……女たらしって言われたことありません?」
「しのぶさんにしか、言われたことありませんよ」
裏金銀治郎を振りほどき、真っ赤な顔で雨の中を走って行った。雨の中、後を追う二人は、仲の良い恋人そのものである。
………
……
…
蝶屋敷まで胡蝶しのぶを送り届けた裏金銀治郎は、雨が止まぬ中、早々に私邸まで帰ろうとする。そんな彼の服を顔を赤らめながら掴む胡蝶しのぶ。
「そのままじゃ、風邪を引いちゃいます」
「いえ、だから早く帰ってお風呂に入ろうかと」
胡蝶しのぶが、裏金銀治郎の背中に"の"の字を書き続ける。裏金銀治郎も鈍い男ではない。だから、言わんとすることは分かっていた。
「カナヲは、仕事で明日まで帰りません。ひなき様は、ご実家にお泊まりです。今日は誰もいません」
するりと恋人繋ぎし、胸を押しつける胡蝶しのぶ。
"今日は誰もいません"という誘い文句は、襲ってくださいと同意義だ。男の急所ばかり狙う蟲の呼吸の使い手――その"誘い受け"スタイルに勝てる男はいない。
胡蝶しのぶは、悪い魔女だ。
そんな、魔法の言葉を使いこなすとは、本当に大正時代の女性かと、裏金銀治郎は疑いを持ち始めた。平成とか令和の世から来た裏金銀治郎抹殺用のターミネーターだと言われても納得してしまう。もし、未来から鬼舞辻無惨が送り込んだ存在なら、今すぐにでも鬼側に馳せ参じるだろう。
「お、お風呂を借りるだけですからね」
「そういって、いつもオオカミさんになっちゃう子は誰でしたっけ?」
どう考えても胡蝶しのぶが悪い。裏金銀治郎に一切の罪はないと誰もが思う。だが、一言だけ言わせて貰おう……モゲロ!!
裏金銀治郎と胡蝶しのぶは、二人で浴室へと向かう。
………
……
…
脱衣所からここまでの間、既に制御不能になっていた柱(意味深)を覗き見て、彼女は文句を言う。
「銀治郎さん、日頃のお礼を兼ねて背中を流して上げているのに~。エッチなのは、イケないと思います」
今目の前にある鏡を見てから、その台詞を言うべきであった。
「あの、しのぶさん背中にね~、柔らかいモノが当たっています。言っておきますが、男性100人に聞いても絶対私は悪くないと言うと思います」
子供がいる家の風呂場で、ハッスルするのは世間体が悪いと必死に堪え忍んだ裏金銀治郎。
「知ってますか、銀治郎さん。わざと当てているんです」
耳を軽く噛みつつ、そんなことを呟く悪女……"誘い受け"が裏金銀治郎に突き刺さる。
そのまま、風呂場や寝室で何試合も柱稽古をする男女が居た。まだ、他の柱達が稽古すら始めていないのに、率先して行う者は鬼滅隊隊士の鑑である。
翌朝、帰ってきた継子のカナヲは、『昨晩は、お楽しみでしたね』とお決まりの台詞で二人にトドメを刺した。カナヲは、仕事が早く終わり夜の内に帰ってきたのだが、空気を読んで、師範の稽古の姿を覗いていた。カナヲの視力は、伊達ではない。
◆◆◆
裏金銀治郎の執務室を訪れた胡蝶しのぶ。そこには、完全武装で出かける直前の彼がいた。実に珍しい事であった。裏方の男が完全武装で出かけるなど。
「銀治郎さん、お出かけですか?折角、カステラを持ってきたのに」
「年休です。ちょっと、神保町周辺で鬼が出たらしいので掃除してきます」
この時、胡蝶しのぶが出かける裏金銀治郎を止める。神保町には、裏金銀治郎の実家がある場所だ。そして、胡蝶カナエがお持ち帰りされた現場でもある。
「実は、私も年休になりました……(チラ」
「一緒に行きますか?」
勿論と、喜ぶ胡蝶しのぶ。
この時、神保町で人を食った鬼は絶望しただろう。これから訪れる隊士を相手に生き残れる可能性が0になる。上弦でも無い鬼にメタ装備の裏金銀治郎と胡蝶しのぶである。
………
……
…
その夜、鬼退治の後に裏金銀治郎は、胡蝶しのぶに食事に行きたいなと催促される。銀治郎は、すぐに銀座の良い店を予約しようとした。
「居酒屋です。銀治郎さん……」
ツンツンと胸元を突いて、訴える胡蝶しのぶ。洋服を着た彼女の服装は、劣情を呼び起こす。甘い香水の匂いが、それに拍車を掛ける。
「しかし、夜の居酒屋は柄が悪い連中が多いです。しのぶさんの姿を見て、襲ってくる輩がいるかもしれません」
「でも、守ってくれるんですよね」
勿論ですと、胡蝶しのぶと手を繋ぎ夜の町を案内した。その道は、元・炎柱が胡蝶カナエを連れ回したルートを辿った。その道すがら、デパートで下着選びを手伝わされる裏金銀治郎。
男性が女性の下着売り場で待たされるなど拷問にも等しかった。
大事な事だが――裏金銀治郎の実家が近くにあるのだ。当然、顔を知る知り合いも要るに決まっている。裏金銀治郎は、良い意味で目立っていた。背丈が高く、容姿も良い……更に、金を持っている雰囲気も漂っており、女性から見れば美味しいお菓子にみえる。
ヒソヒソと聞こえる裏金書房のお子さんじゃなかったかしらと。某喫茶店では男との関係を噂され、某デパートでは女性下着売り場を彷徨く変態と噂される。社会的に抹殺されかけていた。
「銀治郎さん、見たいですか?」
「あの~ですね。しのぶさん、店員さんがコチラをずーーーと見ているんですよ。後で、好きな物を買ってあげますから、早く買い物を終わらせてください」
裏金銀治郎、店の店員が黒い下着……大事な所に穴がある不思議なショーツを片手に筆談してきた。『こっそり、入れ替えておきますか』と。有能な店員だと思いチップをはずむ裏金銀治郎。
胡蝶しのぶ――そんな下着を継子に見つかる不手際をやらかす日は遠くなかった。
そして、洋服やバッグなど年相応の買い物を楽しむ胡蝶しのぶ。世間的には、これをデートと呼ぶ。未来ならば、援助交際で逮捕まっしぐらな年齢差だが、この時代で助かった裏金銀治郎だ。
そのデートの最後の締めくくりが、胡蝶カナエが酔いつぶされたお店だ。元・炎柱が利用しただけあって居酒屋といえども、そこそこマトモであった。酒に強くない彼女が、無茶な飲み方をするのを優しく見守る裏金銀治郎。
「しのぶさん、飲み過ぎると後が大変ですよ」
「知ってます!! 今日くらいは、いいんです。折角ですから、銀治郎さんの事を少し教えてください。ここなら、誰も聞いていませんから、いいでしょう」
酒の酔いが回ってきたのか、胡蝶しのぶが裏金銀治郎にすり寄る。そして、手を重ねる。お酒のせいか、その手は温かく柔らかかった。そして、『熱いですね~』といい、胸元をパサパサと開いて閉じる。
目のやり場に困るその仕草。汗ばんだ彼女は不思議と良い匂いがした。女性とは実に不思議である――汗の匂いすら香水のように甘いのだから。
裏金銀治郎の理性が揺らぐ。
「私の話ですか? 聞いても面白い事はありませんが、何が知りたいですか?」
「何でもいいです。銀治郎さんは、私の事をよく知っていますが、私が銀治郎さんを知らないのは不公平です」
頬を膨らます彼女が愛らしく、思わず頭を撫でてしまう裏金銀治郎。その行動に、子供じゃありませんという彼女はどこか満足げであった。
「分かりました。絶対に内緒ですよ。私は、鬼滅隊に入る際、藤襲山の最終選抜をやっておりません。言わば、裏口入学です。ですから、冨岡義勇さんが、『俺は、お前達みたいに鬼を倒して最終選抜を生き残っていない。同期に助けられ気絶している間に試験が終わり採用された。他の柱と並ぶには相応しくない人間だ』と悩んでいるのが不思議でなりません」
「またまた、色々とツッコミどころ満載な発言をしますね。冨岡さんのあの言葉にそんな裏があったんですか……それよりも!! 最終選抜をやっていないってどういうことですか!!」
胡蝶しのぶが酒の入ったグラスを空にしつつ、更に距離を詰めてきた。
「私は、町でお館様にスカウトされた口です。なんか、ティンと来たとか言われましてね。幸い、私は産屋敷一族が鬼退治する組織のトップだと知っていたので喜んでと採用されましたよ。鬼が居る世の中で呼吸法を学べるチャンスが向こうから飛び込んできたんです。なので、私は採用されてから鳴柱の元で指導を受けたという訳です」
「おかしいでしょう!! それだったら、呼吸法を学んだ後に最終選抜を受けるのが筋じゃないんですか!!」
お酒をじゃんじゃん飲む胡蝶しのぶ。絡みの度合いが上がってくる。裏金銀治郎の足に手を置いてスリスリとイヤらしい手つきを見せる。こんな人の多い場所で誘っているのかと思ってしまう程だ。
「だって、私の採用枠は裏方ですからね……裏方でも自衛できる力が欲しいと言ったら、鳴柱を紹介してくれたんですよ。そうしたら、思わぬ才能があったようで、鬼で自らの成長度合いを試すうちに下弦を倒して柱に昇格したんです」
「はぁ~、銀治郎さんらしいというか。鬼を自分の成長を図る物差しにするとか初めて聞きました」
だが、実はそのような事をしている隊士は多い。金の為に、鬼を狩る隊士は何人喰った鬼までなら倒せるなどをよく調査して、安全マージンの範囲で鬼狩りをしている。
………
……
…
それから、胡蝶しのぶは酔いつぶれるまで飲み続けた。
裏金銀治郎に背負われて、夜の町を歩く。背中で気持ち悪いと飲み過ぎを後悔する胡蝶しのぶ。しかし、今がチャンスだと両手でしっかりと抱きついた。
「銀治郎さん、えい!! ――どうですか? 可愛い女の子から抱きつかれて役得ですか?」
「えぇ、世界一可愛い女性から抱きつかれたのですから役得です」
可愛らしいと裏金銀治郎は思った。
「お酒くさいですか?」
「えぇ、飲み過ぎですよ。全く」
胡蝶しのぶは、裏金銀治郎の記憶の上塗りを実行していた。姉である胡蝶カナエではなく、自分を見て欲しいという可愛らしい嫉妬。そんな微笑ましい行動の彼女がいて最高だと裏金銀治郎は誰かに自慢したいほどだ。
元・炎柱を殴ったHOTEL前で胡蝶しのぶが一歩を踏み出した
「じゃあ――最後に、女らしい体つきか確かめてください」
裏金銀治郎は、既に女らしい体つきである事は知っている。何度、裸で柱稽古をしたか数え切れない。
背中から降りた胡蝶しのぶは、妖艶な色気を放っていた。その桜色の唇が触れる。小声で、魔法の言葉を放つ。
「何でもしてあげます」
裏金銀治郎の理性は、ここまでしか持たなかった。
これからも、ちょこちょこ、しのぶさんネタを挟んで行こうと思います!!
さて、柱稽古編にはいりますか。
だいぶ原作に近くなってきたぞ……早く新刊でないとネタが詰まるorz