ラギアクルスに育てられたんですけど……え、呼吸法?何ソレ?   作:[]REiDo

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 今でも日間の加点式にランクインしていて驚き。
 週間に関しては40位に入ってたし。

 マジでどうしたんだろう?(不安)


粉骨砕竜! 共闘激戦!

 

 

 

 この一連の出来事が、冨岡義勇と胡蝶しのぶが森に入る約15分の間に起こったことであった。

 そして、

 

「やっと見つけたぞこのやろう」

 

 約30分ほど偽ブラキを探し続け、ようやく見つけた俺は、そこにいる誰かが攻撃されているのを目視して、偽ブラキの脚に神速の攻撃を繰り出した。

 

 バキィン!!!!と、偽ブラキの鉄柱の様な右前脚が折れる音がした後、仰反るように怯んで近くの木にぶつかる。

 

()()()()()()()()か……。俺もまだまだだな)

 

 太刀から放った“壱の型”での一撃は、偽ブラキの前脚を確かに折った。

 だが、それは()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

 スパッ、と豆腐の様に斬れない様では、まだ雷の速さに順応し斬れていないんだろう、と反省。

 まだ鍛錬が足りないのだろう。

 

「………」すたすた

 

 そう考えながら、俺は攻撃されていた誰かの方へ向けて歩き出す。

 そして、うずくまっているその女子を見た。

 

 ……一つ。

 そいつは女性で、超が付いていいほどの美人だった。

 蝶の羽根を模した髪飾りや羽織を着用している感じはなんとなく綺麗と思わせてしまう。

 

 問題の……二つ目。

 その女性は、刀を帯刀していた。

 

 ………いやいや、刀持ってる地点で明らかに一般人じゃ無いだろ。(お前がいうな)

 ?いやどうなんだ?この時代って刀の帯刀って日常茶飯事なのか?

 ていうか今、何時代だよ。あっちの世界はラギアがあの体験をして300年経ったって言ってたぞ。

 流石に明治は超えてるのか?だとしたら今はなんだ?まさか昭和なんてオチじゃ無いだろうな?

 

(まあ今はいいや)

 

 戦いの最中に必要ないであろう思考を中断。地面に倒れ伏した女性を見る。

 見たところ、背中から気に激突して呼吸困難に陥っているようだ。

 

(ブラキの攻撃をまともに喰らったってことは、最低限の受け身を取れているっぽいな。粘菌もべったり服に付いてるし)

 

 黄色く変色している粘菌を見てその女性の状況を理解。即座にポーチから消臭玉を取り出す。

 と、その前に……

 

「だめじゃねえか。大型のモンスターとの戦いは全力の一撃勝負が基本だ。みみっちい攻撃なんかいくらした所でコイツの生命(いのち)には届かねえよ」

 

 その女性に警告するよう、叱っておく。

 怯んでいる偽ブラキを見たところ、傷ついている箇所が左前脚の先端面しかなかった。

 つまり、それまで一撃一撃が届かないような攻撃をしていたということだ。

 

 そんなことでは、いつまで経っても倒すことなんて出来はしない。

 

 その女性は、突然現れた俺を見て驚きの表情をした。

 まあ、そんなことは御構い無し。

 ポイ、とその女性の頭に、俺は消臭玉を捨てるように投げつける。

 

 じきにその粘液が乾いて取れる、と言い残し俺は再び偽ブラキに立ち向かおうとしたところにーーー

 

「…あなたは一体誰なんですか?」

 

 そう聞かれる。

 

 …………どうしよう。俺の事情って簡単に話していいものなのか?

 でももうモンスター出てきてるし普通に狩人って答えるだけでも……

 いやいやいや、この世界にそんな奴絶対いないだろ。

 

「ん? そーだな……。正義の味方じゃねえし、転生者?つってもわかんねえだろうしな……放浪者?いやここに来たの今さっきだし……むぅ……」

 

 大困惑である。

 そもそも、まともに人と話すことなんてもう6年はしていないし。

 ラギアとは会話していたから、できるだけのコミュニケーションは取れるけどいつも口じゃなく頭で話してたし。

 

「あ、あの〜?」

 

 その女性も戸惑うように心配してきてくれる。

 

 すいません。俺、前世だと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 全部俺が悪いんです。ほんっとにすいません。

 コミュ障ですいません。生まれてきてすいません。

 

(あ〜くそ!!どうにでもなれ!!)

 

「……めんど。ただの一般人って解釈でいいよ。さてと、話は後だ。さっさとあの偽ブラキを一緒に片付けるぞ」

「私もですか!?」

「当たりまえだ。一人より二人の方が効率いいからな。それに、アレとやり合ってたってことはアンタもなんかの呼吸使いだろ?」

 

 考えるのをやめ、自暴自棄を起こすようにその女に話しかける。

 平然と話しているようだが、内心ビックビクで背中と頬からは冷や汗が止まらずで続けている。

 

(そういや、前世だと俺どんな喋り方してったけな?もう覚えてないけど)

 

 流れであんな話し方をしてしまったが……まあ良い。

 今後もこのキャラで通すことになりそうだなぁ……(遠い目)

 

「アンタ、名前は?」

 

 連携で戦うからにはお互いに名前を知っておかなければいけないため、割と自然に聞き出そうとその女子に問う。

 ……大丈夫だよな。いきなり名前聞かれて引いたりしてないよな?

 

「あ、はい。胡蝶しのぶと言います」

 

 あ、よかった。引かれてない。

 胡蝶しのぶ、か。……まあ、服装と似て名前にも『蝶』が入っているんだろうけど。

 それにしても、『蝶』を押し売りしているよな。セールスマン並みに。

 

 まあ、呼び方に関してはしのぶで良いかな。胡蝶ってなんか呼び捨てにしてる感強いし。(違う)(6年間、人と接してこなかった弊害)

 

「そっか。んじゃあしのぶ、さっさとアレ片付けて話し合いと行こうぜ!」

 

 そう言って、俺は手に持った太刀に力を入れる。

 さっきは余裕こいて逃してしまったが、次は逃がさない。

 

 最初から全力全開で、この偽ブラキを駆除してやる。

 

「海電の呼吸 陸の型 紫電一閃!」

 

 そう言った時……ちょっとにやけてしまった。

 いや、誰かと共闘するなんて初めてだし、なんだったらこの世界に来る前に楽しみにしてたから。

 ……誰だって、初めての体験は楽しみになるよね。ね!。(押し付け)

 

 


 

 

 

 ザンッ!!バシィ!!ザンッ!!、と剣が肉を断ち、雷の如く移動する音が辺りに響き渡る。

 一度、相手の肉体を斬り落としては神速の速さで移動。そしてその繰り返し。そんな戦闘がこの森では行われていた。

 

 状況は青い稲妻を身に纏わせて攻撃している側が圧倒的に優勢である。

 擦り怪我の一つもなく、攻撃し続ける姿はまさに鬼神と言っても過言ではなかった。

 

 だがーー

 

 

(ちぃ!!)

 

 

 咆哮を荒げながら肉体を切られ続けているソレは、ボコボコと音を立て、斬られた箇所を再生、復元して再び猛威を振るおうと試みる。

 時3分。斬り尽くしたであろう100以上の肉片はその姿を塵に変え、再びその怪物の肉体へと戻っていく。

 

 

(これで137か。このヤロウ、いつまで回復は続くんだ?そろそろ蓄電が切れるぞ)

 

 

 続き続ける攻手一方の状況に不安を感じる。

 ジンオウガから授かったペンダントの電力が少なくなってきた。そろそろ()()がしたい。

 

 “陸の型”は常時、俺自身に放電を浴びせなければ高速移動を可能としないのだ。

 充電方法は、自然の雷を自身に浴びせペンダントに電力を送るか、自然発生する静電気をコツコツと貯めることしか方法がない。

 

 

(それに、切れ味も心配だ。そろそろ砥石で研ぎたいところだが……)

 

 

 猛撃が続く中、枝の上に立ち呼吸が落ち着いて応戦をしてくれているしのぶへと話しかける。

 

「しのぶ!こいつの動きを止めることはできるか!?」

 

 しのぶは顎に人差し指と親指を当てながら、

 

「肉体部に私の刀が当たってくれればなんとか!私の毒なら倒すことも容易ではありますが」

「肉体部ってことは体の内部ってことだな。だったなんとかなる!」

 

 太刀を強く握り直す。

 狙うは周りに振り回し続け、木をバキバキとへし折りまくっている尻尾。

 

 

 “海電の呼吸 参ノ型 雷水全断”

 

 

 刃の上で超高速で回る海水。その上に電撃を乗せ空気抵抗を無くし、ダイアモンドすら斬れる一刀を放つ。

 ズバァッ!と、前脚より柔らかい尻尾は持ち主の肉体を離れ地面にこぼれ落ちる。

 

「今だ!しのぶ!」

「!」

 

 しのぶは、斬られた断面に移動し、傷口にその刀を振るう。

 

 

 ”蟲の型 蜻蛉ノ舞 複眼六角“

 

 

 超高速の突き技。

 しのぶから放たれたのその技は、傷口を6箇所ほど突いた。

 

 

 胡蝶しのぶは、鬼の頸を斬ることが出来ない。

 『鬼殺隊』の女性隊士の中でも特に小柄で華奢な人物であり、その分瞬発力や移動速度に優れてはいる。が、同様の理由から柱の中で唯一鬼の頚を斬ることができない剣士でもある。

 しかし、薬学に精通し、藤の花から「鬼を殺せる毒」を作り出した張本人だ。

 

 それらを利用し、胡蝶しのぶは鬼を毒殺するという偉業を成し遂げ、柱の一角となったのだ。

 

 そして、今程傷口に突いた毒は、その藤の花から作った毒である。

 並の鬼であるならば、即死。

 下弦、上弦の鬼でも分解するのに時間がかかるため動きを止めることは容易い。

 

 

 だが、そこに例外が存在したなら?

 

 鬼でもなく、ましてやモンスターでもない。

 そんな例外が存在したならどうだ?

 

『GU…GAAァAァAA!!!!!』

 

 その怪物は、付いてもいない尻尾を振り回す。

 勿論、リーチが足りない分振り回した先がしのぶに接触することはなかった。

 風圧だけが体を押し、仰反るだけで済んだ。

 

 だが、問題はそこではない。

 

「毒が――効いていない!?」

 

 対象に向けて刺した毒は、足元を少しだけ痙攣させるだけで、倒れる、体が崩れ去るなどの症状は出なかったのだ。

 二度語るが、しのぶが刺した毒は、鬼を即死させる程の強力な効能を持つ。 

 

「元々こいつらに毒の耐性は結構付いてるからな! 毒で1発即死、なんて夢は見ないほうがいいぞ!足もとをすくわれるからよ!」

 

 しのぶの反対方面、木の後ろで武器を研いでいる海斗はそう言う。

 

(なんですかそれは!?)

 

 あまりにも理不尽だとしのぶは嘆く。

 仕方がない。元々は異世界からやってきたイレギュラー。元のルールが通用するとは限らないのだ。

 

「っし!武器は研ぎ終わった。()()()()()()()()()

 

 その言葉と共に、誰かが森の奥から飛び出した。

 それは、しのぶが知っている人間。無口でぶっきらぼうだが実力は確かな、同じ柱の一角。

 

「俺に指図をするな」

 

 冨岡義勇、水柱の名を持つ剣士である。

 

 


 

 

(しのぶが時間を稼いでいる隙に……!)

 

 俺は、粘膜の接触防止のため、急いで木に後ろに隠れ、すぐさまポーチから砥石を取り出す。

 基本、あの世界では長期戦をすることがないため使う機会があんまりなかったが、この状況では仕方ない。

 何しろ、何度も血肉を切った時の返り血で剣がベトベト、血糊で切れ味も落ちかけている。

 

 斬れきれず、反撃を喰らう。…なんてこともあっちではあったから念用に保険をかけるくせがついてしまった。

 

「……あ?」

 

 ザザッ、と草をかき分ける音が聞こえ、反射反応で警戒態勢を取る。

 

「…………」

 

 草をかき分けて出てきたのは、刀を持ち、左右で違う柄を継いだような羽織を着用した男。

 右半分が色付きの無地、左半分は亀甲模様の着物。

 

 一目見た俺はこう思ってしまう。

 

(…………服のセンスねぇ――…)

 

 正直な話、ちょっと引いた。

 いやだって明らかに格好がおかしいもん。それとも何か?この格好が今の標準なのか?だとしたらおれもっと引くぞ。

 

「……何をしている」

 

 あっちの方から話しかけられる。答えるが、その間も俺は武器研ぎを止めない。

 

「見りゃわかるだろ。戦ってんだよアレと」

 

 ほれ、と俺はしのぶが傷口に刀を突いている瞬間の場所を指差す。

 

「そうか。なら今すぐこの森を出ろ。アレは俺が倒す」

 

 ……………あれ? 今、会話成立したか?

 

「いやいや、アンタだけじゃアレ相手はキツいだろ」

「問題ない。右肩を外しているが、アレを倒すのには十分だ」

「いや嘘だろ。アンタ顔青ざめてんぞ。だいぶ痛むんだろ」

「問題ないと言っている」

 

 不毛な言い合いに発展。

 ……こいつアレだ。空気読めないタイプだろ。

 話したいことが上手く話せなくて他の奴らから嫌われるような典型的なコミュ障だろ。 え?何でわかるって?……言わせんなよ?(怒)

 

「………ちょっと見せてみろ。応急処置ぐらいしてやる」

 

 このままだと自殺願望を持ったまま偽ブラキに向かっていきそうなため、研ぎを一時中断しその男に近づく。

 

「…………何故見ず知らずの人間に怪我を見せなければーーー」

「いいから見せろ馬鹿!というより大人しくしろ!」

 

 抵抗する素振りを見せるから、無理やり近づいて右肩の布をひっぺがす。

 こういう相手は、話させずに猪突猛進のごとく攻め入るほうが話が早い。

 

(大きく腫れてんな。これは…打撲か? いや違う、肩の位置が少しずれてんな。脱臼といったところか)

 

 どうやら、外れた骨を無理にくっつけたみたいだ。

 

(無理してるぽいが、だいぶ痛いんだろうな。こんな蜂に刺されたみたいに大きく腫れて…)

 

 顔を青く染めるのも無理はない。

 俺は、ポーチから、飲んで体調を整えるのもあり、塗って傷を塞ぐのもありの万能薬『回復薬』を取り出した。

 

「…………おいお前。何をするーー」

「いいから。ちょっと痛むぞ」

 

 指先から電気を放電させ、羽織の男の右肩に肌を焼き焦がすほどの電気を放つ。少し顔が歪んでいたが気にはしない。

 こうするのは理由がある。

 

 まずは傷口の消毒。

 この男は言っていなかったが、多分あの偽ブラキの攻撃を食らって怪我をしたんだと思う。

 仮にも、粘菌だらけのモンスター。どんな菌が付いているかも分からない。

 念には念を入れたほうがいいだろう。

 

 そして、回復薬の浸透をしやすくする。

 硬い皮膚を焼き焦がして、回復薬を塗った際、細胞の隅々まで浸透させるのだ。

 これをすることによって1から5ぐらいの差が生まれる。

 言いやすくすると、5時間もすれば完治する。

 

 ……ほんと、いつもお世話になってます『回復薬』先輩。これからもよろしく。

 

「ところでアンタ誰なんだ? 刀持ってるってことはしのぶの知り合いなのか?」

「…………それがどうした」

「いや、だったら一緒にアレ倒さないか?さっさと倒したほうが肩の負傷が悪化せずに済むぞ」

 

 ウッ、と事実を言われたのがシャクなのか言い籠る。

 羽織の男は諦めたように、

 

「………いいだろう。足は引っ張ってくれるなよ」

「いや負傷者に言われたくはないよ」

 

 と言ったが、俺がもう一回正論を言い再び言い籠る。この状況では完全に俺の主導権だ。文句は言わせん。

 

「アンタ、名前は?」

「………冨岡義勇」

「そっか。じゃあ義勇。ちょっとしのぶの援護を頼む。俺はちょっとアイツを倒す準備をするから」

 

 策はある。

 ただ、それは少し準備ーーー電力の充電が必要だ。

 研ぎもまだ終わっていない。

 故に、時間稼ぎが必要だ。アレを完全に打倒するための一手を準備しなければいけない。

 

 そして、所有時間1分の作戦会議を行う。

 

「アレの頸は斬れるか?」

「止まっているならば何とかなる。ただ、動いているとなると今の俺では少し難しい」

 

「…………………(作戦内容中略)というわけで、お前には決め手を頼んだ」

「……わかった。そうするしかないのだろう。なら仕方がない」

 

 そんじゃ……行きますか!

 

「っし!武器は研ぎ終わった。後は頼んだぞ義勇!」

「俺に指図をするな」

 

 

 行くぞ偽ブラキ。生命を冒涜した罪をその身で味わうんだな!

 

 

 





 総合評価が1000行きそう……

 やべぇ。どうしよう。すごい緊張する。


ワールド(アイスボーンも含む)のモンス入れる?

  • 入れる
  • 入れない
  • 入れる(後そんな事より、とにかく書け)
  • 入れない(後そんな事より、早く書け)

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