私逹の所持する神骸を除いた全てを取り込み、髄骸の王から降誕せし者へ変貌したシルヴァを倒すことに成功した。
私は転生者で、このゴッドイーターと同一の世界に存在する赤い霧の檻に囲まれた世界“ヴェイン”で
女王討伐の際、仕方無いとはいえクルスの血を吸ってしまったことで最初の神骸の継承者となってしまった。
その後即座にジャックに殺され、次に目覚めた時には全てを忘れていた。
だが、ミドウが外の様子を映し、赤い霧が晴れた時現れた
ヴァジュラ神属の接触禁忌種に指定される
自分が何時死んだのかも、審判の棘がどうして出現したのかも。
赤い霧の檻の外が今どんな状態なのかも今までどんな人生を生きてきたのかも全て思い出した。
勿論、このヴェインにおける4つ、いや、3つの結末も思い出した。
だから、私は………………
「第4の選択をする」
「何を言っている?新入り」
あの時クルスは私に言った。
『みんなを助けて』と。
だから、イオが選択するように、私も自分自身を血涙の源流の樹に変質させる。
その為には………………
「イオ、力を貸して」
「あなたがそれを望むのなら貸しましょう」
ありがとう。
これで条件はそろった。
だから…………
「まって」
今此処で…………
「おい、何を」
枯れ木に花を…………
「まさか!?」
咲かせましょう。
私逹は神骸の放つ蒼白い光に飲み込まれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
真っ白な空間に居る。
床は澱んだ血の牢獄のままだけど。
なにも言わず自身の剣を床に突き立てる。
そうしてできた穴に棺の種を植える。
そこに自分の血を垂らす。
これで媒体は準備完了。
「新入り、お前のしようとしていることは………まさか」
そのまさかだよ、ジャック。
私とイオは人柱になる。
「そんな!」
この世界を…ヴェインに住まう吸血鬼逹を救うには誰かが犠牲にならなければならない。
ただそれだけの事だよ、ミア。
「だがよ、人柱になって何をするつもりなんだ!」
全てのヤドリギを活性化させ、新たな血涙の源流をここに作る。
ここなら守りやすそうだし、赤い霧の結界の中心だからね。
源流が枯れないように対策もした。
外界に闊歩する
こんな好条件の場所は他にないからね。
「
ジャック、ミドウが見せたでしょ?
あの黒くて大きな化け物を。
あれが
オラクル細胞と呼ばれる自ら思考し補食する細胞の
如何なる攻撃も一度喰らえば耐性を持ってしまう最強の生物。
生命を再分配するための地球の抗体そのもの。
アラガミの偏食作用を応用したアラガミ装甲壁以外で人類を守る最強の盾。
それがあの赤い霧。
「なぜそのような事を知っている?」
思い出したから、全てを。
なぜ私が吸血鬼として復活した時、拒絶反応が少なかったのか。
なぜ血骸の継承者として復活できたのか。
元々そういったモノへの適応性が高かったからだ。
そうだ、私はかつてゴッドイーターとして生きていた。
アラガミを倒すためにオラクル細胞を埋め込み、アラガミを倒して行き、そして戦死した。
そして生まれ変わり、アラガミが現れたあの大崩落の日に死んだ。
そして、オラクル細胞を使用したマルグナーガ計画と平行して研究されていたBOR寄生体を使ったレヴナント計画の被検体として復活した。
そうだ、私の中にはオラクル細胞が残っている。
だからこそ高い適合率を叩き出した。
ならば、その適合率を逆手に取ってコントロールしたら?
それがカレンの、心骸の継承者の力による血涙の泉だ。
それを護りと救いに応用する、ただそれだけの事。
「それだけって。それじゃあ、貴女は…」
この身体を源流そのものに変質させる。
おさっしの通り、私とイオは死ぬ。
だが、それは何時もの事。
吸血鬼になる前から転生を繰り返しているんだ。
また別の世界に旅立つだけ。
ああそうだ、私の使っていた部屋に手紙と資料を残しておいた。
霧の外に行くなら、フェンリル極東支部かイムカ・オリガに接触するといい。
その時、その手紙を渡せば色々と便宜をはかってくれるはずだ。
長話してたらいい感じに棺が育ったな。
新しい人生の始まりだ。
そうだろう?
「相変わらず鋭いネ。この棺の門を潜れば新たな世界がまっていル」
そして通れるのは一度だけ。
そう言う訳だ。
だからさ、ここでお別れ。
ルイ、カレンとアウロラによろしく。
『研究に没頭しすぎるな』って。
「ああ、伝えておこう」
ミア、ニコラに伝えといて。
『君の精神はどんな騎士よりも黄金に輝いている』って。
「分かった」グスッ
ジャック、エヴァとお幸せに。
「お前な」(呆)
「もう」
ヤクモ、メアリーの想いに気付きなよ。
あの娘、あんたの事異性として好きみたいだからさ。
「なんで俺だけ!?」
鈍感だからだよ(笑)。
「どちくしょーーーーーーーーー」
あははははは。
最後に一つ、教えてあげる。
オリガ・エストフィリア、これが私のフルネーム。
それじゃあ、来世で縁があれば会おう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
光が収まったそこには、棺を飲み込む様に大きな血涙の源流の樹が存在していた。
その根元には彼女らの武器がなにも言わず、突き刺さっていた。
その持ち主は最早存在しない。
残された武器と吸血牙装が墓標の替わりでしかない。
その持ち主逹は現在……
「ここ、どこ?」
森の中に居た。