パンドラヒーローアカデミア   作:ぐち山ぐち

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家にずっといると気力が抜けていきますよね
舐めてた自宅待機
というか最近ヒロアカ本誌やばくないですか?ヒーローでは相澤先生が好きなんですけどなんかもうこうア゙ア゙ア゙ア゙ア゙


この小説では原作でのNPCは作られたものではなく至高の御方達に拾われたり育てられています。それを念頭に置いてお読みください
好き勝手やってますがそれでもいいならどうぞ


轟少年の受難

「えっ葛餅がお好きなんですか? 顔に似合わないですねぇ」

「黙れ、1回黙れ。その空いた口を1回閉じろ」

 

(なんでこうなった?)

 

 轟焦凍は移り変わる景色を眺めながら、何故こんな状況になったのか一生懸命考えていた。

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

 

 

 

 

 

「待っていたぞ焦凍」

 

 窓から差し込むオレンジ色の光が轟親子に影をつくる。轟は自分の職場体験先であるエンデヴァー事務所にやってきていた。

 

「ようやく覇道を進む気になったか」

 

 そんなつもりはサラサラない。そう口に出そうとしたが

 

「あいつを指名したのは無駄ではなかったな、きっとお前のいい踏み台になるだろう。ん? ところであいつはお前と一緒じゃないのか?」

 

 轟は首を傾げる。

 あいつとは一体誰のことなのかと

 

「おい、あいつって誰だ」

 

「? 聞いていないのか、個性だけみれ「お待たせしました!」ば·····来たか」

 

 派手に音をたてながら部屋に入ってきたのは埴輪のような顔をした隣の生徒だった。

 

「ブラド先生のお話が思いのほか盛り上がりまして·····予定の電車を1本逃してしまいました。どうも鈴木二重です。ヒーロー名はパンドラズ・アクター! 是非とも轟くんとは電車の中で語り合いたかったのですがね! 残念です」

 

 パンドラから自分の名が出て、轟はピクっと肩をあげた。

 バクバクと鼓動が早くなっていく。

 

 1週間ほど前だっただろうか、轟はおかしな症状に悩まされていた。例えば廊下を歩いている時、登下校、食堂、パンドラを見る度に轟の鼓動は性急に活動するようになったのだ。

 最初は気の所為だと無視していたが、何度も何度もうるさくなる鼓動に轟は原因解明に乗り出した。その結果分かったことは1つ、体育祭に何かあったらしい。

 らしいと言うのは体育祭の一部の記憶が轟には無かった。

 何があったのか体育祭の録画、DVD、動画に挙げられていたものを全て見返してみたが、失われたであろう記憶に差し掛かったところで意識が強制的にシャットアウトされてしまう。

 

 ならば人に聞こうとしたが、失われた記憶の間でパンドラと戦った常闇に聞いても「いい同士に出会えた」としか言わないし、緑谷に聞いても「ああ······うん」と誤魔化されかけた挙句最終的に教えてくれたようだが轟の耳はその話を脳に届けてはくれなかった。

 

 よって轟にとってパンドラとは、目に入るだけで自分の鼓動をあげる意味のわからない生物という認識だった。

 

「2人揃ったか、じゃあ行くぞ」

「どこへ? 何しに?」

 

 詳しいことは何も話さずさっさとドアに向かって歩くエンデヴァーの背中に轟は慌てて声をかける。答えは自信に満ち溢れた声色で帰ってきた。

 

「お前らにヒーローというものを見せてやる」

「No.2の?」ボソッ

「黙れ、ヒーロー殺しを捕まえに保須市に出張する。今すぐ保須市に連絡しろ!」

 

 

 

 

 

 

冒頭に戻る

 

 

 

 

 

 

 移動手段は新幹線だった。

 

 席は1つ前の座席を回転させ四人席をつくった。何かあってもすぐ動けるようエンデヴァーは通路側に座る。轟はエンデヴァーの前はもちろん隣も嫌なので必然的に斜め前になる。パンドラは奥に座るのがめんどくさかったのかエンデヴァーの目の前に座った。これがいけなかったのかさっきから2人の会話は(主にエンデヴァーが)殺伐としている。

 近くの席にいる中性的な青年含む外国人男性4人組が心配そうにこちらを見ているが轟は無視した。2人に関わりたくないのも理由の1つだが轟の身には数時間前から新たな問題が発生していたからだ。

 それにより会話を止めることが出来なかった。

 

(心拍があがるのに加え冷や汗と体の震えと頭痛が止まらねぇ)

 

 どうもエンデヴァーとパンドラを一緒に見ると体調がより悪化し始める。

 理由はさっぱりだがこの職場体験を有意義にするにはこれを克服する必要がある。逆に見続ければ慣れて治まるかと思い、実践してみたが5分ほどで体が限界を迎えた。こうなれば2人からできるだけ目をそらすしか轟に方法はない。なのでさっきから轟は見たくもない外をじっと眺めていたのだ。

 

「父上は最近卵焼きが上手く作れるようになったんですよ! 素晴らしい進歩だと思いませんか!?」

「俺でも作れるわぁっ! なんならしそ巻入も作れるからな!?」

 

 くだらない話がまだ続いている。黙ってそれに耳を傾けるよりは自分の体調悪化の原因を考えている方が何倍も有意義だ。

 轟の優秀な頭は周りの雑音を排除し高速で動き出す。

 周りの変化、世間の流れ、クラスメイトの会話など様々な情報が駆け巡る。その中でひとつピンとくる会話があった。

 

『このクラスはまだ恋が始まった様子はないかぁー誰か始まりそうな人いない? ヤオモモとか!』

『いえ·····私にはそんな相手······そういう芦戸さんはどうなのでしょうか?』

『残念ながら無し! あ〜私も好きな相手を見てドキッとかしてみたーい! もしくはそんな状況に陥っている子を見守りたーい!』

 

 症状は似ている。

 もしかしてこの胸の高まりは

 

「これは······恋?」

 

「轟くん恋してるんですかっ!?」

「どこのどいつだしょしょしょ焦凍ぉぉぉぉぁ!!」

 

 さっきまで騒いでいた2人が揃って轟を注視する。

 パンドラは単なる興味本位、エンデヴァーは(ほぼ消えかけている)親としての責務からだ。

 

「パンドラ、お前を見ていると胸が痛くなるんだ」

 

 一瞬天使が通った

 

「私·····ですか? いやーはい気持ちは分かりますけどね、うん私カッコイイですもん」

「やめろぉぉぉ焦凍ぉぉぉ考え直せぇぇぇ!!!」

 

 エンデヴァーは思わず立ち上がった。轟は動じず言葉を続ける。

 

「最近お前を見ていると胸がバクバクする」

 

「おおー」

「焦凍ぉぉぉぉぉ!」

 

「今もお前(とエンデヴァー)を見ているとそれに加え冷や汗と体の震えが止まらない」

 

「······はい?」

「焦凍ぉぉぉぉぉぉ!」

 

「あと頭痛もする。それを踏まえてお前に俺は恋しているのかと」

 

「それ恋じゃないですね」

「焦凍ぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 ようやく辿り着いた答えを否定された轟はならこの症状をどうすれば説明できるのかとパンドラを見つめる。

 パンドラは真っ直ぐ轟を指さした。

 

「おそらくそれは······私に対して憧れを抱いているのでしょう」

「憧れ·····?」

「んなわけあるかぁ!」

 

 轟がつぶやくように言葉を繰り返すとパンドラはひとつ頷いた。

 

「私の知っている方は憧れの人物(どちゃクソ好みのロリ)を見ると(興奮から)体の震えが止まらなくなり(テンション上げすぎて)頭痛をおこし(体の全細胞を活性化させるせいで)汗が止まらなくなるそうです。轟くんの症状と似ていませんか?」

 

 エンデヴァーに積極的に喧嘩を売りにいくスタイルは素直に凄いと思っていたが·····

轟は出口のない暗闇に光が舞い込んできたように感じた

 

「そうか······俺はお前に憧れていたのか。ありがとう理由は分かった。けれどこの症状はどうやったら治る? このままだと職場体験に差し支えるんだが」

 

「目を覚ませ焦凍ぉぉぉぉぉぉ!」

 

「あの方が言うには隅々まで舐め回すように見て目を慣れさせれば次は冷静に(ロリの身体構造を)分析出来るようになると言ってました」

「その方法しかないのか·····」

 

 轟は意を決してポーズを決めながらそのポーズがどういう効果があるか解説し始めたパンドラをガン見する。

 これだけ騒いでいたが席自体は変わっていない。パンドラの目の前に未だブツブツと文句を言いながら座る、体の大きいエンデヴァーが轟の視界の端にバッチリと紛れ込んでいた。

 そのまま5分、10分、15分

 

「おぼろろろろろ」

 

「轟く──ーん!?」

「焦凍ぉぉおおおおおお!?」

 

 

 吐いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職場体験2日目

 

「おはよう、よく寝れたか」

 

「······まぁ」

「それなりに」

 

 本当は昨日の内に職場体験の内容について話終えているはずだったが轟が吐いたため今日に持ち越された。職場体験2人は各自部屋に案内され轟は精神的に疲れたため早々に寝落ちし、パンドラは父の待つ家に嬉嬉として帰還した。

 そして現在3人がいるのは保須市を活動地点としているヒーロー事務所につくられた戦闘訓練所、全員コスチュームもバッチリと着込んでいる。

 轟の体調がすっかり良くなったのを確認し、エンデヴァーは本題に入る。

 

「さて、俺達がここに来た目的は今巷を騒がしているヒーロー殺しの確保のためだ。現在保須市ではヒーロー達が連携して24時間厳戒態勢でパトロールを行っている。お前らは俺と一緒にそこ参加してもらう」

 

「今からですか?」

 

 パンドラはご丁寧に挙手をしてから質問をぶつけた。

 

「いや、俺達のパトロールは夜からだ。昼は他のヒーローとの細かな打ち合わせや会議があるんだが······この朝の時間は比較的自由時間、そこでこの時間はお前たちの戦闘訓練に使おうと思う」

 

「それはそれは光栄ですね」

「······ッチ」

 

「ではまずお前らの個性の確認だ。自分自身の個性で何が出来るのか、それを俺に説明してみろ。拒否権はないぞパンドラ」

 

 体育祭の時に拒否したことを覚えていたのか、エンデヴァーは絶対逃がさないとばかりに語尾を強調する。

 

「さすがにこの場合はちゃんと教えますよ······私の個性は【ドッペルゲンガー】他人の姿、個性の8割を再現することができます。さらに14個までならストックすることも可能です。戦闘に幅を持たせることはもちろん、他のヒーローのサポート、救助、捜査までどんな場面でも対応することが出来ると自負しています」

 

 パンドラは淡々と事実を伝える。

 

「8割方は惜しいが、やろうとすれば何でも出来る個性だな。ただ効果を最大限発揮するには何万通りの戦略から最善を選ぶ判断力が必要とされる······か」

 

 エンデヴァーは髭を触りながら何か考え込むように下を向いた。と思えばすぐに次はお前の番だとばかりに轟の方を見る。

 それを受けて轟は口を開いた。

 

「俺は【半熱半冷】炎と氷を出せる。炎と氷がお互いのデメリットを打ち消せるから長期間パワーを落とさず戦える。広範囲攻撃も可能、温度や動きの調節はまだ未熟だからサポートとかは自信が無い」

 

「そうだ、最高傑作であるお前は炎の方も使えば十分能力はあるんだ。さっさと意地を張らずに使え」

 

「······使うさ、だが勘違いするな、お前に言われたからじゃない」

 

 轟はエンデヴァーを睨みながら小さく呟いた。その言葉にエンデヴァーは満足そうに頷く。

 

「じゃあ次だ。とりあえずお前ら、ちょっと戦ってみろ」

 

軽く告げられたその言葉に

 

「「······」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人はお互い顔を見合わせた。

 

 

続く


小ネタ

 

<母の日>

 

 皆さん5月といえば何を浮かべるだろうか? ゴールデンウィーク? 運動会? 

 

 様々なイベントがあるであろうこの月には、毎年第2日曜日に母の日がある。

 その前日にして土曜日、普通は休みなのかもしれないがこの雄英高校は当たり前のように授業が入っている。ハードな一日を終えたヒーロー科1年B組は、明日母に何を渡すかで盛り上がっていた。

 

「私は普通にカーネーションかな」

「かたたきけん」

「筋肉ショー」

「それ喜ばれるのか」

「パンドラはお母さんに何かあげるの?」

 

 一人一人が発表していく中、当然パンドラにも出番が来る。しかし

 

「私に母なんていませんよ」

 

 そう、パンドラには母がいない。それ以前に自分がどうやって生まれたかすら知らないのだ。パンドラ自身それについて特に思うところはない。なんて言ったって自分には愛しの父がいる。その事実だけで十分なのだ。

 だが周りは違う。触れてはいけないところに突っ込んでしまったと微妙な雰囲気になった。普段からパンドラの父に対しての盲信的な愛の言動を考えれば、話にひとつも出てこない母の存在には何か事情があることを察することが出来たはず。声をかけた切陰は軽率すぎたと反省した。

 

「·····なんか·····ごめん」

「えっどうしました? それよりも母の日のプレゼントですが私、父上にカーネーションの香水を渡そうと思っています」

 

「なぜ香水?」

 

 母の日なのに父に渡すのか? そんな疑問は毎日パンドラの言動を目の当たりにしているクラスメイトは当然のようにスルーした。それよりも興味を持ったのはなぜパンドラは香水を選んだのかということ

 

「んー母の日、父の日、敬老の日、父上の誕生日、日本には感謝する日が多くありますからねぇ、毎回普段使いできる物を送っているんですけど。ハンカチやらネクタイやらとっくの昔に渡してしまって選択肢が限られてきているんですよ。それでタブ······尊敬する知り合いに相談したら香水を勧められました」

 

 確かに匂いは人の印象を左右する効果をもたらす。その点では香水も普段使い出来る品とも言えるかもしれないと全員納得した。

 まさか敬老の日も父に贈り物をしていたとは考えてもいなかったが、言ってないだけで他の日にも贈り物を渡しているような気がする。突っ込むだけ無駄だ。

 

「それで香水か······そういえば匂いってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パンドラは夕焼けの中を歩いていた。

 思い返すのはクラスメイトの会話

 

『匂いってさ、運命の相手を見つけるための役割もあるらしい』

 

 見た目だけ見ればモテそうな物間のこのセリフで、一気にクラスの話題は恋愛関係にシフトチェンジした。

 黒色がクールさを投げ出して狼狽えていたのが印象深い

 それはそうとしてパンドラ的にはどうでも良い話題であった

 

(父上は無臭です)

 

 人間形態では服などに染み付いた匂いなどがまとわりついているが、モモンガの真の姿は骨だ。基本無臭である

 

(父には運命の相手などいない)

 

 例えいたとしても匂いでは分からない。モモンガを見つけることなどできはしない。

 

(もしその運命の人とやらがありもしない匂いを感じ取れたとしても)

 

 パンドラは数日前入手したカーネーションの香水を思い浮かべる。

 

(·····カーネーションに邪魔されてしまえ)

 

 ナザリックのメンバーが尊敬、友愛、親愛としてモモンガに接するのは全然構わないのだ。それでモモンガが幸せなら、だがもしパンドラの知らない運命の名がついた何かが、モモンガをパンドラから奪うというのなら

 

(······)

 

 母の日の起源には様々な説がある。有名なのはアメリカの女性が「自分の亡き母を追悼したい」という想いから、教会の参列者に白いカーネーションを配ったことにより始まった説だ。

 今日本で定着している赤いカーネーションの花言葉は、「母への愛」や「母の愛」「純粋な愛」「真実の愛」。白いカーネーションの花言葉は「私の愛情は生きている」や「尊敬」

 

 

パンドラも傍から見れば亡き母がいるの身なのかもしれない

それでも亡き母に白いカーネーションを渡す気すら湧かない

パンドラは赤いカーネーションをモモンガに渡したかった

 

 

(私にとってモモンガ様は父であり母であり神なんです。私にはモモンガ様さえいてくれれば良い)

 

 

 だけどそれよりも、何よりもモモンガの幸せになるためなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 きっと自分はモモンガの傍を離れることを厭わないのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




漫画読み返したんですけど路地裏VSヒーロー殺しって職場体験(駅から出発した日を1日とする)って3日目の夜に勃発しということでいいんですよね。私はそのつもりで書いています。じゃあ1日目2日目轟くんエンデヴァーと何していたんだろうと考えたらまぁ会議とか情報のすり合わせとか、軽くパトロールしていたのかもしれない。きっと戦闘訓練もあったんじゃないのかな?書いていないなら想像は無限だ!書いていたならごめん、けど許して下さい
エンデヴァーと轟くんキャラ崩壊しているのも許して下さい


次回、クソから憧れ(?)の人物との手合わせを強要された轟くん。轟少年は何を思う?
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