アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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異変-10

 

 

 アインズとの激戦を終えた輝夜は眠り続けた(正確には仮死状態)。

 アインズは輝夜は客人と認め、9階層の一室のベッドに寝かしたのであった。

 

「ん………んん………」

 

目をこすり、天井を見上げた輝夜は言葉を漏らす。

 

「知らない天井だ…………」

「第一声がそれですか………相変わらずブレませんね。」

 

 ツッコミを入れたのは従者・永琳である。

 

「ここは?」

「ナザリックの一室ですよ。

あなたはアインズに負けて仮死状態のままここに寝かされていたのですよ。」

 

「そうか………そうだったわ!

永琳!異変は!?モモンガは!?」

「落ち着いて下さい。異変は終わりましたよ。

いつも通り博麗の巫女が解決しました。」

 

「…………そう……………やっぱりアイツ負けたのね……………」

 

 わかっていたことだが自分に勝った相手が負けるのは気持ちいいものではない。

 

 輝夜はうつむきながら口ずさむと永琳が怪しげな言葉を吐いた。

 

 

 

 

 

「表向きはね……………」

 

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

---第9階層・5面ボス---

 

 

 

 時は輝夜が倒れて直ぐ後にまで遡る。

 

 下の階層で輝夜が敗北したことがアインズからアルベドに伝わった。

 

「あっはい!………それはおめでとうございます………そうですか………わかりました。では伝えますので…………失礼します。」

 

 

 アルベドが独り言を始めた。

 おそらく通信魔法でも使っているのだろうと永琳は直ぐにわかった。

 

「おめでとうってことはウチの姫様は負けたって事ね。」

 

「察しがよくて助かります。

今、部屋で休ませてるそうです」

 

「あら?意外にも親切ね。」

「アインズ様が輝夜様を客人だと認めたまでの事、アインズ様の客人に無礼をするわけには行きませんからね。

部屋まで案内するけど、どうします?」

 

 永琳は少し考え、答えた。

 

「そうね…………もうちょっとここにいるわ。

姫様も直ぐには目を覚まさないでしょうし……あなた、話をつけたい人がいるんでしょう?それに立ち会わせてもらうわ。」

 

 

 輝夜がいない間の時間、永琳とアルベドは戦いもせずただ喋っていた。

 

 それによりタイプは違えどお互いキレ者であり、この異変を別の視点で捉えていることに気付いていた。

 

「(内容によっては私も無関係ではないし…………)」

 

「それは助かるわ………でも、あなたにも何か考えがありそうだし、借りだなんて思わないわよ」

 

 

 

 この異変の真の黒幕の存在。

 アインズに異変を起こすように唆し、自分はのうのうと解決者側で介入している真の黒幕の存在。

 

 

 

「………綺麗なところに出たかと思ったら意外な人間が居るわね。」

 

「まぁ、なんとも意外な組み合わせね。」

 

 霊夢と紫の結界少女組、やはり勝ち上がってくるのはこの組であった。

 霊夢は知った顔である永琳に問い詰める。

 

「あら、霊夢。遅かったわね。」

「なんでアンタがここにいるのよ。

もしかして外のゾンビ達はアンタの仕業?」

 

 確かに永琳ならTウイ○ス的な薬を作れるだろうからこの異変の元凶だと言われても皆が納得するだろう。

 

「確かに私ならそういう薬も作れるでしょうけど、こんな事態になるようなヘマはしないわ。」

「…………どうだか…………」

 

 霊夢は疑いをかけるように言った。

 永琳のマッドぶりは中々のモノであり、餌と称して池の魚を巨大化させたり、肥料と称してタケノコの成長を促進させ更に弾より強固にした前科がある。

 

「まぁ、この異変はここを守ってる連中の親玉らしいから良いわ。

そこのあなたも他の守護者とか言う連中と同様『ここを通すわけには行かない…』とか言うんでしょう?」

 

 

 聞かれたアルベドが答えた。

 

「…………いいえ、主人からはここを死守しろとの命令は受けてないわ………通りたくば通りなさい………」

 

 死守とまではいかないがここの守護をするように言われていたアルベドが道を譲った。

 

 確かにこの二人とまともにやりあってもこれまでの守護者同様勝ち目はない。

 しかし、戦いもせずに道を開けるのはアルベドらしくはない。

 

 それはアルベドがすでに標的を絞っていたからだ。

 

 

 

「あらそう、なら遠慮なく…………」

「ただし」

「だが、しかし?」

 

アルベドは黒い斧を振りかざし、紫に向ける。

 

「八雲紫………あなただけは残りなさい。」

 

 

 

「あらあら、お姉さんに何か用かしら?」

 

 アルベドは紫に親の仇のような殺意に満ちた眼差しを送る。

 紫はそれをからかい気味に返した。

 

「紫〜

アンタ何やったのよ。彼女、滅茶苦茶怒ってるわよ。」

 

 このスキマは日頃からロクなことをしない。

 その事を知っている霊夢は呆れながら問う。

 

「誤解よ霊夢〜

私、何もしてないわよ〜」

 

 紫の甘え声にこの場の全員がイラッとした。

 

 

 

 

「あなたには聞き出さなくちゃいけないことが沢山あるの、洗いざらい話すまではここを通すわけにはいかないわ。」

 

 

「そうね、私もあなたに聞きたいことがあるのよ。

さぁ、紫。腹を割って話し合いましょう。」

 

 アルベドに引き続き永琳も紫を引き止める。

 笑顔で引き止めた永琳であるが、その言葉、一言一言には相当のプレッシャーが乗っていた。

 

「ああ〜ん、霊夢〜助けて〜。

一緒に戦ってきた仲でしょ〜」

「なんだかよくわからないけど自分の蒔いた種でしょう。

自分でなんとかしなさい。

後、その甘え声やめなさい。正直、イラっとくるから。」

 

 怨念Maxのアルベドに笑顔で人が殺せそうな永琳に囲まれた紫は霊夢と共に行く事をあきらめるのであった。

 

(まぁ、良いわ。

悟の元にたどり着けないのは残念だけど霊夢だけでもたどり着ければ何の問題もないし…………

はぁ〜、せっかくの機会だから悟に会いに行きたかったけど楽しみはとっておこうかしら。

異変が終われば会える機会なんていくらでもあるし。)

 

 

 

 霊夢は最深部へ飛んでいく。

 

 

「じゃあ、先に行ってるからね。」

「行ってらっしゃい。」

 

 

 霊夢の後ろ姿を見て面妖な顔でニヤリと笑いながら手を振る紫であった。

 

 

「さあ、洗いざらい話して貰おうかしら。

何のためにアインズ様を唆し、この異変を起こさせたのか。

そして、そのお前が何で解決者側としてこの異変に介入しているのかを。」

 

 紫はしれっと答えた。

 

「異変は幻想郷の恒例行事だから、解決者として参加したのは唆した責任をとって解決しなくちゃいけないと思ったからよ。

誰かが解決しなくちゃ異変は終わらないからね。

これで矛盾は無いわよ?」

 

「嘘おっしゃい。

私達を幻想郷に呼んだのもあなた、異変を起こさせたのもあなた、解決するのもあなた、ここまでやられて裏なんてありませんなんて信じるわけないでしょ。」

 

 

「確かに……全く無いとは言わないけどね……

………それより良いの?博麗の巫女を簡単に通しても…………」

 

「アインズ様があの程度の輩に負けるとは思わないわ。たとえあの巫女に特別な力があってアインズ様が負けるような事があってもアインズ様もそこまでは織り込み済み。

貴方に何かやられる事がこちらとしては一番厄介なのよ。」

 

 今、二人の頭の中にある目的なら問題はない。

 しかし、予想外な動きをしてくるのがこの八雲紫である。

 

 

「あらあら、意外にも熟知してるじゃ無いの。

私が一から十まで説明するまでも無さそうね。」

 

「あなた、私をバカにしてるの?」

 

「いやいや、生まれて数年程度の若造がどんなものかと思っただけよ。」

 

「(そういう事言うからみんなにババア扱いされるのよ………人の事言えないけど。)」

 

アルベドはナザリックの中でも一・二を争うキレ者、軽くバカにされているように返した紫に苛立ちを覚える。

 

 

「安心して、今ここで何かする気は無いわ。

私の考えは異変が終わってからが始まりなのよ。

あなたたちに取っても決して悪い話じゃ無いから安心して。

 

そうね………せっかくなんだから弾幕ごっこの観戦でもしながら気楽に話しましょうか。」

 

紫は隙間を開き、まだ戦いが続いている場所を写した。

 

「吸血鬼対決にメイドVS魔女、あら?うどんげも来ていたのね。しかも白玉楼の庭師と………」

 

「(シャルティア……………遊びすぎて自分の首を絞める様な状況になってるわね………

これに懲りて遊び癖が直れば良いけど…………)」

 

 

霊夢がアインズにたどり着くのを待たずして他の戦いの多くは終わりを迎えようとしていた。

 

 

 

 

---第9階層---

 

 

 

 

 

「……………これでスペカは使いきっちゃったわ。」

「私は魔力切れだぜ………」

 

 最も乱戦であった魔法使いとメイドの戦いは全員が負けを認める状況まで至った。

 

 MPが切れた者、武器である人形が切れた者、動けなくなった者、弾切れを起こしたガンナー、スペカがなくなった者、様々だ。

 

 最後に残ったパチュリーと魔理沙がお互い戦闘不能になったところで試合は終わった。

 

「………流石はアインズ様のご友人。お見事でした。」

ユリがパチュリー達に敬意を払う。

 

「ナーベラルと妹がいれば負けはしなかった………下等生物(人間)が足を引っ張ったからですわ。」

 ソリュシャンが愚痴を零す。

 

「魔理沙は頑張った………せめるの…………可哀想…………」

 

 弁護するシズ。

 確かに魔理沙の活躍はナーベラルの穴を埋めて余りある。

 ただ、ナーベラルとはタイプが違う魔法使いなだけあって他のメンバーも合わせづらかったのも確かだ。

 

「パチュリー………フランと遊んだ時よりも強かったんじゃねぇか?」

 魔理沙は以前パチュリーが調子が良かった時の戦いに比べ強くなっている事に気がついた。

 

「そうね……アインズに持病を直してもらってから体力・魔力共に充実しているのを感じるわ………

すべてのスペカを使ってまだ余力があるわね………

今度その辺も含めて増やそうかしら…………」

 

 

 他の者が戦闘不能に対してパチュリーはスペカ切れの降参。

 扱いとしては引き分けだが、残ってる余力からしたら魔女組の勝利と言って良いだろう。

 

 

「引き分けじゃあ、商品は受け取れないわね。」

 

 アリスが魔理沙に軽く視線を送った。

 

「私もパチュリーと一緒に学ばせて貰うかしらお互い利益のある話になりそうだし………」

 

ここにはアリスが求めている物が存在するのだ、魔法使いとしては当然だ。

 

「では、主人に伝えておきます。

詳しい話はまた後日………主人に代わり今後ともに良き関係を築ける様、願っておます。」

 

 魔理沙の無事に未知の魔法との遭遇。

 アリスはそれに十分に満足したのであった。

 

 

 

 

 

---第3階層・一面ボス---

 

 

 場所は代わり第3階層。

 吸血鬼達はまだ遊び足りないのか不毛な弾幕ごっこをまだ続けていた。

 

「………もう…………いい…………

ここ通って良いから………この戦い終わらせてほしいでありんす…………」

 

 流石のシャルティアも消耗し、降参したいのだが相手のフランはそれを許さなかった。

 

「いや!もっとシャルティアお姉ちゃんと遊ぶのーー!!」

「………また今度………また今度遊んであげるから…………ギブアップ……」

「あなたが、ゲームオーバー出来ないのさ!」

 

「…………」

 

 まだまだ遊び足りないフランは以前の異変とは正反対のセリフを吐いた。

 あの時とは違い挑戦者側なのだから当然かもしれないが言われたシャルティアからしたらたまったものじゃない。

 シャルティアは子供との体力の差を感じる親戚のおばさんの様に疲れた顔をした。

 

 

 

---第5階層・二面ボス---

 

 

 ドーピングを施し、体の限界を無視したパワーファイトを繰り広げていたうどんげもコキュートスの前に敗北に帰そうとしていた。

 

「薬のタイムリミットが………もう、体が動かない…………」

「力デ押シキレルホド守護者ハ甘クナイ……」

 

 

 

「でも、間に合った………」

 

 

 

 うどんげの言葉にコキュートスは辺りを見渡す。

 

 そこには自分を取り囲む六人の妖夢がいた。

 

「分身術カ………」

 

 妖夢は剣を握りうどんげが稼いでいた時間に溜めた力を解放しようとした。

 

「私の………いや、私達の勝ちだ!!」

「甘イナ!何ノ対策モ無シニ時間ヲ与エルト思ッタカ!!」

 

 コキュートスはアイテムを使い。

 本来溜めがいる攻撃をノータイムで打てる様にした。

 

 二人の最大攻撃がぶつかり合った。

 

 

 

「空観剣『六根清浄斬』!!!」

「武神『不動明王撃』ィィ!!!」

 

 

 ぶつかり合った力は衝撃波を生み、辺り一面を破壊していく。

 

 氷結のエリアにある氷は砕け、地表がむき出しになる。

 

 そばで倒れているうどんげも吹き飛ばされ壁に激突、気を失った。

 

 嵐は収まり、土煙が晴れるとそこに立っているのは一人の戦士であった。

 

 

 

 

「イイ………太刀筋デアッタゾ………」

 

 

 そばに倒れる半人半霊と月兎に賞賛の言葉を送った。

 

 

 

 


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