ソードアート・レジェンド外伝ゼルダの伝説編   作:にゃはっふー

3 / 20
狼に乗り、デクナッツキリトと共に小鬼を追いかけるシノン。

それを追う彼女たちは、仮想とは別の世界にリンクする。


第3話・時計塔の町

 足元がふわふわとしていて、道らしい空間を走り抜けるアスナ、リーファ、シリカ、リズベット、クライン。そしてユウキとピナ、ユイ。

 

「? なんの音?」

 

 カチコチカチコチと言う音を聞きながら、彼らは真っ直ぐ走っていく。

 

 時計の音が鳴り響く中、そして光が辺りを包み込んだ。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………あれ?」

 

 ボクは首を傾げた時、気が付くと時計塔の中にいた。

 

 頭上を見ると時計の歯車が動いていて、みんなの姿を見る。

 

「な、なんじゃこりゃっ!?」

 

 クラインの驚きに、ボクらは自分の姿に驚く。

 

「リズ、その姿………」

 

「アスナそれ、その姿って『血盟騎士団』の……?」

 

「シリカさん、ケットシーではないです。SAOのアバターに近いです………」

 

 みんなの姿が少し違っていて、ボクとリーファ以外、アバターの姿はSAO。みんなが閉じ込められていた仮想世界。あの『ソードアート・オンライン』の姿らしい。

 

 武器はALOの物なのに、姿が少し違うようだ。

 

「少しだけSA:Oが混ざってる気がする。これって一体……?」

 

「ウインドも開きません……?」

 

「ここはALO内では無いのは確かです……」

 

 こんな事、あり得ないとユイは驚く。アスナはともかく周りを見渡し、扉を見つけた。

 

「いまはともかく、キリト君たちを追わないと。扉の先、かしら?」

 

「うん、行こう」

 

 扉を開けると太陽の日差しが差し込み、町の音が聞こえ出す。

 

 様々な人が行きかう中、何かを作る人、何かに怯えている人や、楽しそうにしている人………

 

 そこでボクたちは何か不思議な感覚を覚えながら、周りの様子を見る。念のため、ピナたちは袋などで隠しながら、町の様子を見る。

 

「なんだか不思議……少し、仮想世界って雰囲気じゃない。そんな気がする……」

 

「そう、ね……。けど、あれはどうなの?」

 

 魚のような人?や、岩のような人?かな。そんな人たちも行きかう町。

 

 ボクたちは首を傾げながら、町の様子を見ている。

 

「なんだかちぐはぐした雰囲気ですね」

 

「そうね。何かから逃げようとしている人もいれば、陽気に騒いでいる人もいる」

 

「情報を集めてみよう。シノのんやキリト君、あの狼が見つかるかもしれないもの」

 

「シノンさんたちは分かりませんけど、あの狼さんならすぐに見つかりそうですね」

 

 シリカの言う通りだ。あの狼は剣を持っているし、すぐに見つかりそう。

 

 ともかく時計塔、ボクたちが出て来た建物を目印に、ボクたちは探し出した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 いろんな人たちの会話する。ボクらの事は旅人か、お祭りの観光客だと思われた。

 

 もうすぐ〝刻のカーニバル〟と言うお祭りがもうすぐ行われるけど、最近おかしな噂が流れている。

 

「〝小鬼〟……ここでも出て来たね」

 

 町の人が噂をしていた。小鬼に会えば願いを叶えてもらえたり、イタズラで酷い目に遭う。その中で『小鬼が空に浮かぶ月を落とそうとしている』って話。

 

「月ねえ、空にはなーーーんもないけど………」

 

「そうですね。綺麗な雲と青い空ですけど、夜になれば分かるんでしょうか?」

 

 ピナを隠しながらリズベットたちが会話する。アスナは考え込みながら情報を整理していた。

 

 ここまでの話の中で分かったのは、ここは仮想世界。VR世界じゃないのは分かる。

 

 この際、そこはもう気にしない。むしろ『彼』が深く関わっているのだろう。

 

 その中でシノンやキリトはともかく、狼を見た人がいないのが気になる。

 

「ともかく、ここ………」

 

 その時、アスナが真剣な顔で話している途中、言葉を止めた。

 

「誰ッ!?」

 

 アスナの叫びに誰かが曲がり角から走り出した。

 

「アスナ!!」

 

 走り出すアスナを追うように、ボクらもすぐに走り出す。

 

「曲がり角っ!?」

 

「手分けして追いましょう」

 

 みんなの言葉通り、ボクも走り出して、路地裏を走り抜けた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 走り抜けた先でボクは迷子になりました。

 

「どうしよう………」

 

 ここはゲームの中じゃないから、メールもできないし、マップで確認もできない。

 

 別れる時に集まる場所を決めていればよかった。今の姿はALOに近いけど、空を飛べるわけじゃない。知らない町の中で、少しだけ心細くなる。

 

「どうしたの?」

 

 後ろを振り返ると日傘を差したお姉さんが首を傾げて話しかけて来る。

 

「えっと、ボクはユウキ。いまは、迷子かな?」

 

「そうなの? 町の外から来たのなら、わたしの家に来る? うちはこの町で一件だけの宿屋。〝ナベかま亭〟よ」

 

 そう『アンジュ』さんは微笑んで、ボクはアンジュさんの宿に向かった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 アンジュが案内してくれた宿屋は、町の中心にあった。ユウキはその為、自分を探しに来るアスナたちに見つかりやすいと思い、そこで少しの手伝いをしながら、町の様子を見る。

 

「ねえ、もうすぐカーニバルなんだよね?」

 

「ええ、そうなんだけどね………」

 

 アンジュは少し難しそうに、ユウキはお掃除の手伝いをしていた。

 

 外の様子は不安そうに空を見る者や、カーニバルの準備に右往左往する者。賑やかな人と不安そうな人が入れ違う。

 

「ここ最近の噂なんだけど、妙な噂が流れていてね。町の人や近隣の村のみんなは、それを気にしていたり、不安がってるの」

 

「噂って……?」

 

「『仮面を付けた子供』の噂よ………」

 

 最近、仮面を付けた子供が真夜中に出会うと、二通りの事が起きる。

 

 一つは願いが叶う。水不足で困っているところで地面から水が湧き出たり、枯れた木から果実を実らしたりした。

 

 それだけでなく、たくさんのルピーが入った袋や食料と『願いを叶えてくれる』らしい。

 

 だけど逆に、大変な目に遭ったり、不思議な事が起きる。

 

「仮面……それって………」

 

 ユウキは仮面を付けたスタルキッドを思い浮かべる。

 

「その中で、いつしかこんな噂が流れたの」

 

 

 

『刻のカーニバル、三日後の日に月が落っこちるぞ~~~ッ!!』

 

 

 

 その言葉を聞いてユウキは空を見上げるが何も見えず、アンジュもまた不安そうに空を見る。

 

「町の人は避難派とカーニバル決行派に分かれてるの。今年は長い歴史で千回目で、ハイラル王国を初めとした有名な人が来るから」

 

「アンジュさんは………」

 

「うちは宿屋だからね。お客さんのほとんどは隣町である港町で寝泊まりするけど、町で過ごしたい人もいるから。それに………」

 

 アンジュが振り返ると、ユウキも視線を追う。宿の奥にウェディングドレスが飾られていた。

 

「あれって………」

 

「刻のカーニバルの日は結婚式も兼ねているの。けどいまは行方不明で、話の中じゃ、噂に巻き込まれて消えたって言われたりしてるの」

 

 そう悲し気に語るアンジュ。それでも不安そうなユウキに優しく微笑みながら呟く。

 

「けど必ず彼は来てくれるわ。わたしは信じてる」

 

 その様子を見ながら、ユウキは町の外を見ている。

 

 空は普通の空だ。仮想世界では無い、病室でいつも見る、自然の空。

 

 それに不思議がりながら、ユウキはお手伝いをしている。宿屋の食堂、お料理を運ぶ手伝いの中で………

 

「黒パンとハンバークセット。飲み物のロマーニミルクです♪」

 

「えっ?」

 

 その時、褐色の肌をした女性は少し驚いた。運ばれた料理と言うより、ユウキの顔を見てだ。

 

「? どうかしましたか?」

 

「あっ、ああ、ううんっ!! なんでもないよっ!!」

 

「? ごゆっくり~」

 

 そして後ろに下がると、女性は驚きながらしばらく考え込み。パンにたくさんのクリームを一気に乗せて、口の中に押し込んでいく。

 

 出された料理を押し込むと、すぐに会計を済ませ、部屋へと戻る。

 

 その様子に首を傾げながら、宿屋の外をホウキで掃除していると………

 

「なんで君がここにいるんだ妖精さん?」

 

 そう言って話しかけたのは、赤い目と金色の髪。顔のほとんどを覆い隠す旅人。

 

 彼が島で出会った人としか教えられていない、彼の知り合いの………

 

「シークさんっ!?」

 

 ユウキがそう驚き、シークは一度息を吐き、呼吸を整えて事情を聴き始めた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「それじゃ、君の他にも仲間がいて、小鬼……スタルキッドを追ってきたんだね」

 

「うん」

 

 宿屋の外、オープンカフェのようにされている席に着き、ユウキはシークと会話する。

 

「シークさんは………」

 

「ボクもまた、スタルキッド。それを追ってきたんだ。『あの月』について、どうにかしないといけないからね」

 

「えっ?」

 

 ユウキは首を傾げながら空を見る。そこには何も無く、青空が広がっているが、シークが手をかざして、ユウキの目を覆うように手を置く。

 

 何か温かい感覚になる中、その手が退けられると………

 

「………」

 

 ユウキは目をこすり、空を二度見る。

 

 だがそれは消えずに、確かにそこにあった。

 

「なに……あれ………」

 

 ユウキの目には、もう青い空や白い雲、それ以外も見えている。

 

 ただ絶句して、なぜいまのいままで見えていなかったのか、言葉を無くしてそれを見上げた。

 

 いま目の前には、巨大な顔を宿した大きな岩。月が町の頭上にあるのだから………

 

「………あれって」

 

 

 

「ケケケっ!! 凄いだろ~? あれはオレが呼んだんだぜ?」

 

 

 

 笑い声と共にそれが現れた。ユウキは腰に下げた剣を握りしめ、シークは隠し持つ短剣を取り出す。

 

「スタルキッドっ!?」

 

「お前らも物好きだな、ここまでオレを追いかけて来て」

 

 そう言いながら瞬時に消え、別の場所に現れる。いつの間にか人気は消え、シークとユウキだけになっていた。

 

「オレにできないことは無い。オレは凄いんだ、もうなんだってできる。なんだって叶えられるんだ」

 

「お前のその仮面は………」

 

 シークが睨むように仮面を見る中で、閃光のようなものが放たれ、ユウキとシークはすぐに避ける。

 

 それを高らかにあざ笑うスタルキッド。

 

「本当ならもう少し時間を掛けたいけど特別だ。いますぐ月を落としてやるよォ!!」

 

 そう言いながら、この町で一番高い塔。時計台の方へと飛んで行くスタルキッド。

 

 シーク達はそれに顔を見合わせ、すぐに追いかけ始めた。

 

 時計塔は町の中心にあり、空を飛ぶ小鬼は別の場所にいる彼らも見つける。

 

 そう、ある鉄の固まりを背負い、黒い服を着こむ樹の少年を連れていた。

 

「あれは………急いで追うわよ」

 

「ああッ!!」

 

 そして………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 スタルキッドを追いかけるために、時計塔に向かう絶剣の少女と探し求めていた人物。彼女たちを見ていた一人の青年は呆れ果てていた。

 

 黒い髪にフードを深くかぶり、苦虫をかみ砕く。

 

「町の話で名前が出て来た時、島のように動いてるんじゃないかって考えたら、こうも必要な物を持った人物が揃うもんだ」

 

 出来過ぎていると思いながら首を振り、ともかくと、思考を切り替える。

 

「ともかく接触しなきゃいけない。彼女ならきっと『あれ』を持ってる。それが無いとな………人使いの荒いな、まったく………」

 

「贅沢言ってる暇は無いわよっ!!」

 

 人影が無い中で女性の声が響く。フードを深々とかぶり、耳打ちするように呟く。

 

「ああ分かってる。シノンたちに連絡しに行ってくれ」

 

「分かったわ」

 

 フードの中から光り輝く何かが飛んでいき、それを見送りながら空を睨むように見上げ、静かに目を細める。

 

 彼の視線の先には何も無い。晴天が広がっているだけだが、それでも彼は睨む事を止めず、深くフードをかぶり直した。

 

 その後は物陰の中に溶け込むように消える。その影から現れたのは、一匹の狼。

 

 何かを考え込むように、宿屋を静かに見つめ、独自に動き出した。いま物語の針は急激に動き出す。

 

 その針をどうするかは………

 

「………頼みますよ、時の勇者さま………」

 

 信じています、信じています。

 

 そう呟きながら狼を見送る、仮面を売る商人。

 

 こうして舞台に出演者は揃い出し、物語の幕が上がる………




時の勇者さまもインして、ユウキたちがいるのに困りながら動いてます。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。