そのかわり短めですけど番外編として短いお話を書いておきました。
ギャグ(?)なのでご注意ください。
縁側で黄昏れながら私は酒を呑み、考える。
どうして……この時代の着物には下着を穿かないのであろうかと。
乳や下腹部を最低限隠す衣装を着ている私はたまに考えることがあった。
時代は大正時代、今の下着事情は間違ってはいないのだが考えてしまうことがあった。
男性はふんどし、女性は湯巻。しかし着物の女性は下着を何もつけないのが普通なのだ。
(そう考えると……この最低限なこれも破廉恥ではないんじゃないかな?)
盃に満たされた酒を呷り、月を見ながら考える。
その様はとても美しく、絵にはなっているだろう。考えている内容さえ除けば誰をも魅了する事が出来ただろう。
零余子は私が考えている事が碌でもない事を理解しているだろう、だからこそ零余子に質問を投げかける。
「なぁ、下着穿いとる?」
予想よりも厄介な質問が飛んできた事に零余子は頭を抱えていた、しかし鬼ならば嘘偽りなく答えるしかない。
「着物ですから……穿いてはいませんよ」
零余子もこの時代の人間だった、それならば考えていた通りの答えが帰ってくる。
ふと思うことがあり、零余子の身体をなめ回すように観察する。
濃い紅色の着物のせいで身体付きは分かりづらいが、女性としては魅力的な胸や身体付きをしている。サラシをとって身体付きを分かりやすい服装にすれば男なぞ手玉に取れるだろう。
(少し弱気な性格が玉に瑕)
私が持っているこの最低限隠れる衣装を着せれば、少しは弱気な性格を矯正できるのではないだろうか?
楽しそうだけれども、着た姿を想像してみると何故かイラっとくる。零余子の癖に助兵衛な身体付きしているのが腹が立つ。
「零余子の助兵衛」
「ええっ!? なんで助兵衛なんですか?!」
思った答えと違ったのか零余子は驚きながらも、口答えをしてきた。零余子の癖に生意気だぞっ!
そんなわけで予備に作って貰っておいた衣装を零余子の前に差し出し、揶揄う為に盛大に笑みを浮かべる。
「これ着てみい」
「え」
「着て」
「お、お許しを……!!」
私に慣れてきたのか最初の頃と違い、中々首を縦に振らなくなってきている。
仕方がないので身体を起こし、零余子の側まで寄ってから……角を掴んでぶつかりそうなぐらい顔を近づける。
「助兵衛ちゃうんやろ? なら、着てな」
「……は、はい」
果実の酒気で惑わせ、威圧を込めて心を折る。
別に虐めたくてやっているわけではない、これも親心……いや鬼心としてやっているだけなのだから。
もっと強くなってほしい、だから厳しくしているのだ。
(何故か、零余子の身体付きが良いのは腹が立つな……私があまり胸がないからか?)
涙を流しながら着替える零余子を見ながら、自分の身体を見れる範囲で観察してみる。確かに胸は無い、細身な身体なので子供と思われなくもないだろう。
ならば、私の格好は痴女ではないな!身体にあった相応の服装であるな!!
尚、着替えた零余子を見て苛立ちが高まり、零余子はまた泣くことになった。
消して申し訳ないので番外編として短めのお話を書きました。
また、お話を固めしだい物語の続きを書きますので暫くの間、お待ちいただけると幸いです。
ふと思ったけれど、絡繰の技術があるなら段蔵ちゃんとかいたら面白そうやな……。