仮面ライダージオウ OMEGA TIME 作:あかLemon
────2023年10月13日(金)
「今夜はからあげだー!ゲイツ達も喜ぶだろうなぁー!」
常磐ソウゴは、大叔父・順一郎からおつかいを頼まれて、行きつけのスーパーで鶏肉や野菜を買って家路へ向かっていた。
軽快な足取りで横断歩道を渡り、住処のクジゴジ堂まであと100メートル程だった。
「?、あれは...仮面...ライダー?」
気配を感じて足を止めたソウゴの視線の先には、2人の仮面ライダーがいた。
「クローズ...?と、あれは確か仮面ライダーブレイブ!...だけどあんな色だったかなぁ」
ピンク色の仮面ライダーブレイブと水色の仮面ライダークローズと思しきライダーが、ソウゴの方に駆け寄ってきた。
「飛彩先生!龍我!おーい!」
ブレイブとクローズに手を振りながら呼びかける。しかし次の瞬間、ブレイブはガシャコンブレイカーでソウゴに殴りかかった。
「ちょ、ちょちょちょタンマ!待って!」
間一髪斬撃をかわしたが、水色のクローズが横からパンチを繰り出す。買ったばかりの食品をなんとか守りながらギリギリで攻撃を避けていく。
「どうなってんのこれ!」
2人から少し距離をとり、ゆっくりと後ずさりする。すっと体を向き直し、クジゴジ堂の方へ駆け出した。が、石ころに足を取られてバランスを崩し、その場にうつ伏せに倒れてしまう。ポケットにしまっているライドウォッチが勢いよく転がり、手を伸ばしても届かない。2人の仮面ライダーが忍び寄ってくるのを背中で感じつつ、這いずり回るようにしてライドウォッチを手に取った。
クローズはビルドドライバーに装填された青いナックルを取り出し、ソウゴの後頭部に向けて振りかぶった。
[オーマジオウ!]
後頭部スレスレまでナックルが来たところでソウゴはオーマジオウライドウォッチを起動した。ウォッチが金のオーラとなってソウゴの腰を覆い、黄金のベルト・オーマジオウドライバーへと変化した。
「変身!」
[最高!最善!最大!最強王!オーマジオウ!]
衝撃波が起こってブレイブとクローズが仰け反る。巨大な時計のバンドに包まれてソウゴは仮面ライダーオーマジオウへと変身した。
オーマジオウは右手をかざし、火の玉を放つ。ブレイブはガシャコンブレイカーでそれを捌き、すぐさま反撃してきた。
「何!こっちの攻撃が通用してない!」
2人の猛攻にカウンターを仕掛けていくオーマジオウだが、せいぜいよろける程度で、ダメージらしいダメージは通っていないようだ。全平成ライダーの力を持つオーマジオウは、当然ブレイブやクローズの力も持っているはずで、これほどまでに劣勢になることなど有り得ないはずだ。
[キメワザ!マイティ!クリティカルストライク!]
[シングルアイス!ツインアイス!Ready Go!グレイシャルフィニッシュ!]
ブレイブとクローズのWライダーキックが炸裂し、受けたオーマジオウは吹っ飛ばされて変身を解かれた。
「ぐっ...!どうして...!」
倒れたままなかなか立ち上がれないソウゴ。
ブレイブは剣の側面をスっと撫でてから、
ソウゴに歩み寄っていく。
「我が魔王!あれは...!」
クジゴジ堂の方から飛び出してきたウォズが、3人を視界にとらえた。
剣が振り下ろされようとしている。ソウゴは目を閉じた。しかし、その振り下ろされた剣がソウゴをあの世に送ることはかなわなかった。
ウォズが後方からストールを伸ばして、ソウゴを救出したのだ。
ターゲットを見失ったブレイブとクローズは一旦その場から消えた。
───クジゴジ堂
「...で、2人の仮面ライダーに襲われたということか」
ゲイツの確認に、ソウゴはゆっくり頷いた。
「でも、ブレイブの鏡飛彩も、クローズの万丈龍我もソウゴと面識があるはずよ。突然襲うなんておかしくない?」
ツクヨミが言うと、直ぐにウォズが口を開いた。
「それなんだがね、私が見たブレイブとクローズはどうも見慣れない姿をしていた」
「そう、ピンクのブレイブと、水色のクローズ。」
「...それはただのフォームチェンジなんじゃないか?」
ゲイツに言われて一度逢魔降臨暦を確認して、直ぐに否定するウォズ。
「...いや。あんなフォームの存在は記録に残っていない。」
「それに2人とも、俺が何を言っても答えてくれなかったし、なんかロボットみたいだった」
しばらく間があって、ツクヨミが言う。
「2人が何者かに操られてるってことかしら?」
「それにその本にも記録されていない見た目、何か裏がありそうだな。そして何より、オーマジオウの力が一切通用しなかったというのが一番の問題だ」
「やっぱり何か企んでる奴がいるってこと?」
ソウゴが丁寧に飾られたライドウォッチを見ながら言った。
「...やれやれ、また厄介なことになりそうだね、我が魔王」
「フハハハ!ヴーハッハッハ!」
外界からの光を一切遮った部屋の中に、檀黎斗はいた。黎斗は紫のゴッドマキシマムマイティXガシャットを両手で愛でながら何度も高笑いをした。
「私は4年待ったのだ...。ついにこの時が来た。私が私を取り戻す時がなぁ!フハハハ!」
防音壁を貫通してしまいそうなほどの高笑いが止んだのは、彼が背後に気配を感じたからだ。
「...どうした。小腹でも空いたか」
顎を少しだけ気配の方に動かして、ガシャットをデスクにそっと戻し、黎斗は尋ねる。背後のそれは何も答えなかった。
「もう少しの辛抱だ。いずれ君は覚醒する。私の作り上げたこのゲームの、鍵としてな」
言いながら、黎斗はゴッドマキシマムガシャットにもう一度視線を戻した。そのガシャットの横には仮面ライダーダイアクス、キュリス、ターボクス、ディアボロスのライドウォッチが几帳面に並べられていた。彼が次に振り向いた時、そこには誰もいなかった。
───元・普通の高校生 常磐ソウゴ。
彼は最高最善の魔王・オーマジオウとしての覇道を歩んでいた。そんな彼の前に立ちはだかったのは、歴史には存在しない仮面ライダー。仕掛けられたサバイバルゲームを勝ち残る鍵は...
"平成ライダーではない仮面ライダー"。
「ソウゴくーん、ご飯できてるよー!」
順一郎が1階から呼ぶと、ソウゴはゆっくりと階段を降りていった。
リビングには、既にゲイツ、ツクヨミ、ウォズがスタンバイを終えていた。ソウゴは定位置に腰掛け、お茶を口にしてから、ナイフとフォークを持った。ソウゴは目を丸めて順一郎に聞いた。
「おじさん、なんか今日のお昼ご飯豪華じゃない?」
テーブルには目玉焼きが添えられた大きなハンバーグが並んでいた。ハンバーグと皿の触れ合っている部分には肉汁が零れていて、食欲をかきたてられる。ウォズがフォークで端の方を切ると、断面から肉汁がぶわっと溢れ出す。
「この焼き加減、溢れる肉汁。素晴らしい...!」
ウォズが絶賛すると、歌うような口調で順一郎が言った。
「ほんと?嬉しいなぁ、おじさん久しぶりに張り切っちゃったよ!」
「確かに、これは美味いぞ」
ウォズにならうように口にハンバーグを運んだゲイツも、もぐもぐと食べ進めていった。
ソウゴ達はあっという間に昼食を平らげてしまって、お茶で口をなおした。
ソウゴ達が談笑する中、ツクヨミはそっとコップを机に置いて、怪しげに玄関の方を覗き込んだ。その様子を見てソウゴ達は徐々に声を消していく。
「...ねえ、あの子誰?ずっとソウゴを見てる」
玄関にいつからか佇んでいる、小学生くらいと思しき男の子だ。
「...わかんない、ってかどっから入ってきたの?」
ソウゴは怪しげに少年を見つめたままゆっくりと席を立ち、玄関の方へ近づいていった。
「どうしたの?」
目こそ合わせるものの、何も返答しない少年。
「俺に...何か用?」
なお答えない。
「迷子になっちゃったのかな?」
しばらく間があったが、少年はブンブンと横に首を振った。
「両親はどうした。分からないのか」
後ろからゲイツが聞くと、少年はこわばった表情を見せた。
ソウゴはリビングに戻り、4人で円になって相談を始めた。
「何も答えてくれないけど、どうすればいいんだろう」
「というかゲイツ、あなたのせいであの子ちょっと怖がってるわよ」
言われて、ゲイツは視線が泳いだ。
「そ、そんなことは無いはずだ」
「どうする我が魔王?」
「とりあえず...」
ソウゴは少年に話しかけようと輪を脱し、再び玄関の方に向いた。のだが。
「えー!いない!」
少年が佇んでいた玄関には誰もいなかった。
──10月14日(土)──
ソウゴ達は、件の歴史にない仮面ライダー達を調べるため、街を探索していた。
「ほんとにそんな仮面ライダーがいるのか?だいたい歴史にない仮面ライダーなんて...」
「本当に見たんだよ。ね?ウォズ?」
「ああ...」
しばらく歩いていると、突然立ち止まったツクヨミが遠くを指さして言った。
「ねえソウゴ、あの子...」
ツクヨミが突き出している人差し指の先には、確かに昨日見た謎の少年がいた。
「ほんとだ!おーい!」
ソウゴは笑顔で少年に駆け寄ると、屈んで目線を少年に合わせた。
「大丈夫だった?」
「...うん。」
少年はゆっくりとうなずいた。ソウゴは思わず笑みをこぼす。
「...君、名前は?」
「...カイル...」
少年は弱々しい声でカイルと名乗った。
「カイル、こんなとこに一人でいちゃ危険だ、お父さんやお母さんのところに帰らなきゃ」
そう言われて、少年は黙り込んでしまった。しかししばらくの沈黙の後、口を開く。
「...親、いないんだ」
「...そっか、ごめん。」
ソウゴたちの表情が一気に曇るが、ソウゴは口角を吊り上げ、カイルの腕をしっかり握った。
「俺も親いないからさ、気持ちは分かるよ。」
そんなやり取りをしている5人に、横槍が入った。
「親ならいるじゃないか、ここに」
5人は声のした方に視線を向けた。
「あんたは...確か王になるって言ってた...」
「貴様、檀黎斗だったな、何をしに来た」
視線の先には黒いジャケットに身を包んだ檀黎斗がいた。
過去、日本から独立し王として君臨すると宣言したアナザーオーズとして、ソウゴ達も黎斗を認識していた。
「カイル、勝手に行動してはダメじゃないか」
ソウゴとゲイツには目もくれず、カイルを叱る黎斗。カイルは怯えてしまった。
「行け、パラレルライダーズ。敵キャラの仕事を全うしろ」
「パラレルライダーズだと?」
ウォズが反応した瞬間、黎斗の指示で召喚された仮面ライダー達が5人の前に立ちはだかった。
「またしても歴史に記されていない仮面ライダー達が...」
現れたのはソウゴが一度遭遇したブレイブ アクションゲーマーレベル2、クローズブリザード、そして仮面ライダーWの幻の形態であるサイクロンアクセルエクストリームの3体だ。
「ツクヨミ、カイルを頼んだ!」
ソウゴはそう言ってオーマジオウライドウォッチを起動する。ゲイツとウォズもそれぞれベルトを装着し、ウォッチを起動した。
[オーマジオウ!]
[ゲイツ!ゲイツリバイブ疾風!]
[ギンガミライドウォッチ!]
「「「変身!」」」
3人は掛け声とともにベルトを操作した。
[最高!最善!最大!最強王!オーマジオウ!]
[ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!スピードタイム!リバイリバイリバイ!リバイリバイリバイ!リバ・イ・ブ・疾風!]
[ファイナリータイム!ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!]
3人はそれぞれ仮面ライダーオーマジオウ、ゲイツリバイブ、ウォズギンガファイナリーに変身し、パラレルライダーズと対峙した。
スピードを活かし先手を取って攻撃を繰り出していくゲイツだが、どれだけヒットさせてもクローズブリザードは一向に怯まない。
「何!効いてないだと!」
その隙をついてクローズブリザードはブリザードナックルを右手にはめ、ゲイツの腹部にパンチを当てた。
「ぐはっ!」
よろけたゲイツを容赦なく高速パンチが襲う。
徒手空拳でブレイブに挑んだウォズだが、拳をガシャコンソードで受け止められ、キックで後方に吹き飛ばされてしまう。
オーマジオウはサイクロンアクセルエクストリームに対しWを召喚して対抗しようと試みるが、召喚されたWの力が安定せず、直ぐに消えてしまった。
「やっぱり俺たちの力が通用してない...なんでだ?」
「それはこのゲームの特性によるものだ」
黎斗が答えた。
「ゲーム?」
ウォズが聞くと、黎斗は淡々と述べる。
「このゲームのゲームエリアではプレイヤー側の平成ライダーの能力が抑制される。プレイヤー側である君たちの能力は今大きな制限がかかっているというわけだ」
黎斗の説明が終わると同時に、パラレルライダーズは必殺技を繰り出した。
[サイクロン!ヒート!ルナ!ジョーカー!マキシマムドライブ!]
[マイティ!クリティカルフィニッシュ!]
[ツインアイス!Ready Go!グレイシャルフィニッシュ!]
虹色のビームを放つビッカーファイナリュージョン、そしてブレイブとクローズの必殺技でソウゴ達3人は後ろの壁に強くたたきつけられ、変身を強制的に解かれた。
パラレルライダーズは生身の3人とツクヨミ、カイルの方へ歩み寄ってくる。
CAXの魔の手がツクヨミに伸びる。
胸ぐらを掴んで持ち上げ、左の拳を構えた、その時。
バイクのエンジン音が広場に漂い、全員の視線がそちらに集中した。
「あれは...!」
真っ先に反応したのはウォズだった。
赤いボディに緑のラインが走るバイク・ジャングレイダーは徐々に減速してCAXの目の前で停車し、コートを羽織った青年が座席から降りた。
青年は赤いベルトを腰に押し付けるように装着し、銀の注射器を装填する。
「アマゾン...。」
そう呟いて、注射器を左手で押し込む。
[ニュー・オ・メ・ガ]
電子音とともに緑のサイバー空間が形成され、爆発と衝撃波が発生してソウゴ達は反射的に目を逸らした。
青年は緑のボディに、所々中身が露出した機械的なアーマーを着けた左右非対称な仮面ライダーに変身した。
左手から突然殴りかかってきたクローズの拳を腕のカッターで受け止めると、そのまま腕を振り払ってクローズを引き剥がす。
右手にいるブレイブを牽制しつつ、クローズとの距離を徐々に縮める。
顔に向けて、ブリザードナックルをはめた右拳が飛んできたが、手首を片手で捕まえて強く握り、ナックルを振り落とす。
ブレイブのガシャコンソードが背中を斬った。その瞬間左右非対称の仮面ライダーは照準を切り替え、ブレイブと対面した。
ベルトの注射器を押すと、
[ブレード ローディング]
の音声とともに右手に赤い剣が生成される。
つばぜり合いを見事に制し、敵を遠ざけると、CAXの方へ飛びかかった。
「凄い、攻撃が効いてる...!」
「こいつはプレイヤー側ではないということか?」
「でもこの人、俺たちの味方をしてくれてるみたいだけど...」
CAXのプリズムソードをスレスレで回避し、腹部に鋭く伸びたアームカッターを引っ掛ける。
CAXが怯んだのを確認するや否や、仮面ライダーはベルトのスロットを操作し、低く屈んで左腕を構えた。
[アマゾンパニッシュ]
素早い動きで3体まとめて切り裂いた。被弾した3体はピクセルと化し、やがて雲散霧消した。
パラレルライダーズが消滅するのを見届けてから、黎斗は拍手をしてみせた。
「なかなか面白いプレイヤーが現れたようだな。歓迎しよう」
変身を解除した青年は黎斗にたずねた。
「これはなんなんです?僕はなぜここにいて、この子はなんなんですか?」
青年は一瞬カイルの方を見て言った。どうやらこの青年もカイルと面識があるらしい。
「真実はいずれ述べる。それまで待ちたまえ」
それだけ言うと黎斗はその場を去ってしまった。
一同は青年とカイルを連れてクジゴジ堂に戻っていた。
「水澤悠。仮面ライダーアマゾンオメガ。人工生命体アマゾンと戦った戦士...ということだね」
ウォズは青年について説明して、逢魔降臨暦をパタッと閉じた。
「アマゾンと戦った、って言っても、僕もアマゾンだけどね...」
「悠も仮面ライダーってことか。それで、そのアマゾン?って何?なんで悠は同じアマゾンと戦ってたの?」
ソウゴは悠の瞳を覗き込むようにしながら聞いた。
「アマゾンはアマゾン細胞っていう細胞から出来た生命体だ。タンパク質を好む性質があって、特に好物なのは人の肉」
「人の肉...?」
ツクヨミは1歩後ずさりし、肩を抑えた。
「ああ。食人衝動があって、抑えきれなくなると覚醒し、人を襲う。だから人類はアマゾンを狩り始めた」
ソウゴ達は何も言わず悠の説明を聞き続けた。
「でもアマゾンは人を襲いたいわけじゃないんだ。だから僕は覚醒していないアマゾンを人から守りながら、覚醒したアマゾンを狩ってきた」
「お前はどうなんだ」
ゲイツが腕を組みながら聞く。
悠はゆっくり首を横に振りながら答えた。
「大丈夫。人は食べてないよ」
「人は...」
ウォズはそう言いつつ、もう一度逢魔降臨暦を開いた。
「本当ならアマゾンオメガの歴史はクォーツァーが奪っていて既に消えているはず。それに...」
ウォズに視線を向けられ、ツクヨミがポケットから白いウォッチを取り出した。
「ツクヨミくんがライドウォッチを持っている。ツクヨミくんが仮面ライダーへの変身能力を持つ時間軸は確かに存在するが...」
「僕も、壊されたはずのこのベルト、気付いたら持ってて...」
悠が机の上に赤いベルト・ネオアマゾンズドライバーを置いた。
「その上歴史にない仮面ライダーまで現れたとなると」
「...また時間軸が混入し始めて、悠はその別の時間軸から来たってこと...?」
ソウゴが言うと、ウォズがうなずいた。
「この本によれば、アマゾンオメガの歴史は2016年に始まり今に至る。ちょうど仮面ライダーエグゼイドの歴史も同じく2016年から始まっている」
「...檀黎斗って確か...」
ツクヨミに向けてゲイツが頷く。
「ああ、仮面ライダーゲンム。エグゼイドの歴史の一部でもあるな」
「やっぱり何か関係があるのかも」
ソウゴが、台座に飾られたエグゼイドライドウォッチを見つめながら言った。
「...ソウゴくん、頼みがある」
悠が口を開き、ソウゴは視線を戻した。
「何?悠。」
「しばらくの間協力して欲しい。僕のことも、このベルトやあの敵、それにカイルのことも。調べたいんだ」
悠はゆっくりと頭を下げた。
「もちろん、悠がいてくれると俺たちだって助かる」
ここにこうして禁断のチームが結成された。
ジオウの世界の終焉まで、
タイムリミットは...6日を切った。