鬼滅の金庫番   作:新グロモント

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いつもありがとうございます!!
感想が面白くて悔しい><

緊急柱合会議(淫)のおかげで、日中に日間ランキング2位まで浮上した!!

ありがとうございます^-^

みんなどれだけ、エッチな話がすきなんですか。
まぁ、作者は大好きですが。







41:ホウ酸団子

 柱稽古――それは、階級が柱未満の者達が順に柱が出す課題をクリアして回るという訓練だ。本来、柱は多忙である為、このような訓練は行わない。つまり、継子と同じような訓練を課せられる。

 

 普通の隊士にしてみれば、雲の上にいるような人達から直接指導を受けられる滅多に無い機会となる。柱達としては、隊士達との訓練で"痣"に目覚める可能性もある。隊士と柱の双方に得がある一石二鳥の考えであった。

 

 太陽を克服した鬼――竈門禰豆子の存在のお陰で、鬼達がなりを潜めた。だからこそ、実現できた訓練だ。日頃の鬼退治がなくなるのだから、訓練に力を注げるという事だ。

 

「"柱稽古"については、理解します。でも、今年度の予算で、この金額を出せと言われても困ります、産屋敷輝利哉君。この業務に携わり、多少なりとも理解したはずです。柱達がやると言い出したのだから、お金の準備から手配までを彼等にやらせなさい」

 

 大事な事だが、全国各地にいる隊士を一点に呼び集めて訓練を施す。それには、莫大な金が掛かる。仕事で訓練するのだから、宿代と食事代と出張代。他にも過酷な訓練だからこそ薬や医者も手配が必要だ。

 

 裏金銀治郎は困っていた。

 

 "柱稽古"をやると決めたからには、既に計画から予算まで全て終わっていると思っていたのだ。それが、始めるから全部の準備を丸投げされては、笑えない。

 

「分かっています、裏金さん。ですが、この金額なら今の鬼滅隊で出せます。隊士達の招集は私達が担当しますので、認可をください」

 

「隊士の訓練でこれだけの費用をね~……いいでしょう。条件付きで認可します」

 

 鬼を倒した後、一斉リストラしたら暴動が起きるのである程度の貯蓄は必要であった。徐々に使えない隊士を放逐するにも年単位かかる。その為に、貯めておいたのだが、次期当主が今使うべきだというのだから、従う裏金銀治郎。

 

 産屋敷輝利哉は、彼に条件を伺った。

 

「条件とはなんですか、裏金さん」

 

「滞在中の隊士に出す食事は、特別メニューにします。鬼を倒す為の柱稽古なのですから、目的達成の手伝いをするのは元・柱としても当たり前です」

 

「一応、お伺いします。そのメニューは、例の鬼肉ですか?」

 

「いいえ。現状、それより効率が良い方法です。藤の毒を体内に蓄積してもらいます。最終決戦に向けて、鬼側も総力を挙げて来るでしょう。つまり、死んだ隊士は鬼に喰われる事を前提に作戦を立てるべきです」

 

 死んでも死体を活用する二段構えの構えで挑む最終決戦。

 

 そんな素晴らしいアイディアに心を打たれる産屋敷輝利哉。だが、"目は口ほどに物を言う"という諺がある。裏金銀治郎という存在が、子供の目には、どのように映ったのだろうか。そして、その眼差しで勘の鋭い大人が何を読み取るか理解できているのだろうか。

 

「裏金さん、貴方に人の心はあるのですか? 隊士の命を何だと思っているのですか」

 

「これから隊士を死地に向かわせる次代当主とは思えない言葉です。隊士の命ですか……鬼の命の重さと変わりはありませんね。命の価値に差などあってはいけません」

 

 聖人である裏金銀治郎は、命の重さを子供に説いた。

 

「……わかりました。その条件で認可をお願いします」

 

「産屋敷輝利哉君。君は有能だよ。組織のトップに立つ以上、効率的になる必要がある。私は、君が考えている事を理解した上で指摘しているに過ぎない。だが、君も分かっているはずだ――私の意見が鬼を殺す上で最善であると」

 

 最後にフォローを忘れない裏金銀治郎。鬼舞辻無惨という存在がいる限り、まだ潰れて貰っては困る鬼滅隊。産屋敷輝利哉の利用価値があるうちは、持ちつ持たれつの関係が望ましいと考える裏金銀治郎である。

 

………

……

 

 蝶屋敷にて、裏金銀治郎は柱稽古で出すメニューを胡蝶しのぶの力を借りる事にしていた。元々、彼女が発案し実行しようとしていた計画であったが、裏金銀治郎が止めたのだ。それに、鬼肉を食い過ぎた彼女は、既に藤の毒を体内に溜められる体ではない。

 

「鬼側との最終決戦までおよそ三ヶ月です。その間、体調を崩さない限界の範囲で体内に毒を蓄積させます。しのぶさん、手伝っていただけますよね?」

 

「今の話の経緯を聞いて、どうして手伝って貰えると思ったんですか。普通に訓練すれば、いいじゃないですか。隊士の質ですが、良いと思いますよ。一部隊士は、少し前の炭治郎君くらいの実力はあるんじゃないかしら」

 

「しかし、鬼舞辻無惨が潜む無限城には、下弦級にまで強化された鬼が無数にいます。それに対抗する為にも、第二第三の手は持っておくべきです」

 

 胡蝶しのぶの目線が何時もの如く突き刺さる。

 

 鬼舞辻無惨の潜伏先情報など初耳であったからだ。それに、鬼が急にいなくなった原因までしれっと公開するあたり、『この男はぁぁぁぁぁ!!』と、いいながら足をフミフミする動作は可愛いと裏金銀治郎は思っていた。

 

 これが見たい為に、情報を小出ししている気配すらある。

 

「――わかりました。当初計画していた専用は難しいですが、汎用的な物なら比較的簡単に用意できます。食事より、錠剤タイプにして服用させましょう」

 

「もう少し渋ると思いましたが、ありがとうございます。やはり、理解ある人は好きです」

 

 飯に混ぜるより、柱訓練が過酷であるから疲労軽減のための薬と言った方が効果的である。それに、胡蝶しのぶが作った薬なら安全性は高いと隊士も疑う事もない。彼女の思考もだんだんと染まってきていた。

 

「どうせ、私が協力しなくても実行できる準備はしていたんでしょう?」

 

「効率は落ちますが、色々と方法はあります。では、しのぶさんがやる気を出すためにいい事を教えてあげます。次に、童磨と会うタイミングが決まりました。世間を騒がした宗教団体にも警察の手が入るように手配も終わっております。潮時です」

 

 万世極楽教という日本国民を不幸のどん底に陥れた悪しき宗教団体。

 

 そのコンサルを行い資産管理を手始めに経営の全てを抑えた。よって、無限城を待たずにこの場で討ち滅ぼす事が最善だと裏金銀治郎は考えた。今こそ、万全な準備で挑める絶好の機会であった。

 

「それは、素敵なお知らせです。銀治郎さん、今日の晩ご飯はウナギとスッポンの生き血です。だから、夜まではコレで我慢してください」

 

 胡蝶しのぶの唇が触れる。そして、裏金銀治郎を部屋に一人残して立ち去って行った。

 

◆◆◆

 

 "柱稽古"に強くなれると喜ぶ者と嫌々参加する者達に二分した。

 

 ノウノウと鬼を殺してお金が貯まったらドロップアウトを検討していた後者のグループである。そこで、何とかならないかと何故か裏金銀治郎の元に相談がきたのだ。

 

 元とはいえ、柱なのだから稽古すべきと理論で責められた裏金銀治郎。だったら、元・水柱とか元・炎柱とかはどうなのだと言い返したかったが、堪えるのが大人である。

 

 そんな依頼がどこから来たかというと産屋敷あまねであった。お館様代理として、皆を鼓舞するのにカリスマ性が足りていなかった。それに、柱と一部の者を除けば、産屋敷あまねって誰?というレベルの知名度である。

 

「都合の良いときだけ、お願いに来るのですね。予算を認可しただけでも満足して頂きたかったが……お館様の顔を潰すわけにもいきませんから、承知致しました。方法は、任せて頂きますよ」

 

「お願い致します」

 

 頭を下げる産屋敷あまね。もはや、産屋敷あまねという存在は、裏金銀治郎の中では、そのあたりに転がっている石ころ程に興味がない存在であった。

 

………

……

 

 裏金銀治郎の私邸が、柱稽古のスタート地点だ。

 

 集まった隊士達は、これから始まる地獄にモチベーションは最低であった。だが、それも直ぐに終わる。裏金銀治郎が手招きすると、我妻善逸の嫁である淫魔三人衆が一同に並んだのだ。

 

 一部隊士が、前屈みになる。

 

「"柱稽古"に集まった隊士の諸君。資産運用担当の裏金銀治郎だ。君達が気持ちよく訓練に望めるように、縁談の話を用意している。ご存じの通り、我妻善逸の嫁であるシルヴィ、月村すずか、鹿島の三人は私が彼に宛がった。今回は、縁談の話を10席用意している。全柱の稽古を突破した者達から、縁談の話を選ばせよう。勿論、縁談より金が欲しい者については、金5万を渡そう」

 

 裏金銀治郎の言葉に、集まった隊士達が奮起した。

 

「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉーーー!! 金柱様、すげーーーー」」」」」」」」」」

 

 男達の叫びは、空気を揺らす。そして、全身から水や火、雷など漏れ出す隊士達が幾人もいた。実力を隠してノウノウと鬼狩りをしていた連中にも火が付いた。

 

「神!! 質問よろしいでしょうか?」

 

「なにかね、善逸君」

 

「俺が通過した場合でも、縁談の話はあるのでしょうか?」

 

「当たり前です。あぁ、それと……隊士同士で訓練と称してつぶし合うのはありですよ。ただし、殺しはダメです」

 

 善逸ブッコロし隊の連中……男性隊士で構成された隠密部隊が動き始めた。

 

 それも当然だ。三人もあのレベルの淫魔を抱えているのに四人目を欲しがるなど、万死に値する行為だ。今この瞬間、鬼舞辻無惨より恨みを買う男が誕生した。鬼滅隊の隊士でなければ闇討ちされて、死ぬレベルであった。

 

「他に質問はありますか?」

 

「はい!! 師範の柱(意味深)稽古は、風柱様の後でしょうか?」

 

 胡蝶しのぶの柱稽古は、残念ながら予定されていない。その時間で、仇をコロコロしに行く予定だからだ。

 

 だが、そんな行動は誰も知らない。女性隊士達が、ものすごく聞き耳を立てている。胡蝶しのぶの"誘い受け"講習を受ければ、その日のうちに結婚が可能とすら噂されるレベルとなっていた。

 

 彼女達は、意中の男性を堕とす術を求めているのだ。結婚したい男性隊士のランカーである裏金銀治郎を堕とした手腕の指導を求めていた。

 

 男も女も欲望に素直である。欲望こそ、人が生きる動力源であるのがよく分かる構図であった。

 

「栗花落カナヲさん、残念ながら蟲柱の柱稽古は予定されていません。最後の戦いに向けて、色々忙しいので理解してあげてください」

 

 生暖かい視線と憎しみの視線が裏金銀治郎に届く。

 

 最後の戦いに向けて、二人だけの時間を楽しむ男女に思われたのだ。女性は、暖かく見守り、男性からはぶちころしてやるという思いがよく伝わる。

 

「では、質問も出尽くしたようなので最後に一言を言っておく。第二の我妻善逸になれる最初で最後のチャンスだ。勝ち取って見せろ」

 

 裏金銀治郎の有り難い言葉が終わると、会場は戦場へと早変わりした。誰よりも早く駆け抜ける!! 前を走る者を半殺しにしてでも勝ち抜いてやるという、素晴らしいやる気を見せる隊士達。

 

「我妻善逸!! 天誅!!」

 

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 12連!!」

 

 3人の嫁達が見守るこの場で、無様な姿を見せられない我妻善逸。襲ってくる暴徒の意識を一瞬で狩り落とす。だが、何名かが呼吸で相殺する。その一人が、我らが主人公竈門炭治郎であった。

 




無限城の中をカサカサ動く黒い服の集団を使って下弦級を一掃できる。
胡蝶しのぶが原作でとった作戦は、隊士全員でやるべきですよね。
もちろん、しのぶさん以外でな!!

上手くいけば、鬼柱様にもダメージいける!!

1話2話挟んで、しのぶさんとの約束を果たしに行きます。
挟む話は以下のいずれかか両方の予定です。
 我妻善逸ブッコロし隊
 元・炎柱のお宅に突撃晩ご飯

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