ソードアート・レジェンド外伝ゼルダの伝説編 作:にゃはっふー
アスナが無双するあまり、無関係の親子まで始末しそうになる(キリトたちがオカリナ吹くまで抑えていた)
テイルが隊長の仮面など使う前にオバケ撃破(作曲家兄弟など含む)(一部強制的に抑え込んだ)(シークとアスナのコンビプレーに全員呆れた)
最終決戦おばけの大群も出て来て、テイルなどが撃破。巨人の仮面をシリカがかぶり、巨大化してやらかす。
大ピンチの中で彼らは勝利を収めた。
刃が煌めくと共にツインモルドを斬られ、骸骨たちは悲鳴を出しながら崩れていく。巨大化したピナはリーファを頭に乗せて咆哮した。
「終わった」
「キリト君……ギリドぐん………」
「落ち着けアスナ、頼むから」
「私は王族、私は平気………」
「………離してくれゼルダ」
約二名泣きじゃくり、それを落ち着かせるキリトとテイル、お互いが抱き着いてくる彼女たちの対応に赤面していた。ユウキはハイライトが消えた目で微笑みながらテイルをジッと見つめ、シリカは真っ赤になり座り込み、リズとリーファが落ち着かせていた。その様子を無視してシノンがフェリサと共に解放された者を見つめる。
「あなたたちは何者なの? 姿を現しなさい!!」
響く音が鳴り響き、雲が晴れてその姿を見せる。
巨人は姿を見せ、歌のように話しかける。その音はフェリサたち妖精が翻訳した。
「あなたたちは全員解放したわ。今度は力を貸してもらう番よ」
「時計塔であなたたちを呼ぶわ。だから力を貸して」
歌が響きだす。シリカたちも耳を研ぎ澄ます中、フェリサたち妖精が言葉を紡ぐ。
「わたしたち、を、呼んで。このうたで」
「いま流れている歌のこと?」
「分かったわ、テイルがオカリナで奏でるから、その時に駆け付けて」
「そうよ! スタルキッドの奴を止めて」
悲しそうな音色が流れ出し、復活したシリカは首を傾げる。
「これは、なんって言ってるんですか?」
「えっと………と、も、を。ともをゆるせ? 友達を許してほしいって言っています」
ユイの言葉に全員が分からない中で、テイルは難しい顔をしてゼルダをあやしていた。
こうして四つの場所を巡り、彼らはクロックタウンへと急ぎ戻る。
◇◆◇◆◇
毛布を被り、暗示が戻るのを待つゼルダ。アスナも同じように毛布を被り、テイルに文句を言う。
「テイル君の馬鹿、ああいうとこなら初めから言ってほしいのに」
「私は大丈夫、私は強い、私は大丈夫………」
「まあまあ、テイルだって全部が全部同じじゃないから言いたくないって知ってるだろ?」
キリトが落ち着かせる中、肩に妖精たちを乗せているテイルは気にせず馬車を操る。
そんな中、ユウキがテイルの膝の上に座りながら、その頭上にあるテイルの顔を覗く。
「テイル、少しだけこの先のこと聞きたいんだけど」
「………言えるものなら」
「うん。ナベかま亭のアンジュさんのことだけど」
「………」
その時、ユウキは僅かに変化したテイルに気づく。テイルはしばらく虚空を見つめながら、僅かにヒントを出すことにした。
「俺が知るのは二つ。ゲームと物語での知識だ。婚約者がどこにいるか、俺はゲームの方で調べるから、みんなと共に物語と別の方向が無いか気を付けて行動してくれ」
時間までなと付け加え、ユウキはそれを聞き嬉しそうにはにかむ。
「見えてきたわよ」
シノンの言葉に全員が顔を上げる。もうほとんど月が側にあり、港町の入り口から客など人が入る中、町は賑やかな雰囲気と、避難する人たちで別れていた。
◇◆◇◆◇
テイルとシークはチャットを連れ、ゲームの知識から探せる場所を探し始め、リズ、シリカ、リーファはフェリサを連れ、レインたちミルクロードにいた仲間を探しに出向く。
ユウキはキリト、アスナ、シノンと共にユイを連れ、ナベかま亭を見に出向く。
人の行き来がある中だが、やはり町の人は二分する雰囲気に戸惑う者もいる。
そしてナベかま亭の裏口へ顔を出したら………
「ん?」
ユウキの前にナベかま亭の中を探る、仮面を付けた子供を見つけ、アスナがそれに反応する。
「だれ!?」
それに気づいた子供はキツネの仮面を付けた子で、すぐに離れていく。
その足元に手紙らしき物が落ちていて、ユウキが慌てて拾い、呼び止めようとしたが、すでに人込みに隠れ、姿をくらましてしまう。
「あの子なにか落としたよ、手紙?」
首をひねりながら文字を見つめるが、この世界の文字を読めないユウキ。ユイが近づき、読み上げてみる。
「アンジュへ、カーフェイより。と書かれています」
「アンジュさんの手紙!?」
◇◆◇◆◇
ナベかま亭はアンジュのこともあり、仕事は他の手伝う予定だったため、お客はいない。そんな中、ユウキが慌てて中に入り、アンジュの名前を呼ぶ。
「ごめんなさい、うちはいま避難する予定で………ってあなたは?」
「アンジュさんこれ、カーフェイって人から手紙だよ」
「カーフェイから!?」
手紙を受け取り、その文字がカーフェイの物と知ると、涙をこぼすアンジュ。
車いすに座るおばあさんと、彼女の母親が見守る中、アンジュは静かにここに残ると決意する。
「アンジュ、あんたなに言ってるの?」
「ごめんなさいお母さん、だけど私、彼を待っていたいの」
アンジュの決意に母親が困った顔をする中、おばあちゃんがまあまあと落ち着かせる。
「あんたも残るのなら、アタシも残るよ。いざとなれば『四人の巨人』に助けてもらうさ」
「四人の巨人?」
ユウキの言葉におやおやと反応するおばあちゃん。この地方のおとぎ話を聞かせてくれた。
「昔々、遠い、とおーいむかしのことさ。世界がまだ生まれてもいなかった頃、ある寂しがり屋の夢を守る、四人の巨人がいたのさ」
「四人の巨人」
「その巨人は夢が終わった後、この世界に落ちて、この地方が夢の世界に似ているからそのまま根付いたのさ」
世界が出来上がりつつある中、巨人たちは自分たちの力をこの世界を守る為に使おうと、この地方の東西南北に別れ、深い眠りにつく。
「巨人たちはなにかあれば自分たちを呼ぶよう言い残していた。だから助けて―――って叫べばいいのさ」
ユウキはその話を聞き、アンジュはここに残るために準備をし出す。
「アンジュさん、ボク、カーフェイさん探して来る。心当たりがあるんだ」
「待って」
そう言ってユウキを止め、彼にあったら伝えてほしい言葉を伝える。それを聞いたユウキは宿の外に出る。
外にはアスナがいて、キリトとシノンはいない。
「キリト君たちならあの子供を追ってるよユウキ」
「うん、あの子に会いに行こう」
そうして大急ぎで人込みをかき分けていく。
◇◆◇◆◇
「キリト」
「ああここだ」
「パパ、もうすぐ月が落ちる時刻です。早くしないとテイルさんが」
「そうだな。彼のことだから一人で進むだろう」
仮面を付けた子供。テイルが深く言わなかったが、スタルキッドの仲間と言う訳では無いだろう。
それでも念入りに用心しながら、俺はシノンと共に隠れ家のような場所に入り込む。
「ッ!?」
「探したぞ。お前は何者だ」
仮面を付けた子供はすぐに逃げ出そうとした。俺はすぐに取り押さえるが、子供のくせに力が強い。
「キリト君!? あまり乱暴しちゃだめだよっ!」
そうアスナたちが駆けつけた時、仮面が取れて、その素顔を見せる。
子供は無言のまま、静かにし出した。
「君、カーフェイさんのこと知ってるの? 教えて、カーフェイさんはどこにいるの?」
そう言われた子供は静かに………
「………ボクがカーフェイだ」
◇◆◇◆◇
カーフェイが話すのは一か月前、酒場で男友達と飲んだ帰り道、スタルキッドに子供の姿に変えられたと言う事実。姿を変えられ、この姿でアンジュに会うことはできないと思い、ずっとここで隠れ住んでいたらしい。
「これは結婚式で使う婚礼の面、太陽のお面だ。これ以外、ボクがボクである証は無いんだ。いまアンジュに会っても、悲しい思いをさせるだけだ」
「カーフェイさん………」
「頼む、彼奴についてなにか知ってるのなら教えてくれっ!! 必ず元に戻って、アンジュとの約束を果たしたいんだ!!」
それを言われたキリトたちは、少しばかり戸惑う。これからスタルキッドを止めるため、時計塔で最後の戦いをする。そこに彼を連れて行っていいかどうか。
「人数もいるし、きっとどうにかできるわよ」
「わたしもそう思うよキリト君、お願い」
「分かった。彼を時計塔に連れて、スタルキッドを止めよう」
頷き合うキリトたちに、カーフェイは感謝し、ユウキがアンジュからの言葉を伝える。
「あなたを信じて待ってます。それがアンジュさんの言葉です」
「アンジュ………もう少し待っててくれ」
その時、僅かに地響きが鳴り響き、全員が困惑する。
「カーニバルはまだ始まらないぞ。なのにこの地震は……?」
「分からないけど、急いだ方が良さそう。急ごう」
頷き合い、全員が時計塔に向かう中、アスナがユイに伝言を頼む。
「ユイちゃんは他のみんなに連絡して、わたしたちは時計塔に向かうから」
「分かりました」
「ああそれと………」
◇◆◇◆◇
ユイに伝言を頼み、時計塔に向かうキリトたち。その時にカーフェイはキリトに話しかけた。
「すまないが、君たちの中に『勇者の偽物』はいるのか?」
「!? どうしてそれを?」
「彼奴が去り際に言っていたんだ。今度は勝つ、紛い物には負けないし、矢も刺したんだからって」
「矢? テイルは矢なんか受けてないよ?」
「いままで手傷を負ったとか言われてたけど、テイル君の怪我は治ってるし、どういうこと?」
「矢だって? そう言えば、ゾーラの彼は黒い矢を受けたって………」
「仮面に成る黒い矢のこと? けど彼奴は矢を受けるどころか、なにも刺さってないじゃない」
そう言われた時、キリトは何かを考え込む。
「………見えていないのかも、知れない。俺たちが最初、あの月を見ることができなかったように」
「!? それだと、いま矢が刺さってるの?」
そう言った途端、暗闇から腕が生えた。
「きゃああああっ!?」
「なんだこれ!?」
「!? この腕は見えているのか!?」
その日、最初の日にキリトたちを襲った黒い影の腕があちこちに出現して、人々は天に向かって叫び声を上げた。
「あれはなんだ?」
「月か? まさか本当に月が落ちるのか!?」
「そんな!? あんな大きいのいままで無かったのに!??」
パニックが起き始める中、時計塔に向かうことができなくなる。
「どうしよう。時計塔に近づけ無くなってきたよ」
「それに……地響きだけじゃない。オカリナの音色が響いてる」
「テイル……ッ!?」
◇◆◇◆◇
四方から突然現れる巨人たち。彼らが月を支えだし、月の落下を止める。
俺の目の前にいるのはスタルキッド。混乱の所為か、キリトたちが追い付いていないが、問題ない。
(後は俺がしなきゃいけないことだ)
「くそくそッ! オレの邪魔をしやがって」
悔しがるスタルキッド。だがその時、違和感に気づく。
スタルキッドの悔しがるだけで、なにかしてくる訳では無い。
【キニスルナ、後はこのまま、ストーリー通りに突き進むだけだ】
………ああそうだな。この先の展開は変わらない。そう思う瞬間、背中、心臓がある場所から暗闇が噴き出し、テイルを包み込むとき、側にいたシークとチャットが違和感に気づく。
「なっ、なに?!」
「テイル?」
暗闇が消える、テイルはそこにおらず、それにスタルキッドはケケケッと笑いだす。
「このゲームはオレが主役だッ! ゲームキャラはこのままバットエンドにでも迎えてろッ!」
「ゲーム? なんのことだ!」
「スタルキッド、テイルをどこにやったの!?」
「彼奴はオレのオモチャなんだ、もうゲームは止められない】
「スタルキッド?」
チャットが違和感に気づくと、弟のトレイルが近づいてくる。
「勇者ッ!! お願い、沼、山、海、谷にいる四人の人たちを連れて来てッ!!」
「トレイルどうしたの? もう巨人は連れてきたし、勇者ってテイルのこと?」
「勇者ッ!! お願い、沼、山、海、谷にいる四人の人たちを連れて来てッ!!」
「トレイルどうしたの!? お姉ちゃんのこと分かる?」
「勇者ッ!! お願い、沼、山、海、谷にいる四人の人たちを連れて来てッ!!」
「………トレイル?」
「勇者ッ!! お願い、沼、山、海、谷にいる四人の人たちを連れて来てッ!!」
くるくるくるくる回るトレイルはいつの間にか黒い矢のような物が刺さっている。
それにチャットが悲鳴を上げると共に、シークが困惑した。
「これは」
「ケケケッ、オレのゲームはここからが本番だッ!!!」
そう叫び声をあげ、いま本当の悪夢が幕を上げた。
時計の針が歪に時を刻む。針はもう止められない。後は彼らの力を信じるしかない。
「信じてます、信じてますよ勇者様」
お読みいただきありがとうございます。