ソードアート・レジェンド外伝ゼルダの伝説編 作:にゃはっふー
ゆっくりペースで行きますがよろしくお願いします。
それではゼルダ×ソードアートオンライン、ゼルダを舞台に。
リンク・スタート。
一人の青年が待ち合わせの場所に来る。大きな時計のモニュメントがある公園であり、そこには待ち合わせ相手である友人、結城明日奈がそこにいた。
「あっ、こんにちは」
「ん? 明日奈だけか?」
「そうですね」
こちらに気づいて挨拶をして、苦笑しながら明日奈が彼に笑いかける。
「やっぱり、和人君には悪いけど、置いて行きましょうか?」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ~」
「噂をすればなんとやら」
待ち合わせの場所に桐ケ谷和人が現れ、こうして三人で病室へと向かう。
向かう先は青年の義妹である、紺野木綿季の下である。
◇◆◇◆◇
「少し遅かったけど、キリトが遅刻してたんだね~」
「別に俺がいなくても構わないんだけど」
「キリトったら、女心が分からないんだよ~。前にアスナがテイルに泣き付いたの気にしてるし、傍から見ると、恋人同士とかに見えちゃわないか気にしてるんだって~」
「もう二人ともっ!!」
ベットの上で、まだやせ細った身体ではあるが、楽しそうに笑う少女。木綿季ことユウキは元気に笑う。
いまだに入院中であるユウキだが、身内に成った俺と一緒ならアスナたちも気軽に来ることができて、こうして良く笑うようになってくれた。
今の今まで検査ばかりでうんざりしていたのだが、大好きな姉ことアスナが来るとこれだ。少し寂しい。
アスナはアスナで、まだ関係者以外面会が制限されているユウキの為に、こうして待ち合わせして見舞い来るのだが、よく看護師さんに間違われたりするとユウキから聞いた。
ちなみに本人もユウキが先ほど言った通り気にしているため、こうしてキリトも巻き込んで来る日が多い。
ユウキの病気完治に涙した時、俺に泣き付いた事をかなり気にしている。これまたその場にキリト君がいない所為だと怒る事怒る事。
こうしてキリトも待ち合わせに参加させられている。まあキリトもキリトで、俺から辞書やらノート。勉学に必要な物を借りに来るので問題ない。
「ボクもテイルに勉強見てもらってるけど、テイルって教えるのが得意って言うより、情報量が多いって感じだよね。なんでも知ってるって感じ」
「俺は機械やナビゲートシステムじゃないぞ」
「あっははは………」
苦笑するキリト。アスナも微笑みながら、この会話を楽しむ。
ここ最近はユウキの体調は良く、母もまた様子を見に来る。いまだに《メディキュボイド》を利用するため、リアルよりも向こうで過ごす方が長いユウキ。アスナがいないと現実で過ごすのは退屈のようだ。
仲良く会話したりする中で、最近のALOやGGO。もちろんSA:Oの出来事等々、話は尽きない。
「そう言えばさ、最近、妙な噂を聞くな………」
「妙な噂?」
俺が首を傾げる。最近GGOとALOを往ったり来たりしている為、情報が統一されない。サポートキャラたちには一つに統一させてくれと言うのに、一向に譲る気は無いらしい。身体と心が二つ………あっても困るなうん……
「噂ってあれか、レアエネミーの【小鬼】」
「うん♪ キリトはやっぱり知ってるんだね」
「小鬼?」
「ああ」
キリトが言うにはVRゲーム、仮想世界に同じ姿をしたエネミーが出没するらしい。
その姿ははっきりしておらず、なぜか〝小鬼〟と言う言葉だけが流れている。キリトも噂を聞いただけで出会っておらず、どんなものか見ていないとのこと。
「遭遇するとどうなるんだ?」
「噂じゃレアアイテムがドロップされたり、レア情報が手に入るらしいんだ」
「なんだ? 経験値が高いとか、そう言う話か?」
「う~ん……。そう言う話もあるんだけど、退治されたって話は無いな。けどレアアイテムを手に入れたって言うプレイヤーは多いぜ」
「あっ、ボクもボクも。両手剣を自慢してる人、見たことあるよ」
「けど、仮想世界、VRゲーム全部ってのは気になるよね?」
確かに、VRゲームは《ザ・シード》で個人でも作れるようになっている。だからと言って同じ技術で作られても、管理する者が違うのだから、あまりに同じイベントやエネミーが出るのはおかしい話だ。
キリトが言うには運営側からの発表も無く、裏技、バグや悪質なユーザーがデータを書き換えて手に入れた可能性もあるが、それは《カーディナルシステム》がある限りできない。
「だから単純にたまたまか、別のゲームで出て来たレアキャラを、別のゲームでも情報を流しているって可能性があるんだ」
「キリト君の事だから、探したりしてるんじゃないの?」
「まあ、その、な………」
苦笑するキリト。一応ALOではレア武器を持っているのに、どのゲームでも探しているらしい。
ユウキは俺を連れ歩けば会えるんじゃないかな?と冗談交じりで言いながら、俺はため息をつく。勘弁してくれ、コンバートする身にもなってくれよ。
最終的にはどれかのゲームで新アバター作るかの話し合いになるが、結局、自分の世界にいるのがテイルと言うアバターで無いと嫌と言う、その世界の住人たちに言われて、いまだに解決はしていない。
◇◆◇◆◇
「そう言えば、この世界でようやく願いらしい願いが叶った気がする」
そう呟きながら、実家の縁側で日なたに当たりながらぼーとしている時、この世界に生まれたきっかけを思い出す。
俺は転生者。バカな話だが、前世の記憶があり、別人に生まれ変わったと言う経歴がある。
その時、俺はこの世界が『ソードアートオンライン』と言う小説に似ていると言われ、いま思うにかなり混乱していたと思う。
まずは自分が死んだと言われ、なぜかそれが事実だと認識。神様らしい存在からあれよこれよと説明される中、ちゃんと考えていたか自信は無い。まあいきなり死んだなの転生なの特典なの言われても、いま思えば確実な選択ができていたとは思えない。
実際、俺が選んだ特典は、この世界もとい、起きる可能性があるデスゲームなどの問題解決に役に立つかどうか分からない。もっと他に無かったか。できれば『ソードアートオンライン』をよく知っていればよかったと思う事はたくさんあった。にわかにしても、もう少し無かったかと何度も何度も思ったが、死んだあとだし、特典も決め終えた後だ。
………もしかしたら、もっと他に良い手や特典をもらうことが―――
「どうしたの? 怖い顔してるわよ?」
そう考え込んでいたら、後ろから話しかけられる言葉で現実に帰る。
居候と化した詩乃が、うちの猫を抱えながら話しかける。いま何を考えて、何を抱えている?と、本来なら心配した目なのだろうが、俺のやらかしの所為で睨んでいた。
詩乃は俺が転生者と知る数少ない人物であり、俺の転生について文句があるらしい。
「あんたの転生で勝手な話が多すぎるのよ」
やれ転生なの特典なの。神様の事や、選んだ力を手に入れる過程もそうだし、しかも確定されていない。
俺の代わりに文句を言ったり、叱りつけたりする。俺に怒るのは延々とそれが正しいのか考え込むのが気に食わないようだ。
「もう選んで、決めて、いまここにいる。私が言うのもなんだけど、過去ばかり囚われ過ぎなのよあなた」
「………ごめん」
「そう思うのなら、一人だからって考え込まない。少なくても、私やキリトはあなたが抱えていることは知ってるから、愚痴くらい聞くから話なさい」
「ああ………。ありがとう、詩乃」
そう言いながら、俺はそう言えばとふと考える。
「しかし」
俺が選んだのは、何があっても応用して機転が利く方法。物理的な技術など欲した。
さすがにチート能力なのはダメな気がしたし、失敗や成功が極端すぎるのは知っている。
「………ん?」
「どうしたの?」
その時、ある疑問が浮かんだとき、詩乃が目の前にいるのに疑問が口と顔に出ていたのか、鋭い目で射貫かれた。
俺は仕方なく、その疑問を口にしてみると、詩乃が考え込む。
「あまり気にしないでくれ。もしかしたら俺が先入観か何かが、そう考えたのかもしらないから」
「………まあいいわ。そう言うことにしてあげる」
そう言って離れたところでほっとした。
すると頬に猫パンチを放つ、詩乃に懐いていた我が家の猫がいる。なぜか詩乃がいないからと言ってうじうじするなよと睨んでいる気がする。
仕方なく考え込むのはやめにして、頭を切り替えることにした。
「キリトたちは小鬼か」
小鬼と聞くと、あれを思い出す。
邪悪な仮面を付けた、寂しがり屋の小鬼の物語。
それを思い出しながら、俺は静かにぼーとすることにした。
◇◆◇◆◇
「で、結局こうして捜し歩いて時間を無駄にした訳と………」
鍛冶師のリズベットが呆れながら、パーティーメンバー全員が苦笑する。高い情報料を出したキリトは苦虫を噛んだように顔が歪む。
「くそアルゴの奴……」
「しっかしよう、その【小鬼】ってのはよう、どんな姿してるんだ?」
侍大将の格好のクラインが首を傾げ、シリカはテイムモンスターであるピナを抱き上げる。
「確かに……小鬼って言うと、小さな鬼、なんでしょうか?」
「オーガって可能性もあるけど、それとも違うのかな?」
リーファも首を傾げる。森の中、枝葉など気を付けつつ、奥の方へ進んでいると、そう言えばとリズベットがユウキを見ながら呟く。
「そう言えばテイルは? 今回は
「テイル君はGGOで、シノのんがどうしてもやりたいクエストがあるから」
「『そんないるかどうかも分からない敵、探すの嫌よ』、って言ってたよ」
声マネしながらユウキはそう言い、全員が苦笑する。
このパーティーでレベリングも兼ねて捜索してみたが影も形も無く、森フィールドを飛び回ったり、歩いてみたりしていた。
「キリトよお、やっぱデマじゃねえか? アルゴの奴も遭遇率が高いだけで、実際はどうなのか分からないって言ってたじゃねえか」
「ん~、だけどアルゴの情報と、他の所で手に入れた情報も合わせると、この辺りが怪しいんだけどな………」
キリトが考え込みながら辺りを見渡すが、草木しかなく、ユイはピナに乗りながら周りを見渡す。
「パパたちが言う【小鬼】の目撃情報は確かにありますね」
「それって、他のVRでもそうなの?」
「はい。出会う場所はランダムで、ジャンルもバラバラです。ただ共通点があるとしたら、小鬼と言う言葉が使われていて、レアアイテムや情報など手に入れているようです」
「ん~………やっぱりデマなのかな?」
アスナが考えてそう呟くと、全員がなんとなくそう思う。他のVRゲームにまで流れる情報だ、仮想世界でのバグとウイルスは可能性は低いが、誰かが流したデマと言う可能性はある。
「やっぱり運営側で発表してないのなら、ガセってことなのか?」
「そうだと思います。けれど、それにしても情報が多いです」
ユイが困惑しながら情報を集めているが、同じような目撃情報と報酬を受け取ったと言う話がある。ユイは困惑しながら考え込む。
「あれ?」
そんなことを考え込むと、気のせいか霧が出始めている為、ユウキたちは首を傾げた。
このフィールドに霧が出るギミックは無い。それに警戒していると、不思議な光が二つ現れる。
白と紫に、妖精の羽根が付いている球体で、それがキリトたちの周りを飛び回っていた。
「これは………」
キリトはマップを見るが、エネミーの反応が無い。そう思っていると、光の球体はユイを乗せるピナの周りを飛び回る。
「きゅ……?」
その瞬間、ピナの様子がおかしくなる。目つきが変わり、悲鳴のように雄たけびを上げた。
「ピナッ!?」
「きゃあああああああっ!?」
二つの光に導かれるように、ピナが森の、霧の奥へと飛び去ってしまう。
「ピナっ!? ユイっ!?」
「ユイちゃん!?」
全員が急いで飛翔して後を追う。
霧深い森の中、それを見守る者がいるとも知らずに………
◇◆◇◆◇
ああ大変だ大変だ。
こんな事になってしまうなんて、なんていう事でしょうか。
このままでは世界は大変なことになってしまう。
勇者が現れる。災いを退ける、勇気を知り、知恵を持つ、力強き者の出現を。
信じなさい、信じなさい………
◇◆◇◆◇
乾いた風が吹き抜ける大地。銃声鳴り響く世界で、一人の男は頭を痛めていた。
「シノン。クエストでレアアイテムをドロップしたんだから、機嫌治してくれ。それと見逃して欲しいんだけど………」
「アァ?」
シノンは睨みつけただけで相手のHPを削れるほどの威嚇をして、彼は頬をかきながら、やれやれと首を振る。
そして意を決して顔を上げ、世界の壁にヒビが入り割れたような『入口』を見た。
「やれやれ、今度はどの物語なんだか………」
そう呟きながら、シノンと共に入り口をくぐる。その次の瞬間、二つのアバターはログアウトしたことになった………
ヒロイン? それを決めるのは読み手であるあなたたちです。好きな人をテイルの彼女にしてください。
なにより彼にはヒロインなぞ必要無いのです。
テイル「緑茶うめぇ………」日なたの下でぼーとしている。
それではお読みいただき、ありがとうございます。