二話→一話→三話、四話の順番になってます。
今回三話の続きなので短めです…ゆるして!
下弦の鬼には片目に下弦の下の文字と数字が刻まれる。上弦の場合は片目に上弦、もう片目に数字が刻まれている。
目の前で正座させている下弦の肆の場合なら、
「ないなぁ……」
「ひえっ……!?」
下弦の肆の両頬を両手で触り、息が当たる距離。恐怖を与えるぐらいの近さで観察する。
見間違いではなく、刻まれていた下肆の文字は消え失せている。つまりは鬼にした
もしも呪縛から離れてなかったとして、死んでも酒呑にとって支障は無い、それどころか結果が手に入るならば万々歳。
手を離し顔を離し、震えている零余子に命令をする。
「なぁ、鬼舞辻って言うてみい」
「そ、それだけはご勘弁を。わ、私が死んでしまいますっ!」
白い肌が青くなっていく、鬼舞辻無惨から植え付けられた恐怖は未だ下弦の肆、零余子の心を鷲掴みして離さない。
例え言わずに殴られようが蹴られようが、死にたくは無いので言えない。それが呪から放たれていたとしてもだ。
けど、言えないと言われたら言わせたくなるのが性なのだ。
「なぁ」
もう一度、頬に手を当てる。
優しく優しく、硝子細工を扱うかのように丁寧に指を這わせて行く。顔を近づけ、息と息が混じり合って蕩けてしまうぐらいの距離でゆっくりと唇を開く。
「なぁ」
声音、吐息、視線、動作の全てが酔の中。
酒呑童子が日ごろ抑えていた、果実の酒気が華開くように辺りに充満していく。
「なぁ」
口が閉じれず涎が垂れる。瞼を閉じれず泣いてしまう。
頬は赤らみ身体が熱くなる、思考は最早追いつく事さえも出来ない。
唯一思えた事、それは言えば楽になれる諦めの心。
「き、……ぶ、つ……じ……?」
言った! 言ってしまった! 名前を言ってしまった!!
呪いが残っているならば瞬時に零余子は言ってしまった代償として、再生出来ない代償を受け握り殺されるだろう。
しかし、言ってから十秒、一分、二分と経っても呪いが発動する事は無かった。
(ふむふむ、呪いは外れている。つまりは神便鬼毒により血が流された、恩恵は無くなったが呪いも無くなったと考えるのが普通か?)
果実の酒気を抑え込み、未だに死なぬ零余子を観察しながら仮説を立てていく。
零余子は意識が保てず、又もや気絶した。しょうが無く零余子を米俵を抱えるように抱え上げてその場から去ることに決めた。
──零余子は重要な実験結果を残した。
しかしこのまま放っておけば結局は鬼舞辻の手にかかるか、鬼狩りによって頸を撥ねられて終わるに違いない。
今の零余子は普通の鬼、鬼舞辻が生み出した紛い物ではなく酒呑童子と同じ様な鬼となった。お天道様の下を闊歩する事は出来る、しかし頸を斬られずとも死ぬ事にもなる。
だが、違いは何れ歴然となり大きな差を生むことになるのだ。
深くは考えず、丁度弄る相手も欲しかった酒呑にとって、
──なお、零余子には拒否権はない。
「零余子、零余子、うちより身長高かない?」
「……」
「何とか言わんと、足腰立たへんぐらいに……ヤッちゃうかもしれへんなぁ……?」
「ひぃいい!!」
玉も竿もでけぇなあお前(褒めて伸ばす)
(投稿するのが)それがお前の望みなら……!(アアッ゙↑)
今回短めですみません……けど書いとかないとなと思うのと区切ると短めになっちまうんや……。
書いてて思うけどカナエさんの生き残る確率低いな……生き残るとしのぶの原動力が無くなる……^〜↑〜^〜↓^〜(苦悩)