『カット&ペースト』ダンジョンで好き勝手やるのは間違い? 作:仁611
ベート・ローガは自分の身体の異変に戸惑って居るが、容赦せずに鞘のまま両腕両足を突きで骨折させる。他の団員もステータスを奪って全員同じ事をして行くと、遂には残りはガレス・ランドロックのみとなった…。
「降参しませんか?」
「ワシにも冒険者として
※【独立不羈】他からの束縛を全く受けないこと。他から制御されることなく、みずからの考えで事を行うこと。
「それが冒険者として、最後に成ってもですか?」
「そうじゃの…それが年長者の務めの様な物じゃ」
「そうですか…」
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ガレス・ランドロック Lv6 ドワーフ
ロキファミリア
力:S997
耐:S996
器:D564
敏:E489
魔:H117
拳打:E
耐異常:G
魔防:E
破砕:H
堅守:H
《魔法》
【アースレイド】
地磁魔法『力』アビリティ値の効果影響
地面上でなければ発動不可
《スキル》
『力』の高補正
『耐』の高補正
魔法攻撃に対し強化
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ガレス・ランドロックは立つのもやっとの筈、武器は手から落としてしまうがそこに立ったままで居る…。こんな真っ直ぐな人からも奪う事をさせる神ロキのエゴが許せない。
鎧ごと彼を吹き飛ばす…
俺はまた泣いてしまうが、彼が起き上がらない事を見届けてから立ち去った…。全速力でバベルの30階へと行くと、神々の居る部屋の中に足を踏み入れる…。
「神ロキ…覚悟はありますか?」
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ロキ 狡知神
ロキファミリア主神
格:悪
《権能》
【変身】
【話術】
【賢知】
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俺は何のためらいも無く【権能】を奪い神と言うものをミアハ様に移すと、彼女は只のロキに成った…。彼女自身自分の身に何かが起こったのは間違い無く分かってる筈だ。
「そないなもんある訳無いやろ!それにウチのファミリアのうなったら、誰がこのオラリオ守るねん?」
「その様な事、貴方が心配する権利は無い」
「いい加減にせえや!?人間が!!」
「もう良いですよ…ミアハ様に、他に耐性が無い方は退出して下さいお願いします」
「私は最後まで見届ける…そなたの業は私の物でもある」
「分かりました。では要求します……
1、ロキファミリア全財産の受け渡し
※戦争不参加の者が持つ装備は譲渡する
2、戦争遊戯への参加者はオラリオ追放
3、神ロキは私の手で死罪
これが私の要求ですね。分かりましたか?ウラノス様私が手に掛けて罪に問われますか?」
『不問とする』
「なっ何でこんな事で送還されなあかんねん!?」
「こんな事で……私は貴方のファミリアの命を助けたのですよ?もしかしたら全滅も有り得た」
「そっそないな事頼んでへんわ!?」
「なら団員は死ねば良かったと?」
「そこまでは言うとらん!」
「もう言い訳は良いです…貴方は恩を仇で返した、彼等を助けた事を後悔してしまいそうになりましたよ」
俺が抜刀すると神々は俺より後ろに下がる、ロキは後退りながら「待ってぇな」と言い続けるが、俺は彼女の腕を切り飛ばす…。当然ではあるが、既に人間と言う存在だ腕が宙を舞って血飛沫が飛び散る。
「うがああああっ!?なっ何でやウチは神やで」
「貴女は既に人間ですよ…私の能力はどんな存在だろうと力を無くせる事が出来る、この意味考えて最後に言った『死罪』を考えて下さいね。ロキ…」
「待って来れん…この通りや」
「それを神は、見て見ぬ振りして来たでしょう?でもそれが神ですから平等と言えるのでしょうね。貴女が自分のエゴで戦争遊戯を宣言したのですから、眷属を駒に遊戯をして敗北なら貴女は責任を取るべきだと思いますよ?ミアハ様は恐らく同じ状況なら自ら命を断つぐらいの神でしょうね…貴女は見苦しい」
「まっ!?」
俺は彼女の額を細剣で貫くと、ミアハ様に振り向いて胸元で大泣きしてしまう…。
神ロキの遺体は俺自身が納めて、冒険者墓地近くの土地を買い上げて埋葬した…。ロキファミリア元幹部には涙ながらに、俺自身の信念に逆らわず行った事だから、憎んで来れて構わないと伝えると逆に恨めないし憎めないと言われた…。
墓地は俺がスコップで掘って行き、建てようとして居たら様々な人に助けられて、俺はこの罪を一生背負って行くが、神の横暴も人の悪意も見逃す事は出来ないだろうから、これからも罪は増えて行く未来が待ってると直感で感じてる…。
———改宗と団長
墓地を建て終わったのは既に夕方で、花を添えて帰ろうと振り向くと、そこには元ロキファミリアのメンバーが居た…。もしかしたら復讐かなと一瞬思ったが、それが誤解だと分かった。
彼等は全員が土下座をして謝って来たのだ。自分達のファミリアの不祥事を俺が全て精算した事に対し、彼等の悪評はロキの死によって全て消えて行ったからだ…。
俺の行いが無ければ、彼等元ロキファミリアのメンバーは、路頭に迷うか余り良く無いファミリアに改宗するしか無かったのだ…。そこで更に彼等の願い———ミアハファミリアに入れて欲しいと言う事だった。
「そこはミアハ様に頼んで下さい…私は別に貴方達が嫌いでは無いのですから、寧ろ殆どの方には良い印象がありますよ♪ちょっと恋の病を患わせ過ぎてる子が居ますけどね」
ホームに帰ってミアハ様に話しを聞くと、黄昏の館と資産は俺の名義だとまず言われて、何でと聞くと『シオリ・カルナの望み』と言うのがこの【戦争遊戯】での勝利報酬だったし、誰もファミリアが出場して無いだろうと言われたが確かにそうだった…。
元ロキファミリアから改宗を希望している方は、全部で69名でLv3からしか居ないと言う一つの上位ファミリア並みの戦力なのだ…。今回不参加だったメンバーでは1名以外全員が改宗して来た。
その1名はリーネ・アルシェと言うLv2だった事で、ベート・ローガに付いて行ったらしいのだ、69名の移籍でファミリアのランクがAに上がり、年間納税が大幅に上がってしまうがそこは仕方ない。
「ねえシオリ?」
「何ですかナァーザさん?」
「団長変わって欲しいんだけど…ダメ?」
「ええ〜面倒押し付けたいだけですよね〜?」
「その気持ちが無いとは言わないけど、正直に言うと深層にも一緒に行けないからね…その、やっぱり両方が可能な方が良いかな〜」
《ミアハファミリア》
(探索・医療の統括)
——【団長】シオリ・カルナ
(医療部門)
——【副団長】ナァーザ・エリスイス
——【副団長】アミッド・テアサナーレ
(探索部門)
——【副団長】フィン・ディムナ
——【副団長】リヴェリア・リヨス・アールヴ
方針は鍛練を行うなどは特に規制する気も無く、探索時の採取リストを渡されるぐらいなのと、調合補助を頼む場合がある事ぐらいだった。
「ついでに報告して置きますが『カドモスの泉水』私の部屋に無限に湧く樽が有りますから、明日ホームの改築以来をゴブニュにしますので、大きな貯水槽を設置して置きます」
「「「「「「へ?」」」」」
「あと実は、私が18階層で直ぐに戻って来たのも、私以外絶対作れない瞬間移動に近い魔導具のお陰です」
「「「「「「は?」」」」」
「シオリ?何言ってるのか、ちょっと理解出来ないわよ?」
「え?見ますか?」
俺は部屋からバックパックと木箱に、泉水が湧く樽を持って食堂に向かった。皆に実演すると大騒ぎになって、やって見たいと言われたので、内部に長居をしない事を条件に許可した。
「これ中に居る時気持ち悪いヨォ〜」
「簡単に説明したら、中に居る時は箱にもバックパックにも、同時に存在してるって事になるんだよ!?だから思考が重複して気持ち悪いってなってしまう」
「凄〜い♪」
「『カドモスの泉水』は現地に同じ仕組みを仕掛けて来たから、湧き続ける事が出来るんだよ」
「成る程な、その原理は私には分からんが確かに道理だな」
「これからの遠征は、私と数人で50階層に着いてから呼ぶか、もしくは50階層にお家でも作ろうか?」
全員が俺の発言が、ちょっとずれてる事に白い目で見て来るので、じゃあもう作らないって言うと、イヤイヤ頑張ってと言われたので自重しないねと言っておいた。