これから視聴する予定ですが、当初の予定通り少しずつ外伝をやろうかなと^-^
今更、テコ入れ回といわれる過去編です。
完結後にだらだらと投稿で申し訳ありません。
大正時代…世間では、まだクリスマスという風習が浸透していなかった。だが、
著者胡蝶しのぶの『正しい華の呼吸全集書』でもクリスマスの夜を"性の4時間"などと表現しており、他国の風習を誤認識させ聖人を性人へと貶めた逸話を残した。更には、改変された文化を、『正しい華の呼吸全集書』翻訳版に載せて各国に出荷しているあたりタチが悪い。
そんなクリスマスの日。雪が舞うホワイトクリスマスを真っ赤に染め上げる男がいた。雪が積もる中、真っ赤に染まりつつある服。腹部を押さえているが漏れ出す血液は止まらない。止血の呼吸を使っていても損傷が大きく、気休め程度にしかなっていなかった。
彼は、繁華街を苦しい顔をして進み続けた。立ち止まるわけにはいかない。彼は、一人の女性を背負った状態でこの雪の中を血を流し歩き続ける。周りの者達からは、何かのイベントかと思われたが、とてもそんな様子ではなかった。
背負われている女性は、服装の乱れこそないが倒れたようなかすり傷が顔に残っていた。
「もう、大丈夫だ。この先から神の匂いが…あぁ、神様。私達を救ってください」
気絶した女性を背負い、血まみれで繁華街を歩く男性。しかも、道中では、神がどうとか口走る。クリスマスという時期と相まって、敬虔なクリスチャンに見えなくもない。背負っている者と血まみれの風貌を除けば。
だが、神に救いを求める敬虔なクリスチャンに誰も声は掛けない。正確に言えば、かけられなかったと言うべきだ。彼の周りに居る者達は何故か震えが止まらなかった。寒いわけでは無いが、何故か震える。何が原因かは分からないが、一つだけ周りの一般人にも分かっている事がある。
あの男女に関われば、碌な事にならないと。
その震えを引き起こした元凶が、彼等男女に迫る。クリスマス用にあつらえたと思われるブランド物の真っ白なコートは血塗られており、片手には凶器と思われる日本刀。その日本刀からは血がしたたり落ちており、人を刺してきましたと言わんばかりだ。
「何処に行くんですか。答えて下さい炭治郎さん。そんなにアオイがいいんですか?私と子供を愛しているって言ってましたよね。あの言葉は嘘だったんですか。ねぇ。教えて下さい」
どこぞのジゴロが感情に素直になれとコイントスをしたせいで、本当に素直になった淫柱の継子にして戸籍上の娘……竈門カナヲ。彼女が、この血塗られたクリスマスを引き起こした張本人だ。
「ち、違うんだカナヲ。話せば分かる。なぁ、俺達夫婦だろう」
「えぇ。でも、なんでクリスマスの夜に妻である私とダブルデートなんてしているんですか?」
痴情のもつれ。繁華街で起きた血なまぐさい事件の原因であった。痴情のもつれの結果重傷を負わされた旦那の竈門炭治郎。そして、気絶しているシーフこと神崎アオイ。実際、この状況で本当に気絶しているかすら怪しい卑しい女だ。
控えめに言っても美人の妻。控えめに言っても美人の浮気相手。クリスマスだというのに、恋人すらおらず恋人達の"性の4時間"を支える役目しかないような者達から、こんな状況であっても同情すらされなかった。
むしろ、ざまぁ見ろと思われる。
だが、周囲に見捨てられた彼にも友はいた。クリスマスの夜を夫婦揃って過ごすため、繁華街でプレゼント選びや食事を楽しみ、これから夜戦に向かう神の信徒――我妻善逸。
同じ神の信徒が苦しむ声が聞こえたので足を運んでみれば、予定調和が目の前に広がっていた。我妻善逸にしてみれば、来るときが来たんだなという程度の出来事。
「あれ?炭治郎じゃん。なぁ、俺の言ったアドバイスが役に立ったでしょう」
「この状況を見て、何処が役に立ったんだよ。善逸!! お願いだ、少しの間でいい、カナヲを止めておいてくれ」
我妻善逸は、迫り来る竈門カナヲを確認した。
「えぇ~、役に立ってるって。だって、炭治郎が今死んでないじゃん。今のカナヲは、上弦の壱と一人でやり合っていい勝負出来るくらいの気迫があるよ。それなのに、生きてるって事は積み重ねたご機嫌取りが効いたんでしょ」
「じゃ、神をここに呼んできてくれ」
竈門炭治郎は、同胞の言う事を理解した。相手に殺す気があったのならば、既に死んでいた。ならば、まだ活路はあると。
「炭治郎は、俺に神のプライベートの時間を邪魔してこいと。それで、俺が神の不興を買ったらどうするの?死ぬの?馬鹿なの?炭治郎……自分で蒔いた種だ、自分で刈り取れ」
「だって、仕方ないだろう。気がついたら、子供が居たんだ。俺にどうしろって言うんだよ。お、俺が悪いってのか…?俺は…悪くねえぞ。こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇっ!!」
竈門炭治郎の言う事も一理あった。既に、出産するしか無い時期に差し迫ってから、事実を知った彼にしてみれば、今までよく頑張ってきた方だ。二重生活を何年もやり遂げたその胆力は素晴らしい。
「炭治郎さん、言いたいことは本当にそれだけですか。それだけなんですか。私や子供に対して何か言う事はないんですか? あぁ、我妻さん達はもう帰って下さい。これは夫婦間の問題です」
離れていく我妻一家。
僅かな希望の光が遠のいていく。竈門炭治郎は、こんなことなら、ダブルデートなど出来ないと断るべきだったと後悔した。
………
……
…
クリスマス数日前。
日本人の財布の紐が緩むクリスマス商戦。当然、アンブレラ・コーポレーションも忙しい時期だ。だが、賞与もあり社員達のやる気は十分。クリスマスとお正月と年末年始のイベント尽くしで今からウキウキしている者達も多い。
ウキウキどころか、文字通りイキイキしている女性もいた。
何処で知ったのか、ミニスカサンタコスを自前で用意してきた淫柱胡蝶しのぶ。一体、今を何時代だと思っているのだと裏金銀治郎は思った。産まれて間もない子供…裏金カナエが寝ている側で事を始めるのは宜しくないと我慢をみせた。
「いつも、貰ってばかりですので……少し早いですが、わ・た・しがプレゼントです」
と、耳元で淫靡な声で囁かれたらどうなるだろうか。
未来では、ホワイトデーの三倍返しという恐ろしい風習がある。この場合、クリスマス前にプレゼントを貰ったからには、当日には三倍返しをする必要がでてくる。一体、彼女は、"性の4時間"を何時間にするつもりなのだろうか。
「あの~ですね。どうして、そんなに私を刺しに来るんですか。いつもいつも……別に止めて欲しいわけじゃありません。寧ろ、大変喜ばしいと思っております。ちなみに、平成とか令和とか聞き覚えがある言葉だったりしますか」
「平成?令和? 知らない言葉です。どっかの企業名ですか?」
嘘だーーーと叫びたくなる衝動を我慢し、裏金銀治郎は胡蝶しのぶという花に美味しくいただかれる。
………
……
…
12時間後。ポリネシアン○ックスを極めてなければ負けていた裏金銀治郎。久しぶりに夜戦で勝利を収める事に成功した。そして、お互い暖まった熱を冷ましていく。
「ねぇ、銀治郎さん。カナヲに炭治郎君とクリスマスデートするから服や良いお店を聞かれたんですよ。服なら分かるんですが、いいお店ってご存じですか?」
「そういう事でしたら、お勧めがあります。繁華街にあるお店ですがクリスマスデートに最適な場所が。ちょうど、
そんなお勧めのお店でのクリスマスデートをしたいと思う女性は多い。卑しか女杯があれば優勝出来そうな女性は、この場にもいる。
「小夜子お義母様と秋月お父義様が、カナエに会いたがっていましたよね。たまには、私も一人の女の子として見て欲しいな~」
文字通り永遠の18歳…いいや、戸籍上で言えば永遠の30歳が一つのベッドの中で迫ってくる。胸を当てて、上目遣い。更には、人差し指で男性の胸板をゆっくりなで下ろしつつだ。
「……また、母さんと父さんに言われるな~。分かりました、期待していてください。ですが、泊まりはなしですよ。カナエを一晩親に預けっぱなしは良くありませんから」
「分かってますよ」
裏金銀治郎は、神崎アオイと竈門カナヲからの依頼で繁華街にあるレストラン"Nice boat"を予約した。その事がこの悲劇の発端になるとは彼も知らない。仮に、知っていたとしても実行した。それが裏金銀治郎という男だ。
次回は、『外伝:第一次竈門炭治郎の乱(2)~Nice boat~』
久しぶりの執筆で感覚がまだ戻ってこない…許してクレメンス。
ナルト側をサボってコッチに投稿したのは内緒ですよ。