アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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異変-12

「夢想天生………発動。」

 

 博麗霊夢の最終奥義であり、何者にもとらわれない能力『空を飛ぶ程度の能力』の真骨頂、『夢想天生』は発動された。

 

 発動した霊夢はいかなる攻撃をも無効化する無敵の状態となり、周囲に展開する陰陽玉からは超強力かつ超高速の陰陽符が発射された。

 

 いかなる防御手段も意味を成さず、弾幕回避にまだ慣れていないアインズでは避けられるはずも無い。

 

 敗北を覚悟したアインズはその走馬燈の中で幻想郷での己が行動を振り返る。

 

「(………もし、この世界にクリエイターがいるのなら………

 

ここで俺が負けるのは組み込まれたストーリーの一部で運命なのかもしれない………

 

世界がそれを望むならその運命、受けるほかないのだろうか。……)」

 

 

 高速陰陽符が大量にアインズに着弾し、大きな爆発を生む。

 

 その衝撃はナザリック全土に響き、その影響力は外の世界にまで伝わった。

 

 

※※※※※※※※※※※

 

 

 

-----霧の湖-----

 

「見て!ゾンビ達が動きを止めたよ!!」

「動いてるやつもどんどん引き返していくよ!」

 

 霧の湖付近でゾンビ達相手に奮戦していたチルノ達はこの危機を乗り越えたことに喜んだ。

 

「やったねチルノちゃん!」

「やっぱ、最強のあたいがいたお陰ね!!」

 

 

 

-----人里-----

 

 

 

 サトルの姿をした彼は命令通り、ゾンビ化しようとしていた人里の住人を看病していた。

 

「魔力が弱まって薬が効き始めたみたいだね………熱も下がったし、もう安心でしょう。」

 

 魔法薬の効き目を感じ安心して少女の頭を撫でる。

 助かった少女の親はサトルに感謝し頭を下げた。

 

「ありがとうございます先生!このご恩は決して忘れません。」

「先生はよしてください。

偶々、薬が効いてくれただけですから。」

 

 魔法の通信でナーベラルからゾンビ達が勢いを無くしたとの連絡があった。

 

「(ゾンビ達が勢いを無くしたということは異変の終わりを意味する………

わかっていたことだが創造主の敗北は悔しさが残りますね。)」

 

 

※※※※※※※※※※※※

 

 

 

-----第9階層-----

 

 試合を間近で見ていた三人はその結果にあっけなさを感じていた。

 

「しょうがない結果とは言え、もう少し粘ると思っていただけに拍子抜けね………

さて、そろそろ姫様のいる部屋への案内を頼んでも良いかしら?」

 

 永琳が試合の終わりを確信し、切り上げようとアルベドに案内を頼もうとしたが、残る二人は試合の終わりを悟ってはいなかった。

 

「(本当にこれで終わるなら期待外れよ………

このままじゃ何も変わらないわよ……悟。)」

 

「(アインズ様はまだアレ(・・)を出しては居ない。

使うことに躊躇なさる気持ちはわかりますがどうかお使いください………私達の為にアインズ様の名に傷をつけたくはありません。)」

 

 

※※※※※※※※※※※

 

-----第3階層-----

 

 シャルティアとフランの戦いを観戦していたレミリアは外の異変とアインズの敗北を感じ取っていた。

 

 

「(アインズ、ここで貴方が負けることは運命だけど、あえて言わせて貰うわ………

立ち上がってみなさい。

運命に抗ってみなさい…………

貴方になら出来るわ、幻想の存在でありながら外の住人である貴方なら………)」

 

 運命を操るレミリアも幻想郷の住人である限り幻想郷の運命に抗うことはできない。

 しかし、アインズにはその可能性がある事にレミリアは気づいていた。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 煙は晴れ、玉座の間に大きなクレーターができていることが確認できた。

 

 その中心に横たわるアインズ。

 

「(……負けた………完敗だ…………

計画通りとは言え悔しいな…………

ここまで力の差を見せつければ今までの異変の元凶者達が仲良くしているのも頷ける。)」

 

 

 

 

HPのほとんどを削られ動けない状態のアインズだが意識だけは残っていた。

 

 

「(やはり、幻想郷はここで我々の敗北を望んでいるのだな…………)」

 

 ユグドラシルのギルドを転移させ、異変を起こさせ人外の恐ろしさを幻想郷中に広げ人々に絶望を味あわせる。

 役目が終われば希望の光として博麗の巫女に退治させアインズ達を幻想郷の一部として組み込む。

 

 当時の博麗の巫女と八雲紫をはじめとする幻想郷の賢者達が組み込んだシステムだ。

 

 

 

『アインズ・ウール・ゴウンに敗北は許されない』

 

 

 

 モモンガがアインズ・ウール・ゴウンの名を名乗る時に掲げた覚悟の一つだ。

 

 一度たりとも攻略されたことが無いナザリックの栄光に起因するモモンガがナザリックのNPCを守るのと同じくらい大事にしている信念だ。

 

 アインズは砕かれようとしている信念を前にあの力を使う決心をした。

 

 

「(世界が我々の敗北を望むなら………やはりこのアイテムの力を借りるしか無いようだな。)」

 

 

パキッ……………

 

 

 アインズの指にはめる指輪が一つ、砕け散った。

 

 

※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 アインズが地に伏せたのを確認した霊夢はこの地を後にしようとした。

 

 ここからでは異変が止まったかはここからじゃわからない。

止まっていればそれでよし、外に出て確認して異変解決だ。

 止まっていなくても紫と合流してナザリック周囲に結界を張りゾンビ達を閉じ込める。

その後、外のゾンビ達を殲滅すれば異変は解決する。

 

霊夢は『夢想天生』を解きこの部屋を出ようとすると背後から違和感を感じた。

 

 

パキッ…………

 

 

何かが壊れる音が耳に入り霊夢は後ろを振り向くとアインズが立ち上がっていた。

 

 確かに消滅するほどでは無いが立ち上がれるほど手加減したつもりも無い。

 アインズが平気な顔をして立ち上がる姿に驚愕する霊夢。

 

「…どうやって防いだの?……

防げたようには見えなかったけど。」

 

 

 アインズは堂々と答えた。

 

「防いだ訳では無いのだがな………

あえて言うと………課金アイテムだ!」

 

 聞いてはみたが理解できない。

 しかし霊夢はそれならそれでいいという風な態度をとった。

 

「ふ〜ん、よくわかんないけど………

それで?それを使ってまで立ち上がってわざわざ私にもう一度退治されるために立ち上がったわけじゃ無いようね…………

異変のことなんてどうでもいいみたいなことを言ってたくせに………」

 

「ああ………異変のことなんて本当にどうでもいいのだがな…………

お前という存在に興味が湧いてな………

悪いが気がすむまで相手して貰うぞ!」

 

 

 先ほどまでとは比べ物にならないくらいの威圧感を感じる霊夢。

 

 

「さあ、エクストラ(6面ボスを倒して解放される)ステージ(もう一つの物語)を始めようでは無いか!

 

 

 

 

 まずはその鬱陶しい能力の源を断たせてもらう…

 

 

(ここはナザリックの最深部、監視の目があるとしたら八雲紫か八意永琳ぐらいだろう……八意は遅かれ早かれ輝夜から聞くだろうし、八雲紫は隠し通せる気がしない。

既に知ってる可能性まである……)

 

 

 

 

 

世界級(ワールド)アイテム………『山河社稷図』………発動。」

 

 

 

 

 

 

アインズは世界級のアイテムにより霊夢と自分を隔離空間に閉じ込めた。

 

「何?ステージ作り?ご苦労な事ね。」

 

霊夢は気づいていない、この空間がただの異空間では無い事に………

 

 

 世界級アイテムにより展開されたこの隔離空間は外の世界とは完全に隔離された空間であり、その名に相応しい程に強力だ。

 その力は世界の法則を歪め、世界にぽっかり穴を開けたのだ。

 

 

「(二十を除き、俺が現在使えるアイテムで最も対抗できる可能性のあるアイテムだ………

これが通用しなかったら完全にお手上げだな。)」

 

 

 霊夢のチート能力を霊夢を世界から隔絶することで防ごうと言う算段だ。

 

「(さて……この状態で先程の動きが出来たら考えられる可能性は二つだな…………)

 

 

至高杖『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』!!!」

 

 アインズは世界級アイテムにも匹敵すると言われる自らのギルドの証をスペルカードとして宣言した。

 

 

 杖の先端に蛇の頭が咥える様に取り付けられているシリーズゴッズアイテムから火の精霊や月光の狼やらが大量に召喚された。

 

 縦横無尽に飛び回る幻獣達を華麗にかわす霊夢、その姿はまさに巫女の舞である。

 

「(既に世界に認識されていたからか。

それともそもそも世界級アイテムが効いていないかだな。)」

 

 このアイテムはレミリア戦で既に使っている。

 

 アインズは世界級アイテムが通用していないことを考慮し思考を巡らせた。

 

「(これ以上の世界級アイテムの使用はリスクがでかすぎるな…

 

世界級アイテム以外でそれに匹敵する力を持ち、世界を欺ける可能性があるもの…

 

 

あったな……………一つだけ………………)」

 

 

 

結論を出したアインズに先程のスペルカードを攻略した霊夢が話しかけた。

 

 

「どうしたの?もうおしまい?

次はこっちから行ってもいいけど?」

 

 霊夢が挑発する様に言った。

 逆上して慌ててスペルカードを使用すればその隙にまた再び『夢想天生』を発動させるつもりなのだろう。

 

 アインズはため息まじりに答えた。

 

 

「はぁ〜……

こんな所で使う気なんて毛頭無かったのに…正直、己の趣味の悪さをさらけ出す様な物だし…何よりまだ未完成なのにな…………」

 

 脱力している様にも感じる台詞だが、徐々に覇気が増していく。

 

「見せてやろう。

余り趣味のいいものではないがな……」

 

 

 

アインズは裾からスペルカードの束を取り出した。

 

 

カードは勝手に浮き上がりアインズの周囲に展開された。

 

 

 

その数………41枚。

 

 

 

 

「スペルカード発動!!

 

 

 

 

 

至高41符『アインズ・ウール・ゴウン』」

 

 

 

 

 41枚のスペルカードは光りだしアインズは己のギルドの名を叫んだ。

 

 

 

 


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