鬼は嘲笑う、鬼が嘲笑う   作:ねこのふすま

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今回、すこし微妙かも…(予防線)

UAが10万いきました…皆様、何時もありがとうございます。
拙い小説ですが、これからも是非とも宜しくお願いいたします。




鬼と(ちょう)

 ──山全体に衝撃が走る。

 全身に鳥肌が立つ程の力、胡蝶しのぶは一体の鬼を葬り捕まっていた剣士を助けると衝撃が起こった方向へと(きびす)を返す。

 あれほどの力、もしかしたら下弦の鬼ではなく上弦の鬼がこの山に潜んでいる可能性がある。

 忌むべき怨敵(おんてき)がいるかもしれない、握りしめる(つか)(きし)む程の怒りを携えながら走る、走る、走る。

 


 

 数分もしないうちに衝撃が起こったと思われる場所へと到着した。

 あたりには落葉(らくよう)が積み重なり、静かな雰囲気の中で頭巾を被り、鬼殺の服を着た者が立ち尽くしていた。血を全身に浴びた姿で。

 しのぶが現状を見る限り、この場で鬼との戦いがあったのは明白であった。辺りに漂う血肉の臭い、これが鬼の物か人の物かは判別はつかないが見定めるには値する。

 警戒をしながら一歩、また一歩と柄に手を当てたまま近寄っていく。

 

(小さい、私よりも背丈が低い。まさかとは思うけど、この子が鬼を打ち倒したの?)

 

 刃の届く位置まで近寄り、しのぶは意を決して唇を開く。

 

「あのぉ、もしもし……?」

 

 声を掛けた事でようやくしのぶに気づいたのか頭巾の剣士はしのぶ方へとゆっくりと振り返る。振り返る事でしのぶの中の違和感が次第に晴れていく。

 破れた頭巾から見える角。全身を血で塗れながらも子供のように楽しんでいるその顔は()()()()()()()

 血肉の臭いに、果物の香りが混じりとても気持ちが悪い。思わず眉間に皺を寄せ、不快な臭いに嫌悪感を感じてしまう。

 

「かんにんな、気づかへんかった」

「いえ、それよりも貴方……鬼ですよね?」

 

 頭巾の鬼の言葉の真意はしのぶにとってはどうでもいい、今は目の前の鬼が下弦ではない事が確信出来た。

 目を、眼球に書かれている数を確認しなくてはならない。しのぶの仇の鬼ではないが、集めれる情報は限りなく集めなくてはならない。

 

「んー……鬼言うたら鬼やけど、あんたが言う鬼とうちはちゃう思うで」

 

 バレてしまった以上、頭巾を被っている必要が無いと鬼は破れた頭巾を放り捨てる。まるで日本人形の様に可愛らしい中に、色気が混じっている矛盾の塊の様な顔つき。

 血肉の臭いがなければしのぶであろうとも、酒と果実の香りに誑かされていたであろう。

 小馬鹿にするような言葉に眉間の皺はさらに強まるが、必死に心を落ち着けてしのぶは笑顔を取り繕う。

 

「はぁっ……? どう違うかはわかりませんが、そんな血塗れで言っていても説得力がないですよ」

 

 今にも襲いかからんと殺気が高まって事を気づいている鬼はどうやって説明するかと悩みつつ、いい事を思いついたとしのぶの殺気に気づいていながら()()()()()()()()()。 

 

「……っ!?」

 

 柄から刀を抜く、抜く動作よりも早く鬼は近寄ってくる。数秒にも満たない動き合い。顔と顔が少しでも動かせば触れ合いそうな程、鬼は顔を近づけてから口を開いて笑いながら言う。

 

「上手う説明できひんさかい、うちを捕まえて日に晒してもろうてもええ」

 

 冗談、悪い冗談だ。それか耳がおかしくなったのかとしのぶは自分の耳を疑いかけていた。

 それを他所に顔を離した鬼は数歩歩いて、振り返って言葉を続ける。

 

「ほんでも、信用できひんならあんたがしたいように切り刻めばええ」

「馬鹿ですか……? 貴方に利益は一つもない、信じる要素が一つもないじゃないですか」

「うちにはなくても、そっちには利益あるやろ?」

 

 鬼はやはり人とは分かり合えない、鬼の言葉を信じるなどしのぶには出来ず。言葉の嘘を暴く為、しのぶは刀を抜く。

 しのぶの日輪刀は刀匠、鉄地河原鉄珍(てっちかわはらてっちん)が作成した、鞘に納める事で毒を調合できる特別な日輪刀。

 

「その言葉に偽りが無いなら……貴方を斬りますよ?」

 

 切っ先が鬼の喉元に当てられる、少しでも肉を斬れば毒が身体に回り苦痛の後に死に果てるであろう。それどころか鬼ならば死守するべき頸に刃を当てている、死にたくはないと命乞いをするに違いない、しのぶはそう思っていた。

 鬼はしのぶの言葉を聞いて小さく息を吐き、呆れたように表情を変えてから自ら刃を掴んで首元に刺していく。

 

「ええよ」

「なっ!?」

 

 鬼は生きる事に執着する。嘘を平気でついて、平気で人の命を玩具のように弄ぶ。目の前いる鬼は違う、()()()()()()()()()()()()()()

 咄嗟に刃をこれ以上刺さない為、柄から手を離して足払いで刃を掴む手を払い除ける。首元からは切っ先が刺さった為、一筋の血が垂れていく。普通ならば傷跡から毒が体全体に周り、人食い鬼なら次第に肉が腐って死んでいく。

 しかしこの鬼は腐らず、傷口の周りの皮膚の色が変わる程度でおさまっている。刃から手を離され、自分の流れた血を指で掬って舐めながらしのぶを見据える。

 

「少し痺れるけど、癖になりそうやわぁ」

 

 この鬼は螺が何本も抜けている、しのぶの本能がそう告げていた。

 




しのぶさんに傷物(意味深)にされました…。
所でこの小説のヒロインって誰になるんやろ…自分でもわからん。


「伊吹童子!」
「その名で呼ぶか、半端者」

もしも無惨が伊吹童子って呼んでいたら、あの場でコロコロしてただろうなぁ……。
ところで原作の無惨の小物が加速してとまらないですねぇ…。
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