『カット&ペースト』ダンジョンで好き勝手やるのは間違い?   作:仁611

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5話

 

 

地上に戻って来ると、空が見える事に凄く落ち着くと感じて居る。この後まだ『カドモスの泉水』の取引が残っているけど、地上で行うだけでも気が楽なのだが、その時にロキファミリア主神に会うのだろうか…。

 

ホームに一度戻って半分の泉水を置き、自分で作った魔導具が正常に作動してるか、自室のベランダに置いて有る樽を覗きに行くと、泉水が溢れて周りが水浸しなので、無事作動して居る様で安心した。

 

これで『カドモスの泉水』は汲みに行く事は無くなった。利益率などを考えるとかなりの上昇だろう。アミッドに『カドモスの皮膜』を渡すとかなり喜んで来れたので良かった…。

 

 

 

 

 

受け渡す量の泉水を普通のバックパックに入れてから、黄昏の館に行くと門番の人にフィンさんが居るかを訪ねる。門番の男性は下心有る感情で俺を見て、ファンの子だと思ったらしく追い返す様な内容を口にする…。

 

 

「ここはお前みたいな子が来るとこじゃ無い!!さっさと何処かに行け!俺も暇じゃ無いんだ」

 

「そうですか…ではどの様な事があっても、二度と取引は控えさせて頂くとお伝え下さい…一応お名前伺ってもよろしいですか?」

 

「俺を知らんとは…。ダグラス・フォルスターだ」

 

「ありがとうございます。一応私の名前もお伝えして置きますね、シオリ・カルナと申します…。ではフィンさんに宜しくお伝え下さい」

 

 

俺はホームに引き返す事にして、途中で何か甘い物が無性に食べたく成って、カフェが有ったので入ってると、店で一番高いパフェを1人黙々と食べ進めた。

 

今回の件は彼等を助けた事に後悔など無いけど、ロキファミリアの印象は先程の門番のお陰で最悪に成ってしまった。今後はどんな事が有っても関わりを控えたいとさえ思わせられた…。

 

 

1時間ほど紅茶を飲みながら、心が落ち着くまでのんびりしてから帰ることにする。ホームに帰ると、アミッドが未だに泉水を背負って居る事を疑問に思い聞いて来た。

 

 

「これは恩を仇で返された結果ですよ」

 

「どう言う事ですか?」

 

「門番に、お前の様な子が来るとこでは無いと言われて、門前払いされたのですよ」

 

「本当ですか!?酷いですね…」

 

「ロキファミリアの団員の命を2度救って『カドモスの泉水』を善意から相場で譲ってあげようとしたのに、あんまり過ぎてさっきはカフェで甘味のやけ食いしてましたよ」

 

「ロキファミリアが来ても追い返しますね」

 

「お願いします!!」

 

 

俺はそう言うと部屋に戻って、回収して来たドロップアイテムの、利用が出来ないか色々調べよう。そう思ってバックパックに手を伸ばすと『ポタッ』と言う音が聞こえて来て気が付く…。

 

 

 

———涙が止まらない…。

 

 

 

女の子に成ってから色々あったけど、まだ2週間ちょっとだし変化する自分との折り合いもまだ付けて居ない…。そんな不安定な心境でのこの扱いは結構堪えるなぁ〜

 

 

 

 

 

 

落ち込んで居る私を励まそうと、今日は外食しようとアミッドさんが提案してくれた。みんなで【豊饒の女主人】に行く事に成ったので、余り心配させたく無いので素直に受け入れる。

 

 

お店に着くと、今日は身内だけでと言う気分なので、奥に有る人目に付き難い場所をお願いした。この時はまだこの後起きる最悪を想像もしなかった…。

 

 

ロキファミリアがお店にやって来たのだが、見えない位置に居たお陰で特にトラブルになる事も無かった。その後も彼等は盛り上がり飲食を楽しんで居たのだが、それを一変する出来事が起きる。

 

 

「なあアイズ!!あの話ししてやろうゼェ」

 

「あの話し?」

 

「15階層に居たミノタウロスだ!あいつらモンスターの癖して逃げやがって、んでどう言う訳かドンドン上に登って行きやがるんだが、5階層でミアハファミリアの女が下級冒険者を襲うミノタウロス倒すんだが、その冒険者ヒイヒイ言ってビビっちまって、おまけににミノタウロスの返り血でトマト見てぇに成ってやがった…」

 

 

この後もベート・ローガは下級冒険者を馬鹿にして、終いにはロキファミリアの団員も数名が笑って居る…。とどめにベート・ローガは「あんな雑魚と俺つがいになるならどっちがいい」何て言い出す始末だから、俺の堪忍袋の尾が切れた…。

 

 

「すみません?ロキファミリアの皆さんにお聞きしたい、先程馬鹿にしてた内容で笑って居た方は立って貰えません?」

 

「なっなんやアンタは!?」

 

「黙って居て貰えます?」

 

「すまないロキ…彼女がミアハファミリア副団長シオリ・カルナだよ」

 

「それと、もしここで嘘を付いて立たない方はなど居たら、嘘つきの舌など必要無いから斬り落とします」

 

「何でたかがLv4のテメェの言う事を聞かねぇと行けねぇんだ!?」

 

「アミッドすいませんが、全員の酔いを治して貰えます?」

 

「初めに言って置きますが、ロキファミリアは何様ですか?」

 

「「「「「はっ!?」」」」」

 

「何言うてんねん!?ウチに喧嘩売ってんねやったらこうたるわ」

 

「そうですか…。50階層でも18階層でも助けられておきながら、その言い分とは随分と恩を仇で返してくれますね。泉水を黄昏の館に持って伺ったらダグラス・フォルスターさんに追い返されるし、貴方達が頼んで来たから譲ると言ったのにですよ」

 

「そっそんなん聞いて無いで!?」

 

「それはそっちの問題でしょう?私が貴方達の取り逃がしたミノタウロスから、駆け出し冒険者を救えばそれを馬鹿にする…。ベート・ローガがふざけた事を言って居るのを無理矢理でも止めるべきでしたね…。

 

ロキファミリアは戦闘力だけの屑だと思われて居るでしょうね…。団長であるフィンさんは【勇者】と言う二つ名を返上すべきだ」

 

「黙って聞いてりゃ!?このクソアマが」

 

「黙っててくれません?ティオネ・ヒリュテ、そうやって何でも力で解決しようなんて考えは、貴方の大好きな団長を貶めて居る事に気が付くべきですよ。

 

ロキファミリアは精神的に幼過ぎる、その幼過ぎる者に力が有るのは獣と変わらない、ベート・ローガ貴方は力とは戦闘力だけだと思って居ませんか?」

 

「強者は力がある者の事だろが!?」

 

「確かに強者は力がある者の事ですよ、けどその力とは戦闘が強いだけでは駄目な事分かってますか?」

 

「んなもん絶対的力があれば関係ねぇ!?」

 

「では貴方にそれがあると?」

 

「…………」

 

「力って経済力・精神力・統率力など多くに存在してる…ただ強いだけが強者にはなれない、守るべき者を守れない上に貴方は仲間を苦しめてる」

 

「俺がいつ仲間を苦しめた!?」

 

「ではアイズさんが先程の話しを聞いて、襲われて居た冒険者に対して何て思ったか分かりますか?」

 

「んなもん、弱い奴の事なんか気にする必要ねぇだろうが」

 

「アイズさんは自分達が原因でミノタウロスが逃げ、それで危険に晒して居た事や、先程のベート・ローガの発言で貶した事を申し訳無く感じていた…。

 

それに貴方は弱者の事など気にし無くていいと言うが、アイズ・ヴァレンシュタインは、自分を弱者だもっと強くならなきゃそう思って今も力を付けて行こうとして居る。

 

それなのに駆け出し冒険者を馬鹿にして、それをファミリア団員も一緒に嘲笑う、止めに入ったのはリヴェリアさんただ1人、確かにアイズさんの様に言いたいけど言えないとか、理由がある方も居るでしょうけど…。

 

ガレス・ランドロックはどちらも止めて肯定も否定もしなかった、フィン・ディムナは何も言わずにそこに居るだけ…。ファミリアは家族なんですよね?強さだけ追い求めるなら軍隊と変わらない…。

 

ベート・ローガの心の弱さが原因で、傷付けた相手に謝罪をすべきですよ。それとロキファミリアを助けたお礼は必要有りません、と言うよりは、貴方達の様な程度の低い方からのお礼など必要無い」

 

「なぁ!?覚悟は出来てんやろな?」

 

「いい加減にして貰えますか!?これ以上貴方達を失望したく無い」

 

「———ッ!?ほなウチは、戦争遊戯をアンタんとこ申し込んだるわっ!」

 

「言わないと分からないですか?私が本気を出したら、オラリオ全ての冒険者が相手でも勝てる…。どうしてもと言うなら構いませんよ」

 

「ほんなら!次は戦争遊戯やな」

 

「先に言って置きますが、主神に言われたからとかで剣を向けるぐらいなら絶対後悔する、戦う意思が無い者は戦場に出ないで下さいね」

 

 

俺達はそのまま【豊饒の女主人】を出てホームに向かって帰って行くがミアハ様に無理だけはするなと言われて感謝を述べた。お店に居た他の冒険者が噂を広めて行き、ロキファミリアは名声を地に落としてしまった…。

 

 

 

 

翌日は緊急招集で【神会】(デナトゥス)が開かれると、二つ名の決定や報告事項が行われる。最後に今回噂の発端である戦争遊戯の話し合いが行われた。

 

 

《戦争遊戯》

開催予定日◯月◯日(3日後)

 

攻城戦(ロイツェ古城)

ミアハファミリア VS ロキファミリア

※戦意ある者のみ参加

 

【勝者の報酬】

ミアハファミリア

シオリ・カルナの望み

 

ロキファミリア

シオリ・カルナ衆人環視の場で謝罪とオラリオ追放

 

 

俺は内容を聞いて神ロキに本気で失望した、己の自尊心の為に戦争遊戯は仕掛け、前以て忠告した事が嘘で無いと分かった上で行った。恩がある相手にだからタチが悪い…。

 

戦争遊戯が決まる前にミアハ様も「本当に良いのか?」そう聞いたそうだが、意思は変える気がないと言われたらしい。【神会】が行われて居る最中に【勇者】【九魔姫】【剣姫】【大切断】【怒蛇】【千の妖精】【超凡夫】【貴猫】が謝りにやって来たのだ、ティオネさんは俺に言われた通り、自分の行いがフィンさんを陥れて居る事に気が付き、あの時の発言を謝って来る。

 

フィンさんとリヴェリアさんは深く頭を下げて、彼を止めなかった事や門番の行いを深く謝罪して来た…。その件はもう良いと言って頭を上げて貰ったが、向かって来る者には容赦する気が無い事だけは伝えると、ロキには恩を仇で返したケジメを付けて貰うと伝えた。

 

 

「アイズさん、ティオナさん仲良くして来れたのにごめんなさい」

 

「うんん……こっちが悪い、ごめんなさい」

 

「そうだよシオリは悪く無いから!?」

 

 

俺は自分の言葉を否定する2人の前で泣いてしまう…。女性に成ってかなり涙脆くなってる、ロキファミリア皆が悪い訳では無いし、人間は過ちから学び成長する物だと思う。

 

 

 

———【戦争遊戯】(ウォーゲーム)

 

 

 

現地に行く前にミアハ様に「ごめんなさい」とだけ言うと頭を撫でられ「気にするな、私はお前の主神()だからな」そう言われて皆に見送られながら馬車で向かった…。

 

 

城の前にはベート・ローガが居た、初めから守る気すら無い様だが、今回参加しているのは殆どが遠征不参加の団員達、他で言うならベート・ローガとガレス・ランドロックと男性団員が数名の総勢45名のロキファミリアだった…。

 

 

 

『始まりました〜今回の戦争遊戯は何とあのロキファミリア対ミアハファミリアです!?1対45と言う無謀に近い戦闘ですが、噂では彼女はオラリオ全ての冒険者が相手でも勝てる、そう言ったと言う噂があるそうですね……」

 

 

アナウンスが流れ開始の合図を待って居るが、俺は既にベート・ローガのステータスを見て全てを奪って居る。戦闘開始と同時に沈めるつもりで居るから、奴がどの様に来ようと既にステータスが俺はerrorと表示されて居る…。

 

 

 

——————

 

ベート・ローガ Lv5 狼人

ロキファミリア

 

力:B766

耐:C647

器:B729

敏:S965

魔: I 0

狩人:G

耐異常:G

拳打:G

魔防:H

 

《魔法》

【ハティ】

付与魔法、火属性、魔力吸収、損傷吸収

 

超長文詠唱

【戒められし、悪狼(フロス)の王。一傷、拘束(ゲルギア)。二傷、痛叫(ギオル)。三傷、打杭(セビテ)。飢えなる(ぜん)が唯一の希望。川を築き、血潮と交ざり、涙を洗え。癒さぬ傷よ、忘れるな。この怒りと憎悪、汝の惰弱と汝の烈火。世界(すべて)を憎み、摂理(すべて)を認め、(すべて)を枯らせ。傷を牙に、慟哭(こえ)猛哮(たけび)に———喪いし血肉(ともがら)を力に、解き放たれる縛鎖、轟く天叫。怒りの系譜よ、この身の代わりに月を喰らえ、数多を飲み干せ。その炎牙(きば)をもって———平らげろ】 【ハティ】

 

《スキル》

【月下狼哮】(ウールブヘジン)

月下でのみ使用可能、獣化する事で

全アビリティ超高補正、異常無効

 

【狐狼疾駆】(フェンリスヴォルフ)

走行速度強化

 

【双狼追駆】(ソルマーニ)

加速時の『力』『敏』アビリティ強化

 

 

——————

 

 

運命の時がやって来た、神ウラノスによって『許可する』そしてアナウンスは開始の合図を行った…。

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