縛りプレイによりパンドラが装着しているもの
オリジナルアイテム
<EXP・コラー>改
・7巻で出てきた能力を低下させるが経験値を倍増させる首輪を腕輪サイズにし改造したもの。名前は適当に付けた
・モモンガが色々な機能を付けたと言ったが内容は
緊急能力解除装置(装備者の身に危険が迫った時、アイテムの効果を解除する)
完全耐性解除(元々持っている耐性を消す。精神耐性だけは情報漏洩を避けるため残された)などなど
・上の機能を付けていたらデータ容量が無くなり90%身体能力を抑えるつもりだったが70%になってしまった。
ナザリックは【ワン・フォー・オール】について研究している
忘れている方もいるかもしれないので一応
よろしければどうぞ
『······? あれ? パンドラ消えたァァァ!?』
その動きを認識できたのはこの会場には4人しかいなかった。
「パンドラ”ァァァ」
1人は拳を握りしめる美しいサキュバス
「まじ?」
1人は腹を抱えて笑うブレインイーター
「えっえー!?」
1人はやせ衰えたとしても動体視力は現役なNo.1ヒーロー
「·····」
最後にパンドラに抱きつかれて現在声が出せないモモンガ
何が起こったのか説明するのは簡単である。パンドラがモモンガに抱きついてしまっただけだ。
いるはずのない父が来てくれた嬉しさか
それとも戦いの中で父の言葉を思い出したのが悪かったのか
この体育祭を個人戦と捉えていたからか
それとも全部なのかは分からない。
不運にもトドメをさす直前に遅れて応援に来たモモンガを見つけてしまった。つい反射で、しかも解けるはずのない縛りプレイを打ち破り人外じみた身体能力で父に飛びかかってしまったのだ。
爆豪は勝つという目的によって意志の強さを見せつけたが、同じようにパンドラは父への愛による意志の力で縛りプレイの呪縛を解き放ったのだ。それが良いことだとは一言も言っていない。
『おーっとパンドラァァァ消えたと思えば観客席にいるぞ! どーゆーこと!?』
『意味が分からん』
実況の2人がやっとパンドラを見つけたようだ。ザワザワと会場がうるさくなっていく。それでもパンドラもモモンガも動かない。
『えーと·····これは·····』
「パンドラ場外! 爆豪くんの勝利!!」
「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁあ!!!」
爆豪は思わず爆破をかました。そりゃそうである。どう考えたってあの状況は爆豪の負けに王手がかかっていた。
完全に叩き潰すどころか追い詰められた挙句ふざけた理由で勝利を譲られた。普通の人でも納得のいく勝利ではないと思うだろう。
それを普通の人よりプライドの高い爆豪でやってしまった。
「おいゴラァァ降りてこいや! こんな勝負無効だくそがァ!! 俺が目指しているのは完膚なき1位なんだよ! やり直しだオラァァァ!!」
爆豪の声を聞いたのかパンドラはステージに戻ってきた。
自分の父を姫抱っこして
「まじふっざけんな! ふざけんなぁァァ」
一般人がいるからか攻撃はしなかった。だが八つ当たりとばかりにステージで地団駄をふむ。
ここでようやく茫然自失していたモモンガが動いた。
「うちの息子がすみませんでしたぁぁあ!!」
パンドラに1発入れてから地面に降り立つ。そのままパンドラの頭を鷲掴み自分と一緒に頭を下げさせた。
「本当にすみません。息子がこんな大切な勝負を投げ捨ててしまい申し訳ありません! ほらパンドラも謝れ!」
「まさか······本当に体育祭見に来てくれると思わなくて······つい。ごめんなさい爆豪くん」
全力には全力を、応えなかったとはいえさすがに度が過ぎる行動だったかと、パンドラにも謝るべきことをしてしまったという自覚はあった。
「······幼稚園児かよてめぇはよ」
爆豪は素直に謝られて拍子抜けしてしまったのか怒りが一時的に収まってしまった。
幼稚園の時、遊んでいる途中にも関わらず母が迎えにきたらすぐにそちらへ飛び込んで行く子供がいた。甘ったれと嘲笑っていた記憶がある。パンドラの行動は正にそれだ。思わず冷静につっこんでしまう
「本当にごめんね、俺の教育が行き届かないばかりに····えっと爆豪くんだっけ?」
爆豪は内心殴り掛かりたい気持ちでいっぱいだが何の非もない一般人を巻き込んではいけないという常識はある。
「·····ッチ」
『まさかのパンドラの敗因はファザコンンンンンン! そんな負け方ある!? クレイジーだぜ!!』
『合理的じゃない·····てか馬鹿だろ』
観客席からちらほら「ファザコン」と野次があがる。
ついにモモンガは顔を手で覆ってしまった。
こんな締まらない決着のつき方が今までにあっただろうか?
そんな不完全燃焼の雰囲気の中、パンドラだけは特にダメージをくらった様子がまるでなかった。むしろ父に生で活躍を見てもらい幸せそうでさえある。
「でも私的には大勝利」
「反省しろよ馬鹿ぁ!」
「今俺の嫌悪ランキング2位にランクインしたわゴラァ!」
――10分後
さすがに生徒の席には保護者を入れることは叶わなかったので残念ながら父とは待機室で別れた。決勝戦までいけなかったのはパンドラとて予想外の出来事だったが自分の実力はある程度は伝えられたと思う。父も来てくれたしパンドラ自身は体育祭の結果にはそれなり満足していた。
「パンドラァァァ!!」
物間には泣かれたが
3位決定戦はないようなので、グチグチとうるさい物間のそばで決勝戦を観察する。
(ほぉー)
パンドラの感想
(顔凄っ)
爆豪はヴィラン顔で固定されたままだし、轟はさっきからずっとクトゥルフでも見てしまったような顔だ。SAN値チェックをおすすめする。
そんな状態で戦っているからか知らないが、最終的にもっとキレた爆豪に勝利の女神は微笑んだ。
『今年度雄英体育祭1年優勝は──······A組爆豪勝己!!!!』
✣✣✣
オールマイトはドームの上で思わず苦笑いをしてしまった
(表彰台の上に喜怒哀楽が全部揃っている)
喜は飯田、楽はパンドラ、表彰台に乗れたのだから嬉しいのだろう。それは分かる。おかしいのは1・2位だ。まず轟は途中からずっと哀の表情を顔に貼り付けっぱなし、爆豪は爆豪で1位になれたのにも関わらず拘束されてしまうほど怒り狂っていた。
(まぁ爆豪少年の気持ちは分からなくもないんだけどね!)
爆豪はただ1位になりたい訳では無い。完膚なき1位を取りたかったのだ。それが1・2種目ではトップを取れず、ガチンコバトルでは······
「今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!」
オールマイトは少し思考に浸りすぎたと気持ちを切り替え、ミッドナイトの声に合わせてドームの屋上から飛び降りる。
「私がメダルを持って「我らがヒーローオールマイト!」来た!」
見事にすれ違った
(カブったあああああ!けれど私はめげないぞ!早速今回頑張った少年達にメダルをお届けする!)
心の中でひと騒ぎした後、シラケた空気をものともせず飯田の方へ歩き出す。
「飯田少年おめでとう! 君の戦いは正にインゲニウムを彷彿とさせるものだった。この調子でこれからも励んでいこう!」
飯田は恐縮です! と勢いよく頭を下げる。ちらっと見えた顔は口元がムズムズしており嬉しさが隠しきれないようだ。可愛いなぁと思いつつオールマイトは思わずハグをかましてしまう
(さて次は)
横に目を向けると思いっきりパンドラと目が合ってしまった。
「パンドラ少年おめでとう! 君は個性も凄いが何よりそれを使う技量に驚かされたよ。これからもその力を存分に人助けで発揮していってくれ!」
飯田にもハグをしてしまったので流れでパンドラにもハグをする。ついでに疑問に感じたことを小声で尋ねてみた。
「なぁ君は民間人と父親、どちらを優先して助ける?」
「父上ですね」
即答された。思わずパンドラの顔をまじまじと見てしまう
「あなたも誰が聞いているか分からない廊下で大声を出さない方がいいですよ」
「っ! ·····君はどこまで」
(あの時居たのか?)
「轟くんが待ってますよ」
意味深な言葉は気になるが今はメダル授与だと、とりあえずパンドラを今日の帰りに呼び止めようと心のメモに書き留めた。
「轟少年おめでとう! 途中から顔色悪いけど·····それは決勝戦で炎を収めてしまったのと関係あるのかな?」
「全てに於いて分からなくなりました······」
(なんだか深刻そうだ)
「俺は······あなたのようなヒーローになりたかった。けれどその前に精算しなきゃいけないことがある。そう、例えば親父との·····親父? 試合で満面のえガガガガガガガ」
「轟少年んんん!?」
ガタガタと震え始めたのでハグをする。轟は何とか落ち着いてくれたようで身体の震えは収まった。
(さて最後は)
「伏線回収お見事! 爆豪少年!」
可哀想なのでオールマイトは口だけでもと拘束具を外してあげた。
「オールマイトォ俺はこんな屈辱的な1位いらねぇんだよ·····認めねぇ·····認めねぇぞ特にパンドラァ”」
「顔やばいですけど大丈夫ですか?」
「ああ”ん?」
「そこケンカしない! うん、君のいい所は自分自身の中で絶対の不変評価を持ち続けられるところだ。今回は忘れぬ傷としてメダルは受け取っとけよ! いつかちゃんと認めることが出来たらならこのメダルを割るといい!」
「上等だァ! 完膚無きまでに叩き潰してメダルを粉々に砕ききってやんよ!」
「粉々に砕くよりも売った方が資金「黙れ!」えー」
このままだとまたパンドラとの掛け合いが始まりそうだ。オールマイト急いで爆豪の首にメダルをかけ締めの言葉に入る。
「さァ! 今回は彼らだった!! しかし皆さん!」
一息置く
「ご覧いただいた通りこの場の誰にもここに立つ可能性はあった!! 競い! 高め合い! さらに先へ登っていくその姿! 次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!」
彼らは成長している。自分を超えて空高く
「てな感じで皆さんご唱和ください!! せーの」
そんな彼らに今日贈る言葉は
「「「プルス「おつかれさまでした!!!」ラ」」」
(······あれ?)
✣✣✣
パンドラは仮眠室にいた。いや、正確にはオールマイトに拉致された。
LHRが終わった直後に飛び込んでこられては流石にパンドラも逃げる暇など無い。俵抱きされてここまで連れてこられた。心操もあの時こんな気持ちだったのだろうと柄にもなくパンドラは悪いことしたと反省した。そして今度からは姫抱っこで連れて行ってあげようと決意する。
「君はどこまで把握している?」
パンドラは問い詰められることは分かっていたが思ったよりオールマイトは直球だった
「どこまでとは·····?」
「聞いていたんだろう」
「師弟関係のことですか?」
「んん·····まぁ」
「その口止めだけで私を拉致するわけないでしょう?」
オールマイトはゆっくりと顔を正面に向ける
「なぁ」
「私はあなたに変化してみましたよ」
「·····」
「私の知っているオールマイトにはなれなかった」
「·····っ」
「そして1番不思議なのは」
可哀想にNo.1ヒーローは肩が硬直してしまっている
「個性が発動できない。私の【ドッペルゲンガー】は他者そのものに変化する能力。個性を持って生きてきたのなら変化した際、多少なり本体から読み取れるはず。しかし読み取れなかった。それが出来なかったのは今まで貴方と·····もう1人」
ヒーローは観念したように目を閉じてしまった
「彼も変化した際、個性の発動、読み取ることすら出来ませんでした。彼の名は緑谷出久、今日貴方が私も無個性だったと告白していた相手ですね」
「君はもう分かってしまったのだろう」
「それだけだったら言いきれなかったかもしれませんが貴方たちの個性は似すぎている。無個性から個性持ちになった件についても。疑念は確信に変わりましたね。これはもう私が貴方達2人に変化した時点で決まってしまった運命だったんです。清く話してしまった方が宜しいのでは」
「私は今君に話すのを躊躇している」
「表彰台の答えが原因ですか? あれは貴方の質問が悪すぎます。民間人も父上もどちらとも救う努力はします。究極の選択なら父を取ると言うだけで」
「いやそれは·····。それだけじゃない、巻き込みたくないんだ」
「余計なお節介はヒーローの·····なんでしたっけ?」
オールマイトはため息をつき、トゥルーホームに戻った。
「·····分かった。これから話すことはくれぐれも」
「口外しません。·····私だってヒーローの端くれです。知ってしまったからには貴方達の力になりたい」
諦めてしまったオールマイトはワン・フォー・オールについて語った。その話には元々ナザリックが把握していたものもしていないものもあった。
(個性ってなんにでも理由になり得るんですね·····)
確信も何も緑谷出久のことも個性が受け継がれていることは事前に知っている。だがパンドラはいかにも【ドッペルゲンガー】の個性と今日の会話で確信を得たとオールマイトに思わせた。
今回パンドラは(傍から見れば)個性故に疑問に思っていたピースが偶然聞いた話によって揃い衝撃の事実を知ってしまった被害者の立場だ。秘密がパンドラにバレたのは警戒を怠ったオールマイトの方に非がある。
パンドラは警戒された時どうしようかと一瞬悩んだが、そのうちオールマイトと緑谷の秘密の会議に入れてもらうつもりだったので良く考えれば丁度いい機会だったのだ。
(ワン・フォー・オール継承者に堂々と直接質問する権利を手に入れることが出来ました。これで研究も少しは進むはず······)
「さて、こちらも秘密を話したんだ。君のことについても教えてくれないかい?」
いつの間にかオールマイトの手には様々な種類の飲み物とゲーム盤が
「てな訳で最終的にオセロで私が全勝しました」
「オールマイトと緑谷に自然に情報を聞き出せる状況になれたのはデカイな······良くやった。けど遅くなるならちゃんと連絡しよう?」
「申し訳ございません·····ところで誰かこの家に?」
机の上には2人分のティーカップが置かれていた。
「ああ、ちょっとウルベルトさんがな」
「あの方ヨーロッパ地方で活動していませんでしたっけ」
「うん、なんか興味深いのを見つけたからしばらく日本にいるんだって。なんだったけ·····? あっ! そうそうヒーロー殺しだ。ほら今丁度テレビでやっている」
『現在各地で存在が確認されているヒーロー殺し、今日もまた新たな土地保須で2名もの被害者が出てしまいました。1人は重症、もう1人は死亡。死体には拷問された痕跡が──』
続く
パンドラ「戦いに勝ち試合に負けたぁっ!」
モモンガ「よくよく考えたら俺全国デビューしてない!?」
爆豪「パンドラいつかぶっ飛ばす」
オールマイト「2人の秘密が3人の秘密に·····」
ここまで読んで下さってありがとうございます。
パンドラはいつかはオールマイトと緑谷の秘密会議に参加するつもりでありましたが、いつどのように切り出そうかタイミングを計っていました。その時に丁度廊下でオールマイトが秘密をバラすような話をしてしまいます。
そのせいで(傍から見れば)事情を知ってしまい、それでもなお協力しようとしている姿勢のパンドラにオールマイトは強く言えないと思うんですよね。
だってオールマイトがそんな話廊下でしなければパンドラは確信することは無かったんですから
つまりオールマイトが協力者になれる勝算の高い状況をつくりだしてくれた。パンドラはそれにすかさず便乗した。
自然な形で協力者になることが出来た
これで見守ることでしかワン・フォー・オールの情報を手に入れられなかったのが直接質問することが可能に
自分で何言っているか分かんなくなってきましたが、要するにパンドラはオールマイトのおかげで自然な形で協力者になれたという事で
以上!
<余談>オールマイトと緑谷から個性を読み取れないとパンドラは言っていました。普通なら身体から個性因子を読み取れます(個人差あり)しかしOFAを持つ2人は身体と個性が個別に存在しており個性は読み取れる場所に存在していない感じです(パンドラの感覚的には)もっと詳しく書くと個性因子は確認できるが内容を読み取って再現することができないと言えばいいのでしょうか。とりあえず身体は再現できますが個性は再現出来ない。原因にはOFAの性質や記憶も関係しています