鬼滅の金庫番   作:新グロモント

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もう、ネタ投稿もしないと思っていましたが…劇場版をみて書きたくなった。

煉獄さーーん。
生きてくれと思い……ネタ投稿。

PS:
作者、死に体で執筆が全く出来ていません。
ごめんなさい。


外伝:裏金カナエ~afterstory~ 1

 裏金カナエ……唯一無二の存在である。彼女こそ、この世界における生粋の鬼。裏金銀治郎や裏金しのぶの様な後天的な鬼ではない。産まれながらにして鬼である。その潜在能力は、二人を凌駕する。

 

 だが、そんな力を持ちつつも歪まず真っ直ぐに育ったのは、両親の存在が大きい。生まれを祝福され、周囲からも愛情も受け、真っ当に育っていた。だが、そんな彼女にも一つだけ不満があった。それは、愛した男性が母親と同じであった事だ。もっとも、前世で現母親とは姉妹である為、言い換えれば、男の趣味が同じであったとも言える。

 

 業が深い。

 

「カナエの物は、カナエの物。ママの物もカナエの物……つまり、パパも。ようするに、パパをカナエが貰っても問題ないし、道徳に反しないと思います」

 

「まって、カナエ。そのどこが道徳に反しないのか、ママは理解できません。それに、パパは過去も未来も私の物です。ママは絶対に許しません」

 

「減る物じゃないし、いいじゃない!! ママのケチ。天井の染みを数えている間に終わらすから」

 

 母親の膝の上でとんでもない議論をする親子。その様子を微笑ましいと眺める裏金銀治郎であった。裏金銀治郎にとって、娘の戯言と片付けていた。よくある、『将来はパパのお嫁さんになるの』という定型文の今年度版みたいな物だと解釈している。

 

「ママを困らせてはいけません、カナエ。それに、しのぶさんも子供の言う事に本気で反応しては駄目ですよ」

 

「銀治郎さんは、分かっていないんです!! 娘であっても女です。それに、私の娘であり、姉でもあったんですよ。私には分かります、ここで軽口を言うと碌でもない事になるって」

 

 胡蝶の性をもった女性……それに加えて、娘は胡蝶しのぶの姉でもあった。つまり、性に関して迂闊な発言は死を招く可能性もあった。

 

「じゃあ、しのぶ(・・・)の許可があればいいんだよね?」

 

「えぇ、そんな許可だしませんけど」

 

 これが全ての失敗だったと、後で誰かが後悔する。

 

………

……

 

 その翌日、裏金カナエは、行方をくらませた。GPSは勿論、裏金銀治郎の血鬼術を以てしても探索不能であった。

 

□□□

 

 裏金カナエには、計画があった。その一段階が、母親である裏金しのぶとの約束の取り付けである。これで、約束を反故する事が不可能となった。例え、裏金銀治郎の血界を以てしても解除できない。

 

 裏金カナエが持つ第一の血鬼術――"ギアス"。言霊に力を持たせて、相手にそれを履行させる。勿論、裏金しのぶ程の力を持つ存在への強制力は低い。だが、それが気を許している実の娘で、約束という事ならば反故不能な強制力を持たせる事ができる。

 

「大正時代だと、洋服は目立つかしら。刀は、パパのコレクションのこれでいいかな。最悪、売ればお金には困らないわね」

 

 裏金カナエが裏金銀治郎が長年掛けて集めた名刀(平野藤四郎)を黙って拝借していた。子供が故に刀身の長さを考えれば、妥当な選択だ。数少ない趣味の刀剣コレクションから、希少な一本が失われれば、裏金銀治郎も怒るだろう。罰として尻叩き100回はかたい……それを知った、裏金しのぶが何故か刀剣を紛失する事故を起こす未来があるとかないとか。

 

 血鬼術は、その者の人生経験によって左右される。輪廻転生を経験し、大正時代と現代を生きた彼女に目覚めた血鬼術は、まさに生き様に相応しい物だ。現代の影響を過敏に受けて、彼女の第二の血鬼術――"シュタインズ・ゲート"。

 

「悪いわね、しのぶ。今の貴方から許可が貰えなくても、別に些細な問題なのよ。みんな、元気かしらね。今からでも楽しみだわ。――"シュタインズ・ゲート"発動!!」

 

 その瞬間、裏金カナエの姿が透けるように消えていった。

 

………

……

 

 同時に、大正時代の鬼()隊の本拠地である産屋敷邸に一人の幼女が突然出現する大惨事が発生した。素晴らしい事に、柱合会議の真っ最中に幼女出現という謎事象。だが、仕方が無い事でもあった。

 

 世界線を移動するに際、マーカーとなるのは母親である裏金しのぶ改め胡蝶しのぶ。彼女の近くに必然的に転移される。移動先の時代は大まかに選べるが、詳細までは彼女の力では、まだ選択できない。

 

「あら、ここは。どうやら、しっかり移動出来たみたいね」

 

 当然、柱が集まるこの場所。鬼の気配を感知する事にかけては、随一の連中。歴代最高の柱達は、突然現れた子供の存在に気がつき注目する。

 

「なんだぁ?ガキ…てめーも、鬼か?」

 

「だが、派手に太陽が照らしている。鬼にしちゃ……少し変だぜ」

 

 風柱と音柱が裏金カナエを警戒する。当然、他の柱も臨戦態勢だ。だが、そんな様子を気にもとめない裏金カナエ。そして、裏金銀治郎同様に愉悦大好きな彼女は、この場で更なる爆弾発言をする。

 

「……ママ!! 」

 

 一切の悪意や害意を出さすに、純粋な親を慕う感情を前面に出して母親である胡蝶しのぶに駆け寄る。そして抱きつくという偉業を達成する。

 

「え!? ちょっと、理解が追いつかないんですけど、何ですかママって!? なんで、皆さん私から距離を取るんですか!!」

 

「えぇ~、だって、しのぶちゃん。鬼と人も仲よくすればいいのにとか、言っていますから…。あり得るかなと。それに、どことなく、しのぶちゃんに似てません?」

 

 幼女の鬼に、ママと呼ばれ抱きつかれる胡蝶しのぶ。その突拍子もない事に意表を突かれたが、柱が集うこの場所で誰に止められること無く、胡蝶しのぶに抱きつくまで接近を許した。

 

 それだけで、好戦的な柱からは脅威と見るに十分であった。

 

「はぁ!? 似ているわけな……うーーーん、鬼のお嬢ちゃん名前は?というか、本当に鬼ですか、貴方は?」

 

 一瞬、姉の面影を見てしまった為、胡蝶しのぶは鬼に対しての警戒心が一段階下がっていた。だが、彼女も目の前の幼女が鬼であると本能で理解していた為、いろんな感情が入り交じっている。

 

 そんな混乱を極める場を納められる数少ない人物…… 産屋敷耀哉が動いた。

 

「皆の者、落ち着きなさい。どうやら、禰豆子以上に特異な存在なのだろう。すまないが、名前を教えて貰えないかな、幼き子鬼よ」

 

「裏金カナエだよ」

 

 カナエ……その名前を聞いた者達は、ある種の嫌な予感が走った。故人となった花柱・胡蝶カナエ。鬼側が何かしらの手段で彼女を蘇生させて尖兵にしたのではないかという事だ。

 

 決して不可能だとは言えなかった。血鬼術という超常現象がある為、可能性の一つではあった。

 

「嘘ではないようだね。では、どうやってここに来たんだい。ここは、鬼殺隊の拠点だ。簡単に鬼が入って来られる場所では無いはずだが……」

 

「ママが居る場所じゃないと、転移できないから必然的にここになっただけかな」

 

「なるほど。では、ママというのは誰のことかな?」

 

  産屋敷耀哉と裏金カナエのやり取りを誰もが見守った。鬼に関する情報が手に入るチャンスであった。幸いな事にこの場には全ての柱が揃っており、鬼を討伐するのは情報を手に入れてからでも遅くは無いと誰もが思っていた。

 

「ママはね、鬼()隊の蟲柱をしている胡蝶しのぶ。その人だよ!!」

 

「鬼滅隊? 鬼殺隊の間違いじゃ無くて?」

 

 似て非なる組織名に裏金カナエは考えを巡らせた。そして、現代知識がある彼女は、状況を整理するために質問をする事にした。

 

「なるほど~、私からも質問していいかしら? 鬼の首魁は、鬼舞辻無惨で合っている?」

 

「その通りだよ」

 

「次に、花柱・胡蝶カナエって居ました?後、裏金銀治郎という名に聞き覚えは?」

 

「前者は、数年前に鬼の手によって亡くなった柱だね。後者は、聞いたことがない」

 

 現状を正しく把握できた裏金カナエ。それに引き替え、鬼殺隊の者達は子鬼が更に謎の存在へとなった。鬼は、鬼舞辻無惨の名前を口にしただけで死ぬ呪いを掛けられているのは周知の事実。それなのに、平然とその名を口にしていたのだ。

 

「裏金カナエと言ったかい。君は何者で、何が目的なんだい?」

 

 その回答に裏金カナエは、迷った。嘘を言っても見通せるだろう第六感を持つ産屋敷耀哉。それに彼は、胡蝶姉妹の恩人でもある。例え、世界線が異なっていても恩人に対して、不義理は宜しくない。

 

「えーーと、信じられないかもしれませんが、聞いてくれますか?」

 

「あの~、その前に離して貰えませんか?なんで、私に抱きついたままなんですか?」

 

 鬼に対する嫌悪感はあるが、なぜか姉の面影がある幼女に対して拒絶できない胡蝶しのぶ。無邪気を通り越して天邪鬼である裏金カナエを無碍に扱う事ができなかった。

 

「細かい事は気にしないでママ。父親は裏金銀治郎、母親は胡蝶しのぶ。私は、その二人の間に産まれた子供よ。産まれたのは、今から数十年以上先だけどね。それと、胡蝶カナエの生まれ変わりでもあったりします。懐かしい面々に会えて嬉しい限りだわ」

 

 真実しか口にしていないが、爆弾発言どころではなかった。

 

 未来人発言をしたと思ったら、胡蝶しのぶの娘で、胡蝶カナエの生まれ変わりなどと言うのだ。そんなの誰が信じられるだろうか。正直、不可能であった。万が一、この世界線にも裏金銀治郎がいたならば、有効活用しただろう。

 

 この世界線では到底無理な話だ。

 

「ふ、巫山戯ないで!! そんな話、信じられるはずないでしょ。ぶち殺しますよ」

 

 胡蝶しのぶが日輪刀に手を掛けた。

 

「待ちなさい、しのぶ。彼女は、嘘は一つも言っていないよ。これは、チャンスだ。この子供が本当に未来から来た存在だというなら、鬼舞辻無惨をどうにか出来るかもしれない。未来の世界では、鬼舞辻無惨はどうなっているんだい」

 

「パパとママが殺したわよ、そんな鬼。ついでに、私の仇であった上弦の弐もね。未来の世界は、鬼はパパとママ。そして、私しか居ないから安心して」

 

 無惨を殺した鬼が普通に居るという時点で、なにが安心なのだと柱達は思った。

 

「わかった、この件は私の方で預かろう。裏金カナエは……いったん、しのぶ預かりとする。子供を母親から引き離す程、私は外道じゃないからね」

 

「さっすが、お館様!! 話が分かる方だわ。あぁ、それと、私の目的を伝えていませんでしたね。実は、パパと<<放送禁止用語>>したいんだけど、ママが許可してくれなくて。しのぶの許可を取りにここまで来たのよ。もし許可をくれるなら、鬼舞辻無惨の退治を手伝ってもいいわ」

 

 その爆弾発言に、裏金カナエの怪しさが爆増した。その傍らで、胡蝶しのぶが顔に青筋を沢山立てている。真実はあれど、子供にどんな教育をしたらこんな風に育つのかと。親の顔を見てみたいとすら思った。

 

 きっと、この場に裏金銀治郎が居たのならば、言っただろう……今日も綺麗ですよと。




次回、蝶屋敷でママと過ごす娘をお送りしたい。

投稿予定は未定です!!



JKを謳歌している しのぶさんが文化祭で胡蝶しのぶのコスプレをする事になり、それを見に行く話も考えていました。コスプレになっていないじゃんと、娘と一緒に愉悦しに行くとかね。
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