この作品のパンドラスペック
・見ただけで変化出来る
・個性を8割再現可
・装備も8割性能で再現可
・変化に1秒かかる
・縛りプレイで身体能力は7割削られている
・個性は使う部分だけ変化すれば使える。例であげると相澤先生は顔さえ変化すれば【抹消】可能。ただ安定はしない
・変化した際何となく個性の使い方が分かるので発動は出来るが、細かい調整などは練習しないと出来ない
・原作では41ストックだったが種族レベルをいじったので55ストック出来るようになっている。至高の御方で埋まっているので実際14ストック可能
長々とすみません。まぁ原作とだいぶ独自設定が追加されています。そんなパンドラでも良い方は本編どうぞ
「待てぇぇぇぇえ!!!」
パンドラは走っていた。
なぜならエンデヴァーが追いかけてくるからだ。
廊下では個性を使ってはいけない。それに従いパンドラは全力で生身で逃げているのにも関わらず、エンデヴァーは若干個性を使って追いかけてくる。
(なんでヒーローがルール守らないんですかっ!?)
縛りプレイさえなければ生身でも余裕で逃げ切れる·····そもそもなぜ追いかけ回されなければならないのか
「なぜ追いかけてくるんです!?」
「胸に手をあてて考えてみろ!」
パンドラは言葉の通りにしてみるが、全く分からない。
「分かんないです!」
「とにかく一旦止まれ!」
このまま追いかけっこしても拉致があかない。とりあえずパンドラは足を止めてみた。
「なにか用ですか?」
「用もクソもあるか! 貴様なんだあの試合は!?」
(先程の常闇戦の事ですかね? No.2ヒーローに恥ずかしくないよう気合いを入れて望んだつもりなんですが)
「何かダメでした?」
「全てに置いてダメだろバカ!」
「ええ〜」
「ええ〜じゃない! 舐めとんのか貴様!」
『爆豪エゲツない絨毯爆撃で3回戦進出!! これでベスト4が出揃った!!』
「ああ、切島くんと爆豪くんの試合終わってしまったじゃないですか!!」
「知るか! ·····俺に変化する時はあの動作はやめろ」
「カッコイイのに?」
「どんなセンスしとるんだ!? とにかく俺になる時は余計なこと喋るな・動くな堂々としとけ!」
「了解しました」
エンデヴァーは長いため息をついた。
「まぁ愚痴はこのぐらいにしといて·····貴様、中々の強個性だな」
急に褒められパンドラは不思議そうに首を傾げた
「お褒めいただき光栄です」
「だが·····100%は再現できてないな」
真実を言い当てられて先程と反対側に首を傾げる。ジェットバーン1発でそこまで分かるものなのかと
「この個性と何年付き合っていると思っている? 自分の個性ならそのくらい分かる」
伊達にNo.2ヒーローをやっている訳では無いらしい
『準決! サクサク行くぜ』
「いい加減上に行きたいんですけど」
「ここからならヒーロー専用の観客席の方が近い。一緒に来い。話がある」
(出来ればご遠慮したいのですが逃がしてくれそうもなさそうです·····)
パンドラは渋々エンデヴァーの後をついて行く。ステージでは飯田が動き出したところだった。
「焦凍をどう思う?」
「顔色が悪いように見えますね」
「ああ、そうだな·····違う! そっちじゃない。強いと思うか?」
「氷と炎の特性によりそれぞれのデメリットの解消、規模・威力の強さ、それを使いこなす技量·····は少し大雑把な印象は受けますが総合的に見たら強い方だとは思います」
パンドラは正直に答えた
「そうだ。焦凍は強い。だがあれではダメだ。あいつにはオールマイトを超える義務がある。さらなるパワーアップが必要だ」
エンデヴァーは轟を見つめていた視線をパンドラに向ける。
「そこで貴様だ。万能型の頂点に近い貴様を倒すことが出来れば、あいつはさらなる高みに登りつめることができる」
「私に経験値になれと?」
「話が早くて助かる。俺は貴様を買ってはいるのだ。個性で他に何が出来る? 誰にでもなれるのか?」
「なぜ私があなたにそこまで教えなければ?」
情報は武器だ。財産だ。B組の生徒は授業での課題をこなすためお互いの個性をよく知らなければならないので教えるが、話題の一環で個性の詳細を教えるには情報の価値が高すぎる。
「·····」
「私とチームアップでもするなら別ですけどね」
丁度轟が飯田を氷で動きをとめた。結局炎の方は使わなかったようである。
『飯田行動不能! 轟炎を見せずに決勝進出だ!』
「時間なので、失礼」
パンドラはエンデヴァーと話して1つ分かったことがあった。
きっと周りの人間なら轟家の内情に何か思うところがあるのだろう。興味がないので彼自身は何も感じない
(親としての格なら私の父の方が上ですね)
自分の父は他と比べて誇らしい。それだけは彼の中で真実だった。
✣✣✣
『もう1組の準決! どちらも勢いフルスロット!! パンドラ対爆豪勝己!!』
爆豪勝己は目の前のパンドラを睨みつけていた。
(気に入らねぇ·····)
最初は宣戦布告の挨拶での態度が気に食わなかったのを引きづっているのかと思っていたが、これまでのパンドラの活躍を見てピンと来ていた。
(コイツ、舐めプしてやがる)
自身の優秀な観察眼に間違いなど無い。絶対コイツはまだ何かを隠してやがると爆豪は確信する。
(轟といいコイツといい随分余裕ぶっているじゃねぇか·····ぶっ殺す)
最終的に考えはそこに着地する。隠しているなら隠す余裕が無いほど追い詰めてやればいい。全力で挑んできたところを完膚なきまでに叩き潰す。
『START!!』
「死ねぇっ!!」
最初っからパンドラに爆発をかます。
周りは爆豪というキャラクターに粗野な印象を抱いているようだが、彼だって対戦するかもしれない相手の観察ぐらいする。結果分かったことは変化する時1秒のタイムログがある。
(誰にでもなれるのか、制限などあるのか、分からないことは多いがタイムラグの隙をつけば勝てるわクソがっ!)
「イッタイ! イッタイヨパンドラ!」
「軍帽ぐらいかぶらせて下さいよ」
(·····っチ)
煙から現れたのは常闇だった。今の爆発をダークシャドウで防いだようだ。
「ダークシャドウじゃないです! 黒ちゃんです!」
「名前だせぇ!」
そう簡単に次の手など打たせない。ダークシャドウはさっきの試合で光に弱いことは分かっていた。
「イッタイ! イッタイ!」
闇が尽きるまで、補充する暇などつくらせないほど連続で殴り続ける。
「これで終わりだぁ!」
今にも死にそうなダークシャドウにトドメを刺そうと大ぶりに拳を振り上げたが急にダークシャドウが動き出し
「ぐぶっ」
勢いよく飛び出した常闇(パンドラ)から鳩尾に肘鉄喰らう。
しかし所詮体は小さな常闇、威力はたかがしれている。そこまでダメージはなかった。
だが1発くらったことに爆豪はイラッとする。
「クソがぁっ!」
すぐさま攻撃に転じようとするが続けて鳩尾に重い拳を入れられる。
1秒も経っていない。常闇にはそんな威力はない
よく見るとパンドラの体はぐにゃりとなっているのにも関わらず拳だけは
「切島!」
(しまった、部分だけの変化も出来たのか!1秒もかからずに?というかさっきからコイツなんで·····)
疑問が1つ
(プロヒーローにならない!?)
✣✣✣
空を飛んで仕掛けてくるなら塩崎で上鳴で近づけさせない
連続で攻めくるなら芦戸で飯田で距離を取り
カウンターを狙うなら徹鉄で体を守りながら
軍帽をつくるなら八百万
今も麗日の案をパクリ小規模の流星群を降らせ
腕を上げて対処している間に瀬呂のテープで外にぶん投げる
もう少しで外に出せそうだったが爆破でテープを引きちぎられ逃げられた。
(そろそろつっこまれる頃ですかね)
「なんでプロヒーローにならねぇんだよ!?」
そう、パンドラはこの試合ガチンコバトルで負けた生徒の個性しか使っていなかった。
「私自身の能力を見て欲しいからですよ」
今までは個性としている【ドッペルゲンガー】の能力を見てもらうため話題性、有能性を宣伝しやすいプロヒーローで相手を倒してきた。
だが、いくら武器が良くても使う人が無能なら意味が無い。今自分が宣伝しているのはパンドラ自身の優秀さ、個性を使いこなす手腕・判断力。
プロヒーローで戦ってしまえば結局個性かとなってしまう。ならば見ている人に分かりやすく同じ、もしくは少し下のレベルの生徒で戦えばどうだろうか?
一言でなんとなくパンドラの考えを悟ったのだろう。爆豪の機嫌がみるみるうちに悪くなってきた。
「てめえぇぇ! ふざけんじゃねぇ!!」
爆豪が目指すのは完膚なき1位、自身の行動はそのプライドを叩き壊すどころか燃やして塵にして海に撒いているような行為だ。激昂されるのはしょうがない。ただ舐めプしているつもりは毛頭ない。パンドラだってこの条件で勝つ為に全力で頭を回している。全然余裕ではないのだ。
(下手したら負ける!)
パンドラの個性は8割しか再現できない。それは個性だけではなく身体能力にも言えることだった。爆豪は身体能力でもトップクラスに位置するのに加え個性の使い方も光るものがある。それに比べて今の条件でパンドラが爆豪に勝っているのは圧倒的な手数の多さだけだ。
更にパンドラの頭を悩ましているのは
(情報がうるさい)
パンドラは変身する際、精神操作系の特殊能力で自動的に対話している相手や周囲の簡単な表層思考を読み取っている。普通はそこから変身元の人物の情報を抽出してなりきるが
(今はいらない)
今必要なのは生徒の個性のみだ。
ドッペルゲンガーとして優れているがゆえよって読み取れる周囲の範囲はこのドーム全体に及んだ。
それに加え連続で相手を変えているので、いつもより情報がパンドラの頭の中を錯綜している状態だった。別に慣れているので行動に影響はない
《お前の名前はパンドラズ・アクター。そして今日から俺の息子だ》
自分には父がくれた役割がある。この役割さえ忘れなければいくらでも誰にでも演じ続けられる。自分を見失うことなんてありえない。
(けど煩わしいことこの上ないですね、父上〜私は貴方様が恋しく――)
「全力だせやぁっっつ!!」
相も変わらず爆豪は突進してくる。発目に変化し、同じく再現できた油圧式アタッチメントバーで楽々――は回避できなかったがギリギリ避ける。
爆豪は息が上がってきている。彼だって無限に攻撃をし続けられる訳がない。焦ってきている。
(仕掛けますか)
決勝戦進出した生徒の中で、あと変化していない人物が2人いた。そのうちの1人は
「ねぇかっちゃん」
「······あ”ぁ!?」
明らかに爆豪の雰囲気が変わった。ただでさえ凶悪な顔だったのにそれを通り越してもうヴィランだ。
「てめぇおちょくってんじゃねぇよ!」
「僕はおちょくってなんかないよかっちゃん!」
「黙れ!」
緑谷だって1年間死ぬ気で鍛えた筋肉がある。その8割だとしてもパンドラの優れた動作予測によりギリギリ爆豪の攻撃を避けていく。いや爆豪の方もヒートアップしているので何発かは当たっている。まぁ緑谷の体だから持つだろう。爆破と共に煙で視界が阻まっていく。
「レシプロバースト!!」
パンドラは足だけ飯田に変化し、強烈な蹴りをお見舞いしてやる。いきなりのレシプロで少し体勢を崩したがあちらにはそれなりのダメージを与えられただろう。しかし目的はそこじゃない。距離をとると同時にこちらの姿を相手から見えないようにすること
ここでクエスチョン、激昂している爆豪に確実に返事をしてもらうには?
【あっかっちゃん大丈夫? 怪我してない?】
「っ! それやめ······!??」
(──かかった)
心操の声でも役者にかかればそれなりに緑谷の声に近づけられる。緑谷の姿で冷静さを失わせたのと煙で相手にこちらは見えていないのも効果を発揮した。
【振り向いてそのまま場外へ出ろ】
『爆豪停止ィィィイ! 心操と同じパターンかぁ!?』
爆豪は言葉の通り行動し始める。緑谷の例があるので念の為歩く爆豪の隣をついて行く。
パンドラはプロヒーローの個性を使えるのにも関わらず生徒の個性しか使っていない。これは全力でないと言えるのか? そういえば緑谷が轟に言っていた。「全力も出さないで1番になって完全否定なんてふざけんなと思っている」
だからなんだ
最高のヒーローになるため自分が来たことを知らしめる訳でもない
最強のヒーローになるため完膚なき1位をとる訳でもない
この体育祭にかける思いは人それぞれ、あくまで個人戦なのだから誰がどうしようとどうでもいいではないか、だから目的のため爆豪の全力にパンドラは応えない。主人公は自分とばかりに自分勝手に踊り続ける。全力には全力を、普通は緑谷や爆豪の考えを正しいと言うかもしれない。それでも勝ちは勝ちだ。所詮勝った方が正義
もうすぐ場外に足をつく
あと3歩
2歩
1
「クソがァァァァァ!!」
「!?」
『爆豪洗脳解いたァァァ!?』
破られた。【洗脳】が破られた。
(8割の弊害がここに来て·····!)
個性を8割しか再現できない弊害は使ってみないと分からない。時間制限があるものは時間が、数に限りがあるなら数がと分かりやすいものなら予想できる。心操のは洗脳が本物より解けやすくなるものだったらしい。それでも至高の御方たちが解けなかったものを爆豪が解けるのか?
(意志の強さ·····?)
実験で御方たちは絶対解かなければならないという決意はなかった。
考えられるのはそこしかない。
つまり爆豪は勝つという目的のもと全力で抗った。
(そうだとしてもあと1歩! 強く背を押せば私の勝ちです!ありがとう緑谷くん心操くん! 念の為に横にいて良かった! これでおしま――)
『······? あれ? パンドラ消えたァァァ!?』
続く
パンドラ「主人公は私。父のためにならどんな役でも演じましょう!」
モモンガ様も覚悟や決意を尊重する節がありますよね。パンドラにもあるにはありますが場合によります。できるだけ応えようとはします。しかし目的がある場合は覚悟云々よりそちらを優先。
だってまず種族違う。なんで人間の気持ちに寄り添わないといけないんですかという考えが底にある
表面には出しませんけど
実は体育祭、2つ結末があったんですよね、どちらにするか決めきれなかったのでクジで決めました。そんな行き当たりばったりの作品ですが今後とも楽しんでいただけると幸いです。
次回、壇上から消えたパンドラ、驚きを隠せない観客、その中で4人だけが状況を正確に把握していたのであった·····