ソードアート・レジェンド外伝ゼルダの伝説編 作:にゃはっふー
その甲板で一人のゾーラ族が膝を付く。
【お前はこれで終わりなッ!!】
空に浮くそれが放つは黒い閃光。それがゾーラの青年の胸を貫いた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」
悲鳴が響き渡り、笑い声がこだまする。
荒ぶる嵐に悲鳴はかき消され、それは静かに宝箱に封じ込められた………
牧場の一件が終わり、武器の点検と身体の調子を取り戻した一向。馬車に揺られ、港町である『グレートベイ』へと向かっていた。
「テイル、腕の調子はいいのか?」
「もう傷跡も目立たなくなっているし、痛みも問題ない」
「テイルの問題ないは問題あるよもうっ!」
ユウキは頬を膨らませ、アスナたち女性たちも不満そうに表情を変え、アスナが心配しながら訪ねる。
「本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ。少なくても痕には残らないって」
「いまのテイル君、あまり信用できません。お願いですから無理はしないでください」
「手厳しいな………」
「自業自得でしょ」
フェリサが呆れながら肩に座り込み、ユウキもまた心配そうに見つめる。
「そろそろグレートベイだ。すまないが変わってくれないか?」
シークが馬車を止めて、テイルに手綱を渡す。何故と疑問に思いながら代わり、シークは荷馬車の奥へと引っ込んだ。
「どうしたんだシーク?」
「ああ………」
素顔を隠すシークだが、少し言いにくそうにしながら、静かに呟く。
「グレートベイはこの辺りの集落や、クロックタウンみたいな町に繋がっていてね。海路からこの辺りに来る人が多く利用するんだ。他にも色々な海路と繋がっていて、大きな港町なんだ」
「へえ、そいつは楽しみだな」
「ええそうですね。その町がどうしたんですか?」
クラインたちが感心し、リーファが疑問を投げかけると、シークは顔を反らしながら答える。
「今現在『ゼルダ姫』が滞在していることになっている町でね、王国の騎士団も何人かともに滞在してるんだ」
「えっ、それってまさか、あなたのこと?」
シノンの言葉に頷くシーク。テイルは呆れながら納得した。
「ゼルダ姫はいまはマリンと入れ替わってるんだったな。それを知るのは」
「近衛隊長のインパだけさ、マリンには苦労かけている」
「よく入れ替わっていても気づかれないわね」
「ほんの少しの衣装と、髪の色を変えていると、案外気づかれないんだシノン。まあ普段から素顔を隠していたり、衣装を派手な物にして、顔の印象を認識させないよう工夫してるんだ」
「なによその話」
「今世のゼルダ姫は、よく予知夢を見るから夢姫とも言われていて、天災などを看破してる所為で、人から距離を取られてるんだ。歌姫であるマリン以外、まともな友はいないんだ」
自嘲するように語るシークに、ユウキが顔を覗き込んできた。
「ボクたちはシークの友達だよ」
「ユウキ………ああそうだね、君たちは友達だよ」
そう話し合いながら、ともかくシークはなるべく港町の人と関わらないようにしたいらしい。
「ん……?」
そんなことを話していたら、検問のような入口がある。その光景に首を傾げながら、憲兵が前に出て来た。
「止まってください」
テイルは指示に従いながら止まり、荷物などのチェックを受ける中で、こちらの武器などを見て衛兵はああと納得する。
「もしかして、あんたたちも海賊退治に来てくれた人たちか?」
「海賊?」
「ああ、ここ最近、グレートベイは謎の嵐で漁師は漁に出れない中で現れやがったんだ。それで海賊退治に腕自慢を募ってるんだ」
「そうなのか」
「ああ。異国から来た著名人も捕まって、いま港は大騒ぎ」
「著名人?」
受け答えするテイルは首を傾げると、衛兵は困った顔でああと頷く。
「歌姫マリン、ゼルダ姫のご友人様だよ」
その後すぐにシークはゼルダに戻って、今現在ゼルダが使っている屋敷へと急行した。
◇◆◇◆◇
「キリト~、話は大方聞き回ったぜ」
「それじゃ、テイルたちが戻る前に纏めておくか」
俺がそう言うと、港町で集めた話を纏めることにした。
いまいるのはグレートベイの宿の一つ。食堂も兼ねている場所で、本来ならカフェみたいに流行ってそうだが、客のほとんどは俺たちのような武器を持った者ばかり。
いまのグレートベイは腕自慢の傭兵や旅人たちが集まり、情報交換など盛んであり、海賊の話で持ち切りだ。
海賊はマリンと言うテイルとゼルダの友人だけじゃなく、『ダル・ブルー』と言うバンドメンバーや、他にもカーニバルの関係者を攫っているらしい。
海賊船は霧と共に現れる。そう言われるほど同時に発生して、船が襲われたとのこと。
「嵐の方は、どうやら特定の地域で発生しているらしいの。なぜかそこから動かず、ずっと」
「その話は本当かアスナ?」
「そうなると、またスタルキッドとか、テイル君の知識と関わってそうだね」
リーファの言葉に同感していると、テイルが頭を痛めながら宿に入ってくる。
「テイル君、こっちこっち」
「? テイル一人、シークや一緒に付いて行ったフェリサはどうしたの?」
「フェリサはシークの方を任せた。途中で近衛隊長さんに捕まって、事情を聞くと共に助け出す為に無理させないために捕まった」
テイルの話では、マリンもできる限り避難誘導や奥に引っ込んだが、海賊は不可思議なほど早く動き、守りに入った者たちが気を失い、気が付いたら攫われていたらしい。
だが問題が一つ発生している。
「マリンは歌姫じゃなく、巫女姫として攫われた」
「それってゼルダ姫の代わりに攫われたの!?」
アスナの言葉に頷くテイル。シノンも難しい顔をしながら、それを聞いたシークはどうしたのか、テイルが言った通り責任を感じて突っ込みそうだから捕まったらしい。
「隊長さんの話じゃ、動きが明らかにゼルダを攫う動きをしていたらしい。倒したはずの手下もおかしいってさ」
「おかしい?」
「全身分厚い鎧で、手応えに違和感があった」
「船の上でそれはおかしいわね」
「ああ、海の上で活動している連中にしては、装備が徹底し過ぎてる。海の中に落ちれば一発で終わるからな」
「他に何かないのか?」
他の人に聞かれないように話し合う中、テイルは少しばかり考え込む。
「少し引っ張られるが、攫われた者の中にいるバンドメンバーが関わっているはずなんだ」
「ああ、ゾーラ族? だっけか。そのボーカルが攫われたって」
「ちなみにそれを知ったメンバーが先走ったってのは?」
「ああ、ギタリストが助け出しに行ったって話だぜ」
クラインとのやり取りに、彼は少しばかり混乱している。
「俺の知らない流れだ。海賊や嵐は分かるが、攫われた人物も関わりある人だが、直接さらわれた訳じゃないんだ」
詳しい話を聞くと、ボーカルの子はグレートベイを守ってきた一族の血筋で、ギタリストは勇者の血筋。グレートベイの異変に、協力者を呼ぶ為に不思議な卵を吐き出すボーカル。
スタルキッドに唆された海賊が卵を盗み、それを取り戻すためにギタリストが戦うが深手を負う。時の勇者がそれを助けるが手遅れで、彼の思いは仮面と成り、勇者を助ける流れ。
「だが時間が、流れがおかしい。明日傭兵たちは海賊船がある嵐の側まで船を出すし、攫われた人数に、マリン以外にもカーニバル関係者がいるんだ。このままだと海のスタルキッドの手下と戦うことができない」
難しい顔でそう呟くテイル。それにユウキは袖を掴み、心配そうに見つめた。
「テイル落ち着いて」
「ユウキ、だけどな………」
「テイルが心配なのは、ボス攻略? それともそのギタリストさん?」
その言葉にハッとなるテイル。しばらく考え込み、顔を手で覆いながら考え込む。
「………悪い、この言い方じゃ、ギタリストが重傷おわないといけないみたいだな。戦う場所が水の中だから、意識し過ぎていた」
そう思いつめた顔で呟き、ここでの気を付けないといけないことは、ボーカルを初めとした攫われた人たち、海賊、助けに向かったギタリストだ。
「もしも海の中で戦うことになるのなら、アスナの魔法に頼ろう」
「うん任せて、杖がちゃんとあるし、魔法は使えるか確認済みだよ」
アスナの言葉に頷きながら、もしもの事を考えて動こうと話し合う。
「それじゃ、テイルは海賊のボスへ向かいながら、俺たちは攫われた人やギタリストの安全確保。もしもギタリストが仮面になっていたらその仮面を回収しておく」
「さすがによく分からない奴が手にしているのは気にかかる」
「それじゃ、それで行こう」
こうして話し合いが終わり、一度宿に引っ込むことになる。
◇◆◇◆◇
テイルにおかしなところがあったが、そう言えば海賊退治にもおかしな話があった。
テイルは一人部屋でキリトと詳しいやり取りをしている中、不意にキリトが疑問に思う。
「そう言えば、討伐隊は、海賊の居場所が分かっているのか? 明日出発するんだろ?」
「ああそう………誰だ!?」
いまテイルとキリトだけが会話していると、窓の外にある木々が揺れ、一人の妖精と人影が流れ込む。
「どうにか来られた」
「シーク!? どうしてここに?」
「インパの包囲網を突破したからだよ。そっちはもう討伐隊に参加することは決まったんだろ?」
「ああ、ったく、困った姫様だよ」
「いまのボクは姫じゃないよテイル」
そんなやり取りの中、シークは難しい顔をして手に入れた情報を話しだす。
「ボクのところで分かったのは、海賊船はすでに様々な人を攫っていて、その内の一人が逃げ出して、港町の衛兵に駆けこんだらしい。奴らは嵐の側で隠れてると」
「そうだったのか」
「その人が場所は分かるらしく、案内を買って出ているが、少し怪しい」
シーク曰く、町娘らしくそれらしい技量があるとは思えないらしい。だが手がかりがない中の為、決行する流れになり、明日の朝に出るとのこと。
「少し怪しいな」
「なんかあれば二手に分かれているから、少し不安だな」
「そうだね。捕まった人たち、すでに先行しているギタリスト。優先するべきことは多い」
「海賊のも怪しいわね。変な術で動いてたりして」
「冗談にならないことを言わないでくれフェリサ」
そんなやり取りの後、シークはアスナたち女子部屋に厄介になり、明日に備えることに。
「………なにもなければいいんだが………」
◇◆◇◆◇
【ここで終わりここで終わり♪】
それらは嵐の中で詩を謳うようにささやき合う。
【偽物の勇者はここで物語を終わらすの♪】
【だって偽物、紛い物。そんな勇者は必要ないない♪】
【偽物勇者♪ 呪われた勇者♪ 間抜けに罠にはまって終わるのよ♪】
それは楽し気に笑いながら、船は嵐の中を突き進む。
一つの箱に閉じ込められ、一人の少女。ヴェールで素顔を隠し、ずっとお守りを握りしめる少女は嵐の空を見つめる。
「………勇者ってまさか………」
その呟きは風にかき消され、船は荒海の中を突き進む………
漫画版メインなので、谷に置いての彼らの行動はダイジェストで。
敵亡霊「親方さまお呼びで」
敵亡霊「貴様なに奴!?」
それらの言葉を話す瞬間、閃光に切り捨てられる。情報を出しながら散る彼らは閃光を称え、彼らは呆れながら先に進む。
テイル「押さえろキリト!!オカリナを奏でられない!?」
アスナ「離してテヲハナシテきりと君」
キリト「おばけじゃないからなアスナ、やり直しができるわけじゃないからやめるんだ!」
ユウキ「隊長さんも一人で倒したからねアスナ……」
シーク「………」離れた位置にいる
リズベット「このメンバーでこの地方攻略大丈夫なのかしら…?」
パメラ父「ああ、アア……」
この後テイルがいやし詩を奏でて助かりました。アスナは目が据わったまま、この世界を睨みつけ、シークは時々テイルに抱き着いたりします。シノンは時々置いていく選択を取ろうとしてしまう。
お読みいただきありがとうございます。